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回転不足判定が厳しくなってきたのは、バンクーバーの2季前からだ。しかもあのころは、基礎点が1回転下のジャンプのものになり、GOEでもマイナスされるという、今から考えると信じられないようなルールがまかりとおっていた。これをMizumizuは、「安藤・浅田には金メダルを獲らせないルール」だと断言した。この2人の天才の強みは、4サルコウ3アクセルという大技のほかにも、セカンドにトリプルループを跳ぶことができるという点にあり、いくらキム・ヨナ選手が大きさのある素晴らしいトリプルフリップ(当時)+トリプルトゥループを跳んで加点をもらっても、安藤選手が3ルッツ+3ループを降りれば、得点の上ではキム選手の連続ジャンプを上回っていたし、http://www.isuresults.com/results/wc2007/wc07_Ladies_FS_scores.pdf浅田選手の3フリップ+3ループがキム選手の連続ジャンプの得点を上回ることもあった。http://www.isuresults.com/results/wc2008/WC08_Ladies_SP_Scores.pdf基礎点を重視したルール運用がガラリと変わり、回転不足の大幅減点と質のよい要素を積極的に加点で評価するという「流れ」が出来てから、キム選手は非常に強くなった。「トータル・パッケージ」なんていう、今やすでに(あっという間に)死語になってしまった新用語が闊歩し、キム選手は、確率はよくはなかったが元来跳べていた単独の3ループさえプログラムから外してきた。ダブルアクセルを跳べば加点で3ループ並みの点がもらえるのだ。しかも、今と違って3回も入れることができた。こういう状況下で、「なぜ、わざわざ難しい道を行く必要があるのか」――それがキム選手の理屈だった。この考えが、キム選手の五輪二連覇を阻む遠因になったのは明らかだが、ともかくもキム選手はバンクーバーで素晴らしい演技で金メダルを獲得した。とはいえ、銀メダリストにあまりの大差をつけた勝利、続くワールドでの精彩を欠いた演技への高得点に、ほとんどフィギュアの採点には関心のなかった一般人にも採点に対する疑問・疑念を抱かせる結果になった。プルシェンコを中心とした「4回転論争」などもあって、ルールは慌てて改正される。ほんのわずかな回転不足が、その下のジャンプの失敗と同じになるという無茶苦茶な「バンクーバー特製ルール・2年限定バージョン」はなくなり、かわって「中間点」(基礎点の7割)という意味不明な概念が導入される。連盟の関係者は、「減点が緩和された」と説明したが、もともとなかった「中間点」を設けることには初めから賛否両論があった。中間点には、そもそも問題が多い。新採点システムの「客観的な基準」の柱である基礎点を3人の技術審判の判定で「減じて」しまうことが適当なのかどうか。それについて十分に議論を尽くす時間もなく、とりあえずの「減点緩和」として導入した感じだ。今季、エッジ違反に対してもこれが適用されることになったが、これもとりあえずの「減点強化」に使われた感がある。だが、それでは、GOEは元来なんのためにあっただろう? ジャンプの質を判断するためのもので、回転不足にしろ、エッジ違反にしろ、もともとはGOEで判断すべき範疇のことではないだろうか? 実際に過去はGOEで回転や踏切の正確さを反映させてきた。GOEに反映させるだけでは、回転不足やエッジ違反の減点が少なく、したがって、なかなか正しい技術を習得するモチベーションにならず、選手はグリ降りや不正エッジをなかなか矯正しようとしないために減点を厳しくした、というのが聞こえてくるISUの理屈らしい。それはそれで一理あるが、それならば一貫性のある、ブレのない、「正しい」ジャッジングができることが前提条件でなければならない。2014年の4大陸女子のジャッジ・スコアを見て、あれが今回の全日本と同じ基準で判定されたなどという強弁を誰が信じるだろう? 日本女子とロシア女子の「回り切る力」の差について言及したのはMizumizuだし、この現状を見て日本スケート連盟が焦るのも、わかる。だが、今回の回転不足の取りかたを見ると、世界に向かって「日本女子はジャンプがこ~んなに回転不足です。