仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2023.07.15
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カテゴリ: 東北


『47都道府県・妖怪伝承百科』小松和彦・常光徹 監修、香川雅信・飯倉義之 編、丸善出版、2017年 から(丸谷仁美執筆部分)
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・アクバンバ(灰ばんば)(由利本荘市、にかほ市。イロリの灰の中に居る。子どもたちは火を乱暴に扱ってはいけない。)
・小豆とぎ(県内各地。夜に集落の外れなど決まった場所で小豆を研ぐ音が聞こえ、正体不明だが、由利本荘市ではイタチ、羽後町では小豆とぎ石の仕業とされる。)
・ウブメ(産女)(身ごもったまま亡くなった女の霊。今の横手市の梅津忠兵衛が夜勤で巡回中の丑三つ時に子どもを抱いた女から赤ん坊を預かるが、腕の中で子がどんどん重くなり、念仏を唱えると消えた。戻った女が、お産の手助けをしてきた、難産だったが梅津の念仏のおかげで無事生まれたという。抱いていたのは生まれる前の子どもで、女は山の氏神だった。梅津は礼に怪力を授けられた。同様は、横手市内の妹尾五郎兵衛が蛇の崎橋で出会った話で、小泉八雲や与謝蕪村も紹介した。)
・おぼう力(ウブメから授かる怪力をいう。女が髪を結っている間頼まれて赤ん坊を抱いていると、大きく重くなり最後まで抱いていると怪力を授かる。角館町周辺では、墓地など、おぼう力を授かる場所が伝えられる。)
・河童(初代藩主佐竹義宣が大仙市神宮寺に鉄砲撃ちに行ったとき、川から腕が出て来て鉄砲を奪った。その後近くに住む六兵衛が密かに鉄砲を探しだして角館の佐竹北家に売ったが、翌年淵にはまって死んだ。鉄砲は1722年佐竹本家に献上され、妖怪の握った跡があったという。)
・カブキリ(県北山間部。老年の蛙の妖怪。腰から下のない化け物。また、上小阿仁村では、汚い子どもで、いなくなると家が途端に落ちぶれるザシキワラシのようなものと考えられている。)
・狐(県内各地。騙された話ばかりでなく、羽後町の狐火は集落に良いことの起こる前兆とされ、男鹿市では夏から秋にかけての狐火を狐の嫁入りといった。また、狐館は蜃気楼のことで干拓前の八郎潟で冬の風物詩だった。)
・ザシキワラシ(ザシキボッコとも。鹿角市、由利本荘市など)
・ツチノコ(横手市山内筏、羽後町西馬音内掘回の堂山で報告があった。)
・二の舞面(能代市清助町の龍泉寺に伝わる。秋田市上新城の羽鳥沼の妖怪を退治するため、秋田右近太夫藤原秀成が待ち伏せしていると、夜に光る女が現れたので切り付けると逃げた。その血の跡を追っていくと、上新城石名坂の竜泉寺の書院に翁媼一体の面があり翁面に血がついて割れていた。面は能代市龍泉寺に保管され県の有形文化財。)
・猫婆(大館市では和尚に化けた猫が武士に退治され、秋田市新屋では猫をいじめた子が夜にうなされて父親が念仏を唱えて治した。秋田市天徳寺の佐竹家墓所に猫婆の墓とよばれる場所がある。三代藩主佐竹義処の側室の墓だが、猫が人を噛み殺して人間に化けていたとされ、明治初めころまで墓に縄がかけられていた。側室はキリシタンのため殺されたという。)
・狸(ムジナ)(県内ではムジナを狸と同じものとする場合が多く、大砲や木を伐る音などで人を驚かせる。中には学のある狸もおり、宝暦の中頃、秋田市の外れの赤石六郎兵衛に夜な夜な訪れ様々なことを語った内容が『水口夜話』にまとめられている。また、ちらいという専念寺の若い僧に読経してもらった狸が二百文の布施を約束したといい、書き残した書には、二百文、ちらい、の文字が残る。)
・ムラサキギモ(由利本荘市。1、2歳の子どもの体内に入るといわれ、ムラサキギモが入った子どもはイロリの傍で薪の残りの灰を食べるという。そのため、子どもは薪から離れないといわれる。)
・山おんじ(北秋田市阿仁の山中にいた大男。阿仁中村と阿仁長畑菅生に大きな足跡が残るという。)
・雪男・雪ばば(大館市では、雪男は山の神の日の12月12日に酒を買いに里に下りてくる。五城目町では、雪の夜に子どもが泣いていると、「小豆煮えたか、包丁研げたか」と言いながら雪ばばが降りて来て子どもをさらってしまうといわれる。)





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最終更新日  2023.07.17 16:35:32
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