医療用医薬品 0
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日本人 2 型糖尿病患者における「腸内フローラのバランスの乱れ」を証明 ~腸内細菌が腸内から血流中へ“移行する”ことが明らかに~出典:プレスリリース ヤクルト本社では、順天堂大学大学院医学研究科・代謝内分泌内科学の佐藤淳子医師、金澤昭雄准教授、綿田裕孝教授、順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座の山城雄一郎特任教授らとの共同研究の成果として、腸内フローラ自動解析システム(YIF-SCAN®)を用い、日本人 2 型糖尿病患者では腸内フローラのバランスが乱れていること(dysbiosis)、さらに腸内細菌が血流中へ移行しやすいことを明らかにしました。 腸内フローラの解析結果 糞便を用いて腸内フローラの解析を行ったところ、2 型糖尿病患者は対照者と比べて腸内細菌の総数に大きな違いはありませんでしたが、腸内フローラを構成する腸内細菌の割合が異なることが明らかとなりました。 血液中の腸内細菌の解析結果 血液中に含まれる生きた腸内細菌を解析したところ、対照者では 50 名中 2 名 (検出率 4%)の血液中に腸内細菌が検出されたのに対し、2 型糖尿病患者では 50 名中 14 名(検出率 28%)の血液中に腸内細菌が検出されたことから、2 型糖尿病患者では血液中に腸内細菌が高い割合で検出されることがわかりました。 2型糖尿病に関連する炎症は体のさまざまな部位に悪影響を及ぼす可能性があります。今後の研究により、腸内フローラの乱れや腸内から血流中に移行した腸内細菌が 2 型糖尿病に伴う炎症に関与することが明らかになれば、腸内環境の改善により 2 型糖尿病に伴う炎症を抑制することが可能になると期待されます。 腸内フローラ自動解析システム(YIF-SCAN®)は培養を必要としない腸内細菌叢分析装置。ソフトウエア部分に腸内細菌の遺伝子配列情報を持ち、約500種類といわれる腸内細菌のうち約300種程度の腸内細菌を把握可能。 検便もギョウ虫検査から腸内細菌叢検査に変わっていくでしょう、ギョウ虫検査は消えているかな?基本データベース、検診時データとバックグラウンドデータがくっついた大規模データベースができれば色々なことが分かる可能性が大きいと思います。2007年の発売ですからすでにある程度のものはできているかもしれません。
2014年06月12日
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科学技術振興機構「産学共同実用化開発事業」における開発課題「新規汎用型ワクチンアジュバント」採択に関するお知らせ出典:プレスリリース第一三共は、新規ワクチンの創製に向け、開発課題「新規汎用型ワクチンアジュバント(以下「本開発課題」)を設定し、独立行政法人科学技術振興機構(以下「JST」)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)に応募しておりましたが、この度、JSTにより本開発課題が採択され、2014年6月1日より開発を開始しましたので、お知らせいたします。 今後、第一三共は、本開発課題推進に必要な研究シーズをともに有する独立行政法人医薬基盤研究所(以下「医薬基盤研究所」)アジュバント開発プロジェクトリーダー石井健先生および公立大学法人北九州市立大学(以下「北九州市立大学」)国際環境工学部 櫻井和朗教授と連携し、実用化に向けた新規汎用型ワクチンアジュバントの開発を行ってまいります。ということです。
2014年06月12日
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アレルギー反応を引き起こす化学物質が放出されるメカニズムを解明 ~アレルギー疾患の治療応用へ期待~出典:プレスリリース 九州大学 生体防御医学研究所の福井 宣規 主幹教授らは、マスト細胞と呼ばれる白血球が、ヒスタミンといったアレルギー反応を引き起こす化学物質を放出する過程で、DOCK5というタンパク質が重要な役割を果たしていることを世界に先駆けて発見し、その作用機序を解明しました。DOCK5タンパク質の機能を調べるために、DOCK5を発現しないように遺伝子操作したマウス(DOCK5ノックアウトマウス)を用いました。DOCK5を発現する通常のマウス(野生型マウス)をIgE抗体で感作し、抗原を投与すると、強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が引き起こされ、体温が低下しました。しかし、DOCK5ノックアウトマウスでは、アレルギー反応が著しく抑制され、血清中のヒスタミン値も上昇しませんでした。マスト細胞がないマウスに、DOCK5を欠損したマスト細胞を移入しても、アナフィラキシーショックを誘導することはできません。このことから、DOCK5はマスト細胞で機能し、アレルギー反応を制御していることが明らかとなりました。 DOCK5を欠損したマスト細胞では、ヒスタミンといったアレルギー反応を引き起こす化学物質の放出がうまく起こらないことを見いだしました。この放出には微小管が重要な役割を演じていますが、DOCK5を欠損したマスト細胞では、微小管の動きが著しく低下していました。そこで、そのメカニズムを探索したところ、DOCK5はRacの活性化というこれまで知られていた機能とは無関係に、Nck2やAktといった別の分子と会合し、微小管の動きを制御するGSK3βの働きをコントロールすることで、脱顆粒反応に重要な役割を果たしていることを突き止めました。マスト細胞からヒスタミンってのは生理学の第一歩みたいなところがあって、なかなか即時アレルギーの症状を抑えることはできても、他の機序に関してはほったらかし状態でした。今回の仮説は新しい創薬ターゲットができたことになると思います。
2014年06月10日
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味の素(株)、米国で初めて脂肪燃焼機能素材 「カプシエイトラTM」を6月から販売開始出典:プレスリリース 味の素は、6月より、世界最大のダイエット市場である米国で、当社独自の脂肪燃焼機能素材のひとつであるジヒドロカプシエイト製剤「CapsiAtraTM」(以下「カプシエイトラTM」)を販売開始します。米国での販売は、当社が粉末ミールリプレイスメント/プロテイン飲料、錠剤/粒状サプリメント分野において「カプシエイトラTM」の独占販売権を付与しているグランビア・ニュートリショナルズ社を通じて行います。 今回発売する「カプシエイトラTM」は、当社独自の酵素技術により日本で製造されています。また、「カプシエイトラTM」に使用されるジヒドロカプシエイトは、米国で2009年にGRAS、2012年にNDIを取得し、欧州でも2012年にノベルフードの認可を取得しており、今後、食品やサプリメント製品への利用も期待されます。 ジヒドロカプシエイトは、辛みをほとんど示さないトウガラシ品種「CH-19甘(アマ)」から同定された新規機能成分カプシエイト類の1つです。カプシエイト類にはジヒドロカプシエイトの他、カプシエイト、ノルジヒドロカプシエイトがあります。カプシエイト類は、トウガラシの辛み成分であるカプサイシンと構造が類似していますが、その辛みや刺激性は非常に弱く、カプサイシンの辛さの約1/1000です。日本では味の素はカプシエイト ナチュラという商品名でカプシエイト3mg含有のサプリメントを発売しています。
2014年06月10日
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簡易血糖値測定器「アルファトラック2®」新発売のお知らせ出典:ニュースリリース このたび簡易血糖値測定器として、以下3製品を新発売致しました。 本製品は、犬及び猫の全血を用いて血清又は血漿中のグルコース濃度をわずか0.3μLの血液ですばやく測定することが可能な簡易血糖値測定器です。糖尿病の治療管理の一助となれば幸甚です。 動物用管理医療機器「アルファトラック2®グルコースメーター」 動物用医薬品(体外診断用医薬品)「アルファトラック2®テストストリップス」 「アルファトラックコントロール溶液」 糖尿病が増えているんですね。長生きしているのが原因かも。
2014年06月10日
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カナダのバリアント社、爪白癬治療剤について米国で承認を取得出典:プレスリリース 科研製薬が創製したエフィナコナゾールの導出先である、Valeant Pharmaceuticals International, Inc.(カナダ・ケベック州、以下「バリアント社」)は、米国食品医薬品局(FDA、以下「FDA」)に申請中の爪白癬治療剤「エフィナコナゾール」(一般名)に関し、承認を取得したとの発表を行いました。エフィナコナゾールは科研製薬が創製した新規のトリアゾール系化合物であり、日本国内においては、外用の爪白癬治療 剤「KP-103」として製造販売承認を申請中です。 海外においては、バリアント社が米国およびカナダで承認申請しており、カナダについては、2013年10月に承認を取得しております。 トリアゾール系化合物での外用剤開発は世界初であり、その活性は血清及び角質存在下でも既存治 療薬に比較し低下することが少ない薬剤です。従って、角質の厚い部位や爪内等でも優れた活性を示 すものと期待されています。また本剤は、各種真菌症動物モデルにおいて除菌効果が確認されており、 その中でもモルモット爪真菌症モデルにおいて、既存薬に比べ優れた効果を示します。このことから、 経口剤治療が主流の難治性爪白癬に対し新しいアプローチの外用治療薬として期待されます。 トリアゾール系抗真菌剤は薬剤相互作用の教科書のような薬剤なので、外用はいいのでは。(ちょっと勉強不足)
2014年06月10日
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GSK、抗HER2薬 ラパチニブ(Tykerb™/Tyverb™)の第III相ALTTO試験の結果を発表出典:プレスリリース グラクソ・スミスクライン(GSK)は本日、2種類の抗HER2薬 ラパチニブ(Tykerb™/Tyverb™)とトラスツズマブ(遺伝子組換え)(以下、トラスツズマブ)の第III相試験において、HER2陽性早期乳がんの術後補助療法としてラパチニブとトラスツズマブ併用療法がトラスツズマブ単独療法と比較して無病生存期間(DFS)の改善という主要評価項目を達成できなかったと発表しました。安全性に関して、各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性の懸念は認められませんでした。 本試験の主要解析項目はDFSであり、併用療法群とトラスツズマブ単独療法群間においては優位性について検証し、逐次併用群とトラスツズマブ単独療法群間においては非劣性について検証しました。4年後の無病生存率(4年DFS率)は、ラパチニブとトラスツズマブの併用療法群で88%、トラスツズマブ単独療法群で86%でした[HR 0.84(97.5% CI, 0.70-1.02; p=0.048)]。トラスツズマブ単独療法群の86%に対し、逐次療法群の4年DFS率は87%でした[HR 0.96(97.5% CI, 0.80-1.15; p=0.061)]。 ALTTO(Adjuvant Lapatinib and/or Trastuzumab Treatment Optimisation trial;NCT00490139)は、HER2陽性の原発乳がんの患者を対象としたラパチニブ単独療法、トラスツズマブ単独療法、その逐次療法と併用療法による無作為化、多施設、オープンラベル、第III相試験です。無作為化された患者は、すべての化学療法治療後に抗HER2薬(ラパチニブ、トラスツズマブ)を投与するか、アントラサイクリン系薬剤による治療後にタキサン系薬剤との併用で抗HER2薬を投与、もしくはアントラサイクリン系薬剤以外の白金製剤を含む治療薬との併用で抗HER2薬を投与しました。ALTTOでは44ヵ国1,000近くの治験医療機関で8,381名の患者が無作為化されました。患者の登録は2007年6月に始まり、2011年7月に完了しました。ラパチニブ単独療法のトラスツズマブ単独療法に対する無病生存期間(DFS)の非劣性を検証できる可能性が低いことを独立治験審査委員会が判断し、2011年にラパチニブ単独療法群では投与が中止されました。併用療法が最初から想定されているのが引っかかります。トラスツズマブの4年間無再発生存率が86%あるところで併用することは必要でしょうか?10年生存率が50%以下でそのサロゲートエンドポイントとして4年間DSFをおいたのでしょうか?陽性対照群が86%の有効率を出しているところで優位性を示して薬にする必要があったのかな。(ちょっと妄想入ってます)
2014年06月10日
