仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2009.05.24
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カテゴリ: 仙台
7月26日投票の市長選挙の構図がまだ固まっていない。梅原市長が去就を明らかにしないためだが、最後の段階まで保留しておくことで一定の影響力を行使する考えだ。6月の第2回定例会では表明するだろうから、中旬にかけて候補者の絞り込みや調整が行われることになろう。

今のところ、市教育長経験者複数と代議士を推薦する動きが報じられているが、当の本人達がどれだけ意欲があるか。おそらく様子見だろう。それにしても、仙台の特徴だと感じるのは、このような情勢で市民の多くの意向を汲んだ大きな流れが沸き上がっている、とは言えないこと。

候補者に擬せられる方々が態度を鮮明にせず(それは梅原氏のダンマリ作戦の効果ではあるのだが)、市民の声を受けた流れづくりが難しい面はある。だが、「誰を」が決まるよりも先に、どのような市政を望んでいるのか、現在の市政の何を変えて欲しいのか、が実はハッキリしていない。東西線も長町再開発も、争点となっているようで市民レベルの感覚には行き渡ってない。財政問題は実は極めて重要だが、宮城県だけクローズアップされてきたためか、市民は感じていない。

河北新報の徹底した市政批判も、タクシー券問題とこれに対する姿勢など個人的資質に終始していることが、実は大きい。この問題は大いにやって欲しいが、市政の将来を深く考える素材こそ提供されるべきだ。ひと昔前の県知事選挙も、本物の民主主義がどうとか訳の分からない議論だった。地に足の着いた視点で将来の地域をどうするか、を県民は知りたいのだが、結局浅野氏という個人に振り回された感が強い。

つまるところ、人材がないのだ。恐れずに言えば、市民運動の側にも、である。産や学から仙台市長が出たことはない。市民の声をまとめ上げ、流れをつくるキーパーソンは誰なのか。河北新報が議論の素材や枠組を出さないのなら、誰が提示するのか。市役所、市議会、経済界のお決まりの組織安泰ムードで調整が進むのか。

民主党側は、前回梅原氏を担いだ自民は動けないから、フリーハンドを握っているのは自分たちだ、などと浮かれているという。総選挙前夜という事情もあろうが、そんな場合ではないだろう。民主党こそ、出番なのだ。呑気に風を待っているのではなく、早々に候補を決めながら、市政の真の問題を説明し、市民の意識を問うべきだろう。市政に向き合う真剣味が感じられない。

最終局面で候補者の絞り込みと対戦の構図が決まった際に、全く些末な事柄(タクシー券廃止とか市長バス通勤とか)だけで市民の意向を問い、市政の将来を選択させる選挙になったとすれば、政党の大きな罪である。

報道されない世界で真に将来を考えている政治家はいるはずだと一応思いたいのだが、市長選挙で問われるのは、仙台そのものの品格かも知れない。





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最終更新日  2009.05.24 08:20:59
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