どんどん取っちゃってください」と宣言したようなものだ。仮に技術審判が、すんばらしい「目」をもっており(プッ…失礼)、一切の政治的な圧力や私情に左右されない、神のごとき資質の持ち主だったとしても(ププッ…失礼)、判定に使えるカメラは1台で、場所によっては「盲点」になるところがある(つまり、よく見えない場所がある)のは、すでに佐野稔氏がテレビで、イラストを使って説明している。そして、カメラを増やせない理由は、テレビの生中継などもあり、スピーディな運営を求められているためだと話している。ジャッジによって甘かったり辛かったりするのは、もう隠しようがない。それはジャッジの能力あるいは認識の違いがまず第一にある。それに加えて、カメラが1台という物理的な制約がさらに正確なジャッジングを阻んでいる。今回の女子の技術審判の判定について、小塚選手が、批判・提言を行ったが、「スペシャリストやジャッジによって判定が全然違って」いるという現状を指摘したうえで、「詳細な基準」が必要ではないかと言っている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141229-00000106-spnavi-spo(前日の記者会見での回転不足に関する発言について)選手が言うべきではないというのは分かっていますけど、一個人として、知識を持ち合わせた観客として見た意見です。回転不足(という判定)が女子では多く、それを気にしてタイミングを外したり、力んでしまい「女子ってすごいね、怖いね」と男子でも感じる思い切りのよさや勢いが、影をひそめたと感じています。(女子の選手は)回転不足を意識していると思います。パンクしたり、ステップアウトしたりというのは、間違いなく力んだり、高く上がって、いつもと違う感覚で下りているのは、男子のみんなと見ていても「パンクが多いね」というのは(話していました)。いつもの全日本の雰囲気だったり、勢いだったりを感じられなかったのは残念だったなと思います。 (回転を)全部認めろとは言わないですけど、詳細に基準を決めるといったことがあってもいいのかなと。ジャッジやスペシャリストによって、判定が全然違ってくるようなことは考え直してもらえると……。みんなが引きこもったような感じはなくなっていくのかなと思います。全日本のみんながはつらつとした演技が、男子が終わった後の女子で見たいと思います。(リスクのある発言では?)個人として言うと、ジャッジに評価してもらう者として、言うべきではないとわかっています。誰かが言わないと変わらないと思いますし、それが「よし」とされる世界ではよくないと思います。最年長ですし、誰が言うかといえば、僕しか言える立場の人はいないのかなと思います。意見して文句を言うのではなく、話をして切り捨ててもらってもいいと思います。受け入れられても、切り捨てられてでも、とにかく耳に入れて考えてもらうだけでも十分だと思い発言しました。こうしたことを公けの場で口にするということは、小塚選手はもう現役に未練はないのだろうなと寂しい気持ちになると同時に、現役の選手が口にせざるを得ないほど、選手にとってはひどい状況だということだろうとも思う。もちろん、詳細なガイドラインを策定し直し、ジャッジを訓練してより一貫性のあるジャッジングをしていくというのは理想的だが、そもそも猫の目のようにくるくる変わるルールで、運用上の問題を解決するために、そこまでの時間とコストを割く意味があるのか。さらに「意味がある」というコンセンサスができたとして、それが現実に実行・実施できるのか、という問題はどうしても残る。今だって明確な基準はある。4分の1に満たない回転不足なら認定すべきなのだ。「ソチ五輪は厳しかった」とMizumizuは書いたが、若干の回転不足なら認定されている例もある。たとえば浅田選手のフリー。https://www.youtube.com/watch?v=qzUtlORMOxo冒頭のトリプルアクセルは完璧に決めたようにも見えるが、この動画のスロー再生を見ると、やはり若干降りてから回っている。このトリプルアクセルはなぜ認定されたのか?若干足りないものの認定の範囲だと技術審判が判断したのかもしれない。だが、カメラの位置が悪くて回転不足が見えなかったのかもしれない。