『ラ・フィネス』『ミチノ・ル・トゥールビヨン』勉強会議事録 48
ジェームズオオクボ的視点で選んだ心に残るあの店のあの料理(名物料理百選) 21
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ふたつの経営課題 ただいま東京は債権バブルなので、高級店は活況を呈しているように見えます。そのためか、店を任されている料理長がスポンサーを見つけて独立する場合を見かけます。あるいは、日本政策金融公庫の制度融資も創業時なら1500万円~2000万円くらい無担保・無保証で出てしまいます。したがって、経営のことをよくわからないで独立してしまう料理人も多いです。 さて、本題、店舗経営には大きくわけて、ふたつの課題があります。 ひとつは、やりたいことを実現するために、どう進めるかを考え実行していくことです。私は、せっかく独立するのだから、長い商売を考えるとやりたいことをすべきだと考えています。ただし、開業当時にできると考えないほうがいいです。開業当初はいろいろな制約条件があるのが常、課題をとらえて、確実にできるようにしていくことが大切です。 もうひとつの課題、忘れている人が多いですが、とても大切です。それは、やりたいことを実現するために、その時、その時に必要なお金を用意することです。 一般論として、創業時なら、制度融資があり、それなりのお金を借りられるでしょう。そのお金をある程度、固定資産や設備に投資して、残りの運転資金が無くならないように、売上を上げながら維持していかねばなりません。 開業時にすべると、追加の融資は受けにくいです。滑らないように、お客様が増える、方法を二重にも三重も考えておくことが大切です。 商売は投資であり、現在の資産の残高はその商売の評価に他なりません。開業時より資産が増えないようであれば、その商売は存在意義がないと言えるです。 大久保一彦の開業塾は、東京、神奈川、大阪市、神戸市、京都市、金沢市、福岡市のかたであれば、どなたでも入れます。大久保一彦は個人の開業を応援します。個人のかたであれば、月会費1万円(税別)、開業準備から開業後1ヶ月まで1万2千円(税別)、1年経過後から1万円(税別)です。 昨年度も、金沢の『金沢町屋はっち』、鶴来の『ずいき』、船堀の『雪の窯珈琲』、本郷で今月DANCYUにも紹介されました『江戸前晋作』の四名が創業しています。次の時代につながる商売を応援します!!
2017.06.24
(相談ごと共有)やりたいことをやるには 先日、金沢に出張のおり、私に会いたいというかたがあり、食事をしながら、セッションしました。そのセッションが皆様の参考になると思い共有します。 その方は、金沢で、熟成肉の『中勢以』から高い肉を仕入れて、フレンチベースで、綺麗にお皿をかざりレストランをされたそうです。投資金額3,000万円(がんばって信用保証協会の枠いっぱい融資を受けた)最低のコースが7,000円~、従って客単価20,000円。しかし、最初は知り合いなどのお客様が来店されたものの、しばらくていて低位安定して月商200万円が二年続き、毎月の赤字がおそらく150万~200万円。そういうことで、店を閉めたそうです。(問題点1)なぜ、そういう店を始めたか・・そういう、素敵な空間で最高の素材で料理を提供する店が無かったから。 まず、そういう店が無いという場合は、多くの場合、その価値がわかる段階に見込客ない、少ない状態です。このステージでのアプローチにふたつの方法があります。1.超有名シェフであること 彼の奥田シェフは、まず、自費出版して、テレビ出演を目論んだと先日の講話でお話してました。超有名シェフであれば、お客様を誘導することができます。したがって、まず、超有名シェフを幽閉するというチョイスがあったと思います。2.時間をかけてお客様を教育すること こちらは、千葉の『カステッロ』の山田さんパターン。ただし、この場合は時間がかかるので、最初は、サービスなり、商品で伝説を作る店を作って、その後、理想の店を作るという二段構え、三段構えである必要があったと思います。(問題2)高級店をやるのに、それなりの席数なら投資3,000万円はいくら居抜きでも少なすぎた。個人ですからしかたありませんが、(問題1)の観点からも投資が少なすぎたと言えるでしょう。1億は用意すべきだったと思います。それなりの箱(装置、備品、スタッフ)がないとと、無名な店のスタートで、高級店は成立しないでしょう。つまり、店をやる場合、やりたいことをすぐするのではなく、手持ちのお客様を増やし、手持ちのお客様を底上げして、それから、やりたい店をやったほうがいいのです。
2017.05.24
飲食店のタイプとその経営 店を分類するときにいろいろな分類があります。今日は目的による違いについてお話をしていきたいと思います。 あるいは人気店には、予約を取ってもまでもわざわざ行きたい店と「まあ、あの店でいいか」という店のふたつのタイプがあります。上記は目的意識の強さで選ばれるか、安心感というか失敗したくないという心理から選ばれるかの違いであると言えます。 目的をもって来ていただくことはとても難しく時間がかかります。目的にたるものがなければなりません。 もう一つの、分類に、一回ぽっきりの売り切りなのか、(もちろん、店舗展開すればその売り切りの連続もあり得る)、繰り返し利用していただくのか店の作りも違います。繰り返し利用も、利用頻度でことなります。 選択肢がいっぱいある都会では、ほとんどのお客様は再来店しません。『食べログ』は最近まで、繰り返し来店ではなく、”食べ歩き”(同じ店に行かないで次々に情報をアップする)のためのメディアだった言えるでしょう。ちなみに、ほとんど言ったのは、物理的なアクセスの良さがあるお客様は繰り返し利用するからです。 ほとんどのお客様が再来店しないため、二度と来ないことを前提に、店作りをします。多くの店は出し切るでしょう。(だからこそ次がないとも言えます) 繰り返し利用していただくメリットは、お互いのことがよくわかることです。このお互いのことがよくわかることが、良くも悪くも経営に影響が出ます。というのは、お客様は店が思っているより店について熟知していくことと、店の鮮度が経時劣化するからです。 しかし、店には、繰り返し利用して良さがわかる店があります。そのような店は初回来店から、どう繰り返し来店にしていくかの流れを設計しておく必要があります。
2017.05.04
短期記憶と長期記憶 人間は外界からの刺激があると、短期記憶は一瞬で長期記憶とで情報のやりとりを行い、喜怒哀楽、恐怖などの感情を与え、行動のコマンドをあたえる。そして、ひとまず、短期記憶にとどめるべき情報を記憶する。長期記憶に格納されている情報は、生まれてからの経験はもちろん、人間が生きるために必要な祖先より受け継いだ情報もある。例えば、食べ物にありつけた快楽、暗がりに入る恐怖、赤い色から連想する血、木から感じる心の癒え、お母さんの子育て時の愛情などなど。
2017.02.19
多店舗経営はリーグ戦、個店開業はトーナメント戦 よく、「店舗展開したいので、業態を開発して欲しい」というご依頼、お問い合わせをいただきます。そのときに、私は、どれくらいの予算があるかを確認します。相手の経営規模、ファンドの軍資金、個人店なら開業資金です。 なぜかというと、多店舗経営とは何かがわかっていない人が多いです。とりあえず一店舗しかしないのであれば、その一店舗が長く続くよう、そして発展できるように考えます。その店しかやらないのですから、リスクを最小化して失敗しないことを考えます。いわば、トーナメント戦です。(次の戦いはありませんが・・)そして、店を作り込みます。どんな競合にも耐えうるようにです。 逆に、多店舗経営をするには、作り込むと店舗展開がしにくくなります。したがって、コンセプトや店舗パッケージ力は磨くものの、ある程度展開しやすいように店を作ります。そして、ある程度の確立戦で挑みます。多店舗経営はリーグ戦という言葉はここにあります。 一方、うまく行ったら店舗展開するという人がいます。トーナメント戦のかたです。この方はめったに成功しないでしょう。なぜならば、多店舗経営とはなんたるかがわかっていないからです。 だから、ご予算を聞くのです。店舗展開したい場合、5店舗くらいやって、どれもダメだったらあきらめるのが良いですね。ただ、これまでの私は運が良かったかもしれません。一件目で結構いい成績を収めました。だからなんとか20年やっていけているように思います。
2017.01.21
先日、本をいただきました。 実はこちらの著者の櫻井(現在は劒持)秀樹さんは、もうだいぶ前になりますが、『夢ー商通信』で取材させていただこうとオファーをしました。結局、取材に至らなかったのですが、それがきっかけとなり、出版に至ったということで、著書二冊をいただきました。ありがとうございます。 まずは、処女作のこしちらから。【楽天ブックスならいつでも送料無料】選ばれる人になる絶対的存在感の作り方 [ 櫻井秀樹 ] 著者が劇団四季時代に学んだコミュニーケーション術をまとめた本です。とてもわかりやすく書いてあります。 ビジネスにおいては、いかに自分自身に興味をもっていただくかが大切です。売れない営業マンは商品を売ろうとして、商品のすばらしさばかりトークしますね。実際、その手の商品は多いわけですら、「またか」と思うことは多いでしょう。それよりは、興味をもっていただくことが大切。そんな、ステップが書かれています。 第一章(本書ではSTAGE1)では、第一印象ので存在感ということで、挨拶、目でコロス、3秒止まるというわかりやすく解説しています。また、別れ際のぎゅうや決めぜりふを考える、眼輪筋トレーニングは、いかにも櫻井さんらしいです。このステップは不特定多数を相手にして、初回来店客の再来店率が極めて低い飲食店にも役立ちそうです。 第二章では「好印象を与える伝え方」では、存在感を作る話し方が書かれています。そのために呼吸法が大切だという、特に吐いてから吸うというのは参考になりました。そう言えば、昔、総体法を習っていたときに、1分以上吐くと丹田に力が入り、腹式呼吸ができると習いましたが、そんなことを思い出しました。母音から話す言葉を気をつけるも参考になりました。 第三章の「心をつかむ身振り手振り」も櫻井さんらしい内容で、とても役立ちそうです。 第四章では、また、腹式呼吸が出てきますね。他、お金ではなく内発的モチベーション、浅利慶太さんから教えられた「自分の時計を持て」、コンプレックスを先に明らかにする、同感でなく共感など役立つ話がいっぱいです。 第五章は「心が折れない自分」を手に入れろという章で、ネガティブにとらえるのではなく、いいことを想像した言葉に置き換えて行動を上書きするや、モチベーションスイッチの入れ方が心に残りました。私は「繁盛店の心を持て」、自分が繁盛していたらどう行動するかというアドバイスをよくしますが、似てますね。 最終章の六章は未来像と行動指針をつくるです。ぜひ、飲食店のかた、存在感を作りたい方、本書をお役立てください。【楽天ブックスならいつでも送料無料】選ばれる人になる絶対的存在感の作り方 [ 櫻井秀樹 ]
2016.10.01
