全7件 (7件中 1-7件目)
1

長く生きていると、ある程度達観したり、諦めたりすることがたくさんある。人というものは、人生経験やあらゆるメディアで見聞きしたことから、物事の道理や世の中の仕組み、古今東西解決しない難題、どうにもならない人間の生態といったことどもを自分なりに昇華しようとする脳の営みを小さなころから幾度となく積み重ねてきたわけで、人によって差はあるにせよ、経年という物理的条件を満たすことによって、努力せずとも達成されるある程度の領域があるということだ。長い文章。ところが! である。長い年月をかけて昇華してきたことどもより、わからない、知らない、考えたことがないという未知の領域の方がはるかに大きいことに気づき、暗澹たる気持ちになるのもまた人間である。先日、虫けらより3〜4歳年上の知人男性と歩いていて、知「あれは何やろ?」虫「何でしょう」知「あのパンツ、どう思う?」虫「あれは、背の高い人が着るのが最低条件でしょう」知「何であんなファッション選ぶんやろ」虫「価値観が変わったんでしょうか」知「あの店、どういう客をターゲットにしてるの?」虫「若い子は興味ないでしょうから、年配者?」知「年配者は金使わんでしょう。儲からんよ」虫「間もなく世の中から消えるし」知「ピンポイントのターゲットがいるんやろか」そんな会話をした。二人とも何かに気づいてふと会話をとめ、知「この年になっても、知らんことばっかりや」虫「一人で歩きながら、何で? 何で? 何で? って、考え続ける毎日です」と、落胆した声で言い合った。そんなものである。こんな不毛なことにも、虫けらは心を囚われている。◎「何が言いたいかっていうと」テレビは観ないので、YouTube番組が主な不満相手なのだが、『何が言いたいかっていうと』というワードを皆が使うのに辟易している。「私に言わせれば」「言わせてもらいますけど」といった口癖的ワードも同様なのだが、「何が言いたいかっていうと」より控え目でより枕詞的だ。「何が言いたいかっていうと」と、先に言われると、「次に言うのが結論だ!」と押し付けられた気分になる。ところが、である。結論的キーワードも論理も出てこない。「え、それ?」と聞き返したくなるほどである。「何が言いたいかっていうと」と前置きすることで、それまでダラダラ喋ったことに興味を失いかけた相手の注目を再度高める狙いがあるのか、それとも、「オチ」を持たない話し下手な人間が一応の結論を大仰に提示する効果を狙っているのか、はたまた、その断言的言葉で、大したことのない話術や話の内容に箔づけする役割を期待しているのか…。本当は逆効果であることを気づかずに。「何が言いたいかっていうと」と言われた人間は、「おっ、結論がくるな」「すごい私見を披露するのだな」「長い前置きを意味付ける本題は何だ」と、期待を高めてしまうのが人情というもの。つまり、ハードルを上げてしまう言葉なのだ。上岡龍太郎さんなら、こんな無駄なワードは絶対使わなかっただろう。なぜなら、言葉数を最小限にするのが彼の話術だったし、常に「言いたいこと」を先に言う人だからだ。その「言いたいこと」に皆が興味を持つ話題やワードを持ってくる。「言いたいこと」の後に来る説明がまた面白いし、「言いたいこと」に既に惹きつけられた視聴者は、説明の一言一句を余すことなく聞く。故に、彼の話は面白いし、心に残る。「何が言いたいかっていうと」と言う人は、相手に何が言いたいかわからないつまらない話し方をするし、どうでもいい話題を話しているということだ。聞くに値しない、と思われるのがオチなので、余り使わないに越したことはない。◎首のシワ病気になって以来、少しずつ体重が減っている。となると、気になるのは「シワ」である。虫けらの病気の特性上、皮膚の水分量が減少するのは必至である。水分量が減って皮膚がたるみ、シワになる。顔もひどいが首はもっとひどい。縦にシワが入ってしまっている。冬はタートルネックを着れば隠せるが、夏はそうもいかない。必死で保湿剤やセラミド、ナイアシンアミドなどのシワに効く成分を含有した液体やクリームを塗った(塗りまくるほどの財力がないので、ほどほどに)。