あるいは、もう浅田選手はメダル争いから脱落しているから、「政治的な判断」で厳しく取られなかったのかもしれない。これがソトニコワ選手やキム選手と金メダルを争っていたら、あ~ら不思議、きっちり回転不足判定されて、得点がさらに伸びず…なんて結果になっていたかもしれない。回転不足判定には常にこうしたグレーの部分がつきまとい、恣意的な運用だけでなく、ある種の政治的な意図をもった判定を行うことも可能になっている。「4分の1」という一見明確なラインが、逆に判定を不透明なものにしているのだ。実際にそれがなされているかどうかということよりも、客観性を重んじる新採点システムの理念を鑑みたとき、こうした「グレー」な部分は、なるたけ排除するように努めるべできはないか。Mizumizuとしては、アンダーローテーション判定を着氷時だけでなく離氷時から厳しくチェックして取り締まりたいというなら、それはそれでやっていいと思う。なんなら「4分の1」ラインも撤廃していい。ただし、それによって「基礎点」はいじるべきではない。技術審判がアンダーローテーション判定し、演技審判がGOEにそれを反映させる。GOEは最終的に必ずマイナスにすべきとしてもいいし、現行の3段階の加点・減点評価を5段階ぐらいに増やして細分化してもいい。GOEがプラスの方向にもマイナスの方向にも3つしかないというのは、あまりにざっくりとしすぎていないだろうか?もともと新採点システムは拮抗してくる選手の技術を客観的に細かく評価するために作られた。コンマ何点のレベルを上げるために選手は努力を積み重ねている。だから、回転不足やエッジ違反でも、判定による減点で大きな差はつけないが、細かく正確に差がつくという方針を貫けばいいのだ。それはつまり、07/08シーズン以前の状態にいったん戻すということを意味する。そのうえで、GOEで細かく評価していく。基礎点は今のように3回転と4回転の差を広げる必要はなく、なんなら3回転の基礎点を上げて、4回転に接近させてもいい。現行ルールの2回転と3回転、3回転と4回転のジャンプの基礎点の差の大きさが「ハイリスク・ハイリターン」となって、得点の大きな波にもつながり、選手間の実力差以上の点差が開きすぎるという弊害にもなっている。現行のダウングレード判定は、「2分の1」不足というルール基準より実際には厳しく取られている感もある。ここは運用でダウングレード判定をもう少しゆるく取るようにする。「明らかに」2分の1足りないジャンプというのは、基本誰が見ても「大いなる失敗ジャンプ」と映るから、その下のジャンプの基礎点になるという今のやり方で問題はないと思う。こういうルールなら、判定のブレがたとえあっても、点数に過剰に反映されることはない。選手間に大きな差はつきにくく、勝負も「点が出るまでわからない」おもしろいものになるだろう。誰も困らない公平なルールだ。困る人がいるとしたら、勝つ選手をあらかじめ決めておきたい誰かだけ。だから、順位操作がわりあい簡単にできる余地のある今のようなシステムは、維持されるだろうなと思う次第。
2015.01.11
今回の全日本フィギュアスケート選手権。女子シングル女王の座に輝いたのは、大方の予想であった(だろう)村上選手でも、グランプリファイナルに出場して勢いにのる本郷選手でもなく、この2人と違ってルッツにエッジ違反がなく、ダブルアクセルのあとにつける3トゥループがほぼ回転不足なく跳べる宮原選手。はからずも、Mizumizuが指摘した「女王の条件」に、より適った選手の勝利となった。感動的な宮原選手の初優勝。フリーの『ミス・サイゴン』は、「出色の出来」「2年かけて熟成させてほしいぐらい」と手放しで絶賛したMizumizuとしても、131.12点という高得点には、「やっとマトモな点が出たよ」という気分だった。選手本人よりも狂喜していた(笑)コーチの姿も感動的だった。130点超えという点から見て、ジャンプはかなり認定されたと思ったし、ルッツを1つ単独にして、2A+3Tを後半に2つ入れたジャンプ構成も成功したのだと思った。ところがところが、後日公表されたジャッジスコアを見て驚愕!なんじゃこりゃ!!久々にぶっ飛んだ。女子選手にはショートからもう、アンダーローテーション判定の嵐! こんな「血祭り」ぶりを見るのは何年ぶりだろう? いや、もしかしたら初めてかもしれない。