商売には商圏ニーズ対応型と理想像追求型があります。 私のコンサルティング、理想像追求(未来像追求)の商売のステップには三つのステップがあります。1・損益分岐点を超えるまで2・やりたいことの土台を固めるまで3・やりたいことをやりきるです。 このタイミングに応じたカードの切り方が大切で、どんなに崇高なミッションでも、よっぽど資金的な裏打ちがなければ、赤字では継続できません。そのため、そのステージに応じたアドバイスをしないといけないわけです。 開業においては、まず、資金繰りの面の心配をなくし、やりたいことをやる基盤を作ることに専念することが大切です。このステージでほとんどの人は退場します。 欲がギラギラしてない社会性に目覚めすぎると、最初は少し意に反することをしたくないと思うかもしれません。ありがたいことに私は、生きて行くの必死だったので、一生懸命、今とは違うこと~すなわち、どうしたら儲かるかの追求~をやっていました。 ただ、この時、大切なことがひとつあります。それは信用を大切にすることです。私は一生懸命やっていたので、運よく、信用を築くことができたのかもしれません。 店のコンセプトや自分自身の信用を築くことはどんな場面でも失ってはいないことです。信用を築けば、後々、その信用を元手に、やりたいことに向かって商売を広げていけるからです。 逆に自分のやりたいことに向かうために必要な目先の利益は、必要最低限にとどめないといけません。本末転倒しますと、目先の利益が目的になります。 信用とは継続して、顧客価値を最大化するためにやるべきことだと考えます。だから、やりたいことをやるためでない、いや、やりたことと遠ざかることは最低限にしておかないと信用を害して、やりたいことから遠ざかってしまうからです。 顧客の年間の使用額(年間顧客価値)の最大化、いや生涯を通じて(顧客の生涯価値)の最大化ができないようでは、信用を築いたとは言えないでしょう。私は、このことを商売の戒めとして、常に考えています。考えられるということは正しい方向に向かっているのだと思います。 そして、多くの人に御世話になって現在になりました。次の世代のために、勉強代行やコンサルティングはそんな人の役に立とうと思います。
2016.02.12
初めての飲食店開業でうまくいかず、相談にいらっしゃる人がいます。紹介いただいて、本を読まれてなど、いろいろいます。 まず、うまくいっていないと事実をしっかり自覚しないとね。うまくいかないのは人のせいじゃなくて、自分のせい。だから、自分が変わらなくちゃね。 理想像があっても、資金繰りや現在の自分の能力など様々あるんだから、謙虚になって自分が変らなくなくっちゃ。まず、心。素直に話を聞いて、謙虚にね。 そうそう、自分のためにこだわるのをやめてね。あくまでもお客様あっての商売。お客様のためにこだわらなくっちゃ。地図を見ながら、ひとつひとつしっかりコツコツ。特効薬はないですよ。積大為少。でも、その先の未来に、必ず、理想像があるからさ。
2016.02.02
1) 足元商圏(一次商圏) 食べ物、異性、その他いろいろ、人間は欲求を満たすとき、手短なところで済ませようとする性質があります。足元商圏は、日々の生活と密着した消費行動の範囲と言えるでしょう。 日々の生活ですから食品などの生活必需品、日々の日用雑貨などの消耗品、日々の食事などの消費の場合となります。食事需要の根はここにあります。人は誰しも食欲という形で定期的に欲求が発生します。従って、競争に負けてしまって売上減少することはあるものの、ニーズは定期的に必ず発生するために食事需要は枯渇することはありません。したがって、人間がいる限り、“餌”を供給する店は無くなることはないでしょう。 ただし、日々の消費の対照物に求められるクオィティの水準はあまり高くありません。どちらかというと可処分所得と調達にかかる時間が優先されます。求めるクオリィティは生い立ちやおかれた環境からできあがった生活習慣、店舗からの教育(理想、信念、使命感、嘘・本当、想い、価値)で大きくかわり、消費者自身の生活水準に依存します。2) 週末商圏 日々の生活(仕事や家事や雑事)の消費範囲を超えて、ちょっと違う消費をするのが週末消費です。例えば、郊外のショッピングセンターでの消費、週末に仲間が集まる飲み会や外食、デート、ドライブ、日帰りあるいは一泊二日くらいでの旅行などのレジャー、家族団らんなどです。基本的な商圏の広さは移動時間で片道30分くらいと考えるとよいですが、ドライブや小旅行などのように明確な目的地があり、それに付随した外食であれば、目的地までの導線プラスアルファの寄り道まで広げて考えることができます。あなたの店が週末しか混まないとするならば、あなたの店は週末消費の店だと言えます。消費の対象物はやはり可処分所得、生い立ちやおかれた環境からできあがった生活習慣やパターン、店舗からの教育(理想、信念、使命感、嘘・本当、想い、価値)で大きくかわります。3) ファンタジスタ商圏 人はファンタジーを求める性質があります。そのファンタジーのためなら時間やお金を惜しみなく費やします。このような場合、商圏は限りなく広くなります。これをファンタジスタ商圏と言います。ファンタジスタ商圏は人を魅了したファンタジスタにのみ許される奇跡であります。例えば、記念日や特別な日のために、情報を吟味したうえで、わざわざ目的地として行く店です。外食産業ではありませんが、ディズニーは代表で、日本全国からわざわざ訪れます。目的の重大性や代替の有無によって見込み客の移動時間は変わります。したがって、この手の店の商圏は場合によっては無限と言えます。
2015.12.31
店舗商売は店を構えると商圏(お客様のやってくる範囲)が決まります。したがって、店舗の場所は商環境の難易度を決める重要な要素となります。だからこそコンセプトにあった場所を決めねばなりません。商圏には足元商圏(一次商圏)、週末商圏(二次商圏)、ファンタジスタ商圏(三次商圏)があります。一般的に特別な事情がない限り、消費者は手短な場所で消費活動をしますので、多くの店は足元商圏と週末商圏がお客様の来店する範囲となります。足元商圏の範囲は競合の状況でも変わりますが、代替の店舗があり、競合が激しければ商圏は縮小して、移動時間で5分、週末商圏で15分に落ち着きます。
2015.12.30
~2015年11月号会員向けセミナーより 「永続的な繁栄」を「ゴール」として、そのポジションに辿り着くまでに、どのようなプロセスがあるかを見ていきたいと思います。私が学んでいる竹田陽一のランチェスターの考え方を引用するならば、事業のスタートは複雑であればあるほど、経営力やスキルが必要になり難しくなるので、シンプルに絞り込んでスタートした方が成功に繋がりやすいということになります。 商売が成功するパターンは、「最初はグー」で一点突破して、客数を安定させて資金繰りを軌道に乗せます。一般に、アイテムが多かったり、事業が複雑であったりすれば、経営スキルがいるばかりでなく、在庫や人件費がかさみ、資金繰りも厳しくなりがちです。まずは、やりたいことをグッとこらえて、お客様が増えて軌道に乗せやすい環境、すなわち“オンリーワン”の環境を作り出すことが大切です。小さなことでもいいから“オンリーワン”のポジションを築くことが出来たら、シナジーや経営理念が合致する他のマーケットに手を広げていきます(この多角化する時期がパーとなります)。しかし、多くの場合、むやみに広げようとして、あれもこれも取りに行きますので、永続的な繁栄に結び付かない市場に手を出すことになります。そして、自社のミッションを再度見つめ直し、事業を絞り込んでいきます(チョキチョキ切っていくのでチョキとなります)。 一般的に、事業をスタートする時、本当にやりたいことや練りに練った事業プランで始めることはまれで、「これでいいのかな?」というように、手探り状態で、意外と簡単に始めることが多いでしょう。そうなると、事業をひとまずやってみたのだけど、自分はこういうことを実はやりたかったのだと気づく時が出て来るはずです。何をすべきか常に問い続け、運が良ければ、最終的に、「ああ、これだよ」というところに辿り着くでしょう。「これだよ」というところになりますと、あまり競争にも晒されなくなってきておりますので、繁栄に近づいていくということになります。したがって、起業時は、やりたいことを将来の目標として一旦温めておいて、まず優先的に、事業を軌道に乗せることが大切だと考えます。やりたいことをやろうとするあまり、難しいビジネスモデルに手を出してしまい、結果、やりたいことに行きつけないで失敗に終わる場合が多いというのが、私の20年コンサルティングをしてきての結論です。
2015.11.30
最近、開業やリニューアルの要請がなぜか多く、そんなときに質問をいただくのが、「どんなデザイナーを選んだらいいですか」「店舗デザイナーを紹介して欲しい」「どんな工事業者がいいですか」です。この質問に答えるコラムをスタートしました。題して、『開業者のための講座 店舗デザイナー、設計士の選び方』、今回は第6回目です。 今日は、設計・デザインと内装の施行工事の発注先の話をしましょう。【一括方式】設計・デザインと施行工事を最初から同じ業者にお願いすることで話を進めるのが一括方式です。工事期間を短くする必要性が高い場合や、工事のボリュームが無く、そのまま店舗として使える居抜きなどで工事金額が少ない場合、トータル金額の上限(指値)を伝えて工事を行いたい場合におすすめです。たまに、指値で工事は、工事後納得できない場合もあります。(「金額的に無理ですから」と開き直る業者も多いのでご注意を)【設計・施行分離方式】分離方式の良さは、工事業者の見積もりを複数とることができることです。実際見積を取ると、大きな隔たりが出る場合も多いです。新規店舗、全面改装などは、こちらがおすすめです。大久保一彦の本もよろしゅう【楽天ブックスならいつでも送料無料】成功する小さな飲食店の始め方 [ 大久保一彦 ]大久保一彦一番のベストセラー 10刷4万部
2015.10.17
最近、開業やリニューアルの要請がなぜか多く、そんなときに質問をいただくのが、「どんなデザイナーを選んだらいいですか」「店舗デザイナーを紹介して欲しい」「どんな工事業者がいいですか」です。この質問に答えるコラムをスタートしました。題して、『開業者のための講座 店舗デザイナー、設計士の選び方』、今回は第5回目です。 今日は、店舗デザイナーと設計者の話をしましょう。内装デザインはだけでしたら、建築士の資格は不要です。しかし、その後、複数の業者から相見積もりをとり、業者選定を行うのであれば実施設計図面が必要になり、二級建築士か一級建築士であるべきです。 ちなみに、一級建築士は、建築物の設計、建築許可が必要な物件では必要です。ただし、私の経験上、がっしりした建物を作るのは上手ですが、デザインのセンスはすぐれない場合が多いです。二級建築士がこのような案件に携わる場合は、提携している一級建築士と連動して行います。そのため費用的には100万円~250万円くらい割高にはなります。 続いて、店舗デザイナーと工事の絡みでお話ししましょう。建築士の資格のない“店舗デザイナー”が関与するしている場面をみかけます。例えば、有名なインテリアコーディネーターなどです。中には内装業者自身がそういう肩書である場合もあります。 その場合、工事も自分で請け負うことが多いです。この場合は、注意しないといけないのは、例えば、吸排気の風量計算です。一酸化炭素中毒になり、訴訟沙汰になったかたを知っています。 店舗デザイナーが図面まで用意する場合は、事務所内外に図面をトレースする建築士の先生がいる場合があります。そのためデザイン設計料は建築工事がなくても、300万円~500万円になる先生もいらっしゃいます。※一級建築士、二級建築士については、下記Wikipediaをご参照ください。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%A3%AB続きは第6回目へ