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アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」 日本にて第II相臨床試験を開始 米国の第II相臨床試験でアルツハイマー型認知症研究機関と共同で試験を開始出典:プレスリリース 富士フイルムホールディングスは、アルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」の開発を加速させます。グループ会社の富山化学工業が日本で第II相臨床試験を5月末より開始しました。また米国においては第II相臨床試験で、6月より富士フイルムが全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関であるAlzheimer’s Disease Cooperative Study(アルツハイマー・ディジーズ・コーオペレイティブ・スタディ 以下、ADCS)と共同で試験を開始。 日本では、富山化学工業が平成24年より第 I 相臨床試験を実施。同試験にて「T-817MA」の安全性および忍容性を確認したため、ドネペジル塩酸塩で治療中のアルツハイマー型認知症患者を対象とした「T-817MA」の有効性および用量反応性を検討する第II相臨床試験を5月末より開始しました。また米国においては、昨年、富士フイルムがアルツハイマー型認知症領域で豊富な臨床試験の経験を有するADCSと共同で第II相臨床試験を実施することを決定。本年6月より、日本の試験と同じ用法・用量の第II相臨床試験をスタートさせました。今後、日・米における同用法・同用量での臨床試験体制の下、「T-817MA」の開発を進めていきます。 T-817MAは、強い神経細胞死抑制作用を持つ。アルツハイマー型認知症の病因と考えられるアミロイドβ蛋白およびリン酸化タウ蛋白蓄積による神経傷害モデルにおいて、神経細胞傷害を抑制。また、神経突起の伸展を促進する作用も有します。アルツハイマー型認知症の進行そのものを抑制できる薬剤として期待。Proof of Concept試験では軽度および中等度のアルツハイマー型認知症患者で認知機能評価スコアや全般的臨床症状評価などの有効性評価指標の悪化を抑制する傾向が認められており、加えて良好な安全性も確認されている。また、病態がある程度進行した中等症の患者を中心に、より有効性が明らかになる傾向が認められた。 基礎実験を見ると治癒の可能性に期待を抱かせますが、今までの薬剤が進行を遅らせるタイプであったのが、POCでは進行が止まる可能性が示唆されています。ある程度進行したものに対して、効果が強いとしているのは少し残念。早期発見による初期症状を回復してもらいたいものです。
2014年06月10日
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CYRAMZA™(RAMUCIRUMAB)、 非小細胞肺がんに対する第III相試験で全生存期間を有意に改善 – REVEL試験のデータをASCO年次総会・LANCET誌で公表 –出典:ニュースリリース 非小細胞肺がんの患者さんを対象にセカンドラインでCYRAMZATM(一般名:ramucirumab)と化学療法を併用した国際共同第III相試験であるREVEL試験について、詳細な結果を6月2日、米国臨床腫瘍学会年次総会(抄録番号:LBA8006)にて発表し、Lancet 誌で公表しました。REVEL試験は、非小細胞肺がんのセカンドライン治療において、従来の化学療法のみの治療群に比べ、生物学的製剤を併用することで全生存期間の延長を示すことのできた初めての第III相試験です。 国際共同無作為化二重盲検試験のREVEL試験は、局所進行性又は転移性非小細胞肺がんに対する化学療法(白金製剤ベース)施行後に増悪が認められた患者さんを対象に、CYRAMZATM+ドセタキセルの併用療法がプラセボ+ドセタキセルの併用療法と比較されました。この国際試験には、26ヵ国で計1,253名の非扁平上皮及び扁平上皮非小細胞肺がんの患者さんが登録されました。REVEL試験の主要評価項目は全生存期間であり、副次的評価項目には無増悪生存期間及び奏効率が含まれました。 CYRAMZATM+ドセタキセル群(n=628)は全生存期間中央値10.5ヵ月を達成したのに対し、プラセボ+ドセタキセル群(n=625)では9.1ヵ月でした。全生存期間のハザード比は0.86(95% CI 0.751-0.979、p=0.023)であり、死亡リスクが14%減少したことになります。CYRAMZATM投与群で対照群より多く(発現率5%超)みられたグレード3以上の 有害事象は、好中球減少(CYRAMZATM 投与群vs.対照群=48.8% vs.39.8%)、発熱性好中球減少(15.9% vs.10.0%)、疲労(14.0% vs. 10.5%)、白血球減少(13.7% vs.12.5%)及び高血圧(5.6% vs.2.1%)でした。グレード5の有害事象は、両群間で同等でした(5.4% vs.5.8%)。CYRAMZATM投与群では、対照群と比べて出血事象(全グレード)が多くみられましたが(28.9% vs.15.2%)、グレード3以上の出血事象は両群間で同等でした(2.4% vs. 2.3%)。死亡リスクが14%減少というのが、1か月の延命?、それとも1年後の死亡確率が14%減少?、1年後100人死んでいるのが、86人しか死んでなりということ? グレード5の有害事象(死亡)が上積みがなくて、少し延命効果があったということですか。
2014年06月10日
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バイエル薬品 『“私のお気に入り”アートガーデン』イベントを開催出典:プレスリリース バイエル薬品は、女性を応援する癒しの空間「“私のお気に入り”アートガーデン」を 2014 年 7月 25 日(金)から 26 日(土)まで、東京千代田区丸の内にある商業施設丸の内オアゾ OO広場にて開催いたします。 今回のイベントは、2013 年 10 月から 12 月まで月経(生理)に伴うさまざまな心身の不調から、女性を癒してくれる人・物・風景などの写真と応援メッセージを募集した「“私のお気に入り”フォトコンテスト 2013*」の癒しのテーマを具現化したものです。 ということです。
2014年06月10日
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ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援2014年度(第14回)新規助成 募集開始応募期間:2014年6月9日(月)~6月20日(金)【必着】出典:プレスリリースファイザーは、2014年6月9日(月)から「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」の 第14回新規助成の募集を開始します。 助成の対象となるプロジェクトは、中堅世代の人々(主に30・40・50歳代)の心身のケアに関する課題について、市民団体が行う市民活動および市民研究とします。具体的には、社会において様々な役割を担っている人々や、難病・長期疾病・障がいなどのために社会参加に困難を抱える人々などが、中堅世代として生き生きと充実した社会生活を送れるようになるための下記のような取り組みを重視します。「当事者性」、「専門性」、「市民性」を尊重した取り組み既存の公的制度や施策では実現することが難しい取り組み就労を始めとする社会参加を目指した取り組み 助成の内容について助成金1件あたり上限300万円。今年度の総額は1,500万円、7~8件程度の助成を行う予定です。助成期間2015年1月1日から12月31日までの1年間に実施されるプロジェクトを対象とします。助成金1件あたり上限300万円。今年度の総額は1,500万円、7~8件程度の助成を行う予定です。助成期間2015年1月1日から12月31日までの1年間に実施されるプロジェクトを対象とします。助成金費目についてプロジェクト実施に関わる人件費、事務局諸経費については、特に上限は定めていません。自主財源について全額を助成金で充当されるプロジェクトのご応募も可能です。他の助成金・補助金について今回ご応募されるプロジェクトの実施費用の一部に対し、他の助成金・補助金が決定している場合およびご応募を予定されている場合でも、当プログラムへのご応募は可能です。継続助成について今年度、1年目の助成を受けた団体には、継続助成への応募資格が発生します。助成は、毎回の応募・選考を経て決定されます。助成期間は1年間で、今年度を含め3回までの助成が可能です。ということです。
2014年06月10日
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パーキンソン病の2つの原因遺伝子の関係についての新たな知見 ~発症に関わる新規分子メカニズムが明らかに~出典:プレスリリース パーキンソン病は中脳ドーパミン神経の変性を特徴とする難治性の神経変性疾患です。40歳未満で発症する若年性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子としてPINK1(ピンクワン)とParkin(パーキン)*が知られています。順天堂大学の服部信孝教授、今居譲先任准教授らの研究グループは、PINK1がParkinを活性化する仕組み(図1)を培養細胞で解明していましたが、今回、ショウジョウバエの生きた脳内のドーパミン神経でもこの仕組みが働いて、神経機能の調節をしていることを明らかにしました。 PINK1はリン酸をタンパク質に付加(リン酸化)する酵素(キナーゼ)であり、PINK1がParkinをリン酸化したときだけ、Parkinにスイッチが入り働きます。このリン酸化は、PINK1遺伝子に傷があるパーキンソン病患者の細胞では起こりません。今回、リン酸化されないParkin(働かないParkin)とリン酸化された状態を模倣したParkin(働きっぱなしのParkin)を生きたショウジョウバエで発現させ、筋肉やドーパミン神経細胞のミトコンドリアへの影響とドーパミン神経のドーパミン分泌機能への影響を調べ、次の3つの結果を示しました。 Parkinが働かないとミトコンドリアの機能低下が起こり、逆に、Parkinが働き過ぎるとミトコンドリアの分解が進み、組織や神経にダメージが及ぶ PINK1がParkinの働きのオンオフを絶妙に調節している。 Parkinの働きのオンオフがドーパミンの分泌や、行動の制御に関わるつまり、パーキンソン病の2つの原因遺伝子PINK1とParkinは、PINK1が指揮者、Parkinが演奏者のような役割をしてドーパミン神経機能を絶妙に調節していることを、私たちは明らかにしました。 Parkinが働かないとドーパミン神経の変性が起こりますが、今回の研究で、Parkinの働き過ぎもよくないことが新たに分かり、安易な遺伝子治療は避けなければいけないことが示唆されました。さらに、Parkinの働きを絶妙に指揮するのが、PINK1であることが分かったことで、今後は、Parkinがどのように働きドーパミン分泌を調節しているかを分子レベルで明らかにし、治療への応用に向けて、さらなるパーキンソン病の病態機序を理解していくことが必要です。 パーキンソン病の原因遺伝子というよりもPINK1とParkinはドーパミン神経機能を調節している遺伝子と言うことです。従って、原因遺伝子として抗体治療の対象にはならないということでしょうか。 調節という機能に対して、薬剤というのはなかなか直接的な効果を得ることができません。Parkinのはたらきすぎ云々は燃え尽き症候群を思い浮かべました。
2014年06月07日
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神経細胞で働くmRNAを網羅的に同定する新しい手法を確立-小脳の「プルキンエ細胞」の部位特異的な転写物全体の解析を実現-出典:プレスリリース 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、ラット小脳のプルキンエ細胞で翻訳中のmRNAを、網羅的かつ細胞内部位特異的に同定する手法を確立しました。 小脳は運動学習に不可欠な脳の部位です。小脳ネットワーク内で唯一の出力神経細胞として中心的な役割を果たすのがプルキンエ細胞ですが、その機能を支える分子機構の詳細は分かっていません。そのため、プルキンエ細胞で作られるタンパク質を完全に網羅したカタログの作成が待たれてきました。 また、運動学習を支える重要なプロセスの多くが樹状突起で作られるタンパク質を必要としていることから、このカタログは細胞内部位特異的な精度であることが望まれます。 プルキンエ細胞内で作られるタンパク質のカタログは、小脳が関与するさまざまな現象を支える分子機構の解明に広く貢献するものと考えられます。特に、細胞内部位特異的なカタログを作成したことで、運動学習のようにタンパク質の作られる場所が重要な現象の研究への寄与が期待できます。 また、今回開発した「改良版TRAP法」は、遺伝子改変動物の作成を必要としない画期的な手法で、疾患の動物モデル研究に不可欠な霊長類への応用も期待されます。 プルキンエ細胞の異常は、スムーズな動きができなくなる運動失調症を引き起こし、ある種の自閉症の患者の脳ではプルキンエ細胞の減少や異常が見られます。今回の研究成果には、これらの疾患の原因の究明に貢献し、さらにはその治療法の発見につながっていく可能性も期待されます。 基礎的な研究ですが、今まで見ることができなかったものが見ることができることは大変すばらしいことです。特に遺伝子改変が必要がないので、霊長類に応用できることは人に近いところで研究が進むと思います。
2014年06月07日
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胆道がんで国内初 分子標的薬開発に向けた臨床研究開始出典:プレスリリース独立行政法人国立がん研究センター(理事長:堀田知光、東京都中央区、略称:国がん)は、胆道がんにおいて国内初となる分子標的薬の開発に向けた多施設共同の臨床研究を開始いたしました。 本研究は、昨年11月に公表した当センター研究所がんゲノミクス研究分野柴田龍弘分野長らによる胆道がん(肝内胆管がん)の治療標的となる新たな融合遺伝子FGFR2の発見に基づく臨床研究で、FGFR2融合遺伝子陽性胆道がんの臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにするための観察研究です。 今回はFGFR2が胆道癌でどの程度発現しているかの調査です。FGFR阻害剤に関しては研究が進められていると思います。胆道癌のように例数が少なければ、検証に必要な例数を集めることが難しいので治験実施はなかなか困難です。登録期間が2年以上になるとプラセボ投与群における抗腫瘍用剤以外のサポートケアの進歩によりQOLや生存期間の延長が見られることから、登録に時間をかけるというのも解析が難しくなります。肝臓癌の治験を行う際に胆道癌も登録条件に加え、推定で有効であれば、製造販売後調査により効果を検証する条件でもっと認可の幅を広げることも検討することも必要だと思います。検証も推定の有効率の95%信頼区間がの幅を取る方法で行えばいいのではないかと思います。その後は癌登録でデータの精度を上げればいいのではないでしょうか。
2014年06月07日