http://www.jsfresults.com/ショートで村上選手の点数が異様に低かったから、判定の、いわゆる、世にいう「厳しさ」(とあえて言う理由は後からお分かりいただけると思う)は予想していたが、村上選手だけではない。ショートからもう、宮原選手のトリプルルッツ+トリプルトゥループは両方とも「<」、フリーにいたっては、単独フリップ、単独ルッツ、最後の2A+3Tのうちの2Aにも「<」。本郷選手もフリーでは、セカンドの3T「<」。サルコウは単独も3連続も「<」。村上選手にいたってはもう、最後の単独2Aでも取られ、認定された3回転ジャンプが2つだけって…絶句。「もう6年以上やって、回転不足判定もそれなりにこなれて」と書いたMizumizuも、前言を撤回しなければいけないだろう。相変わらず、判定はぐっちゃぐちゃだと。今季は確かに、「ソチ基準」で判定は昨季よりは厳しかった。たとえばソチ直前の四大陸を見ると、女子の判定は明らかにゆるく、今回「まともに3回転ジャンプが跳べない選手」にされてしまった村上選手も、ジャンプが低くてギリギリ感のある宮原選手も、「<」判定は数えるほどしかない。http://www.isuresults.com/results/fc2014/fc2014_Ladies_FS_Scores.pdfこのジャッジスコアを見たら、期待しませんか? ソチの村上選手の活躍。本人もコーチも「いける」と思ったハズだ。宮原選手もショートこそ回転不足を取られたが、フリーは非常にキレイなプロトコルになっている。ちなみに同じ四大陸でも、男子の4回転に対する判定は厳しく、小塚選手・テン選手の4Tに対するダウングレード判定には、「えっ?」と思ったのだ。いや、回転不足はその通りだが、まさか「<<」とは。だが、考えてほしい。「ソチ基準」なんてのは、Mizumizuが便宜上作った造語であって、元来、ルールブックに記された判定基準はずっと同じハズなのだ。ところが、試合によって判定がゆるくなったり、「厳しく」なったりする。ここで注意してほしいのは、「厳しく」取る技術審判が、「正確にジャッジできる」審判だということにはならない、ということだ。4分の1の不足か否かという判定のラインを正確に判断できないから、実際には4分の1を超えない範囲の回転不足であっても、取ってしまっているのかもしれない。「今回はジャッジが厳しかったですね~」と言うと、あたかもそのジャッジが「回転不足を見逃してくれなかった。正確に、厳しく見ていた」という印象になるが、そんな証拠はどこにもない。認定すべき4分の1を超えない範囲の回転不足ジャンプまで、アンダーローテーション判定していた可能性だってあるのだ。「それなりにこなれて」と書いたのは、ここのところアンダーローテーションを取られるジャンプというのは、早めに「ひらいて」降りてしまい、トゥを回してごまかす「グリ降り」がほとんどで、それが何分の1足りないかまではハッキリ言えないにしろ、ある程度一貫性があったからだ。しかし、この全日本女子に関してはわからない。ギリギリかもしれないが、エッジで降りているジャンプでも取られている印象。というか、あんまり「<」が多すぎて、テレビでは全部アップ&スローにはならないから、何をもって技術審判が判断したか、よくわからないのだ。日本女子のジャンプが、ロシア女子に比べるとかなり疑わしく、これは深刻な問題だと指摘したのは、誰でもないMizumizu自身だが、それと判定の一貫性はまた別の問題。疑わしいジャンプだからといって、あれもこれも回転不足判定をするのは、本当に正しいジャッジングと言えるのか?この問題はバンクーバー以前からあった。今ほど一般には知られていなかったが、むしろバンク―バー以前(回転不足判定が「厳密化」されたバンクーバー五輪2年前以降)のが酷かったのだ。キム・ヨナ選手の3ルッツが回転不足判定されたとき、オーサーが「ここで軸が傾いたから…」と判定の理由を説明している人に、「回ってる!」と、ものすごい剣幕でまくしたて、「ミキ・アンドーは(セカンドにつけた)ループを跳ぶ前から回ってるのに認定された!」と大立ち回りを演じている動画が出回ったのはよく知られている。