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私
: 引越しの準備
でてんやわんやだね。
本を読む時間が急減した。
その中で、この本を図書館から借りてざっと読んだね。
A氏 :君のブログの「 街場の教育論・第10章国語教育はどうあるべきか」内田樹著・08年11月ミシマ社刊・3の1 からのつながりだね。
私
: 漢詩
に接したのは、 中学時代以来
だね。
まったくのご無沙汰だったね。
漢詩
は、 漢字
がピッシリと並んでいる。
夏目漱石
の 晩年の漢詩
は、ほとんどが 七言律詩
だという。
1行七漢字
、それが 八行
だね。
律詩
とは、 音律の規則
にそって作られていることを意味するという。
A氏 :音韻と言っても、 中国語の音韻 だろう?
私
:だから、それを漢字だけで見ていると、なんだか意味はわかるような気がするが、 中国語ができないから、音韻は分からない。
しかし、不思議だね。
これを日本語の漢文に直して読むと、それなりの音律や音韻がある。
例えば、次のような 漢詩の1行
をひろってみよう。
「錯落秋声風在林」
これを 日本語の漢文 として読みくだすと
「 錯落(さくらく)たる秋声(しゅうせい)、風(かぜ)、林に在り(あり)」
となる。
A氏 : 漢文らしいリズム感 があるね。
私
:著者は、これは 不思議な現象
で、説明しきれないという。
中国語と日本語に精通
していて、かつ、 世界的な音韻学にも通じている人
が、 この謎
を解いてもらいたいものだと、著者は期待しているね。
日本語
には、 和文脈
と 漢文脈
があるが、 漢文脈をすっかり抜いてしまうと、日本語は成り立たない。
日本人の思考
も成り立たないかもしれない。
A氏
:しかし、日本人は漢文脈に疎くなってきているね。
日本語の危機
だね。
私:
著者は、 森鴎外
の例をあげている。
鴎外
は ドイツに
渡って、 シンポジュームに出席
して、 堂々とドイツ語で話しているという
。
A氏 :どうしてそんな芸当が出来たのかね。
私
:著者は、 鴎外が漢文の素養の上にドイツ語をあてはめたと推測
しているね。
漢文
は インターナショナルな面
があるのではないかという。
それと日本語は、 仮名で発想したもの漢字に変換
したり、 漢字で発想したものを仮名に変換
する。
A氏 : 日本語 というのは 変換のエネルギーがないと崩壊する運命 だね。
私
:だから、日本人は 翻訳
がうまいのではないかと著者は言う。
明治の人はその意味で、 漢文素養があるから、翻訳もうまいという
。
著者は、近頃になって、 日本にとって一番重要なものは言語だという政財界の人 がいるが、 どこまで真剣に考えているか疑問 だというね。
A氏
:そうなると、 麻生首相の漢字誤読
は心配だね。
このブログで「 麻生首相の誤読 」、「 麻生首相の漢字誤読・その2 」、「 孫と相棒と麻生首相 」、「 人は見た目が9割」読書記録活用編・漫画と麻生首相の漢字誤読 、「 麻生首相の誤読問題・その3 」と街道扱いだったね。
私
:とにかく、 漢詩
は 目で読むのでなく、漢文の音で読まないと意味がない
と思った。
漢文を声を出して読むということは、重要な日本語文化
だと思うね。
そして、それは英語のイントネーションと関係があるかもしれないね。
まだ、まだ、 日本語
は深いね。
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