2015.10.15
最近、開業やリニューアルの要請がなぜか多く、そんなときに質問をいただくのが、「どんなデザイナーを選んだらいいですか」「店舗デザイナーを紹介して欲しい」「どんな工事業者がいいですか」です。この質問に答えるコラムをスタートしました。題して、『開業者のための講座 店舗デザイナー、設計士の選び方』、今回は第4回目です。 店舗デザインで大切なのがレイアウトです。レイアウトも、本来は自分たちが描くものです。 まず、必要機能をリストアップします。【ストレージ】ドライストレージ、コールドストレージ、ウォークイン、リーチインなど【厨房】必要機能、配置は・・【パントリー】ビールサーバー、グラス洗浄機、シンク、台下冷蔵庫、飲料ショーケース、ワインセラー、【客席】カウンター●席テーブル席 丸卓、角卓 ●名×●、●名×●、・・・個室 座敷、テーブル、丸卓、角卓、●名個室×●【トイレ】【レジスペース】【マネージメントスペース】【更衣室】その上で、フリーハンドでレイアウトしてみてください。1ミリ方眼紙で1センチを1メートルで考えてレイアウトするといいでしょう。この仮レイアウト図がデザイナーとの打ち合わせをよりスムーズにします。第5回目に続く
2015.10.14
最近、開業やリニューアルの要請がなぜか多く、そんなときに質問をいただくのが、「どんなデザイナーを選んだらいいですか」「店舗デザイナーを紹介して欲しい」「どんな工事業者がいいですか」です。この質問に答えるコラムをスタートしました。題して、『開業者のための講座 店舗デザイナー、設計士の選び方』、今回は第三回目です。 店舗デザイン確定するにはイメージのすり合わせをしなければなりません。その場合、一番良いのは、入口周りはここの店、個室はこのお店、メインダイニングはこの店のようなのを持つことです。 ただし、そのためには、自分はどういう空間を作りたいのかを数多く見なければなりません。もちろん、そのために“勉強代行業”という仕事が存在していますので、会員様はご活用くださいね。 もし、気に入った店のデザインのオーナーに、デザインしたオーナーを紹介いただくのが正攻法です。ただし、この場合は設計料は建築が絡まなくても300万円~500万円するでしょう。(筋を通すことが大切ですね。TPP締結されると店舗デザインの意匠デザインも認められる可能性大、アメリカでは内装が似ているということで作りなおすケースも多々あり) 気に入った部分的に違うパーツをデザイナーに組み合わせていただくには、デザイナーにバランスをとりつつアレンジしていただくことになります。 デザイナーはイメージをまとめて、カラーパースにします。カラーパースを自信で書く、設計士は意外と少ないので、費用がかかります。安い人で10万円、平均値で20~30万円、高い人で50万円(あくまでも私のアライアンスで)。デザインコンペをやる場合は、このパースを提出していただくかわりには対価が発生します。続きは第四回目に
2015.10.13
最近、開業やリニューアルの要請がなぜか多く、そんなときに質問をいただくのが、「どんなデザイナーを選んだらいいですか」「店舗デザイナーを紹介して欲しい」「どんな工事業者がいいですか」です。今日は、その話をしましょう。今日は、昨日の一回目に続いて第二回目です。 店舗デザインを決めかたについてお話しましょう。店舗デザインの決め方ですが、下記のふたつあります。・自分自身がイメージする店舗があり、そのイメージあう店舗を作りたい・デザイナーにお任せして、店ができてから店を組み立てたい 上記のことからわかりやすく言うと、店のつくり方にはふたつあるのです。コンセプトに合わせて店を探し、作り込むか、今あるもの(制約条件)に合わせて合わせて店を作るかです。例えるなら、料理が決まっていて材料を揃えるか、材料が適当に送られてきて、料理を決めるかの違いと言えるでしょう。 具体的な事例をお話ししましょう。 立ち飲みをやりたかった人が、たまたま、知人から駅前の物件の譲渡を受けました。しかし、立ち飲みはふらっと気軽に入る店です、セットバックした二階でしかも落ち着いている物件はふらっと入る目的意識を持たせる物件だったのです。これが物件の制約条件です。また、カウンターを作っても、コミュニケーションができないカウンターを作ってしまうとか、格好良すぎて入りずらいとか。、集客や増客に大きな影響を与えることがデザインや物件そのものでおこるのです。 デザイナーに依頼しても同様こなことがおこります。そう言う意味で、店舗デザイナーにプロデュースしていただくのはいいのですが、コンセプトに摺合せがなかったり、あるいは認識に誤差があったりすると、店づくりは別の方向になり、結果、大変なことになります。 店舗デザイナーを活用する場合は、全体をまとめるディレクターが必要だと言えます。会員でしたら、ぜひ、私に、お任せください。一人でやっていますので、料金表はあってないようなものです。チェーンから高級店までバランスよくできる人はそうはいないと思います。 ちなみに、私は、前職の経験を活かして、独立当初~処女作『誰も言わなかった飲食店成功の秘密』を出した2002年までは、大手中小の開業・リニューアルのディレクターと開発した物件についた若手マネージャーの立ち上げのサポートをやってきました。三回目に続く
2015.10.09
最近、開業やリニューアルの要請がなぜか多いですね。 開業される方の多くにご質問をいただくのが、「どんなデザイナーを選んだらいいですか」「店舗デザイナーを紹介して欲しい」「どんな工事業者がいいですか」ですね。あるいは紹介してくださいという場合もあります。 このお話に入る前に、私のことをご存知ないかたもいらっしゃいますと思いますので、私の開発業務で何をしてきたかのお話しをさせください。 私は、『新宿さぼてん』が急速に発展するところまでの売店整備とスーパーバイザーとして30店舗月商1億、経常1千万円のエリアを担当しておりました。実は、バブルのレストラン投資で、債務超過にあったグリーンハウスフーズでしたが、回収が6か月でできる売店展開を急速に出店して、社内もすっかり持ちかえしておりました。ただ、あまりにも利益を出し過ぎた私は、グリーンハウスフーズのプロパー社員の反感を買い、店舗開発からの人員補充の要請に私が選ばれ、店舗開発部署に転属となりました。 ただ、後で考えるこれはとても、ととてもありがたいことでした。私の上司竹下氏は、「君はずっとこの会社にいる人間でないと思うから、たぶん勉強になるんでやってるといい」とアドバイスをしてくれました。 私は、店舗開発部に移動すると、まず、物件を探すべく、未開拓のデベロッパーを通い人間関係を作りました。ありがたいことに、伺ったデベロッパーには物件が無くてがだめでも、その担当部長から、「この名刺の人を私の紹介でと尋ねなさい」と有力なデベロッパーの多くを紹介いただきました。こうした繰り返しで、移動して数か月ですでに手持ちは10件以上のほぼ確定案件を手中にしました。 物件をいただいたら、売上予測をして、工事費の概算を立て、損益計画、投資回収計画を立てます。そして、その予測に基づき、出店、条件交渉します。バブル崩壊後ということもあり、活況な企業にはいい条件が集まりました。当時の牛崎専務に、「そんなうまい話があるわけないだろう」というほどの条件を数多くいただきました。 続いて、設計会社を決定して、デザインを打ち合わせします。とても予算が限られていたのと、基本的な店舗構成パーツがきまったいたので、当時のグリーンハウスフーズでは、レイアウトとデザインは店舗開発が決めていました。自分でスケッチを描いて、デザインするわけです。これがまた役立ちました。この後、ハイディ日高や和光株式会社など多くの企業のコンサルティングをする上で強みになりました。 そして、見積りあわせを二社で行います。すぐ、着工と言う流れです。オープン予定日がそんなにない場合や、工事のボリュームが少ない場合は、指値を言って交渉します。 余談ですが、私は、紹介で秋田や関西など地方店舗をまとめて交渉して、まとめて開発に成功しました。 当時、新卒をとりだしたばかりの急速展開時で、人手不足だったこともあり、とてもいじわる(笑)な牛崎専務「開業までまで、お前がやるなら出店OKだし、お前ならできるだろう」と付帯条件をつけられました。立ち上げの、新入社員をエリア社員につけ彼らの立ち上げのサポートをしました。これがまた、独立して、仕事として役立ったことは言うまでもありません。続きはまた明日の2回目で
2015.10.08
ローカルな立地の場合、単品だとやっていけないということで、品揃えを広げてやっている店が多いと思います。 確かに、品揃えを厚くして利用動機を広げることは長く繁栄するにはとても大切なことではありますが、こと起業時にはそれが立ち上がりの成功を阻むことがあります。 起業時は冒頭でもお話ししましたように「グー」で突破することがとても大切です。そうでなければ、お客様に強みを打ち出せないために、新規客の集客がうまくいかず、一定の厚みのある口コミが得られず、爆発的にお客様来店したときにできる“店のブランディング”ができなくなるという負けパターンに陥りがちです。ブランディングがうまくできないと、エリアにある“いけてない”グループに無意識のうち格付けされてしまい、そのイメージを払しょくするのがとても大変になります。 開業資金があるのに、飲食店の企業を失敗する典型的なパターンは、このパターンで、手を広げ過ぎて複雑な店を作るという場合や、最初から大がかりにやり過ぎてしまったという場合がほとんどです。もっと勉強したいかたは、ぜひ「大久保一彦繁栄塾」へぜひご入塾ください。http://yume-akinai.com
2015.09.10
