仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.09.16
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カテゴリ: 仙台
城下町に多い屈折道路。穀町の南端もその典型で、南材木町から北上して来ると、カギ型に屈折して再び北に向かい穀町通りとなる。そばの三百人町に足軽を配置し、城下南端の貴重な防衛基地だった。

穀町の名は、米穀売買の特権を得た穀物問屋が置かれたことに由来する。そして、西には船着き場として栄えた舟丁があった。七郷堀の水運を利用し、七郷周辺の米の取引で活気があった。

穀町通りは国道4号が通るまでは幹線道路であった。北から、荒町、南鍛冶町、穀町、南材木町を通って河原町に抜けた。

私は、穀町や舟丁には、若気の至りで一つの思い出がある。昭和60年代のことだ。仙台を出ることになった私は、向山のアパートに置いていた机を、新たに仙台に来た音楽仲間の後輩に譲ることにした。トラックなど持っているはずもない。早朝に歩いて運ぼう、と。

半分冗談だったが、半分は自然に、それが実現してしまった。向山の狭いバス通りを、たぶん車道を歩いたと思うが、広瀬川はおそらく旧愛宕橋を渡っただろう。春まだ浅い4月の朝のことだ。腕がしびれるほど疲れたが、何とか運び込んだ。先輩には、本当にやったのか、と驚かれた。

この後輩はほどなく仙台を離れ、今では本当に有名なプロの演奏家として活躍している。

七郷堀の借家だった。机を運び込んだ後で、何やら将来を語り合ったのだろうか。20年以上も過ぎたから、立派にその将来を迎えてしまっている。彼も、私も、そして町にも、等しく時代が流れた。





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最終更新日  2010.09.16 23:37:52
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