仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2022.12.27
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カテゴリ: 仙台
JR常磐線の佐貫駅は2020年3月14日に龍ケ崎市駅と改称された。

龍ケ崎市公式サイトによると、駅名改称事業に関する市の負担額は約2億2千5百万円。当初の概算負担額は約3億9千万円だったが、高輪ゲートウェイ駅の開業や常磐線ダイヤ改正と同時に実施したことで割り勘効果が生じて減額になったとJRから通知されたのだという。

現在のJR常磐線が明治29年(1896)に日本鉄道土浦線として開業した時、龍ケ崎はルートから外れた。その後、竜崎鉄道(佐貫駅ー竜ヶ崎駅、現在の関東鉄道竜ヶ崎線)が明治33年(1900)に開業する際に、竜崎鉄道佐貫駅に併設する形で日本鉄道も佐貫駅を設けた。

佐貫駅の地は、当時稲敷郡馴柴村だった。昭和29年に稲敷郡馴柴村、大宮村、八原村、長戸村、北相馬郡北文間村、川原代村が龍ケ崎町へ編入され、さらに昭和30年に北相馬郡高須村の一部が編入されて、現在の龍ケ崎市が形成された。

龍ケ崎が常磐線のルートから外れたことについて、流山とともに、「鉄道忌避伝説」の対象となっている。たしかに、仙台藩の飛び地の在郷町として発展した龍ケ崎は、立ち寄るだけの規模を有していたが、実際には、明治期の鉄道建設技術を前提にすればトンネルや橋梁を少なくする必要があり、また、常磐炭鉱と京浜を結ぶ最短ルートからわざわざ遠回りする理由がない。流山の場合は、江戸時代から江戸川水運の要衝で酒やみりんの醸造で知られていたが、江戸川や中川の後背湿地の軟弱地盤であり、地盤の安定した下総台地の縁の松戸経由の方が合理的だった。その後で流山軽便鉄道(現在の流鉄)が敷設されている(今尾恵介『地図帳の深読み 鉄道編』帝国書院、2022年)。

ところで、上記のように龍ケ崎は仙台領の飛び地だった。仙台藩62万石のうち、陸奥の外にある飛び地は、近江の1万石、常陸及び下総の1万石だ。

常陸国は、信太郡内13ヶ村(現在の稲敷郡阿見町、同郡河内町、同郡美浦村)、河内郡内13ヶ村(龍ケ崎市、稲敷市)、筑波郡内3ヶ村(つくば市)。下総国は豊田郡1ヶ村(現在の下妻市)。





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最終更新日  2022.12.27 00:11:47
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