おかげで、どうにか見られるほどに戻った。元どおりというわけにはいかないが、「貧相」「年寄り」「貧乏人」のデッドラインからは脱しているように思う。ここで、首のシワの話を違う角度から。「年齢が隠せない」と言われるのが首のシワ。しかし、多くの女性が間違っているのが、「シワ」の解釈である。虫けらのように、縦に入ってしまうシワが年齢のシワである。横に入っているシワは年齢のシワではない。「体質」のシワなのである。横のシワがある人は、よく思い出していただきたい。高校生のころには既にあったのではないだろうか。虫けらの母と姉には、若いころからこの横のシワがあった。虫けらには横のシワはない(顎を引いた時につく皮膚の折り目はあるが、段差はない)。虫けらと母&姉の決定的な違いは、首の「長さ」である。母&姉は首が短い。虫けらは首が長い。そして、もう一つの違いは「肉付き」である。母&姉は首(喉側)に肉が付いている。虫けらはほぼ皮だけである。つまり、首が短く、肉付きがよかったら、横のシワは絶対できるし、一生消えないのだ。シワは、必要不可欠な折り目であるわけで、消しようがない(首長族のように、一生首が曲げられないような装具をつけない限り、折り目ができるのは必然である)。首の肉付きは、よほど体重が落ちても変わらない。横シワのケアを頑張るのは諦めるのが得策。縦シワは、皮膚の水分量も大切だが、姿勢も大きく影響する。猫背になると、頭が前傾になり、首がたるみ、シワができる。背筋を伸ばすことは、美容全般の基本中の基本である。◎ビューラー虫けらは、まつ毛が長いのだが、ビューラーでカールさせると、途端にお水の雰囲気を醸す。つまり、つけまつ毛的存在感を得てしまうのだ。故に、余りビューラーは使わなかった。クルッと上向きにさせるというより、地面に平行より少し上に向ければいいという程度の上げ方。マスカラは使いたいので、重く見えない程度の角度というわけである。そんなビューラーも、ここ20年ほど使っていなかった。この年になって、マスカラもなかろう、まつ毛を強調する必要もなかろう、という諦めである。ところが、先日YouTubeの美容チャンネルを何気なく視聴していたら、美容系YouTuberの長井かおりさんという方が、「ビューラーで上げるのは、まつ毛じゃないんです。 重くなった瞼です!」とおっしゃるのを聞いて、「!!!!」脳に刺さったので、引き出しの奥からビューラーを引っ張り出してきた。最もポピュラーだと言ってもいい資生堂のビューラーである。アマゾンで替えゴムを購入し、使えるように整えた。いざ、まつ毛の根元を挟むと、目玉が飛び出さんばかりの力でビューラーを瞼の奥に押し込んで5秒ほど。3度ほど繰り返したが、さほど瞼が上がっているとも思えず…。ま、それでも、やらないよりやった方がマシ、とばかりに化粧するたびに目玉をひっくり返している。誰が見るでもない。自己満足、とまでいかない程度の不満ややるせなさを落ち着かせる術である。実に不毛である。最近、不毛と感じることばかりだ。少し鬱憤が溜まっているので、また書くことにする。不毛な話に最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。 感 涙
2025.11.30
コメント(0)
今年初めごろから、「どう生きたかを考えてみた」というタイトルでシリーズのブログを書いていた。見返してみたら、完結していない。近いうちに完結させねば。24歳のときに独立した虫けらは、「かっこいい」生き方をしようとまでは思わずとも、その対義語である「みっともない」生き方はしまいと心に誓った。それを体現するために、何を心得たか、どう行動したかということを簡単に綴ったものだが、スピンオフの⑤は別として、④までに書いたことはそのとおりである。先週、中学のときの同級生と会食した。この人は、このブログで何度も登場する中学3年生のときにちょこっと付き合った男性である。付き合ったという言葉は嘘に近い。告白を受けて、一度だけデートという名の散歩をしただけの関係である。そういえば、告白を受ける前だったのだが、ちょっと浮ついたエピソードがある。