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脂肪細胞から分泌される脂質代謝酵素による肥満の新しい調節機構の発見出典:プレスリリース メタボリックシンドロームの病態基盤であるインスリン抵抗性注は肥満に伴うことが多く、組織内に脂質が過剰に蓄積することが、脂肪毒性により細胞内ストレスや慢性炎症を引き起こし、インスリン抵抗性の要因となります。脂質代謝の異常は肥満、高脂血症、インスリン抵抗性の病態に密接に関与することがわかっていますが、その全体像は十分理解されていません。村上研究員らは、リン脂質代謝酵素の一群であるホスホリパーゼA2(PLA2)分子ファミリー注2)の生理的機能に関する研究を進める過程で、肥満を調節する新しい仕組みを発見しました。 肥満に伴い脂肪細胞から誘導される2種類のsPLA2の作用機序。肥満により脂肪細胞が肥大化すると、まずPLA2G2Eが分泌され、リポタンパク質中の微量リン脂質を分解することで組織への脂肪蓄積を促進する。肥満の進行とともに脂肪細胞から遊離された飽和脂肪酸はM1マクロファージを誘導し、脂肪組織の慢性炎症を亢進する。このシグナルに呼応して脂肪細胞からPLA2G5が分泌され、リポタンパク質の主要リン脂質を分解して不飽和脂肪酸を遊離する。この不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸に拮抗的に作用してM2マクロファージを増やし、炎症応答を抑制することで、メタボリックシンドロームの進行にブレーキをかける。 内臓脂肪組織における分泌性ホスホリパーゼA2の発現量やオレイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸の量は、肥満の新規診断マーカーとなる可能性があります。また、分泌性ホスホリパーゼA2を標的とした創薬は、メタボリックシンドロームの新しい予防・治療法の開発につながることが期待できます。 体の中には肥満病に対する調整作用があるということですね。ホスファチジルコリンが体内で不飽和脂肪酸を作るのに必要と言うことは着目点かもしれません。変換効率等が明らかになると1日必要量がでて今の食事からの分で足りるかどうかの検討もでシルでしょう。今回の研究はマウスの実験ですので、人での検討が是非必要と思います。人での代謝免疫制御が異なる可能性はあります。また、肥満の人はPLA2G5の発現に何らかの異常がある可能性もあります。肥満、脂肪肝、高脂血症、インスリン抵抗性(2型糖尿病)は同じ理由から発生している可能性も見て取れます。生活習慣病に対するブレイク スルーというか今までの薬剤治療の問題点が明らかになる可能性を持った発表です。
2014年06月07日
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SAS、高等教育や社会人学習向けにソフトウェアを無償提供 ~「SAS® University Edition」がキャリア作りや先端研究の基礎作りを支援~出典:プレスリリース 米国ノースカロライナ州キャリー発 (2014年6月06日) – ビジネス・アナリティクス・ソフトウェアとサービスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、高等教育機関や社会人の学習者向けに「SAS® University Edition」の無償提供開始を発表しました。やってみようと思いましたが、 Windows7 or laterとOne of the following virtualization software packages:VMware Player 6.0 or later Oracle VirtualBox 4.3.10 or laterが要求されているので、うちはVistaなので止めときました。今後、臨床データが公開されてきたときにちょっと見方を変えるときに便利なツールなんですが。
2014年06月06日
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東北大学大学院、静岡県立大学大学院との共同研究により、茶カテキンのコレステロール吸収抑制メカニズムの一部を解明「第68回 日本栄養・食糧学会大会」にて発表 出典:プレスリリース 株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)の中央研究所は、東北大学大学院農学研究科の池田郁男教授、静岡県立大学大学院薬食生命科学総合学府の熊澤茂則教授らと共同研究を行い、茶カテキンのコレステロール吸収抑制メカニズムの一部を解明しました。この研究結果を、アメリカ化学会の学術誌「Journal of Agricultural and Food chemistry」の62巻13号(2014年4月2日発刊)にて論文(※)発表し、5月30日(金)から酪農学園大学(北海道江別市)で開催された「第68回 日本栄養・食糧学会大会」で発表いたしました。 食事などで消化管に流入したコレステロールは、消化管内に分泌される胆汁酸とホスファチジルコリンとともに胆汁酸ミセルに溶解してはじめて吸収されます。胆汁酸ミセルへのコレステロールの溶解性を下げることができれば、コレステロールの吸収も下がります。そこで人工的に胆汁酸ミセルを作成し、コレステロールの溶解性について、エピガロカテキンガレート(主要なガレート型カテキン)の影響を調べました。その結果、エピガロカテキンガレートが胆汁酸ミセルへのコレステロールの溶解性を下げるには、主要なリン脂質の一種、ホスファチジルコリンが必要であることがわかりました。さらにNMR(核磁気共鳴)法等を用いた解析により、胆汁酸ミセル中でエピガロカテキンガレートとホスファチジルコリンが結合していることが確認されました。また、エピガロカテキンガレートとコレステロールは直接結合するという知見は得られませんでした。 エピガロカテキンガレートとホスファチジルコリンとの結合が、なぜコレステロールの胆汁酸ミセルへの溶解性を低下させるのかはまだ解明されておらず、さらに研究を進めてまいります。ホスファチジルコリンはレシチンとも呼ばれていたが、現在はレシチンはリン脂質を含むものの総称となっている。ホスファチジルコリンは乳化作用と浸透作用があり、食品や医薬品の添加物として用いられている、コレステロールに関しては、低下作用があるとされているが明確ではない。(健康食品素材情報データベース) コレステロールの不溶化に関しては、吸収抑制には働くとは思いますが、血管壁へのコレステロールの吸着には吸着促進に働きます。吸収抑制は消化管、吸着は血管壁なので経口摂取したカテキンの分布も問題になるかもしれません。 血中コレステロールは下がるけれども動脈硬化が起こりやすくなり結果として脳血管障害や心疾患の発生率が上がるという悪夢のパラドックスが起こらないことを願います。(フレンチパラドックスとならんでジャパンパラドックスなんてね)
2014年06月06日
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バイエルのネクサバール®錠(ソラフェニブ)、分化型甲状腺癌の治療薬として EU で承認を取得出典:プレスリリース バイエル ヘルスケア社と、アムジェン社の子会社であるオニキス・ファーマシューティカル社は、経口キナーゼ阻害剤「ネクサバール®錠」(一般名:ソラフェニブトシル塩酸)が放射性ヨウ素治療抵抗性の局所進行または転移性の分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌、ヒュルトレ細胞癌)の治療薬として欧州委員会から販売承認を取得したことを発表しました。ネクサバール®は、2013 年11 月に同様の適応症に対して米国で承認を取得しています。またこれまでに、甲状腺濾胞癌および乳頭癌の治療薬として、EU において希少疾病用医薬品に指定されました。 バイエル ヘルスケア社と、アムジェン社の子会社であるオニキス・ファーマシューティカル社は本日、経口キナーゼ阻害剤「ネクサバール®錠」(一般名:ソラフェニブトシル塩酸)が放射性ヨウ素治療抵抗性の局所進行または転移性の分化型甲状腺癌(乳頭癌、濾胞癌、ヒュルトレ細胞癌)の治療薬として欧州委員会から販売承認を取得したことを発表しました。ネクサバール®は、2013 年11 月に同様の適応症に対して米国で承認を取得しています。またこれまでに、甲状腺濾胞癌および乳頭癌の治療薬として、EU において希少疾病用医薬品に指定されました。 経口抗悪性腫瘍剤ネクサバール®錠(ソラフェニブ)は現在、100 カ国以上で承認されています。欧州では、ネクサバール®は肝細胞癌と、インターフェロン・アルファあるいはインターロイキン 2 による治療が無効であるか、医師がこれらサイトカイン療法を不適当と認めた進行性腎細胞癌の治療薬として承認されています。 ネクサバール®は腫瘍の増殖に重要な役割を果たす細胞増殖(腫瘍の成長)と血管新生(腫瘍への血液供給)のそれぞれに関与すると考えられている複数のキナーゼ(Raf キナーゼ、VEGFR-1、VEGFR-2、VEGFR-3、PDGFR-B、KIT、FLT-3、RET など)に作用、と特異性がない方がいいのかな?
2014年06月06日
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抗がん剤 BBI608 および BBI503 の試験結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表 出典:プレスリリースBBI6081.固形がん(単剤)の第I/II相試験(BBI608-101 試験)の継続試験における新製剤の検討試験の結果 結腸直腸がん、卵巣がん、肛門扁平上皮がんなどを含む、24 例の進行性固形がん患者に対し、1 日目に BBI608 の旧製剤 500 mgを 1 回投与、4 日目および 8 日目に BBI608 の新製剤 500mg を絶食時または食後に 1 回投与、その後は新製剤 500mg を 1 日 2 回投与し、病勢の進行または忍容できない毒性症状が発現するまで毎日投与しました。その結果、両製剤間で、血中濃度に有意な差は認められず、また、食事による影響も観察されませんでした。 新製剤に関して投与間隔(4 時間間隔で 1 日 2 回服用と 12 時間間隔で 1 日 2 回服用)の検討も実施しました。その結果、主な副作用として下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、食欲不振、倦怠感などが認められましたが、12 時間投与間隔での服用群では消化器系副作用が軽減されることが明らかとなり、第III相臨床試験における推奨用量はおよそ 500mg を 1 日 2 回、12 時間投与間隔の服用と決定されました。 2.固形がん(パクリタキセルとの併用)の第I/II相試験(BBI608-201 試験)の結果 胃/食道胃接合部腺がん、卵巣がん、メラノーマ、膀胱がん、非小細胞肺がんなどを含む、24 例の進行性がん患者に、BBI608 の 3 つの用量群(200mg、400mg、500mg 各 1 日 2 回投与)とパクリタキセル(80mg/m2、静注、1 回/週、3 週投与 1 週休薬)を併用投与し、病勢の進行、忍容できない毒性症状の発現またはその他の投与中止基準に達するまで投与しました。 その結果、BBI608(500 mg を 1 日 2 回)とパクリタキセルとの併用において良好な忍容性が示されました。また、BBI608 とパクリタキセルの併用による新たな副作用は観察されませんでした。主な副作用は、グレード 1~2 の下痢、腹痛、吐き気、嘔吐でした。グレード 3 は 4 例の患者で観察され、下痢、脱水、脱力でした。血液に関連する副作用は認められませんでした。また、両薬剤間の有意な薬物相互作用は確認されませんでした。 BBI503固形がん(単剤)の第I相試験(BBI503-101 試験)の結果 結腸直腸がん、頭頸部がん、腎がん、肝がん患者を含む、26例の進行性固形がん患者に、BBI503を1日1回10mgから450mgを連続経口投与(1サイクル28日間)し、病勢の進行、忍容できない毒性症状の発現またはその他の投与中止基準に達するまで投与しました。 試験の結果、BBI503のMTD(最大耐用量)は確認されませんでした。BBI503は良好な忍容性を示し、グレード1~2の副作用として、下痢、腹痛、吐き気、食欲不振などの消化器系の副作用や倦怠感が観察されました。グレード3の下痢が450mg服用の2例で観察され、うち1例がDLT(用量制限毒性)でした。血液に関連する副作用は認められませんでした。BBI503は、1日1回の投与で300mgまでの用量で、用量依存的な血中濃度の上昇を伴う薬物動態を示しました。以上の結果より、BBI503の次相の推奨用量は、1日1回300mg投与に決定されました。 BBI608は単剤での大腸癌対象の第3相試験で中間検討で結果が思わしくなく登録中止を勧告されました。こういった場合パクリタキセルとの併用試験はどうなるのでしょうか?中間検討まではやるでしょうけども。BBI503は作用機序が異なるのでBBI608の結果は影響はないと思われますが、番号的にBBI608が先行しているのはBBI608の方が何らかの優位性をスポンサーが感じていたからのような気がします。ファースト・イン・クラスというのは難しいものです。
2014年06月06日
