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Sep 3, 2012

フランスを歩く-スケッチ回想録（その１）

テーマ：海外生活(7781)

カテゴリ：フランス

フランスのＴＧＶ_story(2828)　2012.9.3

巡礼前夜
今回は３度目の巡礼であるがすこし経緯をお話ししよう。

ことの始まりは一冊の本とTVである。ブラジル人作家のパウロ・コエーリョの「星の巡礼」(角川文庫)を読んだことと、1993年には世界遺産に登録されたためにTVでも頻繁に放送されるようになったこと。特にサンチャゴ・デ・コンポステラ大聖堂でのボタフュメイロ（Botafumeiro：カテドラル中央の最も高い天井に滑車が付けられており、滑車から伸びるロープの先端は5本に別れている。それぞれを5名の司祭が持つ。降ろされた香炉は、赤いマントを着た大司祭5,6人がそれを囲み、火を点す。煙がモワッと立ち昇る。パイプオルガンがフォルテシモ（ｆｆ）で奏でられ、歌も始まる。綱持ちの1人が香炉を振る。これを待って5人がロープを引く。香炉が最下部に来たとき、ロープを徐々に強く引くのだ。天井の滑車が勢いよく回る。香炉はいっそう振りを大きくする。これを１０数回繰り返していくうちに、20mもあろうかとおもわれる左右の天井(教会の建建物を上から見た場合、十字の文字の左右方向)につくほど大きな振りとなる。）を直に見たいということから、聖年(7月25日が日曜日の年・・2004年,2010年,2021年・・)の2004年に、第一回目を企てた。

ただ、日程の都合上「カミーノ・フランセス（フランス人の道）」の道の途中、スペインのサアグン(Sahagun)からサンティアゴ・デ・コンポステラ(Santiago de Compostela)までの370kmを歩いている。
2010年の２回目は、日程が50日間取れた関係で、フランスの中部のモアサック(Moissac)からピレネー山脈越えでサンチャゴ・デ・コンポステラ、スペインの西海岸フィニステラまで計1200kmを歩いた。
実はこの時ル・ピュイ(Le Puy en-Velay　正式には：ルイ・ピュイ・アン・バレー)からモアサック(Moissac)までの420kmが宿題として残った。

今夏にピアニストのブレハッチが出演する音楽祭がマントンとラ・ロック・ダンテロンで7月21日と23日に続けて行われることを知り、家族でその音楽祭を観に行くということになり、小生の方は、これにひっかけてル・ピュイからの宿題分の巡礼を行うという計画を立てたわけである。Le Puyへはマルセイユから電車で行けるということで宿題が消化できることになりそう。

さて、フランスには世界遺産に登録された巡礼街道が４つ、他に世界遺産のモンサンミシェルから主に海岸線を行く巡礼道があり５つのルートが知られる。（下図）

世界遺産の道・・カミーノ・フランセス
1.トゥールの道・・パリのサン・ジャックの塔を起点→サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(Saint-Jean-Pied-de-Port)→イバヌタ峠
2.リモージュの道・・ヴェズレーのサント・マドレーヌ聖堂を起点→サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(Saint-Jean-Pied-de-Port)→イバヌタ峠
3.ル・ピュイの道・・ル・ピュイのノートル・ダム大聖堂を起点（→サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(Saint-Jean-Pied-de-Port)→イバヌタ峠
4.トゥールーズの道・・アルルのサン・トロフィーム聖堂を起点→ルルド→ソンボルト峠

１-3と４はスペインのプエン・テナ・レイナで合流し、１本となりサンチャゴ・デ・コンポステラに向かう。

Camino Frances

この巡礼街道とは別に、フランスにはGR(Grande　ルート)やPR（Petite ルート）というハイキンゴースが縦横に張り巡らされ背番号がついている。。
最も有名なのが ＧＲ６５ で上記３．の「ル・ピュイの道」である。
総延長８００ｋｍにも及ぶ。

