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2010.01.17
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ある日――

西荻から自宅に帰る道すがら、洒落たウィンドウディスプレイの帽子屋を見つけた。高低差をつけた支柱を窓際に何本も並べ、その上に、わざとランダムな方向に向けて帽子をのせている。そこだけが急にパリの街角になったよう。帽子も1つ1つ全部デザインが違い、少量生産独特の雰囲気が漂ってくる。

?

窓越しに店を覗くと、商品を飾っているのはウィンドウと壁回りだけで、店の中央から奥にかけては布やら裁縫道具やらが雑然と並んでいる大きな作業机が占領していた。

入ってみると、女性が1人。案の定帽子作家で、店内に飾ってある帽子は、基本的に自分でデザインして縫ったオリジナルらしい。

わりあいオーソドックスなものが多いが、全体的に非常に質が高い。ふと目に留まったのは、ある黒い帽子。上のほうが膨らんだ扇形で、浅い庇がついている・・・形としては鉄道員の被っているような帽子を、庇を小さくして、柔らかく変形させたよう。額の上のところに片結びになったリボンが付いているのが、また洒落ている。

被ってみるととても暖かい。

「カシミアに別珍を合わせたものなんですよ」

ちょっとレトロな雰囲気もあり、パリ風だなと思ったので、そう言うと、やはり50年代のフランス、郵便配達員が被っていた帽子からヒントを得てデザインしたのだという。

その品自体は、試作品なので売れないが、注文すれば作ってくれるという。

まさかこんな近所に、オリジナルデザインのオーダーメイドの帽子を作ってくれる工房があるとは知らなかった。

さっそく頭のサイズを測り・・・

「あら、小さいわ」

などと驚かれ(頭は本当に小さいのだ。中身がないから・・・ほっとけ!)、

「小さいわねぇ、どうしよう。ピッタリに作りますか、それとも普通にして、少し余裕をもたせましょうか・・・」

と作り手が迷っているようなので、「少し大きくてもいいですよ。目深に被れば、耳のほうまで隠れて暖かいだろうし」と、こちらの希望を伝えた。

森茉莉は「父の帽子」で、頭のデカい鴎外が、帽子屋で自分に合うサイズがなくて、バツの悪い思い――というより、ほとんど八つ当たり――をしているようすをユーモラスに書いているが、逆の意味で鴎外の気持ちはよくわかる。

ニットならまだしも、普通の帽子を被ると、変に大きくてスポンと目のあたりまで来てしまうことがある。急に、大人のものを欲しがっている子供になったような場違いな気分にとらわられる。

さて、オーダーしてからしばらくたって電話があり、おおむねできたのでリボンを付ける前に、合わせに来て欲しいと言われた。

帽子

さっそく行って被ってみると、やはりちょっと大きい。風で飛ばされるようなデザインではないと思うが、もうちょっと小さくしてもいいかな、という感じ。だが、あまりピッタリした帽子は頭皮が痒くなる気がして(←皮膚のトラブルには常に悩んでいるMizumizu)好きでないので、このくらいのが返っていい気もする。

結局、しばらくこのまま使ってみて、気になるようならサイズ直しをしてもらうことで話が落ち着いた。

「リボンの素材はどうしましょう? 変えますか?」

「何かよさそうなの、ありますかね?」

「グログランなんか、どうかしら」

壁際の戸棚の中から、魔法のように色々な素材のテープが出てくる。

Mizumizuも、「こっちはどう?」などと指差して、あれこれテープを当ててみたが、結局サンプルのが一番ということに落ち着いた。

そして、また数日待ち、出来上がったと電話が来た。だが、忙しくてすぐ行けなかった。間を置いて出かけてみると、

が~ん!

平日の昼間なのに、店が開いてない。

この店、オープン時間が実に不定期なのだ。だから、長いこと店の存在に気づかなかった。ゆる~い西荻になんともふさわしいゆる~い店。

店の机の上もごちゃごちゃのめちゃめちゃで、整理整頓はかなり苦手な人らしい(笑)。でも、売ってる品物はちゃんとしてる。そんなところも、まさに西荻のカラーの店だ。

次は事前に電話をして、開いているのを確認してから出かけた。

Straw 西荻

頭の部分のデザインも、この帽子が気に入った理由の1つ。黒のカシミアと別珍を交互に使って、この2つの素材の質感の違いがさりげなく、とても洗練されている。近づいて初めてわかる上質感だ。

リボンが付いているのも、量感のアクセントになってバランスがいい。よくみると少しボーイッシュなデザインなのだが、リボンを添えることで、フェミンニンな雰囲気になっている。

被ってみると、さすがにカシミアというべきか。破格に暖かい。今のように、酷寒の時期にはこの帽子が手放せない。普通よくある、耳まですっぽり隠れる冬用ニット帽の比ではない。

Straw 西荻 帽子

実際に被ると、もっと扇形に上のほうが膨らんで見える。やはりちょっと大きいので、直してもらおうかな・・・と思いつつ、少し風が通るのが逆に暑すぎなくていいのかも・・・などとも思い、今のところそのまま使っている。

ちなみにこの店、看板も出ていないのだが、Strawというらしい。帽子を作ってもらってから、名刺をもらって初めて知ったのだった。

Straw


tel:03(3332)6292第二、四木曜、日曜定休日
14時頃~19時まで開店(だということだが、これもアテにならないので注意)。






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最終更新日  2012.01.24 20:06:21


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