仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2011.11.05
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カテゴリ: 東北
地図を眺めていたら、郡山市の阿武隈川沿いに、日和田町八丁目(ひわだまちはっちょうめ)を見つけた。住居表示の何丁目ではなく、字名としての地名のようだ。

学生時代に郡山出身の人の実家の住所が、郡山市○○町××字...とあって、市の中に○○町大字小字が続く場合もあるのかと気に留めたことがある(その方は熱海町だった)。市町村の次には、住居表示の町名が続く場合以外には、大字小字番地のパターンしかないと思っていたので、新鮮だった。周辺市町村を大同合併した際に、旧町村名を地名にそのまま残したのだろう。むろん今なら、平成の大合併の際の配慮で、珍しくはないが。

なお、正確には「郡山市」の次は、「日和田町」「八丁目」ではなく、「日和田町八丁目」という一つの地域名のようだ。「日和田町高倉」「日和田町梅沢」などが同列の関係にある。これらの次には「字○○何番地」となるようだ。また、この「日和田町八丁目」などと同列の関係にある地名に単なる「日和田町」もある(例えば市行政センター所在地は「郡山市日和田町字広野入5-1」だ)。

さて、今日気になったのは、「八丁目」の方だ。

仙台にも六丁目(ろくちょうのめ)がある。仙台の場合は、鎌倉時代の中期頃、時宗開祖の一遍上人が諸国を遊行してこの地に来られ、ここで念仏弘通を行われたとき、道ばたの平らな石に六字名号すなわち南無阿弥陀仏の六字を書かれた。この六字の銘がそのまま石に刻んだように浮かび出たのが六字の名号の碑で、地元では「六字の銘」と呼んでいたが、後世訛って六丁目というようになり、そのまま地名になった。

また、往昔念仏弘通の行われたところと言えば、六丁目の「六丁」は、六道(地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間、天上)の音から訛ったものであろうか、「目」は昔の開墾地である名田の略とも見られる。名田とは開墾等によって取得した田地に取得者の名を冠らせた所有地である。
(この部分、菊地勝之助『名数みやぎ郷土小事典』宝文堂、1973年、1987年復刻 から)

ところで地図に目を戻して、八丁目から阿武隈川を東に渡ってみると、こんどは「西田町三町目」がある。「にしたまちさんちょうめ」だ。郡山市に編入前の西田村の区域だ。(私の地図は「にした」だが郡山市サイトではnishidaのようだ)。田村郡の西端にあることから昭和の合併で西田村と命名されたことに由来するようだが、編入後は、「日和田町八丁目」のように、結合した一つの地域名として扱ったのだろう。気になるのは、西田町の方ではなく、後半の部分の漢字で、三「丁」目ではなく三「町」目だ。例えば市の西田行政センターの所在地は「郡山市西田町三町目字桜内259」となっている。郡山市立三町目小学校(郡山市西田町三町目字竹ノ内129-1)もある。

八丁目と三町目。それぞれどんな歴史を反映した地名なのか、大変気になる。また、旧安積郡と旧田村郡だが、阿武隈川を挟んだ関係だから、深いつながりもありそうだ。





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最終更新日  2011.11.05 21:41:07
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