虫けらの父親は頑固で怒りっぽく、意味不明な信念がある人間である。虫けらは3人兄弟(姉、兄、虫けら)なのだが、3人とも、学級代表とか生徒会とかに縁が深い。兄についてはノープロブレムだったのだが、姉がそれを言い訳に遊びまわっていたせいで、虫けらが学級代表とか生徒会だとかに名を連ねると、「やめてまえ!!」といきり立った。実に理不尽である。姉の悪行が虫けらに祟った。奔放な姉とは全く違って、虫けらはクソ真面目な人間なのに、である。ある日の放課後、生徒会の仕事があって学校にいたら、男性の先生が慌てた様子で生徒会室に飛び込んできた。「◯◯(虫けら)、おやじさんから電話や!」虫けらは「来た!」と思った。電話の理由は「帰ってこい!」というものだろう。平謝りしながら職員室に入り、受話器を取ったら、周囲にも聞こえそうなくらい大きなおやじの声が。「帰ってこい!」である。その勢いに怖気付いた教師が「きょうはもう帰れ」と言ってくれるのだが、他の委員が仕事をしているのに、虫けらだけ帰るわけにはいかない。「いえ、最後まで作業します」と言ったが、教師数人が虫けらの説得にかかる。そこへ、心配した彼がやってきたので事情を説明した。彼は生徒会長なので、「きょうは帰れ。僕の命令や」と言ってくれた。他の委員には黙って、このまま帰れと言う。後は何とかするからと。自分の教室に戻り、荷物をまとめた虫けらは、生徒会室には立ち寄らず、直接学校の門を出て家に向かって憂鬱な表情で歩く。激昂したおやじをなだめるのは大変なのだ。家に到着したら、まず何をしようかと思案する。そこへ、自転車に乗った彼が虫けらに追いつく。告白はまだなものの、お互いに好意を持っているのは確かではあるが、互いの気持ちを確かめていない状態だったので、わずかな緊張感と高揚感が入り混じった「恋」の感情が巻き起こる。「送って行くわ」と言ってくれたのだが、家までそんなに時間はかからない。ゆっくり歩いて時間を稼ぎたいが、帰宅が遅くなると、おやじの激昂が激しくなる。ジレンマの中、ほとんど話していないのに、背後から「ちょっと待って!」と嫌な声が聞こえる。勘違い男・ゴジラである。本当はゴジラではなく、独特の彼のあだ名があるのだが、ここに書くと検索されて、虫けらが特定されるかもしれないというほど特徴のあるあだ名なのだ。この男は、虫けらのことが好きだと周囲が言っていて、虫けらもそれを知っていた。本人は虫けらに何も言わないのだが、周知の事実として、その噂は一人歩きしていた。しかし! である。せっかく、彼が送ってくれるという絶好のシチュエーションなのに、ゴジラに邪魔されるのは、本当に腹が立つ。口を開いたら、罵詈雑言が出そうになるので、虫けらは口をつぐんだ。彼も黙った。ゴジラだけ、要らぬ話をペラペラと。そんな、淡い記憶があるだけで、大したエピソードがなかったのだが、40代のときに彼から封書が届き(虫けらの会社宛に届いた)、「連絡を取りたい」と。こちらから電話連絡をして、再会した。それ以来、会わない年もあったように思うが、ここ数年は、店にも来てくれたりして、年に3〜4回は会っているように思う。その彼に、先週ようやく聞くことができた。去年も聞いたのだが、どうも結論を覚えていなかった。彼は、大変女子生徒にモテた。虫けらが知っているだけでも4〜5人、彼に聞けば、10人近くの女子生徒の名前が出てくるほど相手から告白されていた。そんな彼が虫けらを選んだ理由がわからなかった。虫「中学のとき、なんで私のことを好きになった?」彼「君は別格やった」そこまで聞いていたのだが、何が別格かを聞き損じた。聞いたのだが忘れている、ということかもしれない。虫「前も聞いたけど、私の何を好きになった?」彼「君、カッコよかったよ」虫「カッコよかった?」彼「うん。カッコよかった」虫「まぁ、運動については、そうかもしれんけど」虫けらは、スポーツを生業にしたいと思ったほど、運動好きだった(飽くまでも「したい」であって、「できる」ではない)。彼「いやぁ、カッコよかった」スポーツ以外のことか。顔の話もしていたように思う。