仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2009.07.03
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カテゴリ: 東北
秋田県観光連盟発行の「湯王秋田」(平成19年11月発行)なる温泉ガイドブックを、手にして読み耽っている。温泉ジャーナリストで元祖温泉達人の野口悦男さんが監修し、序文を寄せている。

「源泉かけ流し」の語を普及させた野口さんだが、日本が後世に残すべき「温泉遺産」を認定するべく、毎年秋田県に1か月ほど滞在して、覆面調査を行っているのだそうだ。秋田県は、湯治の形態が色濃く、つまり地域に密着した温泉風呂が多く、温泉好きにとって大変喜ばしいことだ、と記している。

ところで、今ネットで見ていて驚いた。その野口さんは昨年秋に亡くなったのだそうだ。

このガイドブックには、秘湯、療養温泉など各コーナーの最初にも、野口さんの文章がある。少し拾ってみる。
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秘湯人気が過熱するに伴い、大都市に近い温泉地は、見栄えや効率を強調しながら、何かを見失った。しかし、北東北には魅力的な秘湯の宿がまだ多く点在している。特に秋田県の奥羽山脈や八幡平の山麓には、湯守の心と旅籠の人情を受け継ぎ続ける湯宿が点在する。

秋田県には全国でここだけの療養的な温泉の利用方法がある。後生掛温泉のオンドル。玉川温泉の天然岩盤浴。まさに日本の温泉遺産だ。
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実は私も2年前に、3泊にわたり湯治風の温泉滞在をした。このガイドブックには載っていない、八幡平周辺の谷川沿いにある、小さな一軒宿だ。携帯さえ通信不能だったように記憶しているが、特に何をするでもなく、川のせせらぎを耳に、日常とは別の世界で、ただ過ごす時間。アコモデーションの整った観光ホテルとは違った生活だ。自然に囲まれて、生物としての等身大の自分を発見する、という感じか。大げさに言えば。

もっとも高い精神性を求めて訪れたわけでも何でもない。単独ではなく、家族で滞在したので、キャンプのような楽しさもあった。子ども達はどう記憶しているのだろうか。

さりげない非日常環境での生活。特に理由を言葉で上手に述べられないが、また訪れたいと、思う。





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最終更新日  2009.07.03 23:50:04
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