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Ryu-chan6708

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2009.03.25
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カテゴリ: 読書感想



漱石の漢詩を読む

引越しの準備 でてんやわんやだね。
  本を読む時間が急減した。
  その中で、この本を図書館から借りてざっと読んだね。

A氏 :君のブログの「 街場の教育論・第10章国語教育はどうあるべきか」内田樹著・08年11月ミシマ社刊・3の1 からのつながりだね。

漢詩 に接したのは、 中学時代以来 だね。
  まったくのご無沙汰だったね。

漢詩 は、 漢字 がピッシリと並んでいる。
夏目漱石 晩年の漢詩 は、ほとんどが 七言律詩 だという。
1行七漢字 、それが 八行 だね。
律詩 とは、 音律の規則 にそって作られていることを意味するという。

A氏 :音韻と言っても、 中国語の音韻 だろう?

:だから、それを漢字だけで見ていると、なんだか意味はわかるような気がするが、 中国語ができないから、音韻は分からない。
しかし、不思議だね。
これを日本語の漢文に直して読むと、それなりの音律や音韻がある。

   
例えば、次のような 漢詩の1行 をひろってみよう。

「錯落秋声風在林」

  これを 日本語の漢文 として読みくだすと

  「 錯落(さくらく)たる秋声(しゅうせい)、風(かぜ)、林に在り(あり)」

 となる。

A氏 漢文らしいリズム感 があるね。

:著者は、これは 不思議な現象 で、説明しきれないという。
中国語と日本語に精通 していて、かつ、 世界的な音韻学にも通じている人 が、 この謎 を解いてもらいたいものだと、著者は期待しているね。

日本語 には、 和文脈 漢文脈 があるが、 漢文脈をすっかり抜いてしまうと、日本語は成り立たない。
日本人の思考
も成り立たないかもしれない。

A氏 :しかし、日本人は漢文脈に疎くなってきているね。 
日本語の危機 だね。

私: 著者は、 森鴎外 の例をあげている。
鴎外 ドイツに 渡って、 シンポジュームに出席 して、 堂々とドイツ語で話しているという

A氏 :どうしてそんな芸当が出来たのかね。

:著者は、 鴎外が漢文の素養の上にドイツ語をあてはめたと推測 しているね。
漢文 インターナショナルな面 があるのではないかという。
  それと日本語は、 仮名で発想したもの漢字に変換 したり、 漢字で発想したものを仮名に変換 する。

A氏 日本語 というのは 変換のエネルギーがないと崩壊する運命 だね。

:だから、日本人は 翻訳 がうまいのではないかと著者は言う。
  明治の人はその意味で、 漢文素養があるから、翻訳もうまいという

  著者は、近頃になって、 日本にとって一番重要なものは言語だという政財界の人 がいるが、 どこまで真剣に考えているか疑問 だというね。

A氏 :そうなると、 麻生首相の漢字誤読 は心配だね。スマイル

このブログで「 麻生首相の誤読 」、「 麻生首相の漢字誤読・その2 」、「 孫と相棒と麻生首相 」、「 人は見た目が9割」読書記録活用編・漫画と麻生首相の漢字誤読 、「 麻生首相の誤読問題・その3 」と街道扱いだったね。

:とにかく、 漢詩 目で読むのでなく、漢文の音で読まないと意味がない と思った。
漢文を声を出して読むということは、重要な日本語文化 だと思うね。
  そして、それは英語のイントネーションと関係があるかもしれないね。
  まだ、まだ、 日本語 は深いね。






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Last updated  2009.03.25 21:43:35
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