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アルツハイマー病の発症を抑制するタンパク質を発見出典:プレスリリース 本学分子神経科学研究センター西村正樹准教授、遠山育夫教授らの研究グループは、東京都健康長寿医療センター村山繁雄部長との共同研究により、アルツハイマー病の発症を抑制するタンパク質 ILEI を新たに同定しました。ILEI は本症の原因物質であるアミロイド β の脳内産生を減らす作用をもちますが、本症に罹患した症例の脳では ILEI の発現が減少していました。 アルツハイマー病モデルマウスに ILEI を強制的に発現させることにより、発症が抑制されることが確認されました。これまで、セクレターゼとよばれるタンパク質分解酵素の活性阻害剤がアミロイド β 産生を阻害する薬剤として開発されていましたが、副作用のため臨床応用は阻まれています。ILEI はセクレターゼ活性を阻害することなくアミロイド β 産生を抑制します。 APP-C99 の Aβ非産生経路による分解(図参照)を促進することにより Aβ産生経路を抑制し Aβ産生レベルを減少させるタンパク質 ILEI を同定した。すなわち、細胞のAβ分泌を変化させる分子のスクリーニングから数種のタンパク質を同定したなかで、ILEIが以下の特徴をもつタンパク質であることを明らかにした。 ILEIは γセクレターゼ複合体に結合する:γ セクレターゼ複合体に結合するタンパク質をスクリーニングするなかで、ILEI が同定された。 ILEIは Aβ産生を減少させる:培養細胞を用いた解析から、ILEIの強制発現は細胞から分泌される Aβレベルを約 30%程度減少させ、ILEI 発現抑制は 50%程度増加させた。 ILEI は γ セクレターゼ活性を阻害しない:無細胞系の反応では ILEI はγセクレターゼが APP を切断する活性を阻害しないことが判明した。 ILEIは Aβ産生の直前の基質(直接の前駆体)である APP-C99 を不安定化し細胞内レベルを減少させることにより Aβ産生を抑制する。 ILEI は本来、脳において正常な神経細胞が発現し分泌している。 剖検脳の解析から、認知症のない症例の脳やアルツハイマー病以外の神経疾患症例の脳に比較して、AD 例の脳では ILEIのレベルが減少していた。 トランスジェニックマウスを用いた解析から、ILEIを脳に高レベルで発現させるとアルツハイマー病モデルマウスにみられる脳 Aβ蓄積と記憶障害(Y 迷路テストによる評価)を改善させることが明らかとなった。 ILEI ないし ILEI 様活性をターゲットとすることにより、副作用を回避できる新たな AD 治療ストラテジーの開発および創薬が期待される。 6月2日に記者会見を行ったようですが、Nature Communicationが最初の発表権を有しているようで、6月4日の18:00までは報道できなかったようです。 セクレターゼ阻害剤に関してはセクレターゼが様々なタンパク質を分解することから、重篤な副作用が生じます。 この方向の研究としては図のAPP-C99の先端部分を修飾することにより、セクレターゼが認識できないようにする研究があります。 どちらにしてもペプチドなので脳血液関門が最大の障壁であることは間違いありません。
2014年06月05日
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アロエステロール®濃縮抽出物(AVGE) 経口摂取での皮膚光老化予防効果出典:プレスリリース 森永乳業は、このたび光老化モデルマウスを用いた試験において、アロエステロール®濃縮抽出物(AVGE)摂取による、皮膚の光老化に対する予防効果の検討を行いました。その結果、アロエステロール®濃縮抽出物の経口摂取により、紫外線照射で誘導される皮膚水分量の低下が予防されるとともに、シワ形成が予防されることを確認しました。 当社では、アロエベラゲル(食用として認められているアロエベラの葉肉部分)から抗肥満効果および抗糖尿病効果を示す有効成分として植物ステロールの一種であるアロエステロール®を同定し、様々な研究を行ってまいりました。近年では、アロエステロール®による皮膚への効果を検討し、ヒトならびに光老化モデルマウスにおいて、アロエステロール®含有 AVGP(アロエベラゲルパウダー)の経口摂取による、皮膚水分量の低下予防ならびにシワ形成抑制・改善効果を確認しております。アロエステロール®含有 AVGP から多糖類を含まないアロエステロール®濃縮抽出物を作製し、光老化モデルマウスにおける、皮膚への効果を検討しました。 多糖類を含まないアロエステロール®濃縮抽出物摂取による、皮膚の光老化に対する予防効果が確認されました。当社では今後もアロエステロール®含有食品素材について研究を行ってまいります。 どのような場合にこれを使うのかな?日焼け止めを塗っておけばUVB照射実験は意味がないし。経口投与で日焼けが収まるというわけでもなさそうですし。
2014年06月05日
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東洋新薬 『フラバンジェノール®』の皮膚中のコラーゲン、ヒアルロン酸合成促進作用を確認―食生活の欧米化に伴う肌状態悪化に効果の可能性―出典:プレスリリース 東洋新薬は、東京農業大学 大石 祐一 教授と共同で、『フラバンジェノール®』が皮膚中のコラーゲンおよびヒアルロン酸合成促進作用を有することを第68回日本栄養・食糧学会大会において発表いたしました。 『フラバンジェノール®』とは、フランス南西部ランド地方を主体に植林された海岸松の樹皮から抽出される東洋新薬の独自素材です。オリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)を主成分としたポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用や血流改善作用など様々な生理活性を示すのが特徴です。また近年強力な美白作用や抗シワ作用が確認され、各分野で注目を集めています。雄性ラットにフラバンジェノール®を5%含む高脂肪食(フラバンジェノール®群)、またはフラバンジェノール®を含まない高脂肪食(高脂肪食群)、フラバンジェノール®を含まない通常食(コントロール群)のいずれかを28日間摂取させました。摂取終了後に解剖を行い、採取した皮膚からRNAを抽出し、リアルタイムPCR法にてI型トロポコラーゲン(COL1A1)およびヒアルロン酸合成酵素(HAS3)のmRNA量を測定しました。その結果、I型トロポコラーゲン(COL1A1)およびヒアルロン酸合成酵素(HAS3)のmRNA量について、高脂肪食群ではコントロール群に対して低下が見られたのに対し、フラバンジェノール®群では、高脂肪食群だけでなく、コントロール群との比較においても有意な高値を示しました。 以上のことから、フラバンジェノール®を摂取することにより、高脂肪食摂取による皮膚中のコラーゲンおよびヒアルロン酸の低下を抑制することが確認されました。 植物成分はアマゾンとか人の入らないところにしか残っていないと思っていました。ヨーロッパ大陸にもまだこんな成分を持つ植物があったのですね。しかも植林された松から抽出されるということは驚きです。配合割合が有効性を発揮していると思います。有効成分を抽出していくと最後はよく知られたものか、未知の物質でも単体にするとインターフェロンみたいになるかもしれません。オリゴメリック・プロアントシアニジンの略はOPCですがこれは大塚製薬の治験薬の略号と同じですね。
2014年06月05日
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腰椎椎間板ヘルニアを適応症とするSI-6603 の 日本における第III相臨床試験結果の発表に関するお知らせ出典:プレスリリース 生化学工業は、日本における腰椎椎間板ヘルニアを対象とする SI-6603(一般名:コンドリアーゼ)の第III相臨床試験結果を、6 月 4 日に韓国ソウルで開催中の第 41 回国際腰椎学会で発表 本試験は、163 名の腰椎椎間板ヘルニア患者を対象として行われた多施設共同プラセボ対照二重盲検比較試験です。投与後 13 週における過去 24 時間の最悪時下肢痛のベースラインからの変化量を主要評価項目としています。 投与 13 週後の最悪時下肢痛のベースラインからの変化量は、SI-6603 群で有意に大きく、顕著な下肢痛の改善効果が認められました(P=0.001)。下肢痛が 50%以上改善した症例の割合(奏効率)は、SI-6603 群で有意に高く、プラセボ群が 50.6%であったのに対し 72.0%でした(P=0.008)。 投与後 52 週までの安全性については、背部痛、椎間板高の低下等の有害事象の発現頻度が高かったものの、SI-6603 の忍容性は良好でした。 日本では、本年 1 月に厚生労働省へ製造販売承認申請を行い、現在審査中です。また、米国で実施中の第III相臨床試験の進捗にも注力していきます。 投与方法:コンドリアーゼ1.25 U又はプラセボを1 mLの容量で椎間板内に1回投与 本薬剤は、髄核の構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)を特異的に分解するコンドリアーゼという酵素を利用した注射薬。GAGは複合糖質の構成成分の一つで、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸など。こういうのをアンメット・メディカル・ニーズを満たす医薬品というのでしょうね。「手術に変わる可能性のある医薬品」なんてH2ブロッカー以来じゃないでしょうか。といいながらもプラセボの効果が50.6%もあるのはちょっと気になります。 腰椎椎間板ヘルニアは保存治療により二人に一人は症状が改善すると言うことですから。製造販売後調査等で再発率を見て欲しいところですね。少し調べてみると、腰椎椎間板ヘルニアは6週間以内に症状が経過することが多数である。その仕組みはマトリックス メタロプロテアーゼによるヘルニアの退縮とのことです。 手術適応は6週間以降も疼痛や神経症状が継続する場合。後方ヘルニア摘出術の長期成績は概ね良好であり,10 年以上の長期成績では改善率 73%で,75%に腰痛が残存するが再手術は13%程度と報告されている。(山梨医科学誌27(4),117~124,2013) コンドロイチン硫酸とかヒアルロン酸など、膝痛対策のものが腰椎椎間板ヘルニアの原因とは知らなかったです。
2014年06月05日
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脳梗塞治療を飛躍的に向上できる糸口を発見!出典:ニュースリリース 新潟大学脳研究所(所長・西澤 正豊教授)神経内科の下畑 享良(しもはた たかよし)准教授を中心とする研究グループ(川村邦雄医師,高橋哲哉助教,金澤雅人助教ら)は,脳梗塞の治療で,最も有効とされる血栓溶解療法の弱点とされる合併症(脳出血,脳浮腫)が,アンギオポイエチン 1(Ang1)というタンパク質の減少が引き金となって生じることを世界ではじめて明らかにしました。 「組織プラスミノゲン・アクチベーター(tPA)」を用いた血栓溶解療法は,血管に閉塞した血栓を溶かし血液の流れを再開するため最も有効な治療法である。しかし,治療可能時間が 4.5 時間以内と極めて短く,脳梗塞患者の5%未満しか治療の恩恵を受けられない。 これは,発症後,時間が経過すると,脳の神経細胞だけでなく,血管にも障害が起こり,脳出血や脳浮腫(脳のむくみ)を生じやすくなるためである。 研究グループは,ヒトの脳梗塞に病態が類似したラット脳塞栓モデルを用いて,アンギオポイエチン 1(Ang1)というタンパク質の減少が tPA 療法後の血管の障害や脳出血,脳浮腫の引き金となっていることを世界ではじめて明らかにした。 さらに,強い活性をもつように合成した Ang1 を tPA とともに 静脈に注射し Ang1 を補充したところ,血管に取り込まれた結果,治療後の脳出血や脳浮腫は抑制され,治療可能時間も延長できることを明らかにした。研究グループは平成 23 年にも,血栓溶解療法後の脳出血を引き起こすタンパク質として血管内皮増殖因子を特定し,このタンパク質を抑制する治療が脳出血を抑制することを示した。現在,新潟大学は米国ベンチャー企業 ShimoJani と共同で,この薬剤の臨床試験を計画している。 これは、命を救う発見ですね。Ang1の早期の実用化を望みます。 平成23年の発見はVEGFが血栓溶解療法後にVEGFが発現し、そのVEFGが受容体と結合することで血管壁を破壊し出血する、ということです。このことから、VEGF結合を阻害することあるいはVEGFを抗体で除去することにより脳梗塞の治療剤となる可能性があります。Shimojaniという会社にライセンス契約を結んでいますが、新潟大学とライセンス契約を結んだということ以外の情報は見つかりませんでした。
2014年06月04日
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日本人2型糖尿病患者における「腸内フローラのバランスの乱れ」を発見~腸内細菌が血流中へ“移行する”ことが明らかに~出典:プレスリリース 順天堂大学大学院医学研究科・代謝内分泌内科学の佐藤淳子医師、金澤昭雄准教授、綿田裕孝教授、順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座の山城雄一郎特任教授らの研究グループは、2型糖尿病患者と非糖尿病者を対象とした研究から、2型糖尿病ではある特定の腸内細菌の量が変化し、おそらくは腸管の透過性亢進によって腸内細菌が生きたまま血液中へ移行することを発見しました。 私たち研究グループは、2型糖尿病患者50名と非糖尿病の対照者50名において腸内フローラの比較を行いました。さらに、腸内細菌の血流中への移行について解析を行いました。解析にはヤクルトが開発した腸内フローラ自動解析システム(Yakult Intestinal Flora-Scan: YIF-SCAN®)を用いました。 糞便を用いて腸内フローラの解析を行ったところ、2型糖尿病患者は対照者と比べて腸内細菌の総数に大きな違いはありませんでしたが、腸内フローラを構成する腸内細菌の割合が異なることが明らかとなりました。また、血液中に含まれる腸内細菌を解析したところ、対照者では50名中2名(検出率4%)の血液中腸内細菌が検出されたのに対し、2型糖尿病患者では50名中14名(検出率28%)の血液中に腸内細菌が検出されたことから、2型糖尿病患者では血液中に腸内細菌が高い割合で検出されることがわかりました。 糖が全く関与していない糖尿病発生の仮説です。糖尿病がインスリンの分泌不全と末梢のインスリン抵抗性からなることが病態と考えれば、インスリン抵抗性に関してはこの仮説にも可能性があると思います。食生活を(胃縮小手術を含め)改善することが、糖尿病の指標を改善することを考えれば糖尿病の治療は物理的なものの方が有効と思ってしまいます。腸内フローラはほんと色々なことをしていますね。
2014年06月04日