彼は虫けらのことを学校でも美形と評価される女子生徒(彼女も彼のことが好きだった)と同ランクにカテゴライズしていたらしい。虫けらは美形女子から美「◯◯(彼)くんと付き合ってるんやろ?」虫「付き合ってると言えるかどうかわからんけど」美「私も◯◯君のことが好きやねん」虫「へぇ。告白したん?」美「え、してもいいの?」虫「いいも何も。告白しいや。私に何か言う権利ないよ」美「ほんとにいいの?」虫「〇〇くんが誰を選んでも、彼の自由やし」美「告白するわ。ありがとう」などと言われ、大変嫌な気持ちになった。虫けらは、彼が自分を選んでくれるなどという自信はなかった。しかし、「やめて」というのもおかしな話である。結果的に、彼は美形女子からの告白を拒絶した。……あれ、美形女子と同じカテゴリーの虫けらを選び、彼女を拒絶する理由は何だったのだろう。顔ではないということだな。「カッコいい」か。いい言葉である。みっともない生き方をとことん嫌った虫けらは、15歳のとき、既に「カッコいい」と思われていたなんて、うれしいことこの上ない。よい言葉をもらった。彼とはもう会えないかもしれないが、今回の会食でこの言葉をもらえて、15歳からの長い、長い付き合いが肯定できた。ま、これは、虫けらの勝手な思いであって、彼はどう思っているかわからないのだが。…あ、怖い主治医はどう思っただろう。虫けらのことを「カッコいい」と言ってくれるだろうか。……もう聞くことはできないのだ。さ、そうなったら、お得意の妄想劇場である。怖い主治医の口から無理やりにでも「カッコいい」という言葉が出るシチュエーションをつくらねば。それはそうと、「どう生きたか考えてみた」を完結させねばならぬ。あすは、亡き夫の亡き父親の墓参りに行く算段だ。亡き夫と虫けらの初デートの記念日が義父の命日なのだ。何という巡り合わせ。来週は、2日連続の営業を終えたら2泊3日の旅行である。翌週はまた病院。毎日忙しい。 忙 殺
2025.11.26
コメント(0)
先週から、「会おうよ」メールが続々と届く。外科の検査結果が出たあたりから。いつもは「来店」という形で店で会っている人も、プライベートな形で食事をしようと。20代に仕事で知り合った人、中学の同級生、骨折中、自宅に誕生祝いに来てくださったお客さん、幼なじみ、数年前までよくご来店くださった神職さん、20年来のブログ友達……。加えて、看護師さんや理学療法士さんも。虫の知らせがあったのか?7月、骨折したことを確信して、救急車を呼ぼうとしたときも、珍しい人から立て続けにメールが入った。入院中も、いつもは全く連絡のない旧友やお客さんからのメールが…。虫けらからは何も発していない。連絡してほしい人に虫けらの意思が届くなら、もっと違う人に発信している!ま、それはそうとして。先週は、3人からのお誘いに応えた。きょうは急遽神職さんのお誘いに。来週は、幼なじみが「旅行に行こう!」と。こんなに急に予約できるプランはないだろう、と思っていたら、変なプランを探してきた。「変なホテル」(仮称)の宿泊プランらしい。来週は、休薬の週なので、多分大丈夫だと思う。キャンセルは有料になる時期なので、体調の不安を理由に断りを入れたのだが、何かを察してかなかなかの強引さだったし、こちらとしても、旅行は最後になるだろうから、とりあえずOKした。が、今朝体重を測ったら、驚くほどの減り方。カヘキシアに移行してしまったか。昼ごはんにステーキを食べた(事前に購入していたのだが、こういう事態を予見していたのかも)。170gもあったので、食べ過ぎか、と思ったが、全く大丈夫。さらに、少し運動する。思えば、先週の熱発がいけなかった。月曜に投薬を開始して、火曜、水曜に熱発。本来なら、主治医の指示を仰いで、入院治療か休薬、あるいは別の薬の使用を考慮してもらうのだが、動くのが面倒で、自宅待機を決め込んだ。38.8℃を最高に、38℃台が12時間以上続いた。これが前回の治療時なら、すぐに電話相談したのだが、投薬の趣旨が違う今回は、熱以外の症状がないことと、食欲や運動に関する異常がなかったので、自己判断で自宅待機とした。多分、知恵熱的なものだと思った。