それ以降もキム・ヨナ選手の、特にフリーの2度目のルッツは、回転があやしいこともあったが、不思議に(←もちろん皮肉です)認定されていた。また、大きな武器である3回転3回転のセカンドもあやしいことがあり、ファンの間では、「意図的に見逃されているのでは?」という噂(苦笑)も出ていた。バンクーバー直前の日本での試合(グランプリファイナル)で、ついに回転不足判定(当時はダウングレード)され、http://ja.wikipedia.org/wiki/2009/2010_ISU%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%AB韓国メディアは、「このスペシャリストはキム・ヨナの天敵(以前にフリップの違反を取った人物だったため)」「日本での試合だから不公平な判定がなされた」と大騒ぎ。キム選手自身も韓国メディアに対して、「大きく目を開いて見たが、回りきっていた」と誤審をアピールした。バンクーバー五輪もそうした流れで「厳しく」判定がされるのかと思いきや、突然判定は全般的に甘くなり、当時あまり判定の甘辛には詳しくなかった日本のメディアさえ、「回転不足判定は甘め」と書いた。ところが、その直後のトリノワールドでは、またも厳しくなり、その試合でスペシャリストを務めた天野真氏に対して、日本のメディアが「オリンピックより厳しかったのでは」と質問したところ、「厳しかったかどうかは自分ではわからないが、回転不足が増えたのは、選手にオリンピックの疲れもあったのでは」と答えている。なんというか、試合ごとに「技術審判の勝手でしょ」の判定基準が適用されている感じだった。それでも、その試合、ひと試合の中で一貫性があれば(全般的に甘めとか辛めとか)、まあよしとしようと…と誰が言ったわけもないが、「人間のやることだし」…そんな「感じ」で運用されてきた。1つ重要なことで、技術審判の名誉(苦笑)のためにも確認しておきたいのは、甘かろうか辛かろうが、どこから誰が見ても回りきって降りてきているジャンプが回転不足判定されるということは絶対にないということだ。たとえば、樋口選手のフリーのダブルアクセル+トリプルトゥループ。この3Tを見たときは、「うはっ!」と唸ってしまったが、あのくらい完璧ならば、疑惑の判定は起こりえない。ってか、それって当たり前の当たり前ですよね(爆)。問題になるのはグレーなジャンプであって、あっちから見たら回っているように見えるが、こっちから見たら、あれ? 足りない? と見えるジャンプ。だから、選手としたら、グレーゾーンから完璧にぬけるジャンプを目指すべきは当然なのだが、それとジャッジが正確に「4分の1」ラインを判定できているのかどうかは分けて考えるべき事柄だし、回転不足判定で基礎点減という大きな減点をする以上、一貫性・正確性を担保する努力はしてしかるべきだと思う。6年以上やってきて、まだこれほど判定にブレがあるというのは、結局のところ、スペシャリストが正確に、一貫性のあるジャッジをするのは無理だということではないか?というか、それは常識的に考えてもわかる。あの広いリンク。あちこちで跳ぶジャンプ。判定に使われるカメラは1台で、「増やせないのか?」というメディアからの質問に対しては、「時間がかかりすぎるからできない」(佐野稔氏)。誤審がたとえあったとしても、「かわいそうだが、それもスポーツの運・不運」(同氏)。どうしてこんな無茶苦茶な言いぐさがまかり通るのか、本当に理解できない。
2015.01.04
年末のカウントダウンをハウステンボスで迎えたMizumizu。カウントダウンのお祭り騒ぎはニューヨークでこりて、以来あまり賑やかなところには行かなかったのだが、ハウステンボスのイルミネーションのCMを見て興味を引かれ(笑)、31日はカウントダウン花火もあがるというので、全部一度で楽しめる31日を選んで行ってみた。結論から言うと、予想以上に楽しめたのだが、それでもハウステンボスでの年越しは1度でいいかなという印象。で、今日は宿泊したフォレストヴィラについて、今後行くかもしれない方への参考になりそうな実務情報をレポしようと思う。フォレストヴィラはハウステンボスの他の場内ホテルと違い、2階建てのテラスハウスになっていて、大人数で泊まるのに適したホテルになっている。