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卵巣がん治療におけるOLAPARIBとCEDIRANIB併用のデータ発表について~第50回ASCO年次総会でNCIが発表~出典:プレスリリース第50回米国臨床腫瘍学会年次総会おいて、2014年5月31日、Dr. Joyce Liuが米国国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)により実施された第II相試験の結果を本日発表しました。同試験は、再発プラチナ製剤感受性高悪性度漿液性卵巣がん患者におけるolaparibとcediranibの併用療法と、olaparib単剤療法の有効性と忍容性を比較したものです(抄録LBA5500)。これは、経口投与可能な治験薬を用いた併用療法による初めての卵巣がん試験です。 NCIは、卵巣がんにおけるolaparibとcediranibの併用をさらに検討するため、現在2本の第III相試験の実施を計画しています。Olaparibとcediranibは卵巣がん治療薬として臨床試験で個別に検討されています。Olaparibは既に単剤療法として有効性を示しており、先日、FDA(米国食品医薬品局)によりBRCA変異陽性プラチナ製剤感受性再発卵巣がん治療薬としてPriority Review (優先審査)の対象品目に指定されました。EMA(欧州医薬品庁)は、2013年9月にolaparibの販売承認申請を受理しています。かつては副作用が強いことも有り、抗腫瘍薬の経口剤は日本以外ではなかなか承認されませんでした。時代が変わったことをしみじみ感じます。
2014年06月04日
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ロシュ社のAvastinとTarcevaの併用によりEGFR遺伝子変異陽性の 肺がん患者さんの無増悪生存期間を延長出典:プレスリリース ロシュ社は本日、上皮増殖因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんに対する一次治療として、Avastin(bevacizumab)とTarceva(erlotinib)の併用療法を検討した第II相臨床試験(JO25567試験)の成績を発表しました。本臨床試験で併用療法を受けた患者さんでは、Tarcevaの単独療法を受けた患者さんに比べ、無増悪生存期間(PFS)が統計学的に有意に延長しました。本結果は、AvastinとTarceva(血管新生阻害とEGFR遺伝子変異に対する治療)の併用療法は、EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんにおいてTarcevaの単独療法を上回る臨床的有用性をもたらすことを示唆しています。 現在のEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんに対する一次治療での標準療法は、EGFR遺伝子変異に直接作用するTarcevaのようなチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による単独療法です。このEGFR遺伝子変異陽性の肺がんは、アジア人における非小細胞肺がんの30%を占めています1)。JO25567試験において、一次治療でAvastinとTarcevaの併用療法を受けた日本人患者さんでは、Tarcevaの単独療法を受けた患者さんに比べ、PFS中央値が6.3カ月延長し、病勢進行または死亡リスクを46%減少させました(16.0カ月対9.7カ月、ハザード比0.54、p=0.0015)。AvastinまたはTarcevaの安全性に関する新たな有害事象の発現は認められませんでした。血管新生阻害剤も評価が固定してきたようです。血管新生阻害剤と上皮増殖因子の阻害剤の併用でこの結果はすごいと思います。根っこが残っているのではという都市伝説みたいな仮説がありますが、延命が確認されていることから、これは考え方が違うのかもしれません。現在の標準治療はまだ非化学療法剤を抜いたレジメはないと思います。今後は比較により、化学療法剤が必要ないというエビデンスが出るかもしれません。このためには最大耐量が至適用量であるという考え方を変える必要があると思います。
2014年06月04日
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新規抗悪性腫瘍剤 ET-743(トラベクテジン) 悪性軟部腫瘍患者を対象とした第II相臨床試験結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO®)で発表出典:プレスリリース 大鵬薬品工業は、5月30日~6月3日に米国シカゴで開催された第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO®)において、現在当社が悪性軟部腫瘍の治療薬として国内で開発を進めている抗悪性腫瘍剤ET-743(一般名:トラベクテジン、欧州販売名:Yondelis®)の第II相臨床試験の結果が発表されたことをお知らせします(抄録番号10524)。悪性軟部腫瘍は、アンメット・メディカル・ニーズの一つであり、新規薬剤が望まれている疾患です。本試験は、染色体転座が報告されている組織型の悪性軟部腫瘍患者を対象に国内で実施した第II相臨床試験です。試験ではET-743投与群と、支持療法(BSC: best supportive care)群を、無増悪生存期間(PFS: progression-free survival)を主要評価項目として比較しました。国内12の医療機関が参加し、2012年7月11日~2014年1月20日の間で76例が登録されました。 解析の結果、ET-743投与群は、BSC群に対してPFSを有意に延長しました。ET-743投与群では、無増悪生存期間の中央値が5.6カ月(90%信頼区間(CI):4.2-7.5)であったのに対して、BSC群では0.9カ月(90%CI:0.9-1.0)でした(ハザード比(HR):0.07(90%CI:0.03-0.14)、 p値:<0.0001)。また、全生存期間中央値に関しては、ET-743投与群では未到達(95%CI:12.8-NR)、BSC群では8.0カ月(95%CI:7.0-NR))でした(ハザード比(HR):0.38(95%CI:0.16-0.91)、p値:0.025)。 ET-743投与群において報告されたグレード3またはグレード4の主な副作用は、好中球数減少(66.7%)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加(61.1%)、白血球数減少(55.6%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(41.7%)、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加(25.0%)、リンパ球数減少(22.2%)、貧血(19.4%)、血小板数減少(16.7%)、発熱性好中球減少症(13.9%)でした。 ET-743は、ファーママー社が開発した新規抗悪性腫瘍剤です。元々はカリブ海産のホヤの一種Ecteinascidia turbinataから単離された天然物で、現在は合成方法を確立しています。ET-743はDNAに結合し、細胞分裂、遺伝子転写、DNA修復機構を妨げ、その抗腫瘍効果は腫瘍微小環境にも作用します。欧州ではYondelis®の製品名で、進行性の悪性軟部腫瘍治療薬として2007年9月に欧州医薬品庁(EMA) より承認を取得し、2009年10月には再発プラチナ感受性卵巣がん患者に対するドキソルビシン内包 PEG リポソーム製剤との併用で適応追加の承認を取得しました。現在では、欧州各国、ロシア、韓国、カナダ等80カ国で承認・販売されています。ちょっと血液系の副作用が多いような気がします。ドキソルビシンも元々副作用の強い薬ですが、PEGリポソーム製剤で副作用が軽減でき、血中濃度の維持も可能になっています。効果が確認されればこういった製剤的な工夫が行われることになるでしょう。
2014年06月04日
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「2013 年 看護職のたばこ実態調査」結果 看護職の喫煙率は 7.9% 出典:プレスリリース 公益社団法人日本看護協会(会長・坂本すが、会員数・68 万人)は、このたび本会会員を対象に「2013 年 看護職のたばこ実態調査」を実施しました。 こうした中、本会は国民の健康を支援する看護職の喫煙状況を明らかにし、適切な対策を講じるために標記調査を実施しました。調査では、看護職の喫煙率が国民の喫煙率を下回っている一方、喫煙の害に対する認識が依然として低いことなどの課題も明らかとなりました。本会は、引き続き看護職の喫煙率の低下を図ると共に、国民の健康を支援する看護の職能団体として、すべての看護職が喫煙に対する正しい知識を身につけ、たばこのない社会となるよう活動します。 看護職の喫煙率は 7.9%(女性 7.2%、男性 29.5%)だった。国民全体の喫煙率は女性 9.0%、男性 34.1%であり(2012 年「国民健康・栄養調査」)、今回の調査結果では、看護職の喫煙率は男女ともに国民の喫煙率を下回っていた。 たばこの害に関する認識は、肺がんやぜんそく、気管支炎、肺気腫といった呼吸器疾患や、喉頭がん、動脈硬化、妊婦への影響などでも 7~9 割程度にとどまり、胃潰瘍(35.6%)、歯周病(48.3%)への害を認識している者は半数以下だった。 これまでに習慣的に喫煙した経験のある回答者全員(現在は喫煙していない人も含む)に、その開始年齢をたずねたところ、20~29 歳が最も多く 66.8%だった。一方、20 歳未満も 28.3%だった。 喫煙者の 34%が中~高程度のニコチン依存度だった。 看護職として患者や対象者(保健指導の対象者など)、学生などへのたばこに関する教育の機会がある割合は、「頻繁にある」6.1%、「ときどきある」34.6%であり、合計約 41%がたばこに関する教育を行っていた。職場の禁煙対策として「敷地内全面禁煙」は 58.0%、「屋内全面禁煙」34.2%、「屋内喫煙場所設置」5.2%で、これらの禁煙対策を実施しているのは全体で約 95%に上った。一方で 17.0%は、こうした対策が「あまり守られていない」と回答した本会の今後の取り組みすべての看護職が、たばこが健康にもたらす影響について正しい知識を身につけ、受動喫煙から非喫煙者を守るためにも、看護職の喫煙をゼロにすることを目指します。 ニコチン依存者には、適切な禁煙治療・禁煙支援の必要性を啓発・推進します。 看護学生の喫煙防止教育や禁煙教育のさらなる推進に取り組みます。 病院・診療所、公共施設などでの禁煙対策の順守を実現します。 たばこのない社会に向け、必要な情報をすべての看護職に発信します。 公共の場で喫煙は論外です。身体に悪いことは自明です。ただ、嗜好品に関しては体に悪いからやめておけというのは煙草だけでしょうか?極論すれば砂糖は糖尿病のリスク。(砂糖は取らないわけには生きませんが)、お酒はどうでしょう。勤務中は完全禁煙でいいですが、喫煙をゼロにする論拠が詰まっていないような気がします。
2014年06月04日
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単純ヘルペスウイルスが宿主に感染するメカニズムを解明出典:プレスリリース 単純ヘルペスウイルスの表面にはさまざまな糖たんぱく質が存在し、その中でもglycoprotein B(gB)が、宿主の免疫細胞表面にあるPILRαたんぱく質と結合すると、それが免疫細胞の攻撃を抑えるスイッチの役割を果たし、単純ヘルペスウイルスは難なく細胞へ侵入します。しかし、それらの結合機構の構造的な基盤は解明されていませんでした。 本研究では、PILRαたんぱく質と、PILRαとgBが結合した複合体の立体構造を世界で初めて明らかにすることによって、原子レベルで結合機構を解明しました。その結果、PILRαはこれまでgBの糖部分を認識していると考えられていましたが、実際は糖部分とたんぱく質(ペプチド)部分の両方を同時に認識していました。さらに、PILRαたんぱく質に結合する7アミノ酸からなる糖ペプチドを加えると、PILRαたんぱく質を競合阻害し、単純ヘルペス感染を阻害できることが判明しました。 PILRαは免疫系、神経系、ウイルス感染において幅広く機能を発揮しており、今回明らかとなった新しい認識機構は、ウイルス侵入メカニズムの理解や侵入阻害剤の開発だけでなく、PILRαによる広範な免疫の調節機構の理解とその調整薬やワクチンの効果を高める薬(免疫賦活化剤、アジュバント)の開発につながると考えられます。まずはウイルス侵入予防剤が第一でしょうね。血中以外にも外用なんかはすぐにできるのではないかな。物質を探すのは大変でしょうが、スクリーニング系を確立すればとんでもないようなものが効果があるとなるかもしれません。
2014年06月04日
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新しいモデルマウスを用いてユーイング肉腫の発生母地を同定することに成功出典:プレスリリース 中美和 研究員(がん研究会がん研究所 発がん研究部)と 中村卓郎 部長(がん研究会 がん研究所 発がん研究部)、及び国立医薬品食品研究所の研究グループは、従来作製が困難であったユーイング肉腫のモデルマウス確立に成功しました。 マウス胎児の関節から採取しeSZ細胞2)と名付けた軟骨前駆細胞にEWS-FLI1遺伝子を導入した実験により、ヒトのユーイング肉腫に極めて類似した肉腫が確実に形成されることを見出しました。この際に、EWS-FLI1に対する遺伝子発現応答が細胞によって異なることが肉腫形成に大きな影響を及ぼしていることが分かりました。マウスのユーイング肉腫で認められた遺伝子発現の変化はヒトでも同様に生じており、肉腫の増殖の鍵となる遺伝子発現を抑えると、肉腫の細胞死や増殖抑制が生じることが分かりました。今後、このモデルを利用することで、新しい分子標的治療薬の評価やユーイング肉腫の発生・進展及び転移のメカニズムが明らかになることが期待されます。肉腫は骨や筋肉などの組織から発生するがんで、患者数が少ない稀少がんの代表格です。その一方で、若い患者にしばしば発生すること、悪性度が高く難治性の症例が少なくないこと、早期発見が難しいことなど多くの問題を含んでいます。ユーイング肉腫も小児や若年者に多く、発見が遅れると全身に転移することから、発生のメカニズムの解明と有効な治療法の開発が待たれています。ところが、その発生起源が未知であり、動物モデルを用いた実験が確立していないという問題がありました。本研究グループはユーイング肉腫のモデルマウス確立を通して、ユーイング肉腫の発生起源を明らかにし、治療法の開発に役立てたいと考えました。ユーイング肉腫細胞にしか存在しないEWS-FLI1を治療標的とする薬剤や、EWS-FLI1の標的遺伝子を狙った治療法が効果的な治療の有力候補とされます。今回作製したマウスのユーイング肉腫では、導入したEWS-FLI1遺伝子を取り除いてやると、肉腫細胞の増殖と生存能が著しく低下し、細胞が殆ど死滅することが分かりました。また、EWS-FLI1の標的遺伝子・シグナルであるEZH2やPARP1b-カテニンの阻害薬も一定以上の増殖抑制効果を示すことが明らかになりました。抗体抗腫瘍剤の発見の典型的なパターンですね。eSZ細胞がこの実験の肝になると思います。後は抗体の作成と前臨床試験、臨床試験とDDPはすぐできるような気がします。