「食の演出家」の大久保一彦はフィーチャリングで福岡市は今泉付近に出没しております。このエリアは私のパートナーが多いエリアですね。 さて、今日は『パロマプラス』のガルグイユができたちゅうさかい、試食だすぃ。まずは「最初のつかみが足りない」という私の声を反映して“蕪のフラン”です。料理をひねったコースを展開する場合、最初の料理のわかりやすいおいしさが大切です。この後の料理のおいしさを“アンカリング”するためです。ちゃんと、わかりやすいおいしさになっています。 ターンテーブルの前菜。エキサイティングさと創作しているユニークさをうまく伝えるために考えたのがターンテーブルです。ターンテーブルというと中国料理ですが、中国料理でもあまり使わなくなりました。それは供卓料理が“大衆的”なイメージなるからかなと思っています。逆に『パロマ』はポピュラーゾーンを狙っているのでこの方法を考え付きました。パロマの料理は『Fujiya1935』『カンテサンス』『カセント』などの料理をオマージュしています。ただし、最終的には、『Fujiya1935』の料理がわかりやすいということで、こちらに軸足を置いております。さてガルグイユです。ガルグイユには白いターンテーブルを使います。魚料理元々はぐじを使っていたものをオマージュ。真鯛に変えたために身が締まり、全体のまとまり感が無くなるので、改善が必要ですね。菊池芳醇豚の低温ロースト鰯とフォアグラの鉄鍋ご飯苺ショートの再構築これをアヴァンデセールに使うには味の温もりが強すぎ。次のグラニースミスと入れ替えるあたたかいグラニースミスPALOMA GRILL(パロマ・グリル)福岡県福岡市中央区今泉1-3-13 電車 092-715-0346
2014.01.26
2014年1月にリリースします3年ぶりの書き下ろし。その内容から今日は、2013年にまとめということでお届けしましょう。商売にはふたつの方向性がある 商売には次のふたつの方向性があります。商売のふたつの方向性1.消費者生活に必要なものを売る2.すべてのもの一貫してあなたお店の“未来像”で売る消費者生活に必要なものを売る 消費者が生活必需品を買う場合、その人にとって必要な機能を満たしていれば出費を抑えようという傾向があります。人口減少+生産年齢人口激減に転じた今、供給>>需要の状況下でありますから、流通価格は極めて低い水準に向かい続けます(デフレ)。単価が下がり、購買する人口が減少しますからマーケットは縮小していっています。例えば、退職した高齢者世帯の夕食、サラリーマンのランチなどの出費の金額は年々減少傾向があります。すべてのものを一貫してあなたの店の“未来像”を提示してで売る 人は必要なものを流れで購入します。景気が良ければこの傾向が強く出ます。逆に不景気になれば、日々かかる経費を節約しようという潜在意識が働き、安いものへ自然に購買活動は向かいます。 しかし、未来への意識をもって購買活動にあたるようになるとちょっとくらい高くても、自分が納得したものを買おうとします。納得するには、まず信頼できる取引先との共感(エンゲージメント)が必要です。そして、その共感は売り手の想いなどの未来の羅針盤があるからこそ生まれます。“未来像経営”の良さ あなたの未来像を示してで売ることの良さは下記の三点です。“未来像経営”の良さ1.付加価値をつけて売ることができる2.継続的に売ることができる3.よりよい(良い、善い)ものを売ることができる この三点により、売り手、買い手の長期的関係を持続可能にします。この三点があれば、働いている人の所得が増えます。そうすると、その会社に長期的に関わることができて、人間的に成長ができます。そのようなスタッフと関係を維持できれば顧客も幸せを享受できます。 一般的に生活必需品は成熟経済ではディスカウントされるので、そこに関わると、どんどん状況が悪化することがあります。つまり、関わった店や会社の状況で立場の二極化の原因となりうるのです。 逆に理念経営しないと安いものしか売れなくない、同じ想いで結ばれないお客様が来るなどの現象が起こるでしょう。あなたの店の“未来像”発想の方向性 理念を発想する方向性は下記のふたつあります。“未来像”発想の方向性1.ゴールからの発想 想い、ビジョン、国づくり、街づくり2.自分の立場から発想 ミッション、やるべきこと“未来像”を表現してみる 商売する意味、やりたいことを書きだしましょう。そして、優先順位をつけます。また、今やれること、未来にやるべきことを整理します。そして、その先にある未来を発見します。未来の羅針盤を言葉で表現する 経営理念の表現次の四点に注意してください。1.わかりやすい言葉で表現する2.みんなが共有できる言葉で表現する3.具体的な言葉で表現する4.四方よしの言葉で表現する
2013.12.29
よく「給料はお客様の売り上げから成り立っている」という言葉を使う人がいらっしゃいます。そのことを「スタッフにわかってもらいたい」ともおっしゃいます。 経営者の目には「出勤して店にいれば給料もらえる」と思っているように見えるのでしょう。だからスタッフにわかってもらいわけです。 ところで、その店は求人をどのようにかけたのでしょうか?給料と休日と勤務時間、勤務場所、作業の内容しか明記していなかったんではないでしょうか? スタッフは自分を映す鏡、自分のしていることが結果としてかようなスタッフを呼び込みます。 実は従業員のレベルアップの根はこのようなことにあるのです。 悪い求人をかけて採用した人をなんとかしたい場合は世の中への貢献と割り切って出会った人への人生を最上のものにする覚悟で本気で取り組む必要があります。私のような遠隔操作型のコンサルは大枠は作れますが、その人につきっきりでコーチはできないのです。
2013.09.19
『第三春美鮨』の大将長山一夫さんは「江戸前寿司の技を再考し、産地を巡り、江戸前寿司を後世に伝える」という価値観をお持ちです。 その『第三春美鮨』で魚と江戸前寿司を学ぼうと年間30回を目標に勉強しに行こうと思ったのが今年の四月ころです。 通うようになって“おいしさ”という価値観について多くの気づきがあります。人間が「おいしい」と感じるのは今ある状況が非常に重要であり、多くの人のおいしいと感じる価値はあまり多様性がありません。だからこそ満腹中枢を科学する“餌性”という概念が存在するわけです。 “餌”を求めるお客様を見て、多くの料理人は卑下したり、失望したりします。しかし、私に言わせれば、それはせっかく出会ったお客様に何もしないでいる食に携わるものとしてはあるまじき無作為に過ぎないと思うのです。お客様に多様な価値を提案して、食の楽しさを提供して、奥深い食に興味をもっていただく、そんなことをして欲しいわけです。 おいしさには落としどころがあります。その落としどころに気づいていただくこと。これがまず大切です。 落としどころはどのように決まるのかというと、経験を横に並べての対比から生まれます。一般的に横に並べた経験との対比は、違う店と対比から始まります。この比べかたは親の他人の子どもとの対比と似ています。違う個性を比べることでわかったようになれるのかもしれません。横並びの対比をするはなんらかの価値を比べるための、スケールを設けることです。ただ、このレベルは食の探求からすると“初級編”だと言えます。お店では同時に二種類の“類似物”を提供して微差を比べてもらえるからです。『第三春美鮨』今年の20回あまりの訪問の中でこのようなことを数回してくれました。マダカアワビとアフリカのクロアワビの対比と写真にあります新子と小肌の対比です。新子と小肌を対しして、長山さんに小肌と新子のおいしさの落としどころを聞きたくなりました。「小肌には脂ののったうまさがあり、新子には季節をおっかける瞬間のうまさがある」と答えが返ってきました。その答えを聞いて、同じ日に対比できたことを幸せに感じざるを得ませんでした。 今までの講義ではお話ししませんでしたが、過去の類似物の対比という次元の高い対比があります。これが店に通う醍醐味であり、この楽しさを提供できないとお客様はいずれ飽きます。親父さんが出してくれる間違いないものでも、お客様自身が違う楽しさを見出さねば、飽きてしまうのです。 その肝が『第三春美鮨』が毎日作るお品書きにあるように思います。画像のお品書きをご覧ください。このお品書きには、魚のアイデンティティが書いてあります。長山さんが選んでいるんで基本的に品質だけ考えると安定したものがありますが、何度も通うとこの違いを明確に認識します。 つまり、このお品書きが、お客様を微差の対比に誘い、食材は一期一会であることに気づかせてくれるからです。そして、過去の自身の記憶との微差の認知という食の探求が生まれるのです。継続購買の落としどころは微差の提供にあります。その微差に気づいてもらうことは非常に重要です。利用頻度が低い店はこのことをしっかり理解する必要があります。あまりにも来店間隔が空きすぎると微差はまったくわからないのです。しかし、微差に気づくことがわかっている人は以外と多いのにはおどきます。ディズニーランドの隠れミッキーが代表です。崎陽軒の醤油入れの柄もいろいろあり、レアな限定バージョンもあるとか。凄いですね。
2013.08.01
今日は、過去の大久保一彦ファンクラブ会員向け冊子2011年9月号から、過去の記事の検証をしましょう。 「打つ手は無限」これはたいへん御世話になっています日本経営合理化協会の牟田理事長の哲学です。今月は、これからの外食産業が生き残るための可能性を「打つ手は無限」という切り口で論じます。 成熟した先進国は合理化・機械化で単純労働が減っています。生産年齢人口の激減で仕事自体も減り、もちろん求人も激減しています。そんな中でお金をかせぐ手段である商売というものが長期的には見直されています。このような時代背景にあり、身近なレジャーである飲食店はとても有望であります。それは、心の活力や、身近な幸せを提供できからであり、今後はこの部分がクローズアップされるのです。 このときに大切なことは、スマートフォンの普及による情報の大衆化と、ますます進む小商圏化の影響を考慮することです。影響はおおまかに三つ考えることができ、まずスマートフォンの普及はみんなが常時接続のコンピューターを持ち歩いている状態を意味します。これにより、現在ある端末(例えばレジなど)はよっぽど高度なシステムが無い限り、スーパーコンピューターのような存在になる可能性が大きいです。二つ目が誰でも簡単に情報を入手できてしまうことは、不要な移動を無くすでしょう。これにより小商圏化が固定していきます。三つ目がテレビや新聞のようなマスメディアから情報が流れていた時代とは違い、みんなが双方向の情報交流ができる端末を持つこれから時代は、情報のコントロールが難しくなり、売り手が情報のコントロールをしようとすればするほど、情報の信憑性を低く感じてしまう皮肉をひきおこすでしょう。 小商圏化が進むことによる影響は、見込み客を限定的にするために、自分の店のある足元商圏のお客様に家族や親しい友達にするようなサービスを実現して信頼関係を築くことができるかが明暗を分けます。そして、常に喜んでいただくためにはと考えると、商圏内のひとそれぞれの楽しみかたの多様性への対応が必要となるという結論に至ります。楽しみ方の多様性とは日常使いと非日常でも使える店です。一件矛盾するようなことですが、このような成り立ち必要なります。 アメリカでのビジネスのキーワードにハイパーローカルという言葉があります。もはや、ローカルの時代ではないのです。自分の商圏のお客様にどう喜んでもらえるかという視点で“どローカル”な店になれるかが重要なのです。 時代が成熟して、飲食業の店作りの軸は三つに集約されてきました。ひとつが利便性、商品力を軸にしたブランド(暖簾)、お客様への密着です。この三要素を知っていれば打つ手は無限なのです!