店に予約が入っていなかったので、気の緩みもあったと思う。虫けらは、昔からそうだった。多忙に多忙を極める日常だと、体の不調など微塵も感じないのだが、仕事が一段落し、1〜2日の猶予ができたら必ず熱発していた。疲れやストレスが一気に吹き出す感じ。平熱にまで落ちたのが3日目(木曜日)の朝。その日は会食の約束が入っていた。前々日から、「大丈夫か?」というメールをもらったが、38℃以上あったので何とも答えられず、「翌日、改めてメールをします」と返したが、翌朝には37℃台に落ちていたので、さらにその翌日なら大丈夫と判断できた。その2日間、ゼリー飲料と水分、果物だけで過ごした。固形物を食べることによって、変な症状を引き起こすのが怖かったからだ。結果、体重が1.5kg落ちた。木〜土曜日は毎日会食だったので、体重が減るわけがなかったのだが、今朝計ったら、びっくりするほど…。きのうは普通の食生活だった。ということは、食物をエネルギーに変換する能力が落ちているということだ。今朝の体重は、成人してからの最低体重に近い。これはいけない。こうしてあたふたしていたら、また虫けらの念が誰かに届き、誰かの「虫の知らせ」になるのか。お、虫けらからの知らせなので、「虫の知らせ」か。そうか、そうか。じゃない!迫りくるそのとき…は、近い。むむむ。 三 尸
2025.11.24
コメント(0)
その①で述懐したとおり、再び治療を再開することになった。「治療」といっても、前回のようながんの寛解を目指したものではなく、対症療法の一つであることは間違いない。新しい主治医が「来週月曜日から」(その日は木曜日)、と言ったことから、かなり切羽詰まった状況であることは、虫けらにも理解できた。血液検査では、全く異常がわからなかったのだが、画像を見た主治医の経験則から、「急ごう」という結論になったのだろう。治療前には必ず血液検査をする。検査結果が出るまでの時間を考慮して、診察予約時間の1時間ほど前には病院に到着し、採血を済ませた後、自動測定器で血圧を測り、看護師さんが検温と血中酸素濃度測定をしてくれたら、問診票に必要事項を書き込んで、診察を待つ。予約時間より少し早く呼び込みアナウンスがあり、診察室に入る。モニターに映し出された血液検査の結果を見て、虫けらが声を上げる。虫「随分悪くなってますね」主「自覚はありますか?」虫「ありません。いつもどおりです。 外的要因はありません」主「そうですか」虫「治療、できますか?」主「ギリギリ大丈夫です」虫「きょうじゃなかったら、無理だったかもしれませんね」主「……そうですね」虫「それにしても、急な…」主「治療、予定どおりやりますか?」虫「はい」この状態で治療を拒否したら、即余命宣告になるのではないかと思った。それほどの急変だった。前回の診察時、詳しい所見は話してくれなかったが、主治医としては、時間が余りないと判断したのだろう。わずか4日でこれほど状態が悪くなると思っていたかどうかは定かではないが、治療開始日を翌木曜日(診察予約はいつも木曜日)とはせず、それより早い月曜日(これも主治医の診察日)としたのは、それなりに急いだということだと解釈できる。がん治療室で点滴後、ベッドの上に座ってYouTubeを見ていたら、外科の外来にいる看護師さんがやってきた。「同意書」と書かれた書類を持っていて、サインをくれと言う。前回の治療の際には、そんなものは書かされなかった。看「病院の方針で…」虫「前回はなかったですよね」看「最近、何でも同意書を取るようになっていて」虫けらがサインを済ませると、「患者控え」を置いて出て行った。トラブルが多いのだろうか。がん治療は高齢の患者が多い。家族とのトラブルもあるだろうし、本人が忘れてしまうこともあるだろう。医療過誤訴訟にも備えないといけない。医療機関も大変である。看護師が出て行って数分後、主治医が入ってきた。虫けらへの訪問ではないと思った。目的は、別のベッドにいる患者かと思って知らん顔していたら、虫けらの横に主治医が立つ。『何事?』と慌てて座り直し、虫「私ですか?」主「はい。