仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2007.04.26
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カテゴリ: 東北
平成の大合併前は、いわき市と言えば全国一広い市がキャッチフレーズだった。人口も仙台市に次いで東北第2位が自慢。

しかし、清水市と合併した新生静岡市(03年)に面積の王座を明け渡し、現在では高山市が全国第一位で、いわき市は第10位にまで下がった。高山市は大阪府や香川県よりも広い面積を誇る。これを受け、いわき市合併10周年の昭和51年に制定した市民憲章にある「日本一広い面積を持ち」の部分は、やむを得ず削除したそうだ。

人口は35万人で、今なお東北6県では仙台市に次いで第2位をキープ。これに郡山市(34万人)、秋田市(33万人)、青森市(31万人)、盛岡市(30万人)、福島市(29万人)、山形市(26万人)、八戸市(24万人)と続く。かつては仙台以外の30万都市は唯一いわき市だけだったが、やがて第2位の座も明け渡すかも知れない。

面積日本一に37年の間君臨したいわき市だが、そのキャッチフレーズどおり、規模の大きさで注目された合併だった(市HP 資料 )。新産業都市の指定などを契機に、石炭産業からの脱却をめざして、昭和41年(1966年)に14の市町村の大同合併によって誕生した。現在は工業を中心とした産業都市に生まれ変わり、行政権能上も中核市として立派な都市である(東北では他に青森市、秋田市、郡山市)。

当時に14もの市町村を一気に合併することは相当な困難があっただろう。市だけでも5市(平、磐城、勿来、常磐、内郷)があった。新市名も日本で2番目の平仮名の市として話題を呼んだが(最初の平仮名市は青森県むつ市)、これも事情があるそうだ。当地の呼称(岩城、石城、磐城)を採用したのはもちろんだが、大同合併で協同してやっていくように、聖徳太子の十七条憲法の説く「以和貴」(和を以て貴し)の意味を込めたのだそうだ。

いわき市誕生の経緯をみると、地域再生の願いを込めて新しい町を作った40年前の常磐地区の人たちの思いが伝わってくるようだ。平成の合併では安易な命名も散見されたが、いわき市の名には、単にひらがな命名という話題性ではない、熱い思いがあったのだ。

面積の点では王座を譲ったが、その壮大なまちづくりの夢は今に実を結んだのではないだろうか。そしてこれからも大同合併と協同の町として歩んで行って欲しい。面積日本一の語句が市民憲章から落ちようとも、いわき市の誇りと実績は何ら揺るがない。





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最終更新日  2007.04.26 02:29:00
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