ラ・ロック・ダンテロンからル・ピュイは、La Roque d'Antheron→(バス)→Aix en-Provance→(バス)→Aix en-Provance TGV→(TGV)→Lyon→(SNCFローカル線)→Le Puy-en-Velayということになり、
マルセイユ空港に向かう家族とはAix en-Provance TGVで分かれた。
逆のシチュエーションは８年前にあった。この時はコンポステラで巡礼が終わった後、マドリードから北に50kmのセゴビア(Segovia：水道橋(全長728mでスペイン最大旧市街を含め世界遺産))で家族と合流。
今回は家族と別れた後、巡礼に向かう。

このTGVについてはフランス人の自慢話がすごい。
最高時速は新幹線をはるかに越えていて 574.8km/H である。白い霧が車体を巻くような瞬間まで走り続け世界記録を樹立した。
現在は最高時速320kmとおとなしく走っているようである。
新駅、新線が続々と出来ていて、エア・フランスなどの国内便と競争している。
例えばパリーマルセイユ間は３時間。リオンまでなら２時間。ストラスブルグへは２時間20分。
ドゴール空港TGV駅(CDG-TGV)もできており世界と繋がっている。オルリードゴールと空港の乗り換えでもたもたするぐらいであればドゴール駅(CDG-TGV)から直接マルセイユ市内へ行けての３時間はお値打ちである。

Aix-en-Provence TGV

Aix-en-Provance　TGV駅　pm1:52
Aix-en-Provance　TGV駅はマルセイユから新線で次の駅。
TGVをここで待ち、Lyonまで行く。
時間があったのでベンチから駅構内をスケッチ。
新駅はAvignonでも同じ格好。規格化されているようである。
駅全体のスペースは楕円形で、駐車場が広がるのみで周囲にはなにもない。

Le Puy-en-Velay

ノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathédral)の尖塔(Clocher de la Notre-Dame Cathédrale ) pm8:00

背後にあるフランスの聖母像(Statue Notre Dame de France)（山の頂上に立つ）
に行く階段は夕刻には閉まる。階段前の門からスケッチ。
Rue Capuinsにあるホテル(Gîte étap-Appart'Hôtel des Capucins)は
駅から1.5kmほど。このホテル　有難いことにＧＲ６５沿いにある。
ここに荷物を置き、スケッチ用のリュックを持って町に飛び出した。
夕食も食べなければならない

Photo

Aix-en-Provenceからマルセイユ空港まで出ているシャトルバス。　pm12:24
途中Aix-en-Provence TGV駅を通る。
昔のAix-en-Provence駅は市内にあって便利であるが
TGV駅は25kmくらい離れた場所。
かっての岐阜羽島駅のように周囲にはなにもない。
ここで家族としばしのお別れ。
巡礼の藻屑と消える場合は、これが最後となる瞬間。

Aix-en-Provence TGV駅ホーム　pm2:45
犬もお客である。堂々としている。
糞などの粗相がないためスコップなどは持ち歩かない。

丸い持ち物は？
実は今フランスで人気のテントである。
投網のように空に投げると自動的に広がり一発でテントが組みあがる。
こんなスグレ物・・日本にある？

ＴＧＶ社内　の検札風景　pm3:26　

Le Puy-en-Velay　駅　　pm7:13

(下記GPS情報は、スケッチポジションを示します。Google EarthからTGV駅 Le Puyをお楽しみください）

Picture1（sketch,direction 146°pm1:52(2012.7.25) Sketch point：Aix-en-Provance TGV,France GPS 43.455533,5.316794（43°27'19.92" N,5°19'0.46" E）標高190m
Picture2（sketch,direction 2086° pm8:00(2012.7.25) Sketch point：Notre Dame Cathédral,Le Puy-en-Velay,France GPS 43.455533,5.316794（43°27'19.92" N,5°19'0.46" E）標高190m

Google Earthを楽しむ方法Blogに掲載されている画像はすべて場所名、方位、時刻、GPS情報と標高を付けています。このうちGPS情報(ex. 35.579014,139.305981(°） )を、Google Earthのジャンプboxに貼り付けて検索ボタンをクリックすると、スケッチした場所に飛ぶことが出来ます。

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