説明にきました」と、書類を出して先ほどサインした同意書の続きと思しき詳しい書類を3枚ほどめくりながら説明をする。この説明内容は、前回の診察の後に薬剤師からされたし、詳しく書かれた冊子を読んで予習したもので、何も主治医から直接聞かなければならないほどの新たな情報でもなかった。しかも、診察中の時間帯である。主治医のメインの診察日は木曜日で、月曜日にも診察日が設定されているが、虫けらの予約はいつも木曜日となっている。怖い主治医から受け継いだ患者は木曜日の受診になる、と勝手に思っていたのだが、妄想か。月曜日なのに、虫けらに時間を割いてくれたのは、申し訳ない限りである。主治医が出て行った後、治療室の看護師さんに、虫「主治医の先生が治療室に来てくださったの、 初めてです。そういうシステムになったんですか?」看「え、いや、そういうわけではないんですが、 同意書とか、事前説明をちゃんとやるように 病院から言われているのは事実です」虫「診察があるのに、大変ですよね」看「あの先生は…、丁寧なんだと思います」虫「ここに来る先生は少ない?」看「来ません。呼ばない限り」なるほど。治療は3週間スパンなので、次の診察日は3週間先となっている。『その診察日に説明すればいいや』というのでは、遅いと思ったということかもしれない。3週間の間に虫けらが死んだとしたら、がんで死んだのか、治療で死んだのかわからない。家族が医療過誤を疑う可能性もある。詳しい説明をした、という証拠を治療室の看護師に示して、何かあったときのアリバイ証言にしようというわけだ。ははん。…………えっ、えっ、えっっっ!そんなにすぐに死ぬのか、虫けらは!えらいことである。ちょっと急過ぎる。いや、いや、がんと言われて2年半。急でも何でもない。会わないといけないと思ったたくさんの人に会ったし、行きたかった湯治旅にも2度行ったし、いろんな人と食事をして、処理しなければならないことを処理してきた。十分に時間はあった。が! しかし、である。やっぱり急である。2週間ほどで、最期の準備はできるのか?そういえば、虫の知らせを感じたのか、知り合いから会食の誘いが3日連続で入った。それにも応えつつ、大急ぎで片付けよう。人生、無常である。 切 迫
2025.11.21
コメント(0)
左脚脛骨固定のための手術を受けてから1週間、ふくらはぎ全体に巻きつけられていた伸縮性のあるテープを取った。ふと見ると、足首の少し上、筋肉のふくらみの下にアザのようなものがある。虫「これ、なんでしょう」テープを取ってくれた看護師に問うた。虫けらは、手術中にレーザーメスが当たったなど外的なケガかと思ったのだ。看「え、これ? なんでしょう」虫「手術中にケガした?」看「何も聞いてないけど…」虫「先生に聞いて見ます」というわけで、整形外科の担当医にも聞いてみたが、担「手術中にこっち側は触らないからなぁ…痛みは?」虫「ないです」担「なんやろ…」虫「火傷かな、と思ったけど、全然痛みがないし…」担「様子みましょか」となった後、アザのようなものを触っていたら、中にコリコリとした物体があることに気づいた。そのことも、担当医に問うてみた。担「これ? ほんまやな。何かあるなぁ」虫「今回の入院の前は、何もなかったです」入院中はもちろん、外来の診察でもこういう不毛なやりとりをしていたのだが、いよいよ我慢ができなくなって、今月初めの外来診察のとき、虫「先生、皮膚科への紹介状を書いてもらえませんか? はっきりさせときたいし」担「あ、そうですね。じゃ、書きますね」というわけで、外来やリハビリの予定が詰まっている中、皮膚科を受診した。前回は、抗がん剤の副作用で、左足の親指の爪が剥がれそうになったときに受診したのだが、皮膚科の部長先生は、とても頼りない印象だった。が、今回は腫瘍(悪性であればがんである)なので、丁寧に診てもらえるのではないかと思った。虫「これなんですが…」ズボンの裾をめくってアザを見せる。部長先生は、やおらカメラを手に取り、アザにレンズをくっつけてシャッターを押す。皮膚の診察専用のカメラなのだろう。部「んー、拡大して見ても、 ほくろとかと同じ組織の状態のようですけど…」虫「このアザの奥にコリコリした異物があるんです」部「どこですか?」