利便性は低価格だけでない! 利便性は、バブル崩壊以降の外食産業が突き進んできた日常マーケット行きの終着駅だったと言えるでしょう。考えてみれば、その道の途中、特に日常マーケットに舵をきった瞬間はもの凄い利益を導き出してくれました。 しかし、今は凌ぎを削りあい、“無い袖は振れない状態”になってしまいました。現状の価格競争の行き着く先は、売り手の自己犠牲の精神しかありません。もちろん、喜んでいるはずの消費者も基本的には自分自身の賃金デフレにあい、不毛な輪の中にいることに変わりはありません。(気づいていない人が多いのですが・・) どうも、国はこれからの義務教育を物言わぬ市民の育成さらに目指すようで、人口減少が確実なこれからの時代、この流れは変わる余地はなさそうです。 しかし、利便性の切り口は価格だけではありません。私は利便性も見方を変えれば可能性があると考えています。 例えば、利便性のひとつである“近い”という要素は有望です。というのは、ものあまりの時代、消費者がわざわざ遠くの店まで出かけることはまれで、基本的に近場で消費するようにますますなるからです。 この消費の傾向に着目すると、近場のお客様の即時消費性という切り口で瞬間のニーズを満たせばこれからの時代は活路を見出せます。 即時消費性とは喉が渇いたときにある目の前の販売機が代表ですが、今すぐ利用する利用動機で、「今すぐ需要」と言うことができます。主に自分のために消費するきっかけになるタイミングを意味します。このタイミングなら小売希望価格であるにも関わらず売れるのです。 そして、近い位置にいれば、ニーズがあった瞬間を捉えることができるのです。食のニーズは無限にあります。だから、この部分に着目すれば打つ手は無限なのです。 そうすると、その近場の競争関係の中で優位に立てばより商売のチャンスは増します。このとき大切なことがあります。あのサッカーの名監督モウリーニョの使うやりかたです。サッカーの名監督モウリーニョを知らないかたのために説明すると、彼は勝つサッカーをするために、対戦相手を徹底的に分析して、相手の強みを消してしまいます。商売でもこのやりかたが重要になるのです。この点については長くなるので、連続講座に譲ることにします。 商品力を軸にしたブランド 二つ目に商品力を軸にしたブランドという軸の話をしましょう。商品はわかりやすく破壊力があります。圧倒的な魅力になる商品があれば強いです。しかも、喫食頻度が高いものとなれば手堅いです。多くのB級グルメの老舗はこの位置づけで商売をしています。 しかし、その場合はなるべく見込み客を絞り込まない商材でかつ真似されない差別化された要素が必要になります。また、商品そのものだけでなく、そこにある背景が重要になります。次月お話します理念が重要になるのはこのためです。お客様への密着 もちろん、ABC分析の講義でもふれたパレートの法則によれば、下層階級が増えれば、一部の富裕層はますます富むという皮肉を生みます。従って、階級格差はますます広がるでしょう。もちろん、一時的になりあがったとしても、本当の富裕層でないと税や投資で資産は吸い上げられてしまう世の中のメカニズムがあり、皮肉です。そういう意味では彼らからお金を巻き上げる商売ならいいですが、そうでないなら、本当の富裕層を相手にしないと商売は未来永劫続きません。 本当の富裕層を相手にする場合は、本当の富裕層に照準あてる場合、スタッフの密着が重要となります。お客様は店でなく人につきます。 お客様がつくスタッフの条件は、ニーズの以心伝心、アレンジ力、臨機応変さ、誠実さ、相性の五つです。 もちろん、食がレジャーであることに鑑み年一度あるアニバーサリーなどには下層階級を取り込むことができますし、このマーケット有望です。この場合でも、めったに利用しない店であることに鑑み、スタッフの適度な密着は重要です。ただ、アニバーサリーを狙う場合、商品などわかりやすい要素のほうが見込み客の誘導には強みなる可能性があるので、このポジショニングをとる場合は商品力や古民家などの建築物などわかりやすい要素にも力を入れておかねばなりません。この点が本当の富裕層とは逆になになります。どうでしたか?なかなか二年前ですが、いい線をついていたように思います。
2013.06.03
理念経営というのは昔からありましたが、未来を見据えた価値観共有集団をつくることを意味しますので、人口減少で内需減少の時代の有力な手法を言えるでしょう。 ただ、理念をつくることだけで終わってはいけません。つまり、単に未来はこうしたいと決めただけでは不十分で、未来に向かっていく一歩を踏み出し、少しずつ修正を繰り返さねばなりません。とても長い道のりです。日々の行動をどのようにしなくてはならないか、商品開発はどういうことをしなければならないか、サービスだったらどうしなくてはいけないか、お店の施設はどのように維持しなくてはいけないか、いろんなことがありますが、運営しながら、それをディスカッションしながら、ひとつひとつを決めていかねばなりません。 そして、これで本当にいいのだろうか、他のやり方があるのではないか、ということを常に見つめなおし、お客様とエンゲージメントができたことを斟酌して、常に修正を加えていくことが大切です。 現状維持思考ではダメなのです。「最初にルールを決めて、守りながら店を維持していく」のようなやりかたは今までの右肩上がり、人口が増えてマーケットが成長していた時代のやり方です。これからの時代は、自分で次々に現状を打ち破り、一歩一歩駆け上っていかねばならいのです。人口減少という局面では、未来の価値を提示でき、共感を引き出せる人か、もしくは、システムを作って価格競争で勝負する人しか勝てません。普通に商売する人は退場するしかない時代になっています。 逆の見方をすれば、理念経営を本気でやっている人は飲食業界ではほとんどいません。したがって、大きなチャレンジではありますが、気づいた人にはチャンスが広がっているのです。そして、行動指針を決めて、軌道修正する中で大きな原動力になるのが、お客様に喜んでいただいたことです。このお店いいね、このようなこといいね、というエンゲージメントをスタッフ同士で共感・共有できるというのが大切です。エンゲージメントに対して無関心なお店はなくなっていくと思います。あのようなことをやるとあんなに喜んでもらえるんだ、じゃあ、僕もこうしようという、せっかくエンゲージメントできたことは資産ですから、それを運用できる会社は勝てます。そうでない会社はなくなると思います。私は理念経営を落としこむことは経営革新の手段だと考えております。もので差別化できなくなった今の時代、背景にあるリソースこそが、他店では感じない共感・エンゲージメントを生むのです。近い将来、理念経営は、みんながやっていかなくてはいけない課題となるでしょう。この未来の羅針盤が公共的に認められれば、パブリックエンゲージメントとなり、ものすごい勢いで成長していきます。そうでなくても、2013年、皆さんのお店もやり方を変えて頂いたら面白いのでないかと思います。今年もあと僅かになっておりますが、いい店づくりを、より次の世代に伝えるために頑張っていただければと思います。大久保一彦ファンクラブ会報「四方よし通信」年末感謝号より
2013.06.01
高校時代、お袋が重い心臓病になった。大学時代、お袋は脳梗塞になった。おやじの援助が無くなり大学をやめることになった。生きるすべを知らない自分は、バイト生活が始まった。 自分が幸運だったのは、多くの人に支えられたことだったと今思う。 そんなバイト生活の中、親父が今度は末期癌になり死んだ。お袋の金銭的な面倒を見るために、金を稼ぐことに終始した。 しかし、自分はついている。必要なお金を稼ぐいい出会いが必ずあった。一生懸命に生きていたことが大きかったのかもしれない。 お袋が死んだのが、今の仕事をはじめてそこそこになったころ。お袋が死んで「今までの人生はなんだったろうか?」と、自分の人生を見つめなおすようになった。 そして、お金を稼ぐ以外、何も残っていないことに気付いた。 自分の人生でやりたいことをやるということが抜けていた。一度の人生になのにね。 だから生き方を思い切って変えることにしました。 人生で大切なことは、やりたいことをやること。そして、お金を増やすこと。 自分はお金を維持するためにだけ生きてきた。 そんなときに思った。「商売も同じでないか」 商売も「やりたいこと」ができて、お金を殖やせたらなんてハッピーなのか! 働く人はどうか? やはり、やりたいことがあって、収入が増えたらハッピーじゃないかって。 そこからやりたいことについての研究が始まった。 すぐにわかったのが、「やりたいな」「だれかが・・してくれないかな」と思うだけではだめで、ます、「やりたいことは必ずできる」ということを意識しなくてもそう思えることです。 次に、「どうしたらできるか」を常に考えることです。 今は私には、世の中のニーズに合わせるという発想はありません。自分のやりたいことをどうしたら実現できるかしかないのです。 自分のやりたいこと=「善い商売を広め次の世代に広める」なんですが、 善い商売ってなんだろうと常に考えます。 でも、答えはわかっています。やりたいことをやっていて、その営みでキャッシュが増えていることです。そういう人を応援するのです。 だから、大切なことはクライアントさんのやりたいことの選択肢をいっぱい提供すること。そのために、世の中にあるありとあらえるサービス業を研究して、やりたいことを見つめていただくのです。大久保一彦の思想を書いた本【送料無料】善の循環経営 [ 大久保一彦 ]
2012.08.29