定員は5名までで、今回Mizumizuご一行は5人で1棟を借りるカタチで宿泊。年末ということもあって宿泊費は高く、食事なしで5人で税・サービス料コミで9万円ポッキリ。ベッドが4台しかないので、エキストラベッドが1台入る。が…このエキストラベッドの「貧相ぶり」には衝撃を受けた。一応、一人アタマ素泊まり1万8000円といったら、いくらハイシーズンプライスとはいえ「高級ホテル」の値段だと言っていいのでは?エキストラベッドに寝る人間だって、同じく1万8000円を払っていることになる。なのにそのベッドときたら…! ハリガネのように細く、したがってギシギシうるさいスプリングに、へたれまくって凹の字に変形したマットレスがのっている。そこらのビジネスホテルのエキストラベッドでも、ここまで安っぽいお品は珍しいのではないだろうか。自分たちがゲストからいくら取ってるか、その感覚がないのだろうか。あるいは、ローシーズンはとても安いから、こんなものでいいと思ってるのだろうか。サービスを提供する側の感覚が理解できないが、一応それなりのホテルのつもりで来たMizumizuには、信じられないクオリティのベッドだった。今回はどうにもならないから、今後のゲストのためにもせめてマットレスぐらいは、新しいヘタレていないものを入れて欲しい旨、クレームしたのだが…まぁ、日本人によくある、「申し訳ございません。今後はこのようなことがないように…」「貴重なご意見をありがとうございました」というマニュアル通りの答えが返ってきただけなので、おそらく頭下げてやり過ごしたら、あとはほったらかしだろうな。他の普通のベッドとあまりに違う、あのザ・ヘタレ・エキストラベッドに、これまで誰も怒らなかったなんてありえないと思うのだ。エキストラベッドには驚かされたが、清掃は予想以上に行き届いていて、快適だった。内装は高級感を出したものではなく、ちょっとした別荘にお呼ばれした気分が味わえるもの。ざっくり言ってしまえば、住宅展示場にある一般家庭向け輸入住宅のモデルハウス風という感じ。窓から見える風景は、ホームページ通りで、冬だから緑は少なく花も咲いていないが、全体的にきちんと手入れしている。敷地が広いテーマパーク&ホテルだから、これは立派だと思った点。冷蔵庫も2つあり、グラスやカップも数種類ある。ハウステンボスでワインやチーズを買ってリビングでワイワイやると楽しいような設備だが、本格的な食事は部屋ではご遠慮くださいと言った感じ。これで長期滞在させたいらしいが、正直言って、それは無理というもの。ハコはいいし、風景もきれいだが、いくら別荘風といっても、ろくなキッチンもなく、周囲にお手軽に食べれるレストランもないようなところに長期で泊まれるワケがない。調理して部屋を汚されたくないけど、長期で泊まってお金「は」落として欲しいなんて、ちょっと虫のよすぎる話だ。ここは、自分たちに都合のいいようにオペレーションしているホテルで、午後3時のチェックイン・スタート時間からさほどズレない時間帯にチェックインしてハウステンボス「だけ」で1日遊び、場内のレストランや無料ゾーンの露店で「だけ」食事をするなら不自由がないようにできている。だが、ちょっとイレギュラーな行動をとると、とたんに非常な不便に突き当たることになる。その元凶は、駐車場があまりに遠いこと。ハウステンボスに行ったことのない方にはわかりにくいのだが、フォレストヴィラはハウステンボスの端にあり、駐車場はハウステンボスをはさんで反対側の端にある。宿泊する場合は、まずはハウステンボス入口近くにある駐車場に車を泊めて、入国ゲートのそばの場内ホテル宿泊者用カウンターという小屋(笑)で手続きをし、そこからバスで送迎してもらう。ハウステンボス内をまっすぐ突っ切っていけば、10分ぐらいで歩ける距離なのだが、ハウステンボス外の道は大きく迂回しており、とても徒歩では行けない距離になる。フォレストヴィラに宿泊する場合は、場内ホテル宿泊者用カウンター手続きをしたあと、バスに乗り、迂回路を揺られてフォレストヴィラのフロントで降り、そこで正式なチェックインをしてフォレストヴィラを回っている小さなバスで各自のコテージまで送迎をしてもらう…と、とてもややこしい。何も知らないでウッカリ広い駐車場にまずは車を泊めてしまうと、場内ホテル宿泊者用カウンターまで荷物をもって行くだけでかなり歩くハメになる。