アザを触りながら言う。虫「ここです」部「これ?」虫「はい」部「何もないみたいやけど…」『えーっ、今触ってたやん。どんな指の感覚しとんねん』と虫けらは内心思った。部「その組織を取って、見てみるという手があるけどね」と言いながら、モニターに「同意書」と書かれた書面を映し出している。虫「組織を取るということは、メスで切り取る?」部「1cmちょっとの紡錘形の切り目を入れて、 中の組織を取るんです」虫「えっ、先生、いま、何もないとおっしゃいましたよね」部「あるんでしょ?」虫「私はあると思っていますが…。ないとおっしゃるものを 切り取るんですか?」部長先生は、困った顔をしている。虫「せめて検査をして、何なのかあらかた確認した方が いいように思いますけど」部「金属、入ってない?」『プレート装着の手術を受けたってカルテ届いとるやろが』だんだんイライラしてきた。部「金属があると、MRIはダメだし、CTも…」虫「エコーではわかりませんか?」部「大したことはわかりませんが、 とりあえずエコーしてからにしますか」多分こういう場合、組織を取ってしまうのが定石なのだろう。しかし、もしがんだったら、細胞が飛んでしまうとか、組織を取り切れなかったといったときの弊害も大きい。しかも、これ以上傷を増やしたくないというのも心情。エコーの技師さんはやさしい人で、画像を撮りながら、説明してくれたし、こちらの質問にも丁寧に答えてくれた。エ「悪いもんやないと思います。悪いもんやったら、 もっとギザギザした形してるし、硬い。 これは、柔らかいし、筋肉組織の一部みたいに なじんでるからね。けど、何かはわかりません」これが答え。再び部長先生の診察。技師さんに言われたことを言ったら、部「所見にそのとおりのことが書かれています」虫「急に成長して悪さすることはないですよね」部「そういった類いのものじゃないみたいですね」虫「では、このまま様子見ます。 多分、半年は無理。3ヵ月がいいところなんで」部長先生、虫けらの顔を見て無言になる。虫「もし、大きくなったり、状態が変わったら、 また診てください」部「わかりました」よかった。ふくらはぎをえぐられるなんてことになったら、何重苦になるのだろう。それにしても、何だろうこのコリコリ。わからずに死ぬのは無念だが、切ったら大きな真珠が出てきた、なんてことがないなら、知らぬままで損はない。次に出現する苦悩は何なのだ!! 不 詳
2025.11.19
コメント(0)
主治医が怖い主治医から今の主治医に変わって1度目の診察時。主「来週、検査しましょう」実は、その診察の予約を入れるときは、まだ怖い主治医だったので、虫「次は検査ですよね」怖「まだ2ヵ月やからなぁ」予約日から逆算すると、前回の検査から3ヵ月経つことになる。怖い主治医の通常診察は1ヵ月前にあって、その日の診察はイレギュラーなものだった。整形外科に入院中に行ったCVポートの撤去手術の手術痕をチェックしてもらう必要があったので、たまたま整形の外来で会った顔見知りの外科の看護師さんに入れてもらった診察だった。怖い主治医はそのことを失念していて、通常の診察と勘違いしていたのだろう。新しい主治医から「来週検査」と言われたときは、『あーあ、この診察が無駄になったよー』と、ちょっと不服だった。というのは、整形外科の外来受診、リハビリ、皮膚科の受診、保険の給付金申請書類の受け取りと、病院に足を運ぶべき用件が重なっていて、そこに2度の外科受診というのが加わるのが、結構負担になったのだ。主「検査結果を見て、治療について相談しましょう」この言葉がどんよりのしかかった。怖い主治医には、時間をかけて治療を終了することを理解してもらった。その経緯はカルテなどには書かれていないだろう。またその説明をするのか、と、気が重かった。という流れで2度目の受診時。血液検査の結果はいつもどおり。肝臓も腎臓も血液系もほぼ問題なし。腫瘍マーカーもさほど変化なし。ところが、主治医がやおら血液検査の数値を表示しているのとは別のモニターに造影剤CTの画像を映し出した。