お客様を増やすためには、お客様を減らさないことがまず大切です。お客様を失うわけをみていきましょう。 お客様を失う理由にはいくつかあります。(1)不満足成長期においては絶句するような失望、成熟期においては予想(過去の経験による基準)以下のサービスによる不満足です。不満足を防止するためには、見込み客が必要と考えている価値基準にあった最低ラインのオペレーションを構築しなければなりません。(2)習慣化する前に忘れる「初回来店時にはとても気に入った」はずですが、店への訪店が習慣化する前(選択肢に入る前)に忘れてしまう場合です。初回来店からお客様との信頼関係を築くためには、“善の心”が重要です。(3)飽き「満足なんだけれど飽きてしまった」です。多くのお客様は、最初に目に見える、わかりやすいもので店に魅力を感じ来店を続けます。 しかし、わかりやすいものですから、すぐ飽きます。わかりやすいものは、わかりやすくて伝わりやすいのでお客様を引き付けますが、飽きるのも早いのです。一般的にわかりやすいもので集客をかけて初回来店客をリピーターにしたとしても、飽きられてしまいます。そのため、新規客が望めない今の時代、単純に目に見えるものだけを売る商売をしている店が厳しくなっています。見えるもの代表が品揃えです。市場の成長期においては、どこかでやっていることをパクることが早道でした。 しかし、これからの時代、単なる品揃え発想では、店は長続きしません。品揃えのような目に見えるものでお客様をずっと引きつけることはできません。すぐに、飽きられてしまいます。これからの時代は、共感し心に訴えかけるものがないと厳しくなります。見えないものを売ることが飽きられないために重要なのです。キーワードはPE(Public Engagement)です。つまり、共感をもとに結ばれた関係を作る。これをもとに一体化したコミュニティを作る。こういう終わりのない未来に一緒に向かわないと飽きるという部分は否めないでしょう。だから、ウォルト・ディズニーは「ディズニーランドは完成しない」と言ったのです。共感しあうために重要になのが、「品揃えを売るな、心の糧を売れ」です。想いや “理念”やミッション、ビジョンという“共感”できるもの“をもとにビジネスを組み立てる必要があります。(4)選択肢から外れる(忘れる)飽き→来店のインターバル→忘れる→選択肢から外れる(マインドシェアが無くなる)最後の要素が、自然消滅です。これが一番の難関かもしれません。せっかく気に入って、店に通うような人間関係を築いたにも関わらず、飽きてこなくなると、忘れてしまいます。忘れるということで築いた関係が自然消滅になります。お客様が店に来なくなるのは店が悪いわけではありません。店の開店があまりにも多い時代、次々に店の情報が飛び込んでくるため、お店としての情報鮮度を保つことが難しくなっているのです。昔は流行っていたのだけれど、今は流行らない言うことが顕著になってきているのです。そんなお店がどんどん一気に衰退してしまうのは、この(4)の忘れるということが引き金なのです。お客様が忘れないために、大切なことはお客様と何らかの接触をすることです。特に、最近、私が重要だと明確に言うようになったのは“自然な接触”と“事務的な接触”です。友達関係には友達関係にふさわしい接触。薄い関係だったら薄い関係なりの接触というのが私の持論で、これがこのふたつの接触の意味するものです。薄い関係となった顧客と自然な接触ができるのがハガキです。ハガキには年賀状のような思いだし効果のみを狙った自然な接触と「お金頂戴」ハガキ(俗に言うDM)による接触があります。 お金頂戴餌ハガキによる接触とは、セールス色を出すハガキです。餌をぶら下げて、「(このケチ野郎、)激安にしたから来い!」という強引な接触をするもので、ハガキ代の元をとろうという姿勢がそうさせます。これは突然、何十年ぶりにかかってきた同級生の電話のようなもので、怪しい香り(売りが強い)を感じるのです。 逆に、綺麗な可愛らしいハガキを作って、宛名も手描きでなく、ラベルにして、ふさわしい時期にタイミングを見計らいさりげなくコンタクトをします。そうすると、「そうだ最近レストラン大久保に行ってないな」思い出します。お客様が来なくなったのが単純に忘れたであればこれで十分です。また、「いつもハガキを送ってくれるな」と印象が付き、年末宴会シーズンのコンタクトで、「あぁ、またレストラン大久保から連絡が来ているな。じゃあ(忘年会シーズンだし〇〇と忘年会やるか、予約してみるか」というよい流れを作る可能性があります。 強い接触しすぎると飽きてしまいます。そして、接触しなさしすぎると忘れてしまいます。このお客様との接触の設計は、非常に重要です。お客様を増やすのも失うのも、接触の設計にかかっています。皆さん、お客様との接触をしっかり設計してください。大久保一彦ファンクラブ会報7月号より
2012.08.27
あなたが生きていくために、給料はいくら必要ですか?例えば、結婚をして家庭を持って、子供が二人いたら・・もし、奥さんが家庭で子供の面倒をみるならば、税金などを考えると最低年収500万円くらい必要でしょう?残業代などを含めて月給40万円くらいは必要です。 もし、自分で稼げなければ、足りない分を奥さんが働くか、親にお金を借りるしかないでしょう。 ちなみに、月給40万円をよくある飲食店の社員ひとりあたりの残業も含む総労働時間210時間で割ると、一時間あたり1,904円です。社会保険料なども含めてざっくり考えると2,200円。この数字を労働分配率40%で割ると、5,500円の人時生産性(人時粗利高)が必要であり、原価率が25%なら、7,333円の人時売上高を実現しないといけないのです。 もちろん、全員が月給40万円をとるわけではありません。キャッシュを作り出す能力に応じて変わります。しかし、確実に言えるのは、これからの時代は何時間働いかで収入が決まるのではなく、いくらキャッシュを生み出せるかで能力が判断されるのです。したがって、会社が求める人材はキャッシュを増やす人間か店を回すための人材と二極化しています。それにより支払う賃金も変わるのです。大久保一彦の本【送料無料】小さな飲食店が成功するための30の教え
2012.03.04
キャッシュを増やす人材とは、高いもの(高付加価値商品)を売ることができる人材。あるいは、それなりののしくみを作って販売スキルの低いパート・アルバイトで、費用対効果よく売れるようにできる人材です。もちろん、高いものを販売スキルが低い人材で売れるようにできれば最高ですが、スターバックスのような強力なブランディングが必要になり、高度な経営を学んだ人材しかできません。 そして、その店を回す人材も誰でもいいという時代は終わり、どこでもいい人材を望む時代となっています。もっと給料水準の高い業界でもパート・アルバイトを採用するため、いいパート・アルバイトを採用することが外食産業では非常に難しくなっているのです。高く売れなければ、月給40万円はおろか社員すらでも営業ができなくなるわけです。したがって、高いから売れないのではなく、どうしたら高く売れるかを常に考えないといけないのです。そのためには、「高く売り、(お客様に)喜ばれる」ことしかありません。大久保一彦の本【送料無料】善の循環経営
2012.03.03
仕事をする意味は、「自分のキャッシュを増やす」ということと「やりたいことをやる」のふたつです。これは店や会社の目的と同じです。≪自分のキャッシュを増やす≫ 自分のキャッシュを増やすには、店や会社のキャッシュを増やすことと同じです。間違えないで欲しいのは会社のお金を使わないことではありません。使わないことは減らさないことであっても増やすとは限らないからです。もちろん、店や会社のお金を使わずに増やすこともできます。そうできれば、他の店長よりも著しくよい業績が際立っているでしょう。 キャッシュを増やすということは、お金をうまく使い費用対効果よく客数を増やし、粗利益を増やし、最終的に利益を増やすことです。そして、使わなくてもよいお金を使わないことです。使わなくていいお金を使わないということには限界があります。あまりやりすぎると縮小均衡するからです。そして、お客様を増やすためのお金を削減してしまう場合もあります。あなたはどこにお金を使えばお客様が増え、粗利益が増え、利益が増えるかわかっていますか?
2012.03.02
≪やりたいことをやる≫ あなたの「やりたいことは何ですか?」これもとても大切です。やりたいことは夢、将来(人生)のビジョン、自分の使命の三つうちどれからから導き出されることが多いと思います。若いうちは自分の限界がまだ理解できませんから夢、自分の人生の先が見え始めた40歳ころには使命ということで、人生のビジョンを導き出すものです。 もし、やりたいことがわからない場合は、「今やっている仕事を天職だ」と思いその道を究めてみることです。皿洗いでも究めれば見えるものがあるのです。成し遂げたことがないから、中途半端と逃げを繰り返し、取り返しのつかない人生は少なくないのです。大久保一彦の本【送料無料】善の循環経営
2012.03.01
私大久保一彦は多くの会社の管理運用規定を作ってきました。今日はその中から「まな板・包丁の管理」です。【担当者】 調理場責任者・調理係□□□□ 【目的】 お客様に満足できる料理やサービスを提供するためには、衛生管理が大切です。 衛生的な調理場で仕事をすることで、お客様にも、より安心して満足いただける料理を召し上がっていただけます。□□□□ 【厳守事項】 まな板や包丁に雑菌がいっぱいで常に消毒して清潔を保ちましょう。定位置管理を徹底しましょう。□□□□ 【使用器具】 オスバンS(日本製薬株式会社)・専用ふきん・アルコールスプレー【作業手順】□□□□ まな板と方法は野菜用、魚用、肉用、調理済み食品用に色分けして混同しないように注意します。□□□□ 終業後、まな板は洗剤で洗い、200倍に薄めたオスバンSが入った80℃以上のお湯で10分以上消毒します。□□□□ まな板はたててよく乾かします。□□□□ 包丁は洗剤で洗い、漂白剤が入った80℃以上のお湯で5分以上消毒します。※柄の部分は雑菌がいっぱいです。よく洗い、消毒をしましょう。□□□□ 包丁は、一度乾燥させます。使用前にはアルコールスプレーで仕上げます。□□□□ 包丁は専用の殺菌庫で保存しましょう。オスバンSのお求めは【武田薬品工業】オスバンS 600ml【第3類医薬品】☆☆※お取り寄せ商品こちらもおすすめ【送料無料】 [DX-1] ガイガーカウンター 黒 携帯放射線測定器 放射線 チェック 放射能 放射レベル測定[DX-1] ガイガーカウンター 黒 携帯放射線測定器 放射線 チェック 放射能 放射レベル測定
2011.05.20
私の長年の友人であるフーズデザインの加藤光夫氏のホームページより190 グリドルの温度 180 ロースト調理のオーブンの一般的温度 120 低温調理オーブンの一般的温度 100 水の沸騰温度 82 ホットコーヒーの一般的温度 80 ハム、ソーセージ製造での、調理ボイル槽の温度 75 1分以上で細菌完全に死滅(厚生省、都立衛生研究所) 74 牛乳の高温殺菌(15秒) 72 コンベアオーブン、スチーマーなど、機械調理での一般的調理肉中温度 70 細菌死滅のための安全温度(都立衛生研究所) 68.3 O-157、8秒で死滅(米国でのデータ) 65.5 O-157、32秒で死滅(米国でのデータ) 63.3 ハム、ソーセージなどの食肉加工製品、この温度で30分 62.7 O-157、2分07秒で死滅(米国でのデータ) 60.0 O-157、8分20秒で死滅(米国でのデータ) 58 一般的な薫煙温度 42 病原性大腸菌の増殖、この温度まで非常に早い 40 食肉の屠殺直後はこの温度近くある 30 病原性大腸菌の増殖、非常に早くなりはじめる 16 生肉加工室の上限温度、この温度より低ければ低いほうがいい 15 病原性大腸菌の増殖が早くなる温度 12 ソーセージ製造でのカッティング(エマルジョン)の温度 10 生肉加工室の理想温度。肉にとってはこれより低い方がいいが、低くなるほど寒さで作業者に負担がかかる 8 病原性大腸菌が増殖し始める温度 5 家庭冷蔵庫の保管、理想上限温度 4 肉の仕入れ時、この温度以下でなければならない。生鮮食品保管上限温度。小売り店の食肉陳列ケース上限 2 肉の冷蔵庫は出来るだけこの温度から-1.7℃にする 0 水が凍る温度、冷蔵庫の理想中心温度 -1.7 肉が凍り出す温度 -10 細菌が繁殖する最低温度(死滅せず、活動停止) -15 冷凍食品陳列上限温度 -18 冷凍肉の保管上限温度 -20 冷凍肉保管温度 -45 2級品のマグロの保管温度 -50 肉の水分が完全に凍結する温度 -60 1級品のマグロの保管温度ぜひ頭に!