だから、ホテルに持ち込む荷物はあらかじめ全部まとめておいて、駐車する前にカウンターのある小屋の前で荷物とドライバー以外の人間をおろし、手続きをすませている間にドライバーが駐車をして小屋に来るような段取りにしておいたほうがいい。午後7時までは1時間に数回、場内ホテル宿泊者用カウンターとフォレストヴィラ・フロント間のバスが連絡しているのだが、午後7時以降はこの連絡バスがなくなってしまう。これがまたガンだ。予定よりチェックインが遅くなったり、車で場外に出ていて午後7時以降に戻ってくる場合などは、場内ホテル宿泊者用カウンターでバスを頼むことになるのだが、このバスがすぐ来ないのだ。下手をすると2~30分待たされることになる。荷物がなくハウステンボスのチケットをもっているなら徒歩で園内を突っ切っていけばいいのだが、荷物が重かったり、その夜の入園チケットをもっていない人は、ここで延々と待たなければならない。たとえば、フォレストヴィラに入りました。ひと段落して、さてガイドブックでも見るか…「あ、車の中に忘れた!」なんてこと、ありますよね? そういうときに上記のようなめんどくさーいことになるというわけ。午後7時以降は、駐車場に行って戻ってくるだけで、1時間半(笑)見ておいたほうがいい。このへんが高級ホテルにあるまじき不便さだと思う。ゲストの都合に合わせて、コール1本でバギーが部屋の前まで来てくれるのが高級ホテルだと思ってるMizumizuは…ハイ、心を入れ替えます。しかし、大勢のゲストをさばき、園内をきれいに保つだけでも大変だし、基本テーマパークで遊ぶためのホテルなので、こういう不便さは仕方ないかなとも思う。宿泊される方はくれぐれも車内に忘れ物をしないように(笑)。また、コンビニのような、ちょっとした店も宿泊者用カウンターのほうにしかないし、フォレストヴィラの冷蔵庫には何も入っていないから、好みのコールドドリンクなどもフォレストヴィラに入る前に買っておいたほうがいい。日常的なものを買い足すのが大変な場所だ。ただ、部屋にはインスタントコーヒーやティーバックの紅茶やお茶はかなりある。湯沸しポットも当然ながら、ある。急に天気が変わったときなどは、フロントに言えば傘を貸してくれる。そうそう、もう1つ。ハウステンボスに入園して駐車場に抜けようとすると、「再入場は1回限り」などと書かれていてとまどう。スタッフも周囲にいないから聞くこともできない。どうも実際には、フォレストヴィラ宿泊者は何度でも入園可能のようなのだが、「チェックアウトする日」に遊ぶ場合は何回再入場できるのだろう?。よくわからないので、不安な方は事前に聞いてくださいね。要はオペレーションする側に都合のいいようにルールが決められているということだ。12月30日にフォレストヴィラに宿泊するゲストは31日の入園チケットを買うのが義務になる、なんてルールもある。31日に入園するなら31日に泊まったほうがいいに決まっているが、31日の場内ホテルはだいぶ前から埋まってしまって予約が取れない。何か月も前に予約しようとしたのに31日はいっぱいだった…なんて場合は、むしろ12月に入って、キャンセルチャージがかかってくる直前に出るキャンセルを狙ったほうが確率が高いかもしれない。12月末のウルトラハイシーズンの手前勝手ルールは、人気があるので仕方ないだろう。人気が出れば値段は高騰するし、オペレーションする側があれこれルールを作ってくるのも資本主義社会のならいというもの。納得できないなら来なければいいだけの話だ。ただ、いつ泊まるにせよ、フォレストヴィラは駐車場が遠すぎて、気軽に車に戻れない。これがガンだということ。この不便さをあらかじめ理解して対処しておけば、楽しく快適な時間が過ごせると思う。蛇足だが年末は、園内がとても賑やかで音楽も深夜まで鳴り響いている。ハーバータウン側にあるフォレストヴィラに泊まったせいか、池側の寝室は静かだったが、ハーバータウン側の部屋は夜遅くまで音がかなり聞こえてきた。壁や窓は案外安普請だということか(笑)。夜の音に敏感な人はハーバータウンから離れたコテージを指定するといいかもしれない。
2015.01.02
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