2014年06月04日
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アークレイ株式会社は、免疫反応測定装置スポットケムIM SI-3511の新しい専用試薬として、酸化ストレス測定試薬「スポットケムi-Pack Oxystress Test」を6月10日(火)より販売します。出典:プレスリリース 酸化ストレスとは、体内の活性酸素による酸化作用と抗酸化システムとのバランスが崩れ、酸化状態に傾くことで体が受けるダメージと定義されています。近年、酸化ストレスの上昇が、老化現象や生活習慣病をはじめとするさまざまな疾病発症に関与すると捉えられており、予防医学をはじめとした医学研究の分野などで有用性が期待されている指標です。 「スポットケムi-Pack Oxystress Test」は、血液(血清・血漿)を試料として、アークレイの販売する免疫反応測定装置「スポットケムIM SI-3511」を使用し、身体の酸化度(OS:Oxidative Stress)と抗酸化力(AP:Antioxidant Power)を全自動で簡単に測定し、体内の酸化ストレス度を分析できます。 本キットは研究用試薬であり、疾病の診断もしくはその補助の目的で使用することはできません。ということで、実際問題として酸化ストレスが本当にアンチエイジングに結びついているかはデータで証明されたわけではありません。モデルで酸化ストレスが高いと早死にするとか、酸化ストレスの防御系を持たないラットでは寿命が短い等のその結果を支持する傍証はたくさん出ていますが、エビデンスとしては確立していません。このような測定系ができるようになれば、抗酸化作用による様々な病気の診断、治療の指標となる可能性を秘めています。
2014年06月04日
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ヒト型抗ヒト PD-1モノクローナル抗体「ONO-4538/BMS-936558」について 米国臨床腫瘍学会(ASCO)で悪性黒色腫を対象とした 第I相臨床試験の成績が発表される出典:プレスリリースブリストル・マイヤーズ スクイブ(以下、BMY)社は、6月 2日(米国現地時間)、米国シカゴで開催されている第 50回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)において、ヒト型抗ヒト PD-1モノクローナル抗体「ONO-4538/BMS-936558」の 悪性黒色腫を対象としたYervoy(R)(ipilimumab)との併用第I相臨床試験の成績が発表されたことを公表しました。 「ONO-4538/BMS-936558」は、2005年 5月に小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)と米国メダレックス社が締結した共同研究契約に基づき創製されたヒト型抗ヒト PD-1モノクローナル抗体です。その後、メダレックス社は、2009年に BMY社に買収された際に、この抗 PD-1抗体の北米における開発・商業化権を BMY社に供与しておりました。そして、2011年 9月に小野薬品と BMY社が締結したライセンス契約では、小野薬品は本剤の北米以外の地域のうち、当社が開発および商業化の権利を留保する日本・韓国・台湾を除く全世界において独占的に開発および商業化する権利を BMY社に供与しました。 日本では、当社が昨年 12月に悪性黒色腫の治療薬として製造販売承認申請しました。また、非小細胞肺がん、食道がんを対象とした第II相臨床試験、腎細胞がんを対象とした第III相臨床試験を実施中です。 日本が先行している抗体医薬です。年末には承認されて、日本が最初に商用使用ができるといいと思います。
2014年06月04日
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ノバルティス、急性心不全治療薬RLX030のEU承認申請に関し最新情報を公表 出典:プレスリリース ノバルティスは、本日、欧州医薬品委員会(CHMP)が、急性心不全(AHF)治療薬RLX030(一般名:serelaxin)について、EUで承認されるにはさらなるエビデンスが必要とする見解を採択したことを発表しました。 これは、1月にCHMPから否定的見解が発表された後、弊社の請求に応じて再検討された結果です。 ノバルティスは、現在進行中の国際共同試験RELAX-AHF-2の結果が得られ次第、再び承認申請を目指す予定です。 当該臨床試験には、6,300名の患者さんが参加されており、急性心不全治療薬に関してノバルティスが実施する最大規模で最も信頼性の高い臨床試験の一つです。なお、本邦においては、RLX030の第II相臨床試験を実施中であり、日本はRELAX-AHF-2試験に含まれておりません。 RLX030は、男女双方に存在し、妊娠中の女性で増加して心血管需要の高まりに身体が対処するのを助ける生体ホルモン(ヒトリラキシン2)の製剤です。RLX030には、血管拡張や水分貯留の減少など複数の効果があります。また、心臓と主要な臓器への損傷を低減する可能性を示唆するエビデンスもあります。これは、急性心不全発現時に起こる損傷の連鎖を考慮する場合に、特に重要と考えられます。 最近は申請取り下げを勧告された場合も公開されるので、患者さんのデータは利用されることになり、喜ばしいことです。申請資料も完全に公開されるので、「副作用のない夢の新薬」なんて見出しをあげる新聞はなくなると思います。例の薬にも間質性肺炎の発生は記載されていましたし。お医者さんもMRも勉強は必要ですが、科学担当記者も審査報告書を読めば、厚生労働省とメーカーの議論も推定できますし、きちんとした記事が書けると思います。
2014年06月04日
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転移・再発乳がんを対象としたTS-1第III相臨床試験(SELECT BC試験) 米国臨床腫瘍学会(ASCO®)で結果を発表出典:プレスリリース 大鵬薬品工業は、5月30日~6月3日に米国シカゴで開催された第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO®)において、日本国内で実施されたSELECT BC1試験(転移・再発乳がんに対するタキサン系薬剤(Taxane)とティーエスワン(TS-1)のランダム化比較試験)の結果が発表された。 SELECT BC試験は、遠隔転移を有する進行・再発乳がん症例に対して、TS-1単剤で一次化学療法としての延命効果を証明した初めての試験です。 主要評価項目である全生存期間(Overall Survival:OS)は、TS-1群が35.0カ月、Taxane群が37.2カ月であり、TS-1群のTaxane群に対する非劣性が証明されました(HR=1.05: 95% CI: 0.86-1.27, non-inferiority test p=0.015)。TS-1群で認められたグレード3以上の主な有害事象は好中球減少6.8%、疲労3.3%、下痢2.6%、食欲不振2.6%で、全グレードで脱毛は4.9%でした。 【SELECT BC試験について】本試験は、医師主導研究として公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンターがん臨床研究支援事業(PHRF-CSPOR)が大鵬薬品との委受託契約に基づく資金提供下で実施した試験で、遠隔転移を有する進行・再発乳がんの一次化学療法例を対象にTS-1療法と標準療法の1つであるTaxane療法を比較した第III相臨床試験です。転移・再発乳がんの治療の目的が「延命」と「QOLの改善」であることに鑑み、全生存期間が劣らなければ、一次化学療法の薬剤選択は奏効率ではなく副作用やQOLを重視した薬剤選択が妥当であるというコンセプトを基に実施されました。全国258施設の医療機関が参加し、2006年10月から2010年7月の間に618例が登録されました。体表面積1.25~1.5m2の人で比較するとTS-1は50mg1日2回28日間連続投与14日間休養これを1クール25mg729.1×2×28=40,829.6円 後発医薬品あり25mg446.3円taxane (A法)210×1.5= 315mg 100mg 27269×3.15=71222.35円 後発医薬品あり19105.00円、13099.00円効果と費用をかんがえるとTS-1は選択肢の一つになるエビデンスができたことになります。詳細を見ていませんが、副作用やQOLを重視するならば副作用の種類と発現率あるいはQOLのデータをプレスリリースに記載して欲しいところです。登録に3年9か月は何とも長いですね。このあたりが日本でなかなかエビデンスの出ないところでしょうか。3年もたつと二次治療にいい薬がでて初回治療が短い方がOSが長い可能性が出てきます。二次治療を規定しないとOSはかなりバイアスを含む項目と思っています。二次治療にガイドラインがあるものに関してはこの限りではありません。
2014年06月04日
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東洋新薬 『黒ショウガ』が褐色脂肪組織を増加させる効果を生体で確認出典:プレスリリース 東洋新薬は、武蔵野大学 油田 正樹 教授、および嶋田 努 客員研究員と共同で、『黒ショウガ』の前駆褐色脂肪組織の分化促進作用および脂肪組織の褐色脂肪化を確認し、第68回日本栄養・食糧学会大会において発表いたしました。 『黒ショウガ』は、ショウガ科バンウコン属の植物で、学名をKaempferia parvifloraとし、英語では“Black Ginger”、ラオス語では“Khing-dam:キング(ショウガ)-ダム(黒い)”と呼ばれており、「ポリメトキシフラボノイド」という特徴成分が含まれています。黒ショウガはタイやラオスの山間部に自生し、現地ではお茶やリキュールなどにして飲まれており、伝承的な機能性として滋養強壮や冷え症改善があると言われてきました。褐色脂肪組織は、脂肪を燃やし熱産生する役割を持ち、その発熱能力は骨格筋の70~100倍もあると言われています。しかしながら、ヒトの褐色脂肪組織は加齢と共に減少し、これが中年太りの原因の1つとされているため、近年、肥満治療やダイエットの観点から、褐色脂肪組織の活性化に影響を及ぼす機能性食品についての研究が活発に行われています。 雄性マウスから前駆褐色脂肪組織を単離し、分化誘導をかけた2日後および4日後に黒ショウガ溶液(黒ショウガ群)または溶媒のみ(対照群)を添加し、分化誘導6日後にPPARγおよびUCP-1の遺伝子発現量を測定しました。その結果、黒ショウガ群では対照群と比較してPPARγおよびUCP-1の発現量が有意に増加しました。 雄性マウスから前駆褐色脂肪組織を単離し、分化誘導をかけた2日後および4日後に黒ショウガ溶液(黒ショウガ群)または溶媒のみ(対照群)を添加し、分化誘導6日後にPPARγおよびUCP-1の遺伝子発現量を測定しました。その結果、黒ショウガ群では対照群と比較してPPARγおよびUCP-1の発現量が有意に増加しました。PPARγ前駆褐色脂肪組織から褐色脂肪組織に分化させるのに重要な役割を果たす遺伝子です。 UCP-1褐色脂肪組織に存在する遺伝子です。ここでは、褐色脂肪組織が熱産生機能を持つことを意味します。 褐色脂肪細胞組織が前駆体から分化するし、実際に熱産生機能を発揮するのを「黒ショウガ」が働いていることマウスを用いて示しています。黒ショウガエキスが褐色脂肪組織に対してマウスの遺伝子レベルでの効果を示したものです。今後は人での褐色脂肪組織での熱産生が増加するかどうかの検証がされていって欲しいなと思います。食品由来なので、安全と思いますが、ビタミンPのように大量に摂取した場合には死に至る場合もあるので、l(マウス、ラットで致死量が決まっている)実際に商品化、特に医薬品として開発する場合には安全性試験は避けて通るわけにはいけないでしょう。
2014年06月03日
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森下仁丹独自素材「ザクロエキス」の 皮膚老化抑制作用、脂肪肝抑制作用、AGEs 生成抑制作用について 第 14 回日本抗加齢医学会総会で研究成果を発表出典:プレスリリース 森下仁丹2014 年 6 月 6 日(金)から 6 月 8 日(日)まで大阪国際会議場(大阪府大阪市北区)にて開催される「第 14 回日本抗加齢医学会総会」にて、当社独自素材 「ザクロエキス」の機能性に関する大学との共同研究成果を発表いたします。 ザクロエキス・・・果実そのままや果汁に多く含まれている果糖やブドウ糖を除き、ザクロに含まれるポリフェノールだけを抽出したエキス。ザクロは食用として用いられているため、副作用のリスクも低いとされています。 当社ではこれまで、ザクロの様々な機能を探索した結果、「抗糖化作用」、「長寿遺伝子活性化作用」、「抗アレルギー作用」、などを明らかにしてきました。今回、大学との共同研究により、「皮膚老化抑制作用」、「脂肪肝抑制作用」、そして動物実験で「AGEs(終末糖化産物)生成抑制作用」を確認し、その成果を発表するとともに、ザクロエキスの機能性をテーマとしたランチョンセミナーも開催いたします。 ということです。
2014年06月03日
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ジオトリフ®(一般名:アファチニブマレイン酸塩)が、一般的なEGFR遺伝子変異陽性肺がん患者の全生存期間(OS)に有意なベネフィットを与えることを示す。出典:プレスリリース - 2つの第3相臨床試験(LUX-Lung 3およびLUX-Lung 6 )の統合解析結果から、一次治療としてのアファチニブ*が、一般的なEGFR変異陽性肺がん患者の死亡のリスクを19%低下させることを明らかにしました。- アファチニブで治療を開始した患者群では、標準治療で治療を開始した患者群と比較して、全生存期間(OS)の中央値が3ヶ月延長しました。- 複数の治療後に肺がんが進行した患者を対象にした第3相試験(LUX-Lung 5 )では、アファチニブ単独投与下で腫瘍が増殖を開始した後に、化学療法と併用してアファチニブを継続投与するベネフィットが示されました。「ジオトリフ(R)錠」はEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌に対して2014年4月17日に薬価収載され、5月7日より発売されている。一般的に増悪した場合はレジメの変更が行われます。LUX-Lung5によりレジメの変更よりも、化学療法の追加によりベネフィットがえられることを明らかにしています。ここまで、エビデンスを求めることには拍手です。(結果に対しては本当に拍手できるかは別問題です。)
2014年06月03日
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アレルギー性疾患治療剤「タリオン®錠」「タリオン®OD錠」 小児適応追加の申請について出典:プレスリリース 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、社長:土屋 裕弘)は、このたび、アレルギー性疾患治療剤「タリオン®錠」「タリオン® OD錠」(一般名:ベポタスチンベシル酸塩)について、小児適応追加に係る承認事項一部変更承認申請を行いましたので、お知らせいたします。「タリオン®錠」は、宇部興産株式会社(本社:山口県宇部市、社長:竹下 道夫)によって創製され、同社と田辺三菱製薬が共同で開発し、田辺三菱製薬がアレルギー性鼻炎を適応症として2000年10月より国内で販売しています。さらに、2002年1月には蕁麻疹、皮膚疾患に伴う瘙痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚瘙痒症)に対する効能が追加され、2007年3月には剤型追加として「タリオン® OD錠」も承認されました。 小児のアレルギー性疾患治療では、第1世代の抗ヒスタミン薬の口渇や眠気などの副作用が問題とされています。本剤は第2世代の抗ヒスタミン薬として非鎮静性に分類され、口渇や眠気などの副作用が少ないことが認められています。 現在小児へ適応があるのはアレジオン、ジルテック、アレグラ、クラリチンです。アレジオン、クラリチンに関しては3歳以上7歳未満にも適応があります。 (OTCのアレジオン、クラリチンには剤型問題から小児適用はありません。)
2014年06月03日
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New England Journal of Medicine Publishes Results from Phase 3 PREVAIL Trial of Enzalutamide in Men with Chemotherapy-Naive Metastatic Prostate Cancer Progressing Despite Androgen Deprivation Therapy. 出典:ニュースリリースアステラス製薬はenzalutamideの二重盲検プラセボ対照の第3相試験の結果がNEJに掲載されたことを報告した。 この試験はLHRH治療又は両側睾丸摘出後に増悪した、少しのあるいは全く症状のない転移性の前立腺癌男性に対するenzalutamideの有用性と安全性を検討した。 この結果を受けてFDAは2014年11月18日までに承認勧告を行うことを認めた。EMAが2014年4月14日に勧告された結果に基づき欧州製薬業は様々の承認事項を変更している。Enzlutamideは去勢抵抗性前立腺癌の効能を2012年8月31日に承認をうけている。商品名はXTANDI (R) 日本では 2014年5月23日に去勢抵抗性前立腺癌を効能として薬価収載されている。LHRH治療又は両側睾丸摘出後の前立腺を対照にしたのは化学治療初回前立腺癌を対照に実施するためと思いますが、なぜ陽性対照をおかなかったのかが不思議です。 去勢抵抗性前立腺癌に対しては非常に有効な選択肢を与えたことは分かりますが、化学療法未治療例に使用した場合に去勢抵抗性前立腺となる割合を知ることは未治療例使用のために大変重要だと思います。
2014年06月03日
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動脈硬化症のリスクを予測する自己抗体の解析に成功しました。出典:プレスリリース 横浜市立大学学術院医学群 循環器内科学 石上 友章准教授は、愛媛大学プロテオサイエンスセンター 澤崎 達也教授、本学 微生物学 梁 明秀教授、分子病理学 青木 一郎教授らとの共同研究を行い、動脈硬化症患者血清中に複数の自己抗体が存在することを明らかにしました。 バイオインフォマティクス的手法を用いた解析を行い、患者血清中の抗IL(インターロイキン)5抗体が、有意に高値であることを証明しました。 本研究で用いた高感度なハイスループット自己抗体アッセイを応用することで、動脈硬化症ハイリスク患者のリスク診断や、個別化医療の実現をもたらす可能性があります。 動脈硬化症は、致死的・非致死的な心筋梗塞や、脳梗塞の原因となる重大な疾患です。高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の終末像であり、心肺機能低下による行動制限、麻痺、認知症、上肢下肢の切断等、生活の質を損なうことによって健康長寿の実現を妨げるばかりか、しばしば致命的となります。 生活習慣病は、本症の主要なリスク因子であり、生活習慣病治療薬による薬物療法は、動脈硬化症による心血管イベントの抑制効果を求められています。しかしながら、リスク管理による心血管イベント抑制の効果には限界が存在することが知られており(天井効果:ceiling effect)、薬物療法による残存リスク(residual risk)と呼ばれています。この残存リスクの解消には、リスク管理による確率的なイベント抑制効果を凌駕する、動脈硬化症の成因に基づいた診断・治療の実現が求められていると考えられます。 閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患 PAD)患者90名、冠状動脈硬化症(CAD)患者20名および、年齢をマッチさせた健常成人80名の個別血清に対して、抗分泌型IL5抗体価を測定したところ、健常成人に比較して、PAD・CAD群で有意に抗体価が高値を示すことが明らかになりました。 抗IL5抗体は、動脈硬化症の新規バイオマーカーとして、動脈硬化症の早期発見、早期治療を実現する可能性があります。動脈硬化症は、生活習慣病の終末像であり、致死的・非致死的な心血管イベントの原因でありながら、多くの場合無症候性に進行することが特徴です。抗IL5抗体測定を、自己抗体を介する自己免疫現象に着目した新規バイオマーカーとして活用することで、成因とリスクを同時に評価することが可能になり、動脈硬化症関連領域の診療の質を飛躍的に高めることになります。 もしかしたら、コレステロール値とか血圧値が高いのが動脈硬化症の原因でない可能性を示唆した画期的な文献になるかもしれません。 自己免疫抗体が実際に引き金を引き、動脈硬化症が発病する。引き金を引くまでにはコレステロール値や高血圧が関与している可能性は残るけれども、動脈硬化症が発症した後の進行に関しては関与しないとする可能性を示唆していると思います。 これがリスク管理による心血管イベント抑制の効果には限界が存在することが知られており(天井効果:ceiling effect)、薬物療法による残存リスク(residual risk)と呼ばれています。 原因だったと20年後の文献に記載されることを期待。(ほんとだったら、スタチンやらなんやらは消えるかもしれないから、・・・)
2014年06月02日
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抗がん剤「レンバチニブ」が放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんを対象とした 臨床第III相試験において無増悪生存期間を顕著に改善 ―臨床第III試験結果を ASCO 年次総会頭頸部がんセッションにて口頭発表― 出典:プレスリリース エーザイは、自社創製の新規抗がん剤「レンバチニブメシル酸塩 (以下 レンバチニブ)」の、放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者様を対象とした臨床第III相試験(SELECT 試験)の結果を発表することをお知らせします。本試験では、主要評価項目である無増悪生存期間 (progression free survival: PFS)において、レンバチニブ投与群(中央値:18.3 カ月)がプラセボ投与群(中央値:3.6 カ月)に比較して統計学的に有意な延長を示しました(ハザード比 0.21(99%信頼区間 = 0.14-0.31、p<0.0001))。 レンバチニブは、血管新生や腫瘍増殖に関わる VEGF 受容体などの受容体チロシンキナーゼを阻害する経口投与可能な新規結合型選択的チロシンキナーゼ阻害剤です。 本試験において報告された主な有害事象は高血圧(67.8%)、下痢(59.4%)、食欲減退(50.2%)、体重減少(46.4%)、嘔気(41.0%)でした。また、Grade 3 以上(有害事象共通用語規準)の主な有害事象は、高血圧(41.8%)、タンパク尿(10.0%)、体重減少(9.6%)、下痢(8.0%)、食欲減退(5.4%)でした。 久々に、無増悪生存期間が本当に延長している効果を見ました。3.9か月が18.3か月、1年以上伸びているわけですが。 全生存期間に関しては、両投薬群ともに中央値に達していないということです。再発してもすぐなくなるわけではないようです。こういう病勢のため主要評価項目は全生存期間ではなく、無増悪生存期間となっているのかな? まあどっちにしても注目すべき結果と思われます。ただ、グレード3以上の下痢が8%、 1,2を含めると59.4%QOLに関わる有害事象が高いのは少し残念です。
2014年06月02日
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NEDO事業「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」 委託契約締結のお知らせ出典:プレスリリース タカラバイオ株式会社は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した事業「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発」に採択され、この度、本事業に関する委託契約が締結されましたのでお知らせします。 本事業は、再生医療製品及び原料となるヒト幹細胞を製造・加工するための製造システムを開発することを目的としています。当社は、本事業において「ヒト多能性幹細胞由来の再生医療製品製造システムの開発」を担当し、iPS細胞やES細胞などの幹細胞から製造される再生医療製品の製造工程おける細胞の品質管理・評価試験方法を開発します。事業名 :再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発研究開発項目 :ヒト多能性幹細胞由来の再生医療製品製造システムの開発委託先 :当社、他企業11社、京都大学期間 :平成26年4月1日~平成31年3月31日当社への委託金配分額 :平成26年度 34,259,760円(税込) iPSやES細胞が実用化に向かってきたという感じです。
2014年05月31日
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アボット、在宅医療時等の長期栄養管理に配慮した新製品 「エネーボ™配合経腸用液」を発売開始 -経腸栄養剤としては国内初となる成分を多数配合-出典:プレスリリース アボット ジャパンは、長期栄養管理時等における必要栄養素の欠乏に配慮した、半消化態栄養剤 エネーボ™配合経腸用液を本日5月30日から発売開始いたします。本剤は、医療用医薬品の半消化態栄養剤として15年ぶりの新製品で、3月に厚生労働省より製造販売承認を取得しています。 エネーボ™配合経腸用液の効能・効果は、「一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する」です。エネーボ™配合経腸用液は、タンパク質の配合比率を高めるとともにBCAA(分岐鎖アミノ酸)を強化しています。また経腸栄養剤として初めてとなる栄養成分として、抗酸化作用のあるセレンや脂質代謝に関与するカルニチンの他に整腸作用が期待できるフラクトオリゴ糖、糖代謝に関連するクロム、酵素の構成要素であるモリブデン、脂質の消化・吸収に関与するタウリンを配合しました。 薬価 7.1円/10mL(2014年5月30日~)1日1,500kcalをこれだけで摂ったらダイエットになりますかね。1食ぐらいはこれに置き換えていれば微量成分がきちんととれるかもしれません。 半消化態栄養剤には医薬品と食品とがありますが、成分上の明確な違いは無く、両者間に組成上の基本的な相違もありません。医薬品は、医師の処方が必要であり保険適応になるのに対し、食品は、入院中には食事として提供され、外来では医師の処方は必要ありませんが自己負担となります。
2014年05月31日
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教育現場におけるアナフィラキシー対策 -本年度も食物アレルギー・アナフィラキシー対応研修会 全国18会場で開催-出典:プレスリリース日本学校保健会とファイザーは、平成25年度に続き共催で食物アレルギーを持つ子供のアナフィラキシー対策に向けた支援のひとつとして、教職員へのエピペン指導を目的とした「食物アレルギー・アナフィラキシー対応研修会」を6月6日より開始いたします。本研修会では、全国18か所の地域において、食物アレルギーについて理解を深め、緊急時に適切な対応が行えるように教職員、学校医、学校歯科医、学校薬剤師を対象に研修会を実施してまいります。 大分県教育委員会 6月 6日(金) コンパルホール 「文化ホール」京都市学校保健会 6月20日(金) 京都産業会館 シルクホール大阪府学校保健会 7月 2日(水) エルおおさか(大阪府立労働センター)神奈川県学校保健連合会 7月 4日(金) 湘南台文化センター市民シアター高知県学校保健会 7月24日(木) サンピアセリーズ・レインボーホール和歌山県学校保健連合会 7月29日(火) 海南市民交流センター ふれあいホール北海道教育委員会 8月 4日(月) ホテルライフォート札幌山口県学校保健連合会 8月 5日(火) 山口県教育会館香川県学校保健会 8月 7日(木) 綾歌総合文化会館アイレックス岩手県学校保健会 8月11日(月) ホテル東日本さいたま市学校保健会 8月19日(火) さいたま市民会館うらわ福岡県学校保健会 8月25日(月) アクロス福岡 イベントホール長野県教育委員会 8月28日(木) レザンホール(塩尻市文化会館)山形県学校保健連合会 10月 9日(木) 山形国際交流プラザ宮崎県学校保健会 10月16日(木) 宮崎市民文化ホール愛知県教育委員会 11月21日(金) ウィルあいち熊本県学校保健会 1月16日(金) くまもと森都心プラザ兵庫県学校保健会 2月 5日(木) 神戸文化ホール ということです。
2014年05月31日
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組換えインフルエンザHAワクチン ASP7374 国内承認申請に関するお知らせ出典:プレスリリース アステラス製薬は、UMNファーマと共同で開発を進めている組換えインフルエンザHAワクチンASP7374(旧開発コード:UMN-0502)に関し、本日、インフルエンザの予防の効能・効果で、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたので、お知らせします。 SP7374は、遺伝子組換え技術を利用し、バイオ医薬品の次世代製造プラットフォームであるBEVS(Baculovirus Expression Vector System)を用いた細胞培養法で製造されています。米国では、Protein Sciences Corporationが季節性インフルエンザを予防するワクチンとして、2013年1月にFDA(Food and Drug Administration)から承認を取得し、「Flublok®」の製品名で販売されています。3種類(H1N1型、H3N2型およびB型)のヘムアグルチニン(HA)タンパク抗原を含む3価のインフルエンザワクチンです。HAタンパク遺伝子を挿入した組換えバキュロウイルスを昆虫細胞株SF+に感染させるBaculovirus Expression Vector Systemによって製造します。鶏卵を用いた既存のワクチンに比べて短期間での大量生産が可能です。 鶏卵を用いるよりも大量生産できるところがメリット。順番待ちということがなくなることが期待されます。
2014年05月31日
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「健康長寿社会の実現に向けた疾病の予知予防・診断・治療技術の俯瞰-生活習慣病(2型糖尿病)を対象として-」[調査資料-227]、「課題解決型シナリオプランニングに向けた科学技術予測調査-生活習慣病(2型糖尿病)を対象として-」[NISTEP NOTE(政策のための科学) No.10] の公表について出典:プレスリリース 科学技術・学術政策研究所では、1971年より約40年間続けてきた技術予測の発展型の調査として、将来を俯瞰する科学技術シナリオプランニングを2013年から実施しています。このたび、その一環として2型糖尿病を対象に技術マップと技術シナリオをとりまとめると共に、それらに基づいて設計したデルファイ調査の結果をまとめました。 [調査資料-227]では、2030年前後までの医薬、医療機器、再生医療に関する技術の変化を想定したシナリオ分析を行い、その結果をとりまとめました。予知診断マーカーに関するシナリオ、イメージング検査に関するシナリオ、再生医療に関するシナリオで相対的にインパクトが大きいという結果が得られました。 一般社団法人日本糖尿病学会の学会員と科学技術動向研究センターの科学技術専門家ネットワークを対象としたデルファイ調査により、3つの戦略領域「基礎研究・実用化研究」、「エビデンス分析」、「診療におけるベストプラクティス」において重要となり得る課題とその課題の技術的・社会的な実現時期について、多くの専門家より得られた回答を取りまとめました。日本糖尿病学会員と専門調査員の双方が、日本及び世界にとって重要な戦略課題として回答した課題は、基礎研究・実用化研究に属する「動物モデルを用いた、肥満による 2 型糖尿病発症の原因解明」と糖尿病診療におけるベストプラクティスに属する課題「生活習慣を改善するための、各種因子の総合的なモニタリング法(体脂肪量、内臓脂肪量、基礎代謝量、身体活動・運動の量など)」であった。 基礎研究・実用化研究に属する「科学的エビデンスに基づいた運動療法」や「2 型糖尿病と他疾患(がん、アルツハイマー病等)における罹患リスクの関連性の解明」については、日本糖尿病学会員と専門調査員共に、日本あるいは世界にとって上位 10位前後内に重要な戦略課題として回答した。 日本糖尿病学会員の回答では上位5位にランクインしたが、専門調査員では 10位以下の戦略課題として、「肥満、2 型糖尿病における大血管障害の発症・進行機序の解明」(日本にとって 14位、世界にとって 13 位)、及び「糖尿病性細小血管障害の発症・進行機序の解明」(日本と世界双方にとって 16 位)が挙げられた。逆に、専門調査員の回答では上位 5位にランクインしたが、日本糖尿病学会員では 10 位以下の戦略課題として、基礎研究・実用化研究に属する「味覚学、行動学、心理学等を融合した食嗜好の改善法」(日本と世界にとって第 15 位)が挙げられた。 各項目の実現時期予測が記載されていますが、一種の遊びではあります。
2014年05月30日
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食品ポリフェノールが腸管におけるコレステロール吸収を抑制するメカニズムを解明出典:プレスリリース 東京大学大学院農学生命科学研究科附属食の安全研究センターの小林彰子准教授らの研究グループは、ヒトの腸上皮細胞を模した細胞を用いて腸管からコレステロールを吸収するタンパク質(コレステロール吸収トランスポーター、NPC1L1)の吸収特性を明らかにし、このタンパク質を阻害するポリフェノール(ルテオリンおよびケルセチン)を見いだしました(図)。これらのポリフェノールはヒトの腸上皮細胞においてコレステロール吸収トランスポーターNPC1L1の阻害薬として処方されているエゼチミブと同等の抑制効果を示すだけでなく、ラットを用いた動物実験においても食事に起因する血中のコレステロール濃度の上昇を抑えました。 ケルセチンとルテオリンはリンゴや玉ねぎ、シソなどに含まれるポリフェノールです。これらのポリフェノール類を日常的に摂取することにより、動脈硬化、ひいては心疾患や脳血管疾患の原因となる高コレステロール血症の予防に繋がる可能性が期待されます。 ポリフェノールには「フレンチパラドックス」といわれる、脂肪過多な食事による動脈硬化、心疾患、および脳血管疾患などの疾病を予防する効果が知られています。これまでフレンチパラドックスの研究は、ポリフェノールのもつ抗酸化作用を中心に行われてきました。本研究で明らかとなったポリフェノールによるNPC1L1を阻害するメカニズムは、血中のコレステロール濃度を適正に制御するための新たな切り口を提案するとともに、食品に含まれるポリフェノールを日常的に摂取する意義を、改めて示すことができた成果といえます。 フレンチパラドックスとは、フランス人が相対的に喫煙率が高く、飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を摂取しているにもかかわらず、冠状動脈性心臓病に罹患することが比較的低いことをいいます。フレンチパラドックスの用語は、フランスのボルドー大学の科学者であるセルジュ・レナウド博士による造語で、赤ワインのポリフェノールが心臓疾患の発生率を減少させると推定しました。これが赤ワインが体にいいということの出所です。今回の研究から赤ワインの効果が今までとは違った方向で説明できる可能性が見いだされました。しかし、エビデンスとして確立するためには、ルテオリンあるいはケルセチンが薬剤あるいはサプリメントとして製剤化されて、介入試験により、虚血性心疾患の死亡率の低下を示す必要があります。ルテオリンはローズマリーの主要成分の一つです。ケルセチンはビタミンPの一部で様々な生理活性を有しており、ラットのLD50は161mg/kg、60kg換算で約10gなので、取り過ぎ危険な成分です。
2014年05月29日
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皮膚の創傷治癒における新たな制御機構を発見 ―難治性皮膚潰瘍の新たな治療法に向けて―出典:プレスリリース文献抄録 なかなか治らないキズ(難治性皮膚潰瘍)や床ずれ(褥瘡)によって多くの患者が苦しんでおり、治りにくいキズを早く治すことができる新たな治療法が切望されています。 群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学の石川 治教授、茂木 精一郎講師、内山 明彦大学院生のグループは、米国国立衛生研究所皮膚科学 Dr. Mark C. Udeyとの共同研究により、皮膚創傷治癒の新たな機序を解明しました。 私たちはマウスの背部皮膚を用いた創傷治癒モデルを確立しました。分泌蛋白質MFG-E8 は皮膚にキズ(創傷)を作って4日目から発現が増加し、特に7日目で多く発現が見られました。興味深いことに肉芽組織に全体に発現が見られ、特に血管周囲に多く発現が見られました。 MFG-E8が欠損したマウスを用いて創傷治癒を検討したところ、MFG-E8 を欠損したマウスでは、皮膚のキズの治りが遅くなり、血管数も低下していました。これらの結果より、MFG-E8は皮膚にキズができると多く分泌されて、血管数を増やして創傷治癒を促すことが明らかになりました。 ヒトの創傷部(褥瘡部)における MFG-E8 の役割について検討を行いました。血管を豊富に含む肉芽組織は、血管の周囲に MFG-E8 の発現が多く見られました。一方、なかなか治らない褥瘡の不良肉芽組織では MFG-E8 の発現が低下していました。これらの結果から、ヒトにおいてもMFG-E8が血管新生を介して創傷治癒を促す可能性が考えられました。 MFG-E8はマクロファージが分泌するアポトーシス細胞を特異的に認識する因子。C末端領域に存在するC1C2領域がアポトーシス細胞表面に露出するホスファチジルセリンに結合し、N末端領域に存在するRGD領域がマクロファージ細胞膜上に発現するインテグリンと結合することでアポトーシス細胞の貪食を促進する。ってことまでは分かっています。これが創傷治癒を促すということは肉芽組織の再生はいったん周りを綺麗にするということかもしれません。 MFG-E8 欠損マウスではループス腎炎、慢性乳腺炎、アトピー性皮膚炎、動脈硬化の増悪が見られています。(大阪大免疫学フロンティア研究センター 免疫ネットワーク研究室)
2014年05月29日
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オクリュージョンマイクロバルーンカテーテル「アテンダントネクサス」を発売出典:ニュースリリース テルモ・クリニカルサプライは、血管内治療において、血管内にバルーンを膨らませて血流を止めるオクリュージョンマイクロバルーンカテーテル 「アテンダントネクサス」を全国の医療機関向けに、本日より発売いたします。 オクリュージョンバルーンカテーテル:血流を一時的に遮断するために用いる先端に風船のついたカテーテル がん細胞の近くでの投与ができるよう、カテーテル径を細くすることで、入り組んだ末梢血管内への到達性を高めることを目指しました。 エックス線透視下で血管内でのバルーンの位置を確認しやすくするため、マーカーバンドを追加しました 対象血管に対し、安定して留めやすく、適切なバルーン径で閉塞のしやすさを目指しましたカテーテルを用いた肝臓がん治療のひとつが、肝動脈化学塞栓術(transcatheter arterial chemoembolization:TACE)です。TACEとは、血管にマイクロカテーテルを挿入して、肝臓の動脈からさらに腫瘍の近くまで、カテーテルを進め、抗がん剤や塞栓物質を注入して腫瘍を選択的に壊死させることを期待する治療方法です。 肝動脈化学塞栓術にオクリュージョンマイクロバルーンカテーテルを用いて、血管を一時的に閉塞させ、その結果起きる肝臓内の血流動態の変化を利用して、より効果的な抗がん剤や塞栓物質の注入を期待する新たな手法(Balloon occluded TACE:B-TACE)が検討されています。 肝臓癌の場合は直接薬剤を振りかけるという手段が執られています。究極のターゲット療法。といいつつも再発はします。同時多発で、成長の違いなのか、時間的な発生の違いによるのか興味のあるところです。がん幹細胞を勉強せねば。
2014年05月29日
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