2011.05.02
今日は日常と非日常の境についてお話をしましょう。(1)一般大衆の子供は行儀の悪いものである(2)貧乏はタレを食べる(3)買出し(スーパー)は日常、買い物(ショッピング)は非日常(4)ラーメン・そば・うどん・寿司・焼きそばなどは大衆文化である(5)買い物帰りのラーメンは日常のレジャーである(6)一般大衆を店やスタッフが教育する店もある(アメリカのホールフーズマーケットは代表格)。(7)デートは非日常の時間である(8)時間が経過したカップルや夫婦は日常の時間である(9)会社帰りのひとりの時間=日常(10)テレビを見ながらご飯を食べる夫婦=日常(11)教育をする店=非日常(12)テレビに洗脳されていない人はインテリジェンスが高く、自分で判断できる(例えば、累積線量が高い福島の市民でもグリーンピースなどの情報で判断して、政府が指示を出す前に子供を疎開させるような人)(13)生活売る店は日常、文化を売る店は非日常(藤田田)(14)カウンターのみのラーメン専門店(チェーン店を除く)は日常のレジャーである。
2011.04.20
ポジショニングマップとは、競合関係にある店をわかりやすく二次元マッピングして整理したものです。 軸に設定する項目は業態を決める要素になりますが、飲食店の場合、客単価がお客様の利用動機を決めることが多いことから、二次元マップの軸にすることがあります。その他、専門性や店舗面積と関連性の高い品揃え(アイテム数)や立地環境などを軸にする場合があります。 まず、自分の目指す店と同じ商圏にあれば競合関係になる店を書き出しましょう。そして、その店の違いを明確になる尺度を考えます。その尺度を元にマッピングします。
2011.04.19
著書「現場力で勝つ」より前回の続き【デザイン】 デザインはテイストが大切です。デザインのテイストはコンセプトにあわせなくてはなりません。気軽ならば、あまりこだわりを感じる色合いや書体は避けたほうが良いです。意図的にださいメニューを作る繁盛店もあります。 逆に高級店や非日常の店の場合は、デザインのテイストは高くしなければなりません。高級感を出したり、センスの良さがメニューを開いた瞬間につたわったりするようにしないといけません。 オーナーシェフの店は手づくり感が伝わるデザインが重要です。手書きの書体や自作のイラストなど手づくりの要素を多くします。 メニューのデザインはホームページとテイストの統一感が重要です。したがって、ホームページとメニューブックを一緒に作ってくれる業者を選定すると良いでしょう。完
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き【文字】 メニューブックにおける文字の選定において重要なことは文字のフォントなどの選定と大きさです。「個人店であること」「手づくり感を出す」という場合、手書きの文字を使うと効果的です。逆に、ビギナー層を主体にわかりやすさを出す場合や若者であれば写真に主眼を置き、親しみのある丸ゴシックなどのフォントを使うといいでしょう。またフォントと手書きを併用すれば、印象付けをしたいメニューにおいては手書きで書かけば印象づけができます。 では、次に文字の大きさについてお話ししましょう。2004年にリリースしました「行列ができるダントツ飲食店の秘密」(日本実業出版社)におきまして、私は、「ウリの商品を大きく書く」と主張し、これが業界の慣行なっています。わかりやすさを出すという点では確かに正しいのですが、他の商品に流れなくなるという難点があります。 本来は看板商品を作り、それだけを新規客のために目立たせ、ヘビーユーザーには枝葉のメニューに広がりに気づいていただき、そちらに誘導してマンネリ化を防ぐべきです。つまり、お客様が店を繰り返し利用することで何かを発見し、自分流の店の利用スタイルを築くことが今の時代、重要なのです。自分流を探し出してもらうには、敢えておすすめをしないという表記方法が有効となります。このために、必要な要素がバリエーションです。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き【写真】 メニューブックにおける写真には、安心感を伝えることとシズル感を伝えること、スピード感の三つの目的があります。安心感 地方にはまだ多いのですが、外食に慣れない客層やたまにしか外食をしない客層は、外食店の利用自体、敷居を高く感じています。そういった客層に「大丈夫ですよ」というメッセージを伝え、安心感を与えるのが目的です。これから、一歩上の階段を登ろうとしている客層に対するガイドの役割です。 売り手の顔が見えないインターネットの場合もこの要素は大きいです。シズル感 お客様は写真を見て、様々な印象を抱きます。ジュージューした鉄板ステーキなどを見ると「おいしそう」と感じます。これがシズル感です。シズル感は購買衝動を引き起こすとともに、事前期待となります。 外食産業の市場成長期であれば、新規客が次々とやってきたわけですから、衝動を興すことは間違いではありません。しかし、新規客が増えない時代、写真と現物に隔たりがあるようであれば、それは時代錯誤と言わざるを得ません。 最近、メニューブックを作っていて、「写真は現物よりよく見えないようにしてくれ」というクライアントがいます。だいたいこのような店は繁盛店なのですが、お客様の無意識に配慮しての発言です。その理由は、シズル感で無意識に感じた事前期待は食後感に絶大な影響を与え無意識の不満を顕在化させます。 それが不況、天才などの外的要因でそのお客様は来なくなり、店の売上が激減する場合も多いということがわかっているのです。スピード感 ファストフードの業態の場合、商品選びは瞬時に行わないといけません。そんな時にこの写真は重要な役割を演じます。 写真を使うか使わないか、上記のような事情を斟酌した上で、ターゲット層を考慮したうえで決定します。 一般に、団塊世代はラジオを聞いて育ちましたので、写真をあまり使わなくても想像力を働かせます。しかし、30歳以下の若年層はテレビ世代、写メール世代ですので、絵や写真から想像します。このような状況も大きく影響を与えるのです。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き(5)メニューブックの表記法【レイアウト・デザイン】 私は「新宿さぼてん」の現場にいたころ、弁当の平台の右手前に粗利率も粗利額も高い商品をおきました。その理由は、この多くの人が利き腕になる右側の場所にある商品はお客様が無意識のうちにとりあげレジへ運ぶことがわかっていたためです。 同様に、メニューのレイアウトを行う場合、無意識に行われている人の目の動きに着目すると効果的絶大です。 人の目は横書きなら、左上から右下にZの字を描くように動きます。これを“Zの法則”と言います。同様に、縦書きなら右上から左下へNの字を描くように動きます。これが“Nの法則”です。いずれの場合も、印象付けたいものをZまたNの折り返し地点に配置するとお客様の記憶に残ります。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き【差込メニュー】 あまり力点がおかれていませんが、グランドメニュー以外の差込メニューに対してしっかりとした考えをもつことは非常に重要です。せっかく、メニューブックを作るときにコンセプトを決めて戦略的に作ったとしても、臨時の対応である差込メニューが増えて大きくコンセプトが崩れてしまうことがあります。 一般に売上が低迷すると差込メニューが増えます。差込メニューはメニューブック自体を全部替える予算がかからない急場凌ぎに良いと思うからなのですが、これは大きな間違いなのです。 訴求が多くなれば多くなるほど、何を売りたいのか、何を言いたいのかわからなくなります。 もちろん、カフェのように商品の印象をあまり出さず、雰囲気作りのためにいろいろある印象を与えたいならそれもいいでしょうが、無雑作に入れては効果がありません。 差込メニューを挟むときに大切なのはターゲットです。ターゲットを考えて、一番伝えたいものを挟み込みましょう。たとえば、ひとりで来店したお客用のメニューや、大人数で来店したお客用のメニュー、あるいは、ファミリーで来店したお客用のメニューを用意しておき、来店されたお客様を見て、従業員が自分で判断し、そのお客さんに一番伝えたいことの書いてあるメニューを渡すことができるようにするとメッセージがつたわりやすいです。 サラリーマンターゲットなら、ボリューム満点メニュー、スタミナ満点メニュー、OLさんターゲットなら、美肌メニュー、アンチ・エージングメニュー、グループ用のメニューなら大皿メニューや、LLサイズのメニューなど、できるだけありものの食材を活かして利用動機にぴったりのメニューを用意しておくといいわけです。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き【メニューブックのページ数を増やす場合の注意点】 最近は、商品説明や、仕入れに行ったときの話しなどに大きくページを割き、ページ数を増やす店が増えています。 大きく取り上げたメニューには「なんだろう」というように興味を持っていただけ、ページをめくるたびのワクワク感を演出できます。 ページを増やす場合のポイントはふたつあります。 ひとつの印象があまり強く残しすぎないことです。最近、和風ファミリーレストランの全国チェーンが法事などの宴会メニューを載せますが、日常の価格の印象がついてしまっているので、あまり受注にはつながりません。固定観念を持つと非日常には足が伸びないからです。 二つ目の留意点ですが、ターゲットや利用シーン別に戦略的に料理のカテゴリー分けを行い、間延びしないようにすることです。メニューをどうグルーピングするかはメニュー作りにおいては重要ポイントとなります。コンセプト、利用シーンなどを考え戦略的に行いましょう。 また、誕生会などの非日常の利用については場面を明確にすることです。店のグレードなどを考慮して、必要に応じて、誕生会、ウエディング、法事、宴会など利用シーンごとにページを作成しましょう。あわせて、リーフレットを作ると効果的です。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き(4)メニューブックのページ数【ふたつのタイプのメニューブック】 メニューブックのページ数も設定も重要な項目のひとつです。 たとえば、都心のサラリーマンやOLの昼の休憩時間は限られています。そのような場合は、ある程度スピード感を感じさせないと自然に店への足が遠のいてしまいます。 スピード感を感じさせたい場合、一枚ものランチメニューを用意します。 この事例のようにメニューのページ数を減らすことで、品数の少なさを印象付けることができます。一般に、立地に恵まれた回転数が勝負の店で、特に客単価の低い食事需要の店にこのやりかたはむいています。逆に、自分の店以外に何もなく、近くて便利だから来店するタイプの店は品数の多さが利用動機の広さにつながり、店の魅力になります。この場合は、品数の多さや利用シーンのバリエーションを伝えるためにメニューブックのページ数を増やします。 メニューブックのページ数が多いことは、店がいろいろな場面で便利な存在であることを暗黙のうちに伝えるのです。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き【大きな表紙、小さな表紙】 一般に大判のメニューブックを用いると商品自体の印象を強くします。ラミネートした軽めの印象の表紙と組み合わせると、気軽な雰囲気になり、逆にざらついた布地などの材質にし、黒などのクラシカルな色と組み合わせると高級感が出ます。 また、小さめのメニューブックを使うと、サービスや空間のほうにお客様の目は移ります。バーや、カフェなどの空間やそこで過ごす時間を強調したい店の場合は小さめのメニューブックを使うと料理の印象が薄くなります。 メニューブックのサイズですが、コンピューターが普及しましたので、自分で画像ソフトを使って製作したメニューをプリンターで出力して使うことが多くなりましたので、通常はB5、B4、A5、A4などの定型のサイズのメニューを使う店が多いです。もし、手づくり感を強く出したいのであれば、これをベースに変形サイズにすると効果的です。値段は高めですが、オリジナリティを出すなら手づくり表紙を制作する会社を利用しましょう。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き【メニューブックの表紙の色と材質】 メニューブックの表紙の最初の要素として重要なのが、色と材質です。色と材質を考えるときに下記の四つの検討項目があります。 