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Aug 23, 2013

熊野古道・大峯奥駈第１章　回想録（４日目その２)

テーマ：暮らしを楽しむ(384285)

カテゴリ：世界文化遺産

釈迦ヶ岳_story(3171)2013.8.23
夜は珊瑚の会という大学オケのOBの合奏練習があった。モーツァルトの交響曲35番「ハフナー」とPコンの24番である。どれも美しいフレーズで覆い尽くされた名曲である。紀伊山地を長く歩く機会を得たあと、音楽に対する気持ちが変わった。山が、いや山のもつ雰囲気が繊細な一つの楽曲のように感じるのだ。細い一本道のみが登頂を許して時に、その道をViolaを弾きながら登っているように。音程、リズム、風景（他との協調）など弛緩することなく緊張して耳を澄ませながら、耳をそばだてながら自らも吟じていく。そこに何ともいえない響きが生じてくる。深山を歩きながら恍惚となる瞬間である。
何かしっかりと音を捉えられるような気持ちがしてきたのである。この山歩きは、そういう意味で自分に変化をもたらしたようである。修行道を行くということは自分を見つめることにもなるのだと。山の風景は音楽と共通するところが多いのではないかと。

大峯奥駈第１章　回想録（４日目その２）

第41靡：空鉢岳近くの橡(えん)ノ鼻からの眺望

七面山から伸びる尾根（槍ノ尾)、

谷は釈迦谷、その果てに片口谷が横たわる。

少し進むと岩影に、蔵王権現像が祀られている場所がある。

釈迦岳頂上の如来像と共に、

地元の強力「岡田雅行」が運び上げたと言われている。

世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を１２泊１３日で巡ってきました。

そのうちの 大峯奥駈道（吉野川柳の渡し→熊野本宮大社)６泊７日の旅を第１章として回想する。 、
４日目の行程（数字は標準時間）
◎弥山小屋 6:45 出発→0:30→八経ヶ岳(1915.1)→0:20→明星ヶ岳(1894)→1:40舟の垰(タワ)0:15→楊枝の森→0:15→水→楊子の宿小屋→0:30→仏生ヶ岳→1:00→孔雀岳→孔雀覗→0:25→橡(えん)ノ鼻→0:45→釈迦ヶ岳(1799.6)→0:35→□深仙ノ宿潅頂堂,避難小屋、深仙小屋合計6:15H
10kmくらいしかないが、15峰　up　805.9m　down　1205.9m　

孔雀岳→孔雀覗からは、岩稜が修験者の荷物にぶつかるという意味で、鐺（こじり)返し（山伏の護身刀の鞘尻(鐺)を返して岩に触れないようにする）や、両部分け(＝螺摺り（かいすり)：狭い岩の間をすり抜ける時に山伏の法螺貝が摺れる)などの難所がいくつも出現する。橡(えん)ノ鼻は峯中第一の絶景である。
大岩の下に張りだしたテラスからは西側の絶景が開ける。

４時ころ、深仙小屋に到着。まだ日差しは強い。
着てきたものをケルンなどに掛けて干すことにした。
夕刻遅く一人の男性が、この避難小屋に到着した。行者還小屋から弥山を経由して（９時間の行程）歩いてきたという。５泊６日の日程で大峯奥駈道を行くのだと。かなりの強行軍であるが、この後の日程は小生とほぼ同じである。今後この男性と付かず離れず、本宮まで同行することになった。

第38靡：深仙ノ宿(じんせんのしゅく)の四天石

わずかの台地であるが、90-270度と東西がすけている鞍部である。
つまり風の通り道。
西日とご来光が同じ場所で拝める絶景地である。
この岩の外れにも不動明王と思しき銅像が建っている。
四つの岩は、手前から多聞天、持国天、増長天、広目天の四天を指すといわれるが、
深仙ノ宿(じんせんのしゅく)では
弁財天、聖天、役行者、香正童子に模擬しているようである。（出展：大峯奥駈道７５靡より）
もっとも奥の岩盤(広目天)より滴る水を香精水という。
ストーローを岩窟の間に差し込むとそこからわずかの水が採取できる。
それを鍋に蓄える。
石を平らに積んで行き、採水できるように調整した。
時間があったからできることで行きずりであればここまでは出来ないだろう。
この深仙ノ宿(じんせんのしゅく)・・今日は独り占めである。（pm7:00までは）
計測すると、１時間で５００ｃｃが採水できることがわかった。
４時間であれば２Lとまずまず。
ただ満杯になったら、鍋からボトルに移し替えなければならず、
切り替えに常に岩盤(広目天)に足を運ばなければならないことである。

写真：40靡　釈迦ヶ岳頂上の釈迦如来像

総重量 134kgの如来は、大峯登山史上最強の強力と言われた岡田雅行が前鬼の集落から担ぎ上げたという。

写真：釈迦ヶ岳頂上から１時間、深仙ノ宿(じんせんのしゅく)の手前の森

笹の生い茂る山肌に突然「ホーン」という鋭い鳴き声
同時に「ザザザー」と笹が大きく波打つ。
鹿の家族が、リーダーの警報を合図に一か所にまとまったのだ。
尚も警戒の目をこちらに向ける。

Picture1（sketch-direction 0°pm1:49 Sketch point:Ennohana,Kumanokodo-Omineokugakedo,Nara Pref.,Japan GPS 34.118497,135.915100(°）（34°7'6.59" N,135°54'54.36" E）標高1681m
Picture2（sketch-direction 40°pm4:35 Sketch point:Jinsennoyado,Kumanokodo-Omineokugakedo,Nara Pref.,Japan GPS 34.109464,135.902081(°）（34°6'34.07" N,135°54'7.49" E）標高1593m

Google Earthを楽しむ方法
Blogに掲載されている画像はすべて場所名、方位、時刻、GPS情報と標高を付けています。このうちGPS情報(ex. 35.645569,139.615544(°）など )を、Google Earthのジャンプboxに貼り付けて検索ボタンをクリックすると、スケッチした場所に飛ぶことが出来ます。

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