仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2015.03.11
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カテゴリ: 雑感
東日本大震災から4年。宮城県では鎮魂の日と定められ、各地で追悼の式典があった。改めて被害の大きさと、人々の心に残した爪痕の果てしなさを感じさせられる。

政府主催の追悼式では、ご遺族代表の方の話に、ご自身の悲しみとともに、いまだ遺体が見つからない遺族など他の人たちへの気遣い、そして救助に奔走してくれた人々、数多くの支援してくれた人々への感謝のことばも心に残った。

救助や支援は、私たちの目に見えないところで、広く深く存在していたのだ。

ところで、今夜、私は帰宅後に台所の水道栓の部品交換工事をした。下は修理後の画像です。

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少し前から漏水があり、最近では水滴が間隔を置いてしたたるようになったので、修理を考えていた。内部のパッキン交換で済まないか(古典的発想)、でも分解の仕方もわからないし、丸ごと交換だと値が張るな、などと思いあぐねていた。

日曜日のこと、もう20年近く前の建築時の各設備の取扱説明書を束ねたファイルから、水道栓の説明書を引っ張り出す。外国製の混合栓で、説明書の最後にフリーダイヤルがあった。一応かけてみたが、つながらない。留守録になったようだったが、諦めて電話を切った。

しばらくしてから、携帯らしきナンバー表示で電話がかかってきて、どうかされましたか、と。事情を説明すると、カートリッジの交換ですね、と即答され、型式を確認された。どうも、外国の当該メーカーは解散しているようで、部品交換などのメンテナンスをこの会社が担っているような感じだった。

翌日の配達でカートリッジと施工解説書を送ってくれるという。8千円ほど。住所を話して、はいヨロシクお願いしま~す、と終わるところだったが、会社の方が言う。あれ、3月11日前ですね。被災地支援で半額にしてくれるというのだ。

何でも、被災地の方に向けては代金を半額にすることで、顧客がその分を復興なり自分のことに使ってもらうという趣旨で割り引いているというのだ。会社には、寄付があるのか、それとも業界や会社の独自の取組なのだろうか。

そして、それが4年目の3月11日までの期間の扱いのようだった。私としては、安くなることはもちろんだが、4年も経ってそのような絆が受け継がれていることに、驚きとありがたさでいっぱいになり、わざわざ折り返してくれたことと併せて御礼を申し述べた。

私の家は、実は地震保険で半壊に認定されるほどで、被害がないではないのだが、外壁や内壁など見栄えが気になるところは自分で直した程度で、建物本体、水道、電気などいずれも問題はなかった。(停電や断水の影響はもちろんあったが。)津波で流失したり地震で倒壊した方に比較すれば、何でもないというべきものだ。

どなたの厚意か目に見えないながらも、支援をありがたく受け取ったわけだが、このように支援の絆が日本中にあることに改めて気づかされる。支え合っていること、支えられていることに。

水道や電気などは、普段は思い通りに使うことができて当たり前。特に何の意識もない。断水や停電があって、逆にはじめてありがたみがわかる。思えば、4年前は、電気も水もなかった。水の大切さも家族で身にしみたものだった。

いま、震災の日にあたり、ふたたびその有り難さに思いを致す。そして、その大切な水については、水回りの専門の人たちが私たちのために支援しようとする、温かい心の絆がしっかりあることの、そのことの有り難さにも思いを致している。





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最終更新日  2015.03.11 22:49:28
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