仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010.12.28
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カテゴリ: 東北
今年実施した国勢調査の速報で、秋田県では全市町村で人口が減少。減少率も5.2%と戦後最大という衝撃的な内容だ(河北新報記事( 広域 )、同( 秋田版 ))。

県の人口は1,085,845人で戦後初めて110万人を割り込んだ。藤里、上小阿仁、小坂の3町では10%以上の減少である。世帯数は7市町村で増加したものの、県全体では初の減少に転じている。

宮城県以外は速報が報告されているようなので、まずは各県の状況をざっと見てみよう。

■青森県( 資料
県人口は1,373,200人で、前回比4.4%の減。減少幅は過去最大。前回より人口が増えたのは、原発建設中の大間町(2.1%)とおいらせ町(0.1%)の2町のみ。
5年間の人口減少率の高い市町村は、今別町(15.7%)、佐井村(14.8%)、外ケ浜町(13.7%)、深浦町(11.2%)、田子町(10.3%)など。

世帯数は2,574の増加。

■岩手県( 資料
全県で54,511人の減となり、総人口は1,330,530人。市町村別では、滝沢村(293)、矢巾町(177)以外の市町村は減少。減少割合の最大は西和賀町で10.5%である。

世帯数は全県で45の微増。盛岡市は人口は減少(-2,174)だが、世帯数が3,181の増で県内最大の伸びを示した。

■山形県( 資料
県人口は1,168,789人で、減少率は3.90%だった。4地域別では最上のマイナス7.07%が最高。県人口が120万人台を割り込むのは戦後初。市町村別人口では東根市(+578)のみが増加。前回は4市1町がプラスだった。減少の34市町村では、減少数が大きいのは酒田市(-6,407)、鶴岡市(-5,757)、米沢市(-3,786)、上山市(-2,170)、山形市(-1,928)など。減少率では大蔵、鮭川、戸沢の3村がいずれもマイナス10%を上回る。

世帯数は38万8670世帯で前回より1942世帯の増加。

■福島県
県人口は2,028,752人で、減少率3.0%である。世帯数は720,587で、前回から10,943世帯増。

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やはり、秋田県の全市町村で人口減、県全体で世帯数も減、というのは特筆されると思う。全市町村での人口減という結果には、市町村合併が進んだ側面もあるだろう。青森県では半島部で15%もの激減もみられるが、それでも人口増の町があるにはある。その意味でも、秋田の全市町村マイナスは、やはり象徴的である。

さて手許に明治初年の各県と主要都市の人口データがある。

青森県 44万人 弘前 3.3万人
岩手県 56 盛岡 2.5
宮城県 56 仙台 5.2
福島県 73 若松 2.1
秋田県 58 秋田 3.3
山形県 64 米沢 3.4

今思えば、福島と山形の人口は多かったのだ。ちなみに、よく言われるように新潟県は全国一で144万人。これはダントツで、兵庫県131万人、愛知県122万人、広島県113万人、東京都109万人などを従えている。都市別に見ると、仙台の5.2万人はたしかに雄藩仙台の名残をとどめているが、他を見ると、東京の83.1万人は別格で、大阪27.2と京都22.6も格が違うとしても、それに次ぐのは、金沢11.0万人、名古屋11.0万人、鹿児島8.9万人、広島6.7万人が後に続く。やはり大藩の城下町が人口が多いのがわかる。

秋田は当時で3.3万人。東北ではかなりの集積だ。私自身も小学校の頃は、50万都市の仙台と、大同合併の30万都市いわき市を別とすれば、秋田市が、青森市、郡山市あたりと並んで東北の中心都市というイメージだった。盛岡市、福島市、山形市あたりは20万人プラプラで集積が薄という感覚だったのが実情だ。

改めてデータを確認する。秋田市は人口32万人で、それだけを見れば青森市30万人、盛岡市29万人、山形市25万人などを上回るが、今回の国勢調査をみても、勢いが感じられないように思う。

秋田市 人口323,363人 前回比2.9%減(-9,746人)
青森市 299,429人 3.8%減
盛岡市 298,572人 0.7%減
山形市 254,084人 0.75%減

という具合だ。青森市も元気がないけれど。





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最終更新日  2012.04.04 21:45:33
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