仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2011.12.26
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カテゴリ: 仙台
温家宝首相が前向きに発言したことで、実現に展望が開けた。課題とされていた費用もジャニーズの支援などめどがついて、良いことだと思う。

しかし、このパンダの話題。最初に出たときから、違和感を抱いた。被災地の復興のためという「説明」にしっくりこないこと。また、市長がよく登場されているのだが、市政の重点事業と位置づけ(ようとされ)ていることの合点のいかなさ。

最初の点の復興との関係については、どうも後付の理由のような気がしてならない。中国からパンダを借り受けるとなれば、当然政治的に強いパイプがなければできない。相当なパイプ(人物)を介しているだろう。そうであるはずだからこそ、復興のためとか言われると、それで良いのか、と思いたくなる。もちろん、それでいいのだろうが。

昭和の時代の日中友好のシンボルというような、ストレートに政治的な場合なら、表も裏もないから分かりやすい。しかし、復興とかチャリティ色が前面に出されるだけに、真の姿も報道して欲しいと思う。

また、第二の点は、随分論議もされた。復興の第一がパンダなのか、と。私もそう思っていた。ところが、今日の報道ぶりはマスコミ各社とも随分と好意的だ。やっぱりパンダの愛嬌には勝てないのか。それもあるだろうが、経済効果の点や、子ども入園無料化など、市側でもかなり施策を練って、その「総合性」や施策としての妥当性を訴えたことが背景にあるようだ。単なる飛びつきの話題に終始しないように検討したことは評価されるべきだろうが、それにしても、パンダ貸与ありきの感は否めない。

もちろん、折角来てくれることは良いことだし、そのための関係者のご努力は賞賛さるるべきだ。ただし、復興施策の重点として浮き上がったのではないはずであって、そうであれば民間主導の動きに行政も支援するなどのスタイルも可能であり、ほんらいはパンダの持つ諸刃の政治性を考えれば自治体としては(北海道における北方領土など積極的に自治体外交に打って出る局面なら別だが)背後支援に徹することこそが適当とも言える。

と考えると、どこかの筋が何らかの事情でパンダ貸与の動きを市政の重点に高めて、市政の重点に位置づける以上は、被災地復興や市政の重点課題(地下鉄東西線など)と絡めているということではないのだろうか。話題性は最高だが、市政施策としてのクオリティはいかがなのだろう。

ともあれ、両国トップの会談での合意など、舞台は最高のセットで進んだ。あとは、何時から如何なる期間の貸与となるか、という現実を見据えながら、施策としての有り様を見守りたい。歓迎一色の報道ぶりの中、水を差すつもりではないのだが、違和感を言葉にしてみた。





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最終更新日  2011.12.26 23:54:13
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