仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2008.09.12
XML
カテゴリ: 仙台
今は東北本線の踏切に名前を残している。宮城刑務所と河原町を結ぶ道路で、新幹線は高架だが、在来の東北本線は平面の踏切になっている。朝夕の渋滞が問題視され、よく仙台市議会で話題にされるところだ。

ところで、この踏切の西側に、道路に面して行人塚と称する小塚があり、古城神社になっている。

その昔、広瀬川は大水の度に河原町から七郷村を横切り東方に奔流して深沼で海に注いだことがあった。洪水の度に流域や河床が変わるので住民は苦しんだ。その頃、行人塚の南に続く五つ谷に一人の行人(山伏)がおり、村人を水害から救おうと大本願を立て、人々が押し止めるのを振り切って人柱に立った。行人は、私の振る鈴の音が二十一日の間、土中から聞こえてきたなら必ず大願は成就すると語って生き埋めになった。その日から村人は、竹の節を抜いて土中に差し込み、涙ながらに懸命に毎日行人の鈴の音に耳を傾けた。日に日にかすかになりながらも遂に二十一日の間音は絶えなかった。この年の秋また洪水があったが、河道はすっかり変わり閖上の方へ注ぐようになり、七郷の村は見渡す限り沃野と化し、爾来水害は後を絶ったという。深沼海岸近くにある長沼や大沼は、当時の洪水が残した河跡湖だという。

村人達は行人の恩を長く忘れないよう塚を気づいて祀ったのが、行人塚である。

■菊地勝之助『修正増補 仙台地名考』宝文堂、1994年復刻(1971年発行) から
■仙台市ホームページ内の 説明






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.09.12 23:59:12
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

コメント新着

おだずまジャーナル @ Re:仙台「6時ジャスコ前」の今むかし(11/14) 仙台フォーラスは来月3月から長期休業。再…
クルック@ Re:黒石寺蘇民祭を考える(02/18) ん~とても担い手不足には見えませんけどネ…
おだずまジャーナル @ Re:小僧街道踏切(大崎市岩出山)(12/11) 1月15日のOH!バンデスで、不動水神社の小…

プロフィール

おだずまジャーナル

おだずまジャーナル

サイド自由欄

071001ずっぱり特派員証

画像をクリックして下さい (ずっぱり岩手にリンク!)。

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: