医療用医薬品 0
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炎症性細胞死の現場を捉える〜単一細胞イメージングが明らかにした炎症応答のデジタル制御〜出典:プレスリリース 2014年8月8日、東京大学大学院薬学系研究科は細胞の炎症応答に関与する「カスパーゼ-1」の活性化を検出するプローブを開発し、マクロファージにおいてカスパーゼ-1が活性化される様子を捉えたことを発表した。 生物が細菌やウイルスによる感染を受けた時あるいは損傷によって組織に傷害が生じた時、炎症応答を初めとする免疫応答が惹起されます。近年、炎症応答を制御する重要な因子として免疫担当細胞からの炎症性サイトカイン分泌や炎症性細胞死を誘導するインフラマソーム−カスパーゼ-1経路が注目されています。 カスパーゼ-1の活性化を、FRETを利用して高解像度でリアルタイムに検出する蛍光タンパク質プローブ(SCAT1)を開発しました。このSCAT1を発現するマウスを作製しそのマウスから採取した腹腔マクロファージを用いることで、単一マクロファージにおいてインフラマソーム刺激によって活性化されるカスパーゼ-1の可視化に成功しました。 さまざまな刺激を与えたのちにカスパーゼ-1の活性化が観察されたマクロファージではただちに細胞死がおこり、一方、活性化が認められなかったマクロファージでは細胞死を引き起こさないという明確な違いが観察されました。 カスパーゼ-1の活性化には細胞ごとに活性化に必要な刺激の値(閾値)が存在し、この閾値を超えてはじめてカスパーゼ-1が活性化されることを示唆しています。 カスパーゼ-1活性化が見られた細胞でのみ、非常に短い時間内に急激なIL-1β放出(IL-1βバースト)が観察されました。以上の結果から、単一細胞内ではカスパーゼ-1はインフラマソーム刺激に対し全か無かのデジタルな様式で活性化し、この活性化がデジタルな炎症性サイトカインIL-1βの分泌をもたらすことが示唆されました。 本研究で開発したプローブを用いて、刺激に対して反応する細胞と反応しない細胞との間で、遺伝子発現や遺伝子産物の違いを網羅的に解析することにより、刺激に対する応答を可能にする遺伝子群を同定でき、全く新しい創薬標的の発見につながると期待されます。 細胞にも色々なやつがいる。組織としての反応は各々の細胞での反応とはことなるっと言うことは言い過ぎ?
2014年08月09日
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出典:プレスリリース 国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院先端物理工学部門は、独立行政法人日本原子力研究開発機構先端基礎研究センター放射場生体分子科学研究グループとの共同チームにより、大型放射光施設(SPring-8)のX線を用いた研究において、生体内のDNAに対して水と放射線が相乗的に働いてDNA損傷の度合いを左右するような新しいプロセスを観測するための技術開発に成功しました。 この技術は放射線、特に癌の治療や植物の品種改良で使われているイオンビームなどが、生体中のDNA分子をどのように変化させていくかの機構解明につながり、放射線の医療や産業への応用に大きく貢献することが期待されます。 放射線が照射された細胞中では、放射線がさまざまな大きさのエネルギーをDNA分子に与え、このエネルギーに応じ、多様な損傷プロセスが同時並行的に進行します。したがって、DNAに対する放射線損傷の道すじを明らかにするための手がかりとして、放射線によってどのような大きさのエネルギーが、分子内のどの原子に与えられるかを特定する必要があります。 このプロセスの発生頻度が同じ放射線を浴びても、影響が出る人と出ない人がいる被曝量が存在するミクロ的な証明に、はちょっと遠いか。 投稿文献:“Nitrogen K-edge X-Ray Absorption Near Edge Structure (XANES) Spectra of Purine-containing Nucleotides in Aqueous Solution” J. Chem. Phys. 141, 055102 (2014); http://dx.doi.org/10.1063/1.4891480
2014年08月09日
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どうして正直者と嘘つきがいるのか? -脳活動からその原因を解明-出典:プレスリリース文献:Response to anticipated reward in the nucleus accumbens predicts behavior in an independent test of honestyThe Journal of Neuroscience, 6 August 2014, 34(32): 10564-10572; doi: 10.1523/JNEUROSCI.0217-14.2014 こころの未来研究センターの研究グループは、機能的磁気共鳴画像法と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みについて解明しました。 今回の研究では、機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)と呼ばれる脳活動を間接的に測定する方法と、嘘をつく割合を測定する心理学的な課題を使って、正直さ・不正直さの個人差に関係する脳の仕組みを調べました。 その結果、報酬(今回の研究ではお金)を期待する際の「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる脳領域の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高いことがわかりました(図)。さらに、側坐核の活動が高い人ほど、嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に、「背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)」と呼ばれる領域の活動が高いこともわかりました。 正直であるためには強い前頭前野による制御が必要=正直は本来人に備わっているものではない。と読んでしまいました。 機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging; fMRI)で色々と実験が進んでいます。
2014年08月07日
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培養自己骨髄細胞による低侵襲な肝臓再生療法が臨床研究開始へ 出典:プレスリリース 2014年8月6日、山口大学と科学記述振興機構は培養自己骨髄細胞による低侵襲な肝臓再生療法が臨床研究開始を発表した。 厚生労働省の科学技術部会は7月18日(金)、山口大学医学部附属病院から申請されていたヒト体性幹細胞を用いる臨床研究の実施計画を了承した。 この研究は、山口大学 大学院医学系研究科消化器病態内科学らの研究グループによって計画されたもので、進行した非代償性肝硬変の患者さんから局所麻酔下に骨髄液を約30ミリリットル採取し、それを培養装置内で約3週間培養して骨髄間葉系幹細胞を含む細胞群を増やし、品質・規格・安全性の評価を行った後、その細胞を懸濁液として、採取された患者さんの腕の静脈から点滴投与により体内に戻すというもの。 骨髄細胞の培養に関しては、先端医療振興財団(神戸市)との共同研究。山口大学医学部附属病院では、厚生労働大臣の正式な承認を得た後、諸準備を整えて必要な手続きを経てから、10名の非代償性肝硬変の患者さんを対象として開始することを計画しています。 自己骨髄細胞の培養という手がありました。白血病で骨髄移植を受けた人の肝臓に、骨髄細胞由来の幹細胞が存在することが発見され、マウスでも確認されていました。この時、肝癌切除の際に申すこと切りたいときに骨髄細胞が利用できないかを検討して欲しいと研究所に提案したのに。自己骨髄の培養には気がつきませんでした。今からみればなんで気が付かなかったかなと思いますが、その頃は皮膚での自己細胞の培養が始まったことですからね。万能でなくても、ある臓器に特有に定着、間質細胞と置き換わりその臓器の実質細胞として働けば、かなり有用な技術であると思います。
2014年08月07日
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アフリベルセプト硝子体内注射液、糖尿病黄斑浮腫(DME)の治療薬として FDA より承認を取得 出典:プレスリリース 米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)はアフリベルセプト硝子体内注射液を糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)の治療薬として承認しました。アフリベルセプト硝子体内注射液は、滲出型加齢黄斑変性(wet AMD:wet age-related muscular degeneration)、および網膜中心静脈閉塞症(CRVO:central retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫による視力障害の適応で、世界各国で承認を取得し、EYLEA®(アイリーア®)のブランド名で販売されています。バイエル ヘルスケア社とリジェネロン社は、アイリーアの国際共同開発を行っています。リジェネロン社はアイリーアの米国内での独占販売権を保有しています。バイエル ヘルスケア社は米国以外での独占販売権を有し、その利益は両社で均等分配されます。日本は例外で、リジェネロン社は日本での売上に応じて一定割合を受け取ります。 DME の治療薬として、日本を含むアジア・太平洋地域、ラテンアメリカ、欧州においても承認申請中です。日本では、病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV:myopic choroidal eovascularization)の治療薬としても承認申請が行われています。さらに、欧州および米国では、網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫による視力障害の治療薬としても承認申請が行われています。 糖尿病黄斑浮腫は糖尿病網膜症の合併症として生じるもので、増殖網膜症と並んで失明の原因のひとつです。ただ、新生血管による病変を抑えるという作用機序から考えて、初期の網膜症に効果はあまり期待できないと思います。やってみたら効果があるかもしれませんが、この作用機序から臨床試験をやるのは無理筋かと思います。 このプレスリリースのリライトを日刊目のニュースに採用されました。
2014年08月05日
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出典:プレスリリース 記事の概要はしばらくすると、「日刊目のニュース」に「5~6歳児ではテレビから学習するとき脳の働きは、大人と違う」の題名で掲載されると思います。ご覧いただけると幸いです。 小学校までの学習に関してはテレビでは記憶のやり方が違う方法が示唆されている。これは単純な記憶であればそれほど気にする必要はないかもしれないが、長期にわたる記憶だと結果はすぐに分からないので、ちょっと気持ち悪いのです。
2014年08月04日
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GLP-1受容体作動薬 DULAGLUTIDEを国内製造販売承認申請 出典:プレスリリース 日本イーライリリーは、7月31日、開発中のグルカゴン様ペプチド‐1(GLP-1)受容体作動薬について2型糖尿病を適応症として日本国内における製造販売承認申請を行いました。 dulaglutideは、ヒトGLP-1由来のGLP-1アナログ2分子とヒト免疫グロブリンG4(IgG4)のFc領域を短いペプチドリンカーで共有結合させた、週1回投与のGLP-1受容体作動薬です。本剤は投与時の溶解操作が不要であり、グルコース濃度依存性のインスリン分泌促進や胃内容排出遅延などの作用により血糖コントロールを改善します。 GLP-1も4番目ですね。まあ、インスリン製剤の数を考えると、まだまだこれから?
2014年08月04日
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「イーケプラ®点滴静注500mg」単剤療法で国内申請 出典:プレスリリース 大塚製薬とユーシービージャパンは、「イーケプラ点滴静注500mg」(一般名:レベチラセタム、以下「イーケプラ点滴静注」)について、国内におけるてんかんの部分発作に対する単剤療法(二次性全般化発作を含む)の効能・効果を追加する一部変更承認申請を行いましたのでお知らせいたします。 「イーケプラ点滴静注」は本年7月、イーケプラ経口薬(イーケプラ錠250mg,同錠500mg,同シロップ50%)に加えててんかんの部分発作の併用療法に対して適応を取得しました。一方、同発作に対する単剤療法に関しては、イーケプラ経口薬が本年3月に適応追加の申請を行っています。今回「イーケプラ点滴静注」についても単剤療法の適応追加を目的として申請しました。 薬をきちんと飲めば、てんかん発作は起こらない。ということをもっと世間に知らすべきです。ただ、その代わり、飲み忘れたて事故を起こしたときは、飲酒運転と同じ扱いになることも覚悟して欲しい。
2014年08月04日
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Injury Alert(傷害速報) 出典:傷害速報 WEBページ 医療現場では毎日、傷害を受けた子どもたちの診療を行っています。小児科医は、「こんな事故が起こるのか」とびっくりする事例に遭遇していますが、それらは単発で症例報告されることもほとんどありません。その情報がないため予防策にはつながらず、漫然と同じ傷害が起こっています。重症度が高い傷害を繰り返さないためには、発生状況を詳細に記録することが不可欠です。 この速報は症例報告ではありません。傷害の事実のみをできる限り正確に記載しました。また、当委員会の「傷害速報」担当が簡単なコメントを記載しています。日本小児科学会へはこれまで多数の投稿をいただいており、学会誌とホームページ上へ継続して掲載しております。 8月1日に、No.023イヤホンパーツによる食道異物の類似事例、No.40 ウイルス除去と称されている製品による中毒の類似事例が追加されています。 医療費を記載してある場合があります。ほとんどはお子様の手が届かないところにおいてくださいということが使用上の注意に記載があります。手の届くようなところにおいておくと、命には関わりはなくても、ウイルス除去の類似事例では130,440円かかっています。(1歳3か月の子供が棚の上にある薬を脚立に登って食べる)
2014年08月02日
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正常上皮細胞ががん細胞を駆逐する分子メカニズムを解明 出典:プレスリリース 初期がん細胞に隣接する正常上皮細胞内において,フィラミンとビメンチンというタンパ質が,初期がん細胞を取り囲むように集積し,がん細胞を上皮組織から積極的に排除していることを明らかにしました。これは,「正常上皮細胞が免疫細胞を介さない抗腫瘍能を有している」という,これまで明らかになっていなかった現象の存在を示しています。我々は,この現象を EDAC(Epithelial Defense Against Cancer:上皮組織が持つがんに対するディフェンス)と呼ぶことを提唱しています。(研究手法) 哺乳類培養細胞とゼブラフィッシュを用いて,正常上皮細胞と変異細胞の境界で特異的に機能している分子を探索するため,生化学的スクリーニングを行いました。今後はこの研究をさらに発展させることによって,「隣接する正常な細胞にがん細胞を攻撃させる」という,がんを取り巻く社会性を利用した新たながん予防・治療薬の開発が期待されます。 研究論文名:Filamin acts as a key regulator in epithelial defence against transformed cells. Nature Communications 5, Article number: 4428 doi:10.1038/ncomms5428 例えば、子供のころに大量の紫外線を浴びるとメラノーマの発現率が上がることは疫学的に正しそうですが、その発現率は100%ではありません。その理由の一つにEDACが起こっていると言うことなのでしょう。治療に関してはEDACが破綻して発病していくことと考えられるので、発がん予防のところにブレークスルーがあるかもしれません。正常上皮細胞が、単に物理的に腫瘍細胞を排除しているだけなのか、EDACはどのようにしてスイッチが入るのかが興味あるところです。免疫が関連してないわけですから、色々新しい発見があるかもしれません。正常上皮細胞が腫瘍細胞を認識しているわけですから。
2014年08月02日
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がん細胞だけを攻撃する抗体作製技術の開発 出典:プレスリリース 東北大学大学院医学系研究科の加藤幸成教授の研究グループは、がん細胞に高発現するムチン型糖蛋白質ポドプラニンに対するがん特異的抗体(CasMab;キャスマブ)を作製することに成功しました。一般的に、がん細胞に高発現する膜蛋白質は正常細胞にも高発現していることが多く、がん細胞だけを攻撃する抗体医薬品を戦略的に作製することが困難な原因となっていました。本研究により、がん細胞と正常細胞の両方に発現している膜蛋白質に対しても、がん細胞だけに反応し、副作用のない抗体医薬品を開発することが可能となりました。本研究結果は、8月1日午前10時(日本時間同日午後6時)英科学誌Scientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ)に掲載されます。CasMab は、ペプチドと糖鎖の両方を同時に認識する、全く新しい概念の抗体です。ポドプラニンに対してCasMab を作製したところ、ポドプラニンを発現するがん細胞に強い反応性を示しましたが、ポドプラニンを発現する正常細胞には全く反応しませんでした。 抗体医薬は今、風が吹いているかのように次から次へと新しい発見が出てきますね。アクティブ・ホーミング方式のミサイルのようです。 糖鎖の重要性が再認識されたと思います。(私が勉強不足?)
2014年08月02日
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ソラフェニブ、進行性乳癌患者を対象としたカペシタビン併用下での第 III 相臨床試験において、主要評価項目を達成せず 出典:プレスリリース バイエル ヘルスケア社とアムジェン社の子会社であるオニキス・ファーマシューティカル社は本日、進行性乳癌患者さんを対象としたソラフェニブ(ネクサバール®錠)とカペシタビンとの併用療法の第 III 相臨床試験で、主要評価項目である無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)の延長が達成されなかったと発表しました。 RESILIENCE試験と呼ばれる第III相臨床試験では、タキサン系薬剤およびアントラサイクリン系薬剤の前治療に抵抗性または無効となった、あるいはアントラサイクリン系薬剤を適応できないHER2陰性の乳癌患者さんを対象として、経口化学療法剤であるカペシタビン併用下で、ソラフェニブとプラセボの有効性および安全性を比較検討しました。現時点の解析結果では、この試験で認められた有害事象の種類は、ソラフェニブまたはカペシタビンのいずれかの既知の有害事象と概ね同様でした。本試験の有効性および安全性に関する詳細な解析結果は、今後開催される医学学会で発表される予定です。 残念でした。しかし、セカンドラインは更に均一性が失われているので、もう少し絞った形での臨床試験が必要とされるかもしれません。この臨床試験を探索的試験と位置づけ、次の試験に向けた解析を行なってもいいような気がします。前治療に抵抗性を獲得したもの、前治療の副作用で治療を中断したもの(短期間中止がこのカテゴリーに入ると思います。ほぼ目的治療が完遂できたが最後のコースで副作用が出た場合は別のもののようなきもします)。前治療の薬剤の種類。 「有害事象の種類は、ソラフェニブまたはカペシタビンのいずれかの既知の有害事象と概ね同様」、頻度も問題になるのではないでしょうか。
2014年08月02日
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KW-3357の国内承認申請出典:プレスリリース 協和発酵キリンは、「先天性アンチトロンビン(AT)III欠乏(CAD)に基づく血栓形成傾向」および「ATIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)」を対象として開発中の遺伝子組換えヒトAT製剤(開発コード:KW-3357)の国内医薬品製造販売承認を厚生労働省に申請しましたので、お知らせいたします。 感染症に伴い発症したDIC患者を対象としたKW-3357と血漿由来AT(pAT)製剤の非盲検比較試験を実施したところ、主要評価項目である投与開始後6日目のDIC離脱割合を含め、いずれの有効性評価項目についてもKW-3357群とpAT製剤群の結果は同様でした。また、安全性に関しても、両群の安全性プロファイルはおおむね共通しており、KW-3357はpAT製剤と同様の安全性を示すことが示唆されました。 急性期DIC診断基準及び厚生省DIC診断基準によりDICと診断された患者を対象とした一般臨床試験を実施し、ヘパリン類の併用下でのKW-3357の安全性及び有効性が確認されました。 組換えDNA技術および糖鎖制御技術を用いて作製した、ヒト天然型ATと同一のアミノ酸配列かつ同じタイプの糖鎖構造を持つ遺伝子組換えAT製剤です。ATは、血液凝固に関与するタンパク分解酵素と複合体を形成することで、凝固作用を阻害します。本剤は遺伝子組換えAT製剤であるため、ヒト血液に由来する感染症のリスクを回避することができます。 糖鎖における「フコース」の量を減らすことによって、抗体の機能を落とさない技術が「ポテリジオ」に次いで身を結んだものです。全く同等というのはある意味すごいのかもしれません。ただ、非盲検になったのはなぜでしょう?非盲検にする積極的な理由がなければ(剤型とか投与経路とか)盲検ですべきと考えています。
2014年08月02日
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「MSCボランティア・サロン」出典:プレスリリース 開催日時:2014年8月27日(水)13:00~15:00(開場12:30)開催場所:銀座十字屋ホール(東京都中央区銀座3-5-4)テーマ:「ココロとカラダとハラノムシ ~戦国の鍼師がとらえた病魔たち~」講師:北里大学東洋医学総合研究所 客員研究員 長野 仁さん内容:虫が好かない、虫の知らせ、日本語には「虫」のつく言葉が沢山あります。戦国時代の茨木元行は、『針聞書』に63種類もの「虫」の正体を描きました。昆虫でも寄生虫でもない病魔の姿は、心と体の異変を巧みに表したモンタージュなのです。5世紀の時を経て、現代の鍼師がハラノムシの謎に挑み、日本人の心性に迫ります。 <ミニコンサート> 音楽を通じてボランティア活動に取り組んでいる芸術福祉振興機構「グレイス・ソサエティ」の企画によるミニコンサート ●タイトル:森林浴コンサート ~ようこそ名栗へ●出演:柏木由香(歌う若女将)講演の内容に興味があったので載せてみました。
2014年08月02日
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「ザイヤフレックス」の国内製造販売承認申請について 出典:プレスリリース 旭化成ファーマは、デュピュイトラン拘縮治療薬「ザイヤフレックス」について、本日、製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。 「ザイヤフレックス」は米国Auxilium社が開発したコラゲナーゼ製剤で、旭化成ファーマが2011年3月に日本における独占的開発・製造・販売権を取得して、国内で開発を進めてまいりました。 デュピュイトラン拘縮は、手のひら内部の腱膜と呼ばれる線維組織が肥厚し、病態の進行とともに手指の屈曲拘縮(関節が曲がり完全に伸ばせなくなる状態)が生じる疾患です。北欧系の白人に多い疾患ですが、発症機序については不明な点が多いと言われています。「ザイヤフレックス」は、これまで手術で治療が行なわれていたデュピュイトラン拘縮に対して適応を持つ局所注射用の薬剤です。 手術適応が局所注射ですむことになれば、ボトックス以来のピカ新になるんでしょうか。コラゲナーゼは血管に入ると色々悪さをする可能性があるので、局所注射が最適と言うことでしょうか。
2014年08月01日
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血管新生阻害剤TSU-68(一般名:orantinib)の肝細胞がんを対象とした第III相国際共同臨床試験中止のお知らせ 出典:プレスリリース 大鵬薬品工業は、血管新生阻害剤TSU-68(一般名:orantinib)に関して、肝細胞がんを対象とした第III相国際共同臨床試験(試験名:ORIENTAL)を中止することを決定しましたので、お知らせします。 本試験は、肝動脈化学塞栓療法(TACE)を施行する肝細胞がん患者において、TACE+プラセボ併用群を対照に、TACE+TSU-68併用群における全生存期間(OS:Overall Survival)の優越性を検証することを目的とした、無作為化二重盲検比較試験です。日本、韓国、台湾の3カ国・地域で2010年12月から2013年11月の間に889例が登録され、その後2016年11月まで追跡を行う予定でした。 本試験の独立データモニタリング委員会が中間解析を実施した結果、主要評価項目である全生存期間で事前に設定した基準を達成しなかったため、本試験の中止が勧告されました。この勧告に基づき、大鵬薬品は、本試験の中止を決定し、各実施医療機関への治験中止の通知および各国規制当局への治験中止の報告を行いました。 日本肝癌研究会によればTACEは8,510例の検討で、30日以内死亡率0.5%、中央生存期間34か月、生存率1年82%、2年47%、5年26%と報告されています。結構いい成績。TST-68は併用でどれぐらい伸びることを想定していたのか興味あるところです。 TACEには化学療法剤にオプションがあります。今回の試験は固定で行ったのでしょうか。第一選択候補はエピルビシン、マイトマイシン、シスプラチン、ミリプラチンがあるがどれが第一選択であるかはコンセンサスはないとされています。 30日以内死亡率がわざわざ示してあるが奇異に見えるかもしれませんが、これは治療関連死の割合を示しています。生存率の記載でこの数値をのせることを望みます。
2014年08月01日
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微生物分類同定分析装置「MALDIバイオタイパーMF」 出典:プレスリリース 栄研化学株式会社(本社:東京都台東区)は、微生物分類同定分析装置「MALDIバイオタイパーMF」(製造販売元:ブルカ―・ダルトニクス株式会社)を7月31日に発売 いたします。 「MALDI バイオタイパーMF」は、MALDI-TOF 質量分析計を用いて、分子レベルで微生物を同定するシステムです。従来の同定キットを用いた方法と比較し、迅速で確度の高い同定検査が可能になります。また、操作が簡単で、ランニングコストも低減できることから、業界をリードするシステムとなっています。 非侵襲的に細菌の分布を検査できないものか?腸内細菌等で、人では便からの培養してという方法からT-RFLPへと進歩していますが、T-RFLPにしても遺伝子を増幅しています。エコーの様にプル-べをおなかに当てると、画像処理で映し出された範囲の菌種分布が分かるというようなことができないかな? 腸内細菌叢が作成するサイトカインがいいことも、悪いこともやっている可能性もあることですし。集合体の割合を解析する方法も色々考えなくてはなりませんが。
2014年07月31日
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非アルコール性脂肪性肝炎にカルニチンが有効~新たな肝炎・肝癌の治療法として大きな期待~出典:プレスリリース :文献 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器・肝臓内科学教室、近年増加している非アルコール性脂肪性肝炎に対して、ミトコンドリア機能改善作用を有する「カルニチン」が有用であることを明らかにしました。本研究成果は、2014 年 7 月 1 日にアメリカのオンライン総合科学雑誌『PLoS One』に掲載されました。現在、非アルコール性脂肪性肝炎に対しては、抗酸化剤ビタミン E が世界的に標準的治療として使用されています。しかし、本薬剤は動脈硬化性疾患などに対する臨床研究において、生命予後がむしろ良くない可能性が指摘されていました。そのため、これに代わる新たな治療法の開発が世界的に急務となっていました。今回の研究成果は、この世界の臨床現場のニーズに応えたものであり、今後、カルニチンが肝炎だけではなく、その先の肝癌まで見据えた新たな治療法開発の可能性を有するものとして期待されます。 実験は高脂肪食にカルニチンを添加したものを与えているので、食事としてカルニチンが豊富なものを取ることを示唆していることになるのかもしれません。羊の肉が一番多い。米にも含まれています。ホルモンのハツもカルニチンをたくさん含んでいます。
2014年07月30日
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マウス喘息モデルでラベンダー精油の抗アレルギー作用を科学的に証明出典:プレスリリース 文献 岡山大学大学院保健学研究科検査技術科学分野の飯尾友愛助教、柴倉美砂子准教授、片岡幹男教授らの研究グループが、アロマセラピーに用いられるラベンダー(Lavandula angustifolia)精油にマウスモデルの喘息症状を軽減する作用があることを世界で初めて明らかにしました。本研究成果は2014年6月5日、アメリカの総合科学雑誌『Life Sciences』に掲載されました。 今回の研究では、モデルマウスとして「喘息マウス」を使用しました。喘息マウスは、刺激により気道が収縮しやすく、粘液分泌や好酸球が増加するといった喘息症状が認められますが、ラベンダー精油を嗅がせることによって、これらの症状の軽減が認められました。 今後さらに、人への応用研究などを進める事で、精油のアレルギー性疾患への応用や、他の精油の抗アレルギー作用の科学的実証がさらに詳細に解明されていく予定です。将来的には、喘息を抑える薬剤開発や新たな緩和治療法開発などの発展を目指します。 喘息の吸入剤にラベンダーの香りをつけてもいいような気がします。(なんかこのジェネリックよく聞く感じがする なんてね)
2014年07月30日
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「関節リウマチの発症リスクを決定するHLA遺伝子のアミノ酸配列を同定」 ― 関節リウマチの発症をより正確に予測する臨床検査の開発へ ― 出典:プレスリリース 文献 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科と米国ハーバード大学ブリガムアンドウィメンズ病院の研究グループは、これまで解析が進んでいなかった HLA(エイチエルエー)遺伝子のアミノ酸配列を、日本人を含むアジア人集団において網羅的に解析する手法(HLA imputation 法)を開発しました。この手法を自己免疫疾患の一つである関節リウマチに適用した結果、複数の HLA 遺伝子におけるアミノ酸配列の個人間の違いが、関節リウマチの発症に関与していることが明らかになりました。 関節リウマチの発症に関与する HLA 遺伝子のアミノ酸配列は、人種を越えてアジア人と欧米人とで共有されていることが明らかになりました。 今回同研究チームは、複数のアジア人集団(日本人、中国人、マレーシア人)で構成された 530 名を対象にHLA 遺伝子のゲノム配列の情報を網羅的に同定した参照データを予め作成することにより、その情報を用いてHLA imputation 法を同集団に対しても実行可能なように機能拡張を実施しました。 自己免疫疾患の一つである関節リウマチは、関節の炎症や破壊を伴う疾患です。今回開発したHLA imputation 法を、アジア人集団(中国人、韓国人)から集められた関節リウマチ患者 2,782 名と健常者 4,315 名のデータに対して実施しました。その結果、複数の HLA 遺伝子(HLA-DRB1、HLA-B、HLA-DPB1)のアミノ酸配列の個人差が、自己免疫疾患の一つである関節リウマチの発症に関わることが明らかになりました。 今回同定されたHLA遺伝子にはHLAクラスI(HLA-B)とHLAクラスII(HLA-DRB1、HLA-DPB1)のどちらからも選択されています。 こういった研究は、その結果を確認する作業が必要だと思います。たとえば、この3つのSNPs?をもつ人がどれぐらい関節リウマチを発症しているとかです。
2014年07月30日
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亜鉛による獲得免疫応答を制御するメカニズムを解明-亜鉛トランスポーター「ZIP10」によるB細胞の機能の制御- 出典:プレスリリース 理化学研究所は、細胞内の亜鉛濃度を精密に制御する亜鉛トランスポーターの1つ「ZIP10」によって運ばれる亜鉛が、獲得免疫応答を制御していることを発見しました。これは、理研統合生命医科学研究センターと、昭和大学歯学部口腔病態診断科学講座口腔病理学部門の共同研究グループによる成果です。 亜鉛は生命活動に必要な微量元素の1つです。生体内でその量が極度に減少すると、病原体などの異物(抗原)が生体内に侵入してきたときの防御機構である免疫応答に支障が出ます。しかし、なぜ亜鉛が獲得免疫応答に重要なのか、またそのメカニズムは明らかにされていませんでした。そこで、共同研究グループは抗体産生に重要なB細胞に存在する亜鉛トランスポーターZIP10に注目し、ZIP10で細胞内に運ばれる亜鉛が抗原特異的な獲得免疫応答にどのように関わっているのか、その解明に取り組みました。 共同研究グループは、ZIP10の遺伝子をB細胞特異的に欠損させたマウスを用いて亜鉛の獲得免疫応答への影響を解析しました。その結果、ZIP10で運ばれる亜鉛がB細胞受容体(BCR)[4]の情報伝達の強度を調節することによって、B細胞の抗体産生を制御していることを発見しました。今回の成果は、長年知られていなかった亜鉛の獲得免疫応答におけるメカニズムを明らかしたものであり、亜鉛欠乏が原因となる病気や、細胞内での亜鉛シグナルのさらなる役割が明らかになると期待できます。 免疫能に対する効果と味覚に対する効果はどちらが先に出るのかな?味覚障害の人での免疫応答能を検討するのはいかがでしょう。味覚障害は結構あるそうなので。
2014年07月30日
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効率良く記憶免疫反応が起きる仕組みを解明-記憶T細胞と記憶B細胞がお互いを活性化する-出典:プレスリリース 大阪大学免疫学フロンティア研究センターを中心とする共同研究グループは、免疫記憶を司っている主要な免疫細胞である記憶 B 細胞と記憶 T 細胞(記憶濾胞性ヘルパーT 細胞)が近傍に存在していること、そしてこれらの細胞が素早く相互作用し、その結果記憶抗体産生応答が速やかに誘導されることを、マウスを使用した実験で明らかにしました。 本研究により記憶免疫応答(記憶抗体産生応答)が効率良く誘導される仕組みの一つが明らかとなりました。この記憶抗体産生応答では記憶 TFH細胞がキープレーヤーとして働きます。従ってこの記憶 TFH細胞を効率良く誘導することができれば、より良い抗体産生を目的としたワクチン療法の新規開発や改良が図れると期待できます。 ということです。
2014年07月30日
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新規基礎インスリン(持効型溶解インスリン グラルギン)HOE901-U300の製造販売承認申請について 出典:プレスリリース サノフィは、開発中の新規基礎インスリンである持効型溶解インスリン グラルギン HOE901-U300(インスリン グラルギン[遺伝子組換え]注射剤、300U/mL、以下「U300」)について、2014年7月29日、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。 U300 は、持効型溶解インスリンであるランタス®(インスリン グラルギン[遺伝子組換え]注射剤、100U/mL、以下「ランタス®」)の有効成分であるインスリン グラルギンをベースとした新規インスリン製剤です。投与部位からのインスリン グラルギンの吸収がより緩やかになり、ランタス®と比較し、より平坦かつ持続的な血中濃度および血糖降下作用の推移を示すことが期待されます。 EDITIONプログラムは、幅広く多様な糖尿病患者を対象とし、U300 の有効性と安全性を明らかにする世界的・包括的な 6 試験の第III相試験です。同プログラムは、約 3,500 人の糖尿病患者を対象としたすべて完了済みの試験(EDITION I~IV試験、EDITION JP I試験およびEDITION JP II試験)から構成され、U300 が(HbA1Cの低下で評価した)ランタス®と類似した血糖コントロールを提供することを明らかにするという主要評価項目を達成しています。 U300 は、ランタス®と比べて注射液量が少なく、1 日を通じて一貫して低血糖を抑えられるため、糖尿病患者さんの血糖管理において効果的な新規基礎インスリンとなる可能性があると期待しています。 低血糖を避けるための工夫はいくらしてもいいと思います。
2014年07月30日
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抗FGF23完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病・骨軟化症を対象とした日韓共同第1相試験を開始出典:プレスリリース 協和発酵キリンは、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23(FGF23)完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLH)を対象とした第1相試験を日本及び韓国共同治験として開始しましたので、お知らせいたします。 KRN23は、協和発酵キリンが創製した抗FGF23完全ヒトモノクローナル抗体で、XLHで過剰に産生されているFGF23へ結合し、その作用を抑制することで、尿細管でのリンの再吸収を増加させ、血中リン濃度を増加させる作用を有しています。なお、これまで海外で行われた成人XLHを対象とした第1相単回投与試験、第1/2相反復投与用量漸増試験および継続投与試験の結果は、既に複数の学会で発表されています。 こうした状況を踏まえ、協和発酵キリンは、日本及び韓国における成人XLHを対象とした第1相試験を開始いたしました。本試験は、KRN23を単回皮下投与した際の安全性および忍容性に関する検討を主たる目的とする逐次漸増オープン単回投与試験で、目標被験者数は15例です。 すでに欧米では小児を対象とした第2相試験が始まっています。この場合に確認のために第1相試験は必要と思いますが、稀少疾患であることもあり、小児の第1/2相から開始するのは倫理的に問題なのでしょうか?
2014年07月30日
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「小頭症モデル動物の人為的脳サイズ回復に成功」出典:プレスリリース文献:In utero gene therapy rescues microcephaly caused by Pqbp1-hypofunction in neural stem progenitor cells. Molecular Psychiatry advance online publication 29 July 2014 東京医科歯科大学・難治疾患研究所/脳統合機能研究センター・神経病理学分野の研究グループは、マックスプランク研究所、ハーバード大学などとの国際共同研究で、脳サイズ縮小を来す遺伝性疾患(小頭症)の新規病態メカニズムを解明し、ウィルスベクターによる人為的な脳サイズ調節にも成功しました。この研究は文部科学省の新学術領域研究ならびに科学技術振興機構CRESTの支援のもと、また脳科学研究戦略推進プログラムの一環としておこなわれたもので、その研究成果は、国際科学誌Molecular Psychiatry(モレキュラー・サイキアトリー)に、2014年7月29日午前4時(米国東部夏時間)にオンライン版で発表されました。 近年、小頭症の原因遺伝子が相次いで明らかになりましたが、その一つにPQBP1があります。PQBP1は変性疾患ポリグルタミン病において中間病態を担うタンパク、その後、欧米の大規模研究からPQBP1遺伝子変異がX染色体連鎖知的障害/精神遅滞家系(XLID/XLMR)で高頻度に見つかり、PQBP1が知的障害の主要な原因遺伝子であることが示されました。 今回の研究では、1)従来知られていなかった新たな脳サイズ調節機構、2)PQBP1異常症における小頭症の発症メカニズム、3)PQBP1異常症の遺伝子治療の道筋、を明らかにしました。 神経幹細胞内のPQBP1を欠損するモデルマウス、PQBP1 Nestin-Cre-conditional KO(PQBP1-cKO)は、小頭症は再現するものの、これらの何れのメカニズムにも当てはまらず、その代わりに胎児の脳形成期における細胞周期時間が異常に延長していることが分かりました(図1)。この延長こそが神経幹細胞の分裂回数を減らし、結果としてニューロン産生を減らしているものと考えました。 PQBP1欠損による神経幹細胞の細胞増殖抑制は、APC4を補うことにより回復し、胎生期のPQBP1-cKOマウスにAPC4を補うことにより、大脳皮質形成が回復しました。 最後に、今回の研究では小頭症の治療を主眼として、PQBP1-cKOを対象に胎児期遺伝子治療を試みました。PQBP1欠損による機能低下を妊娠中の母マウスへAAVベクターを腹腔注射してPQBP1を補充すると、生まれたあとの小頭症モデルマウスの脳サイズが部分的に回復し、行動解析でも学習能力など知的障害関連の症状が改善しました。 小頭症に関して、胎児に対する遺伝子治療の可能性を示したものです。
2014年07月30日
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「低解像度赤外線アレイセンサを を用いた行動識別システム」と 「電波を用いた“まばたき”検出システム」の開発に成功 出典:プレスリリース 慶應義塾大学理工学部 大槻知明研究室では、プライバシーを考慮したセンサや見守り技術に関する研究を進めています。このたび、カメラを用いず、またセンサなどを身につけることなく、低解像度赤外線アレイセンサを用いて人の行動を識別できるシステム、および電波を用いてまばたきを検出できるシステムの開発に成功しました。 この研究成果によって、センサ装着の煩わしさやカメラによる心理的負担なしに、前者では高齢者等の見守りが、後者ではドライバー(運転者)の眠気検出や、勉強時・コンピュータ等を使った作業時の疲労度・集中度・眠気の検出が可能になります。また後者はドライアイ防止にも使用可能です。 低解像度赤外線アレイセンサを用いた行動識別システムは、カメラと違い画像を用いずに、低解像度の赤外線アレイセンサで得られる監視範囲の低解像度の温度分布に基づき、複数の行動を識別できます。センサ自体のサイズは L 11.6mm × W 8.0mm × H 4.3mm と非常に小さく、設置スペースや設置時の見た目も問題になりません。検出性能として,例えば転倒を約 97%という高精度で検出できることを確認しています。 車や野球の投手の球速を測るのに使われているドップラーセンサを応用して、カメラを用いず、またセンサなどを身につけることなく、電波を用いてまばたきを検出するシステムの開発に成功しました。開発したシステムは、まばたきによって生じるドップラー周波数の変化を、雑音低減や信号強調、信号識別などの信号処理により高精度に検出します。例えば、タイピング作業中には 95%のまばたき検出率を、頭の動きが比較的大きい VDT 作業中にも 81%のまばたき検出率を達成しました。 開発した電波を用いたまばたき検出システムによって、センサ装着の煩わしさや監視カメラによる心理的負担なしに、ドライバーや VDT 作業者、受験生等の見守りが可能になります。 眼精疲労やドライアイにおいて瞬きの数が減っていることが分かっています。PCメガネの実効性を瞬き回数を低侵襲で測定できるし、たくさん出ているPCメガネの比較も可能かと思います。 最初のPCメガネの臨床試験でプラセボとの差はかなり大きいので、比較的少数例でも有意水準5%、検出力80%は得られるのではないでしょうか。製品間の比較を独立行政法人国民生活センターでやってもらい内でしょうかね。試験計画書をPMDAでレビューをいけていただき、きちんと査読のある雑誌に投稿していただく。また、個人情報以外はNature Dateに投稿してただき、誰でも再解析可能にしておけば満点?
2014年07月28日
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後縦靭帯骨化症(OPLL)の発症に関わる6つのゲノム領域を発見 出典:プレスリリース 理化学研究所(は、後縦靭帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament of the spine: OPLL)の発症に関わる6つのゲノム領域を発見しました。これは、理研統合生命医科学研究センター骨関節疾患研究チーム、および厚生労働省難治性疾患克服研究事業の『脊柱靭帯骨化症に関する調査研究班』(班長:戸山芳昭慶應義塾大学教授)と『後縦靭帯骨化症の病態解明・治療法開発に関する研究班』(班長:松本守雄慶應義塾大学准教授)らの共同研究グループによる成果です。 OPLLは背骨を縦につなぐ後縦靭帯が骨化する(骨に変わる)疾患です。骨化した後縦靭帯はその後ろにある脊髄や神経を圧迫して、手や足のしびれや痛み、運動障害などを引き起こします。日本には数百万人の患者がいると考えられていますが、現状では根本的な治療法がありません。 共同研究グループはOPLLの遺伝要因を明らかにするために、全ゲノム相関解析(GWAS)を行いました。厚生労働省難治性疾患克服研究事業と文部科学省バイオバンクなどで収集した日本人のOPLL患者・非患者、計7,922人の集団について、ヒトのゲノム全体に分布する約60万個の一塩基多型(SNP)を調べ、OPLLの発症と相関するSNPを探索しました。次に、これとは別の日本人のOPLL患者と非患者、計7,017人の集団で追試を行い、得られた結果の再現性を確認しました。 OPLLの発症に関わる6つのゲノム領域と、そこに存在する骨化に関係すると考えられる5つのOPLLの感受性遺伝子が明らかになりました。発見した5つの遺伝子(RSPH9、STK38L、HAO1、RSPO2、CCDC91)の靭帯骨化に関わる機能を詳細に調べることで、OPLLの病態解明につながると考えられます。また、今回の発見は、遺伝要因をターゲットにしたOPLLの治療法の開発や、これらの遺伝情報を用いた個人の病態を予測する方法の開発などにもつながると期待できます。 力任せでやれば発見できるのかな。全国脊柱靭帯骨化症患者連絡協議会,石川県OPLL友の会をはじめ多くの患者団体の協力を得ました、と謝辞があります。データを収集するために患者団体がこれからは大きな役割を果たすかもしれません。
2014年07月28日
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C型肝炎治療薬、15人死亡 肝不全など副作用発症 出典:プレスリリース 2011年に発売されたC型肝炎の治療薬「テラビック」(一般名テラプレビル)を服用した患者のうち、約23%に肝不全や全身の皮膚炎などの重い副作用が出て、50代~70代の男女15人が死亡していたことが26日、製造販売元の田辺三菱製薬(大阪)への取材で分かった。 同社によると、死亡例の多くが、対象外としていた重度の肝硬変や肝臓がんの患者への処方だった。処方後、発疹など副作用の兆候を医師が見逃していた疑いのある例もあった。同社は「適正に処方するよう、医療機関に十分に情報提供していた」としている。 テラビックは、C型肝炎ウイルスの複製にかかわる酵素を阻害し、増殖を抑える飲み薬。市販後の調査では、従来の治療で効果の無かった患者の7割でウイルスが排除されることが確認された。 11年11月の発売以降、昨年9月までの約2年に1万1135人が服用し、約23%の2588人に重い副作用の症状が出たという。同月までに13人が亡くなり、その後2人の死亡も確認された。発疹が悪化し、全身の皮膚がただれて亡くなるケースもあった。服用との因果関係は否定できないとされた。 臨床試験で副作用の報告があったため、処方は、皮膚科専門医と連携できる肝臓専門医に限定されていた。 死亡例以外でも、医師が副作用の重症化を防ぐ措置を適切に施さなかったケースが目立ったという。 これは何がニュースなんでしょうか。28日が世界肝炎デーだから? 田辺三菱製薬は2013年9月に詳しい内容を月度報告で紹介しているし、この記事の内容の範囲は取材しなくても分かるのですが。 特に最後の行は、この薬はインターフェロンアルファとの併用なので、医者は観察できたはずなので、医師を訴えることができるのですか?
2014年07月28日
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人口動態統計月報(概数)(平成26年2月分)出典:ホームページ 2014年2月の概数報告。日本は今のところ一月に3万人減ってます。(結構バイアスの多い数字です。取扱注意) 死亡数も前年に比べて減っています。主な死因別死亡数では悪性新生物と老衰が原因の死亡は増加しています。死因の中で、一番前年比で減少していたのは自殺で15.2%(2013年2月2,059人→2014年2月1,746人 )でした。 単月及び1月から2月までの累計のデータしかないので、上記の傾向が今年1年続くかどうかは分かりません。癌研の死亡数予測との乖離の中間検討は4月分が出てからでしょうね。
2014年07月25日
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大きな脳血流変動を伴うマッサージ手技を開発 出典:ニュースリリース ノエビアグループは、これまでフェイシァルマッサージやスキンケアにより認知や判断、情動をつかさどる 前頭前野の脳血流が変化し、加齢により脳血流変動が減弱することを示してきました。今回の研究では、 マッサージ手技の違いや組み合わせにより前頭前野の脳血流動態が異なることを見出し、大きく脳血流を変動させるマッサージ手技を明らかにしました。このことは、脳の血行動態を大きく変化させる特定のマッサージが加齢による脳血流変動の減弱を予防する可能性を示唆しています。この研究成果を、2014 年 7月26日に東京で行われる「第 17 回日本光脳機能イメージング学会」にて発表いたします。 マッサージそのものの評価ではないのですね。一瞬、下の表をみて経穴をおすマッサージには、効果が無いのかと思いました。 後は血流の増加が、高齢者の認知や判断、情動の低下を回復するかどうかの検証を行い、ポジティブな結果が出ればもっとマッサージに関する研究が進むと思います。 7月26日の説明であるとは思いますが、脳血流の変化はデジタルで出ているのに、結果はアナログ評価です。変化の定義が欲しいところです。 表面的な変化だと近赤外光脳機能イメージング装置は結構色々な状態で測定可能ですね。 簡易装置だとプローブ部20g、測定装置が100gという製品もあるんですね。
2014年07月25日
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進行肝細胞がん患者を対象としたS-1の第III相臨床試験で主要評価項目を達成せず 出典:プレスリリース 大鵬薬品工業は、抗悪性腫瘍剤S-1(製品名:ティーエスワン®)に関して、sorafenib療法が無効になった、或いは副作用によりsorafenib療法が継続できなくなった進行肝細胞がん患者を対象として実施した国内第III相臨床試験(試験名:S-CUBE)において、主要評価項目である全生存期間の統計学的に有意な延長が認められなかったことをお知らせします。 本試験は、S-1の肝細胞がんへの適応拡大を目的とし、日本で実施した第III相臨床試験です。標準治療後のアンメットメディカルニーズに応えるため、sorafenib療法不応の進行肝細胞がん患者を対象に、プラセボ対照・無作為化・二重盲検比較試験として実施しました。主目的はプラセボ投与群を対照としたS-1投与群の全生存期間の優越性の検証でした。全国58施設の医療機関が参加し、2009年10月から2013年8月の間に334例が登録されました。 残念でした。第III相試験は終了したら、必ず発表というのは守られているようですね。出版バイアスは減る方向にあるのでしょう。 しかし、sorafenib療法不応を対象とした場合に、sorafenib療法が無効になったのと副作用によりsorafenib療法が継続できなくなった症例ではレスポンスが異なるような気がします。その当たりはどうなんでしょうかね。 S-1とは全然関係ないのですが、ネクサバールの資料を確認している時に気になったのですが、「肝細胞癌に対する切除及び局所療法後の補助化学療法における本剤の有効性及び安全性は確立していない。」の解説に「外科的切除術又は局所焼灼療法による根治的治療施行後の肝細胞癌患者に対しソラフェニブを術後補助療法として投与した際の有効性を評価する第III相臨床試験(試験12414)では,主要評価項目である無再発生存期間の延長が達成されなかった。」と記載があります。 試験を行っていない場合にもこの文言が記載されます。試験を行っている場合には、確立していないのは事実ですし、添付文書には記載があるといえばあるのですが。
2014年07月25日
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糖尿病黄斑浮腫を対象とした 2 つ目の第III相臨床試験(VIVID-DME 試験)の 2 年目の結果、視力改善を維持 出典:プレスリリース 2014 年 7 月 18 日 、バイエル ヘルスケア社は本日、糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)による視力障害を対象としたアフリベルセプト硝子体内注射液の第 III 相臨床試験であるVIVID-DME 試験において、レーザー光凝固術群と比較して、アフリベルセプト 2mg を投与した 2 つの治療群における最高矯正視力(BCVA: best corrected visual acuity)の治療前(ベースライン)からの改善が100 週目まで維持されたと発表しました。 動脈血栓塞栓事象(非致死性の脳卒中、非致死性の心筋梗塞、血管死)の発現率はアフリベルセプト投与群およびレーザー光凝固群で同様で、アフリベルセプトを 4 週ごとに投与した群では 136 例中 8 例(5.9%)、アフリベルセプトを 4 週ごとに 5 回投与後、8 週ごとに投与した群では135 例中 5 例(3.7%)、レーザー光凝固群では 133 例中 3 例(2.3%)でした。 手術にかわる薬剤治療というどころか、かなり視力が改善しています。ただ、動脈血栓塞栓事象の発現率に関しては同等かな?2倍以上の増加、67%の増加との表現が適当かどうか分かりませんが。
2014年07月25日
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抗FGF23完全ヒト抗体KRN23の小児X染色体遺伝性低リン血症性くる病を対象とした欧米共同第2相試験を開始 出典:プレスリリース 協和発酵キリンは、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23(FGF23)完全ヒト抗体KRN23の小児X染色体遺伝性低リン血症性くる病(XLH)を対象とした欧米での第2相臨床試験をウルトラジェニクスとの協働により開始しましたので、お知らせいたします。 KRN23は、協和発酵キリンが創製した抗FGF23完全ヒトモノクローナル抗体で、XLHで過剰に産生されているFGF23へ結合し、その作用を抑制することで、尿細管でのリンの再吸収を増加させ、血中リン濃度を増加させる作用を有しています。 本試験は、多施設共同オープンランダム化第2相用量設定試験であり、5~12歳の小児XLH患者30名を対象として、KRN23の投与量や投与方法、ならびに安全性プロファイルを検討します。本試験は、投与量漸増期間(16週間)及び継続投与期間(48週間)からなり、投与量漸増期間では目標血中リン濃度に達するまでKRN23の投与量を漸増し、患者毎に至適投与量を確認します。また、継続投与期間では、患者毎の至適投与量を48週間にわたり継続投与し、継続投与期間開始24週の時点において安全性及び薬力学データに関する中間解析を実施する予定です。なお、本試験では、骨代謝マーカー、痛み及び機能障害に関する患者調査、Quality of life調査に加えて、画像評価、成長、筋力及び運動機能を測定することにより、骨の健全性及び変形に対するKRN23 の臨床的有効性を予備的に評価します。 小児の遺伝性疾患についても抗体の出番。2週間に1回あるいは4週間に1回の頻度で効果が出ればいいですね。継続試験は48週間ですが、対象年齢が5から12歳と体内動態が変更する可能性があるので、大変ですね。
2014年07月25日
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東北大学東北メディカル・メガバンク機構が、個別化医療・個別化予防の実現に向けて、東日本大震災の被災地を含む住民約 15 万人のゲノム解析などを行うスーパーコンピュータシステムの本格運用を開始出典:プレスリリース 国立大学法人東北大学東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)は、このたび、東日本大震災の被災地を含む宮城県および岩手県の住民約 15 万人から提供されるゲノムの解析などを行うスーパーコンピュータシステム「大規模ゲノムコホート解析システム」を、7 月から本格的に運用開始しました。ToMMo は、岩手医科大学と共同で進める東日本大震災の被災地の復興支援事業である「東北メディカル・メガバンク計画」の一環として、本システムを活用し、被災地住民の一人ひとりの特性に合わせた疾患の治療や予防を行う、個別化医療および予防の実現をめざします。 住民から提供されるゲノムや生体試料などの情報は、ToMMoにおいて、研究者やシステム運用者などによって個人の特定が不可能なように匿名化されます。さらに、生体認証を含めた複数の認証システムでアクセス管理を行うなど、厳格な個人情報管理のもと保管、運用されます。 このデータは匿名化されているので、自由に使えるのかな?
2014年07月24日
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覚醒や注意が感覚を鋭くする脳回路を解明-アセチルコリンによる大脳抑制回路の活性化が神経細胞の反応をシャープに- 出典:プレスリリース 理化学研究所は、覚醒や注意によって感覚が鋭敏になる脳の仕組みの解明に成功しました。覚醒状態では、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンの投射系が活性化し、大脳皮質の抑制性神経細胞(介在細胞)の反応が増大することで、興奮性神経細胞(錐体細胞)の反応がより速く減衰して、次にくる刺激に反応しやすくなることが分かりました。 アセチルコリン受容体は大きく2種類(ニコチン受容体型とムスカリン受容体型)に分けられますが、どの受容体がこれらの変化に関与しているかを受容体拮抗薬を用いて脳スライス標本で調べました。その結果、大脳皮質第1層に存在する抑制性神経細胞では、主にニコチン受容体が機能していること、さらに2/3層に存在する抑制性神経細胞ではニコチン受容体とムスカリン受容体が共に働いていることが分かりました。これらの結果から、覚醒によるアセチルコリン投射系の活動によって活性化される神経回路と各受容体の作用部位が明らかになりました。 覚醒している(これは目が覚めているということです、ゾーンに入っているということではありません。)、注意を向けているときには、外からの刺激に対する反応が早くなると言うことを示唆しているですよね。 麻酔からの覚醒に応用できないかな?
2014年07月24日
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てんかんや多動症の発症に関わる新たなシナプス制御メカニズムの発見 出典:プレスリリース 長崎大学医歯薬学総合研究科は、理研脳科学総合研究センター、群馬大学・医学系研究科共に、海馬の抑制性ニューロンに発現する後シナプス膜タンパク質の1つ「ELFN1」が、代謝共役型グルタミン酸受容体の一つ「mGluR7 」に結合して前シナプスへの集積を引き起こし、抑制性ニューロンのシナプス可塑性を制御していることを発見しました。 作製したELFN1欠損マウスの行動を観察したところ、ヒトに触られるとてんかんのようなけいれん発作を示し、多動や警戒心の低下などの行動異常があること、また、脳波をとってみると振幅の大きな異常な波が頻発することがわかり、ELFN1欠損マウスでは脳の過活動が生じているのではないかと予想されました。 てんかんおよび多動症の患者さんのDNAを用いてELFN1の遺伝子変異を調べたところ、ELFN1の機能を損なう変異が一部の領域に集中して存在していることを発見しました。これらのことから、ELFN1は抑制性ニューロンへの適切なシナプス入力に不可欠のものであり、この遺伝子の変異がてんかん・多動症のような脳の興奮抑制バランスの乱れを背景とした病態に関係する可能性が示されました。 研究の詳細に。現時点では、てんかん・多動症患者さんから見つかったミスセンス変異がどれくらい多くの患者さんに認められるものなのかについては、十分なデータがありません。と記載がありますが、何例ぐらい調べたのでしょうか。5例調べて5例とも見つかったのと1例だけ調べたらそれで見つかったのでは意味がかなり違います。
2014年07月24日
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アフリカゾウはイヌの2倍、ヒトの5倍もの嗅覚受容体遺伝子を持つ ~ゲノムの比較が明らかにした哺乳類の嗅覚受容体遺伝子の多様性~ 出典:プレスリリース 東京大学 大学院農学生命科学研究科・ERATO 東原化学感覚シグナルプロジェクトの研究グループは、アフリカゾウのゲノム中に、匂い分子を認識するタンパク質(嗅覚受容体 OR)の遺伝子が約2000個も存在することを見つけました。これまでに報告された中ではラットの約1200個が最多なので、ゾウは他の動物よりもはるかに多くのOR遺伝子を持っていることになります。また、ゾウのOR遺伝子が非常に多いことを利用して、個々のOR遺伝子がたどってきた進化の道筋を明らかにするための新しいバイオインフォマティクスの手法を確立しました。 この手法を用いて、アフリカゾウを含む13種の有胎盤類の持つOR遺伝子を同定・比較した結果、ほとんどのOR祖先遺伝子は少数の子孫遺伝子しか残していませんが、遺伝子重複を繰り返すことによって非常に多くの子孫遺伝子を残したOR祖先遺伝子も存在することが分かりました。また、有胎盤類の進化の過程において、遺伝子の重複や欠失がなく、しかも遺伝子配列もほとんど変化していないような、進化的に安定して維持されてきた特殊なOR遺伝子を3種類発見しました。それらのORは、匂い分子の受容という機能だけでなく、あらゆる有胎盤類に共通した重要な生理機能を担っていることが示唆されました。ある生物が持つOR遺伝子のレパートリーは、その生物が匂い情報を用いてどのように外界を認識しているかということを反映しています。今回のように、さまざまな生物種のOR遺伝子を進化的な視点から比較することで、ヒトの嗅覚に対する理解もより深まることが期待されます。 13種類のヒトを含む動物で、全く同一の配列を持っていることがどうしてtherefore, ORs in these OGGs may have physiologically important functions common to every placental mammal.と言い切れるのか分からない。嗅覚受容体で共通するものであること以上どこからいえるのか? 各動物の嗅覚受容体と配列の対応はすんでいないから勝手に言っているだけ? 6か月たてば、本文も it is available under a Creative Commons Licenseになるので、そのときゆっくり読めば記載があるのかもしれませんが、・・・たぶんそのときゃわすれているでしょうね。
2014年07月23日
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ガンマ線撮像用コンプトンカメラの高性能化に成功~除染のさらなる効率化、環境調査、医療、理学応用へ期待~ 出典:プレスリリース 早稲田大学 理工学術院の片岡研究室は、浜松ホトニクスとの共同研究により、ガンマ線撮像用コンプトンカメラの大幅な性能向上に成功しました。「目に見えないガンマ線を迅速かつ正確に可視化する」技術は物理・医療・環境計測あらゆる分野で切望されています。とくに、福島第一原発事故において飛散した放射性物質の除染は未だ大きな課題であり、早急な対応が待たれます。今回開発されたカメラは、2013年9月に浜松ホトニクス社から発表された携帯型・高感度ガンマ線カメラをもとに、早稲田大学で新規に開発した「ガンマ線の3次元高精度位置測定」技術を盛り込み、サイズ・重量をほぼ同じに保ったまま解像度を今までの約2倍、感度を約70%改善したものです。本開発はJST 先端計測分析技術・機器開発プログラム(放射線計測領域・革新技術タイプ)の一環として実施しました。 革新的超広角高感度ガンマ線可視化装置の開発(宇宙科学研究所、三菱重工業、名古屋大学)の中間評価でもっと安い方がいいという評価もあったのですが、この装置はいくらぐらいするのでしょうね。 鼻血云々に対しては、風評被害で騒ぐより、この装置使って、鼻の穴で内部被曝を検証した方が、もし何もなければ無いことが証明できるし、あるならばその対策を考えるべきなので、東北の各クリニックに1年ぐらい貸してあげたら?予算余っているんでしょ。
2014年07月23日
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化膿性炎症を伴うざ瘡および表在性皮膚感染症 に対する新たな外用抗菌薬を承認申請 出典:プレスリリース マルホは、オゼノキサシンを含有する外用抗菌薬について、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)および表在性皮膚感染症の適応で、本日、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。 オゼノキサシンは、富山化学工業株式会社によって創製された新規のキノロン系抗菌化合物で、好気性グラム陽性菌、陰性菌および嫌気性菌に対し、強い抗菌作用と広い抗菌スペクトラムを有しています。特に、ざ瘡の原因菌であるアクネ菌、とびひの原因菌となる黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性が高いことから、マルホと富山化学工業株式会社は、外用抗菌薬として共同開発を行ってきました。 ざ瘡にキノロンが必要なんでしょうか?黄色ブドウ球菌の治療にキノロンが必要?ざ瘡の治療でアクネ菌を叩くのはかなり、広く使われてはいますが、キノロンの出番?勉強不足ですいません。 キノロンを外用に使えるようになったのは評価できますが・・・
2014年07月23日
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Embracing patient heterogeneity出典:Nature Medicine 20, 689 (2014) doi:10.1038/nm.3632 Published online 07 July 2014 最近の欧米での医薬品承認の規制では投与群が対照群に明確なベネフィットを示さなくてはならない。このような法律は臨床試験における患者の不均一性を反映して改正さえるべきであり、臨床試験で有効性を示した集団(サブセット)のみにその薬を許可すべきである。 ドイツのハノーバーで行われた「Herrenhausen Symposium on Autism and Neurodevelopmental Disorders」でのディスカッションです。 サブセットのみを取り出すのは、抗悪性腫瘍薬が抗原が発現している症例のみに選択的に用いることと対応するのだと思います。 ただ本編での議論は自閉症スペクトラムの範囲が、臨床試験適用するには、範囲が広すぎるということが原因で薬物評価が難しくないっているという議論が中心です。 自閉症スペクトラムという言葉は病気を分類することには適しているかもしれませんが、(その病態が連続的で有り、その部分部分を切り取って違う病気として集計することは問題があるということです。)ただ、治療法に関してはその部分部分で反応が異なることが明確であるので、自閉症スペクトラムを対象疾患にすることは問題があるともいます。しかし、癌のようにデジタルに症例を分別できないので、対象疾患は自閉症スペクトラムにして、効いた部分集団にのみ効果を与えよとの方向に議論が流れています。 本来はPOC試験で行うべきことであり、それだけで効能を認めよというのは、自閉症を扱う診断技術にデジタルで再現性のある指標がないことが大きな原因であり、例えそれで薬物を承認するとしても、効果を示さない患者に対して、研究の勧めることができないように思います(妄言多謝)
2014年07月23日
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Transition from reciprocal cooperation to persistent behaviour in social dilemmas at the end of adolescence 出典:Nature Communications 5, Article number: 4362 doi:10.1038/ncomms5362 さまざまな年齢の人々を対象とした社会的ジレンマ下の実地実験の結果を報告し、協力度の平均値が年齢とは無関係なことを明らかにした。ただし、高齢者は例外で、協力度が高かった。また、子どもと10代前半の若者が協力するかどうかを決める際には、自分自身の過去の決定を参考にしておらず、ほとんどの場合には、他者の行動を見ながら決めていることも判明した。 こうした結果は、過去の行動に対する反応に基づく互恵性のような機構が、一般的には協力行動を促進する可能性がある一方で、子どもと10代前半の若者の場合に見られる行動のばらつきによって互恵性の影響力が減殺されることを示している。ただし、若者の向社会的行動を育成するための具体的な戦略を策定するには、今回より大きなサンプルサイズで研究を続ける必要がある。 こういう社会性行動の観察は、年齢の変化(無変化)の検出力はどれぐらいにおいて考えるんでしょうね。人数が増えた場合にそれがバイアスになるような気もしますね。
2014年07月23日
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見た目の多様さが繁栄のカギ トンボの色彩の個体差はハラスメントのリスクの分散を通じて集団を繁栄させる 出典:プレスリリース 東北大学 学際科学フロンティア研究所・同大学院生命科学研究科は、東邦大学とLund Universityと共同で、アオモンイトトンボの雌における種内の色彩の多様性が集団の増殖率や安定性を高めることを発見しました。イトトンボの雌の色彩の多様性が集団の増殖力や安定性を高めることを発見雄からのセクシャルハラスメントの軽減により集団の増殖力が高まることを実証外見やその多様性の進化が、生物の繁栄や絶滅に影響する可能性を示唆 フィールドワークと数理モデルの両方やるのはたいへんでしょうね。 セクシャルハラスメントは人間関係で用いる意味とは違います。昆虫の世界では「雌の生存や繁殖に悪影響を与える雄の性的な行動のこと。」です。 職場におけるセクハラとは、「職場において相手(労働者)の意思に反して不快や不安な状態に追いこむ性的な言動起因するものであって、(1)職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けること、又は(2)職場において行われる性的な言動により労働者の就業環境が害されること。」を意味します(雇用機会均等法11条1項)。
2014年07月22日
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がん原遺伝子BRAFの発生期の役割を解明―先天性疾患CFC症候群の病態解明と治療法開発へ― 出典:プレスリリース 東北大学大学院医学系研究科遺伝病学分野、加齢医学研究所神経機能情報研究分野、東京女子医科大循環器小児科、総合研究所心血管発生分化制御研究部門らの研究グループは、先天性心疾患や骨格異常などを伴うcardio-facio-cutaneous (CFC, シーエフシー)症候群モデルマウスを世界で初めて作製することに成功し、マウスの発生期にがん原遺伝子であるBRAF(ビーラフ)変異を発現させると心臓の弁肥厚、リンパ管形成異常、骨格の異常などをきたすことを報告しました。さらにBRAF異常により活性化されるRAS/MAPK(ラスマップケー)シグナル伝達経路の阻害薬のみならず、エピゲノム修飾に変化を与える薬剤がモデルマウスの治療に効果を示す可能性を初めて示しました。 CFC症候群は特異的顔貌・心奇形・肥大型心筋症・骨格の異常・易発がん性を含む先天性疾患。細胞内シグナル伝達経路である RAS/MAPK シグナル伝達経路を制御する複数の遺伝子が先天性疾患の原因になることを東北大学が明らかにしています。遺伝子病はシグナル系を抑えれば何とかなる?
2014年07月22日
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食事前、もしくは食事中の野菜ジュース飲用でメタボの原因となる食後の血糖値の急激な上昇が抑えられることを動物試験で確認出典:プレスリリース カゴメ株式会社(社長:寺田直行)は、野菜ジュースの飲用により、メタボリックシンドローム(以下メタボ)の原因の一つである食後の血糖値の急激な上昇を抑えることを、動物試験で明らかにしました。また、同試験により、飲用のタイミングについては、糖質(食事)と同時か、または10分前に野菜ジュースを飲用することで効果があることが考えられました。 ラットを16時間絶食させたのち、野菜ジュースをデンプンと同時に摂取させる試験を行いました。野菜ジュース群には、デンプン溶液(4g/10mL)と野菜ジュースをそれぞれ5mL/kg体重で同時に摂取させました。コントロール群には、デンプン溶液と、野菜ジュース相当の糖を含む糖液を同様に摂取させました。摂取前(=0分)及び摂取30、60、120分後に血液を採取し、血糖値の測定を行いました。その結果、野菜ジュース群の血糖値は摂取60分後においてコントロール群よりも有意に低い値となり、血糖上昇曲線下面積(AUC)もコントロール群に比べて有意に低い値を示しました(図1)。 なんで推移図に星つけるかなぁ、AUCで検討するという(統計学的には)正しい実験法を取っているのに。ラットで寄与している成分やメカニズムを研究するための前提実験としてラットのデータは必要です。でもね、前提実験だけで発表する価値が、勉強不足で分かりません。、
2014年07月22日
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協和メデックス株式会社 迅速・簡便な糖尿病検査装置を新発売出典:プレスリリース 協和メデックスは、株式会社サカエ(東京都港区、代表取締役社長:松本弘一、以下「サカエ」)が製造販売元である糖尿病検査用のグリコヘモグロビン分析装置『A1c iGear(アイギア)K』を7月31日に新発売します。 1µLの血液で検査が可能なことから、採血は指先からでも可能です。 採血した血液などの検体を分析装置にセットしてスタートボタンを押すと、約6分で分析結果が得られます。 病院や検査センターで広く使用されている測定法との相関は良好で、国際標準化された測定値に対応しています。 薬局での測定狙い? クリニックでのA1cの測定値をみながらの診断には役に立つと思います。最近クリニックには行っていないので、もう当たり前になっているかもしれませんが。血圧、A1c、体温ぐらいは、来院ごとに測定してもいいような気がします。(診療報酬のことは知りません。)
2014年07月22日
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薬事・食品衛生審議会 医薬品部第一部会 2014/08/01開催 出典:お知らせ 以下の項目が審議 医薬品ベルソムラ錠15 mg、同錠20 mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について ベルソムラはMSDは新規不眠治療剤。覚醒状態の維持に関与するオレキシンを標的とするオレキシン受容体拮抗薬と呼ばれる新しいクラスの薬剤で、入眠や睡眠維持が困難な患者の睡眠を改善する。安全性や忍容性も良好で、フェーズ3試験では投与を中止しても、臨床的に意味のある反跳性不眠(=睡眠薬の服用前よりも強い不眠)や退薬症候の発現は認められなかった。 医薬品リツキサン注10mg/mLの製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定について「免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患」の効能追加? asfotase alfaを希少疾病用医薬品として指定することの可否について リツキシマブ(遺伝子組換え)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について ISIS 420915を希少疾病用医薬品として指定することの可否について BG00012を希少疾病用医薬品として指定することの可否について 以下の項目が報告 医薬品ラミクタール錠25mg及び同錠100mgの製造販売承認事項一部変更承認についててんかん 単独療法? 医薬品ビクトーザ皮下注18 mgの製造販売承認事項一部変更承認について国内初のGLP-1受容体作動薬 やっと効能・効果が「2型糖尿病」となるのかな?(先発の悲劇) 医薬品メトグルコ錠250mg及び同錠500mgの製造販売承認事項一部変更承認について小児の用法・用量の追加
2014年07月19日
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「認知症治療薬メマンチンに記憶力向上効果を発見」 メマンチンによる海馬神経新生亢進が記憶能力の向上を導く出典:プレスリリース 東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科動物分子生物学研究室は、認知症治療薬メマンチンにより記憶能力の向上を導くことを発見しました。この研究成果は国際ジャーナルHippocampusにおいて平成26年7月1日に発表されました。 メマンチンは認知症治療薬として知られています。最近、メマンチン投与によって、海馬における神経細胞が亢進することが明らかとなりました。本研究では、マウスを用いて、メマンチン投与後の海馬神経新生亢進の記憶能力に対する効果を解析し、この神経新生の亢進は記憶能力の向上を導くことを発見しました。特に、メマンチン投与によって産生された神経細胞が成熟する時期に顕著な記憶力の向上が観察されており、新生された「若い神経細胞」が記憶能力の向上に貢献することが明らかとなりました。加齢による記憶力低下阻止などにも、メマンチンの有用性が示唆されました。 こういうメマンチン「メマリー(R)」」の2011年第一三共発売の基礎研究を文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究(領域提案型)」=税金でやることはいいのかな?第一三共がスポンサーすべきではないのでしょうか。 これをOKするなら、稀少医薬品やメーカーがてをつけないような医薬品の開発に回すべきと思います。文科省の予算も厚労省の予算も出所は税金ですから。
2014年07月19日
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「思い出すと記憶が強くなるメカニズムの解明」 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症予防・治療法確立への貢献に期待出典:プレスリリース マウスモデルを用いた実験において、マウスに恐怖記憶を想起させると、恐怖がより強くなることを示しました。本研究では、「再固定化」と呼ばれる反応が、この想起後の記憶増強を起こすことを突き止めました。さらに、この記憶の増強には、扁桃体を中心とした脳領域が働き、タンパク質の分解と合成を伴う劇的な分子変化がこの記憶増強を導いている分子機構を明らかにしました。 このような恐怖記憶増強のメカニズムは、恐怖記憶を原因とする心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症過程のモデルと捉えられます。このPTSDモデルを活用することで、PTSDの発症予防や治療方法の確立に貢献できると考えられます。 オリジナルをみると再固定化の際の遺伝子発現の変化とそれに伴うたんぱく質の量の変化をみています。そちらの方をうまくまとめられるといいのですが、ちょっときついです。 そういいつつ、それを抑えることは、PTSDが起こるような出来事に出くわす前に処置が必要な気がします。その固定化された記憶がどの程度時間をおいても再現されるかどうか。あるいは記憶が意識とは別に再現されるメカニズムみたいなものがあれば、そちらの方がPTSDに対する切り口になるような気がします。 PTSDは強い記憶が問題なのか、記憶を制御することができないことにより、思い出すことにより、再固定化を繰り返すのか、後者の方に立った切り口なんでしょうね。ただ、その記憶そのものが体に異常をおよぼすという、第3の切り口もあるように思います。、
2014年07月18日
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ラットモデルで脱細胞化・再細胞化による子宮の部分的再構築に成功 -子宮性不妊に対する新たな治療法開発に期待- 出典:プレスリリース 慶應義塾大学医学部産婦人科学教室は、ラットモデルで脱細胞化・再細胞化技術を応用した子宮の部分的再構築に成功しました。今後の子宮性不妊に対する新たな治療法の開発につながると期待されます。 ラットモデルにおいて細胞破壊剤を血管から子宮へと持続的に流し込む(潅流させる)ことで、細胞外マトリックスの3次元構造を維持したまま細胞を除去することに世界で初めて成功しました。さらにこの脱細胞化マトリックスにラット子宮から得られた細胞を注入することで子宮内膜様組織の再構築を認めました。また部分切除したラット子宮に脱細胞化マトリックスを被せることで欠損部の再生が認められ、これらの子宮は胎児を得られたことから妊孕性(にんようせい:妊娠する能力)も有していました。 人への応用のために、乗り越えるべき壁にはどのようなものがあるでしょうか。まずは細胞破壊剤の注入による副作用。細胞破壊剤で破壊された細胞の再構築(別に前もって穿刺などで細胞を取っておくんでしょうか)の際の制御。 子宮内の高度な癒着は何となく分かりますが、先天性子宮奇形の場合はどうなるんでしょうか? と、色々やることはありますが、一歩前進ではあります。
2014年07月18日
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認知症に関わる遺伝子の機能を解明~インスリン受容体をシナプスに運んで記憶学習を実現する~ 出典:プレスリリース C.エレガンスと呼ばれる線虫は体長1mmほどの小さな生き物ですが、簡単な記憶学習を行える能力を持っています。例えば、外界の塩濃度と餌の有無を関連づけて記憶し、餌を得られず飢餓を経験した塩濃度の場所を避けるように移動する学習ができます。このような線虫の学習には、神経系で働くインスリンやカルシンテニンと呼ばれるタンパク質が重要であることが知られています。 インスリンを受け取るタンパク質(インスリン受容体)について調べ、線虫のインスリン受容体は選択的スプライシングにより、アミノ酸の数が異なる大きいタイプと小さいタイプのものが合成されることを明らかにしました。加えて、大きいタイプのインスリン受容体は、小さいタイプのものに比べて82アミノ酸分だけ大きく、飢餓を経験するとシナプス領域へと移動する性質を持っていることがわかりました。 この大きなタイプのインスリン受容体を運ぶ際にカルシンテニンが必要であることを明らかにしました。具体的には、カルシンテニンがキネシンと呼ばれるモータータンパク質とインスリン受容体を橋渡しして、微小管と呼ばれるレールに沿って大きなタイプのインスリン受容体がシナプス領域へと輸送されることに必要であることがわかりました。さらに、この輸送は餌の有無を伝えるMAPキナーゼシグナル伝達経路によって調節され、学習に必要なシナプス領域のインスリン受容体の量を変化させていることも明らかとなりました。 インスリン受容体はPI3キナーゼと呼ばれるタンパク質の働きを調節することが知られていますが、このPI3キナーゼをシナプス領域で人為的に働かせると、餌が豊富に存在するにもかかわらず経験した塩濃度の場所を避けるような異常な学習行動を示しました。 記憶のメカニズムの一つかも知れませんが・・・
2014年07月18日
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