1分厚い表紙なのかペラペラな表紙なのか 2重い表紙なのか軽い表紙なのか 3ザラザラしたものかツルツルしたものか 4色はどんな色なのか 例えば、ハンバーグやステーキなどの肉料理を扱う場合、伝統を感じたり、しっかりとして品質を感じたりする濃い色合いを選択します。こげ茶、深緑、黒、重めのワインレッドなどです。分厚く重めの表紙はアメリカの開拓史のような印象ができ、木材のざらついた手触りは素材感を出します。皮なら高級感が出来ます。 「一杯一杯ネルドリップでコーヒーを入れています」というコンセプトなら、クロスを使って自作したようなものがいいでしょう。手づくりでこだわっている印象をさりげなく与えてくれるからです。 また、夜の雰囲気やディナー色を出したい場合も重めの表紙にします。よくランチはお客が入るのに夜が入らないという店が多いです。この場合、ランチはだまっていても入る場合が多いので、メニューブックを夜の雰囲気に演出することは大切です。 逆に、気軽さを演出するときには、軽めの材質のもの、簡単に変えられそうな印象のものを選びます。たとえば、薄めにラミネートしたペラペラできゃしゃな材質にすれば、チープなイメージを演出します。「安い」と感じさせるので気軽な印象を与えます。この場合、色の選択としては、白の混じった弱弱しい色がいいでしょう。深緑のような濃い緑の色使いをすると素材感、手づくり感を主張してしまいます。したがって、この場合はこのようなグレード感を感じさせないうす緑色がいいのです。気軽なカフェのような店で「気軽に時間を過ごす店」という印象を与えることができます。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」より前回の続き(3)表紙【メニューブックの表紙の役割】 お客は席につくと、無意識のうちにメニューブック手にします、そしてさりげなく開いてパラパラめくり、いろいろな感情をいだきます。この一連の動作を通してお客様の無意識に店の価値を感じています。そのため、多くの繁盛店が意外と表紙にこだわるわけです。 テーブルでさりげなく広げている一連の動作のなかで重要なのが第一印象と手触りです。 第一印象が刺激的であれば、メニューを食い入るように見ます。遅れて、重さ、質感などがお客様の体を突き抜け、メッセージが伝わります。メニューは食後のイメージに大きな影響を与える要素と気づいたからこそ、繁盛店は表紙に目を向けるわけです。 とある和風ダイニングのメニューの表紙は、和風の柄の布を使い弊社のパートさんがミシンで縫ったもので、その上に防水スプレーを二度かけしました。そして、バインダー風になっていました。それによって、「料理にできあいものを使っていない」「手づくりですよ」というメッセージを送っています。 このしかけを理解するお客様は少ないかもしれませんが、確実にコンセプトがつたわるのです。次回に続く
2011.04.12
前回の続き【メニューブックの必要冊数】 メニューブックはテーブルに常設する方法と、注文の都度持参する方法があります。追加オーダーなどが多い居酒屋などの場合、テーブルにメニューをおくことが多いでしょう。逆に、定食屋などの一品完結型の店は注文が終わったかどうかの判別がしやすいことから後者の注文の都度持参することが多いです。 まず、テーブルに置く場合、各テーブルに1~2冊とカウンターは全て置きます。大人数で来店する居酒屋などは、少し多めにおいておいたほうがよいです。注文の都度テーブルに持参する場合も満卓時プラスアルファを用意します。ただし、テーブルにメニューブックを持参する場合は、客数分のメニューブックを持参したほうが親切です。メニューブックは多めに用意したほうが良いでしょう。次回に続く次回は「(2)コンセプトを決める」です。
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」(柴田書店)より【メニューブックを使う店、使わない店】 メニューブックがメッセージを伝えるということで、自ずと店をよく知った人、よく知らない人で送るべきメッセージが異なり、その点を考慮する必要があります。 店を良く知らない人というのは新規客並びに来店回数が少ない人を指します。この客層は、店のことをよく知らないために不安です。そのため「失敗しないように」という心理が働きます。 失敗しない一番の方法は、定番の人気メニューがわかることです。よく人気ナンバー1とか、人気ナンバー2など見出しをつけている店がありますが、これは新規客にとっては親切な表現だと言えます。基本的に新規客や来店回数が少ない場合、それと観光地などで年一回しか利用しないなどの場合のように利用頻度が低い場合、あなたの店の定番メニューが載ったメニューブックはしっかりとあったほうが良いわけです。 それに対して、ある程度利用すると自分の店のように詳細を把握し始めます。詳細がわかり、オーダーするメニューも決まってきます。そのような状況下ではメニューブックは必要ありません。ただ、細かいことにも気づきますから、さりげなく、「本日のおすすめメニュー」と壁の黒板にでも表現すれば勝手に選んでくれます。 このような客層は小商圏立地に多くなる傾向があり、住宅地立地で常連や常連の紹介客しか来店しなければメニューブック自体不要であるとも言えます。メニューブックが必要か必要でないかは店の特徴に鑑み考慮すればよいのです。次回に続く
2011.04.12
著書「現場力で勝つ」(柴田書店)より(1)メニューブックの役割 店の外観やファサードで第一印象を形成したお客は、席に着くとメニューを何気なく開くでしょう。何気なくメニューを手にし、何気なくどんな商品があるのかを確かめます。そして、何かワクワクしたり、魅力内ないなと感じたりさまざまな感情をいだきます。 店には価値観を伝えるツールはいろいろありますが、メニューブックは飲食店を経営している人にとって一番関心のあるツールかもしれません。そして、メニューブックは確かに重要なお客様作りにおいて重要なツールであります。もちろん、あなたが思っている以上に。 最初にメニューの役割についてお話ししましょう。 メニューブックの基本的機能は商品自体の内容や価格を伝えることです。「何をいくらで売っているか」がわかるということです。この「何をいくらで売っているか」という部分はこと新規客を取り込むことができる市場成長期(外食拡大期)には、新規客至上主義をとり、外食に慣れないために写真をつけたり、商品説明をしっかりしたりして、わかりやすさを出すことを重視してきました。これにより安心感を与え、外食というものを多くの消費者に定着させました。しかし、市場が成熟に並行して、消費者が外食そのものに慣れると多様性を求めるようになりました。それに伴い「何を→誰に→いくら」から「誰に→何を→いくら」に売り方が移行し、ターゲットを意識したメニューブック作りがされるようになり、現在はメニューブックの作りかたも多様になっています。 2005年以降のステージでは、「誰に→何を感じてもらうか」を考えなくてはならなくなり、メニューブックの「基本機能」にプラスして、「店のイメージを伝えるための作りかた」が求められるようになりました。情緒的になり、基本機能を超えて感性が重要になりました。 今まではわかりやすさに主眼が置かれてきたために、表記上のわかりやすさが重要でした。しかし、デザインや素材などの視覚から入る印象や手触りなど、お客様にさりげなくメッセージを送る要素が重要になってきました。 そのために、「何を感じてもらうのか」ということ――コンセプトを第一に考えてメニューブックを作ることが大切です。あなたの店の料理を通じて、あなたが何を伝えたいのかを考えないといけないのです。「着の身着のままで来店できるような気軽さ」なのか、「この店に来れば必要な日常生活の食のシーンを賄える多機かつ便利さ」、あるいは「日常生活にはない、特別な晴れ舞台」なのか、あなたの店が感じてもらいたいことが確実に伝わることが今の時代のメニューブックの役割なのです。次回に続く
2011.04.12
飲食ビジネスで大切なのは、しっかりとしたコンセプトのある店をつくるかです。このコンセプトを意味するものが業態なのです。業態とは売り方を意味します。それでは、具体的に業態についてみていきましょう。 よく、業種という言葉を使います。業種はメイン商品を意味します。 多くの人が店を始めるときに、「何をしようかな?」と考えますが、このときに「そばを売ろうか(そば屋にしようか)」とか、「焼肉を売ろうか(焼肉屋にしようか)」などと考えますが、これは業種を選んでいます。多くの場合、このように漠然と「そばを売ろう」と考えた段階で店探しを始めてしまいます。 しかし、そば屋といっても、立ち食いそば、そば専門店、そば居酒屋など売り方はいろいろありますので、どんなそば屋をやるのかを決めないとお客様に選ばれる店にはなりません。業種を選ぶこととは売り方のひとつの方法を選択したにすぎず、売り方になんら作戦がない状態です。 その重要なステップがしっかりとした店作りの方向性である業態を綿密にねり、見込み客にしっかりコンセプトをアピールする必要があるのです。 業態を決めるうえで大切なのが、お客様の利用動機です。利用動機には業種(主力商品)、お客様の利用目的、主力客層(ターゲット)、営業時間、利用する場所(出店立地)、売り方のスタイル(お客様の楽しみ方のスタイル)、価格戦略の七つの要素があります。 この七つの要素を細かく決めていくと明確なショップコンセプトを導くことができます。
2011.02.20
よく手に職をと言います。確かに人口ボーナスのある、高度成長期であれば、資格は何でもいいです。 そして、忘れ去られがちですが、高度成長期は資格=就職という概念が成立しています。いい就職=待遇の良さというのがポピュラーな概念ですから、その条件を満たすものと言えます。 例えば、良い大学に進めば、司法試験、上級国家公務員、有名企業就職できると信じている人は多いと思います。しかし、人口減少が始まった今、士業は過当競争に入ろうとしています。例えば弁護士、イソベンの受け入れ先もないと聞きます。 そこまでいかないのが「手に職」という現実路線。しかし、調理師も理想の就職先はなく、さりとて開業も難しい。これは美容師にしろ、何にしても同じじゃないでしょうか? 本当に手に職で生きたければ、イチローのような卓越しただれでもわかる技をもつ必要ある。あるいは、自分を売り込むためのブランディングやプロモーション力が必要になる。 でも、手に職の学校はそんなことは教えてくれないですね。 つまり、手に職を成り立たせるためのブランディングやプロモーションをどこかで学ぶ必要があるのです。これは士業も一緒ですね。 仕事は確実に減っているのです。例えば、どの駅にもいた切符を切るスタッフは自動改札に取って代われました。高度成長にいた自動車産業も人よりもロボットが増えました。単純労働は確実に減っています。 そして、人口減少で仕事自体減っています。さらにこれから海外移転が進むでしょうから、ますます減ります。 つまり、手に職を考えるにも、ブランディングしやすく、プロモーションがききやすいなどを斟酌する必要があるのです。少なくともいえるのは競争が激しいものは避けたほうがいいのですね。意外なところにあるわけで、それは今までの横並び発想ではだめなんですね。大久保一彦の本【送料無料】成功する小さな飲食店の始め方
2010.12.29
デフレの脱却。今、政府が景気対策のために一番力を入れたいところでしょう。デフレとはものの値段が下ること。もの値段が下るというのは「その値段を支払って買う価値がない」ということです。 つまり、一定の供給量に対して需要が増えれば価格が上がり、需要があるので参入が増え供給が増えるそうなると需要と供給のバランスが崩れ価格は下る。もし、供給は増えているのに、需要が減ったら・・そう、それが今なんです。 例えば、外食産業、件数の上では月間5万件強が出店で、7万件強が撤退しています。しかし、コンビニなどの中食を含めると、胃袋争奪戦は激化しており、価格競争に入り、供給はむしろ増えています。その上、1990年代後半から生産年齢人口が減少し、消費する人口が減っていますが需要は漸次減少しており、2005年の人口自体の減少でその状況がいっそう厳しくなっています。供給をはるかに上回っているのです。ですので、デフレは止まりません。来年は、仕入れは高騰しますが市場が決める価格は下るでしょう。そうなると、ゲリラ的な仕入れでもいいですし、仕入れ革新で大量販売を狙う会社は更なる価格競争力が必要です。 では、市場に影響されない価格とは何でしょう。それは、そこでしか買えない明確な違いがあることです。それを製造物販+サービス業でかつ、生産性の低い飲食店だからこそ、作り出すことができるのです。来年のキーワードのひとつはSPA+心のあるサービス業です。大久保一彦の心の本【送料無料】善の循環経営
2010.12.16
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