虫けらの目には、前回の画像との違いを見破ることができなかったのだが、主治医が画像を前後に動かしながら、主「ここがね……」と、状況を説明し出した。それは、虫けらにとって全く好ましからざる話だった。ふと、机の端を見ると、虫けらの方に書類と冊子が広げて向けてある。主「前回の治療では、副作用が強くて中断したようですが、 この薬剤は副作用が出にくい組み合わせです」おっと、治療の話になっている。虫けらとしては、血液検査はいつもどおりだし、治療に踏み切る切迫性を感じていなかった。虫「実は、副作用が強くてやめたんじゃないんです」と、治療をやめた経緯を話した。無駄な説明のように思ったが、一応細切れでも、怖い主治医とのやり取りや1年半の流れを披瀝する必要を感じたのだ。主「え、そうなんですか」と、少したじろいだようだったが、治療の話をやめなかった。物理的な手段(手術など)も考えるが、先に、低侵襲の治療法を取るのが当たり前という話である。『え、私、治療するの?』と、反逆する心が出現する反面、話のネタができた、新しい主治医の売り上げにも貢献せねば、人生経験、などという邪(よこしま)な思惑も吹き出して、なんとなく了承してしまった。主「スタートは来週月曜日、いいですね」『えっっっ! そんなに急に』これは、大分悪くなっている証拠だといくら自分勝手な虫けらでも認識せざるを得なかった。虫「はい」あー。。弱いとはいえ、また副作用との戦いである。そして、死ぬまでやめられない治療になることも覚悟しなければならない。虫「やめどきが難しいと思います。 治療の結果で都度判断できますか?」主「3週間スパンですから、その都度できます」虫「わかりました。よろしくお願いします」一応、虫けらの意思は伝えることができた。やめる前提。しかし、やめたら死ぬ。死んでもいいから、やめたいときにやめる。死ぬときは、副作用で苦しみたくない。そういう意思表示である。というわけで、決して再開しないと言っていた治療を再開する羽目になってしまった。主治医が変わるというのは、こういうことか。この状況で、怖い主治医はどう判断し、虫けらに何をすすめただろうか。新しい主治医と同じだろうか。ただ、新しい主治医は、怖い主治医と違って、「医師」だと思った。感情や患者の気持ちは一切排して、病気の状況だけに向き合う姿勢だと感じた。怖い主治医の持っていた「やさしさ」や「配慮」は新しい主治医にはないと見た。少なくとも、虫けらに対しては。いま思えば、怖い主治医は医師然として、人を寄せ付けない冷たさを持った医師だったが、虫けらに対しては、やさしかった。虫けらの無理やわがままを飲み込んでくれた。昔の「お医者さん」的曖昧さがあった。新しい主治医とは、短い付き合いになるだろうけれど、ややこしい状況に対処してもらわねばならない。怖い主治医に対して抱いていた信頼や尊敬のようなものは今回は必要ない。科学的、物理的に病気と向き合い、処置をしてくれる力量と判断に期待したい。それはすべて、虫けらが安らかに死んでいくためなのだ。大変申し訳ない。医師としての治療実績や、売り上げに貢献しないたった一人のおばはんのわがままに付き合わせることをお許しいただきたい。てなわけで、治療と相成りました。あーあ、です。 緊 急
2025.11.18
コメント(0)
おなかの調子がすこぶる悪い。虫けらは30歳半ばから下痢症というのが定着している。それまでは健康体そのものの排便事情だった。抗がん剤治療をする前は、「便秘」というものを経験したことがなかった。人の家に宿泊したり、朝まで遊んだりした後にリズムが狂い、24時間以上トイレに行けなかったりしたら、出すに出せずに困ることがあったが、その状況から解放されたら、問題なく、、であった。2日間そういう状況になることは滅多になかったが、顔が真っ青になったり、脂汗が出たりして、体調不良を周囲に知られるところとなり、トイレに行く時間をいただければ、すぐに解消できる、という体質だったのだ。ところが、46時間入れ続ける抗がん剤は、48時間と数時間の便秘を必ずもたらしてくれた。しかしながら、48時間が経過すれば自然と下痢となるので、余り気にしていなかった。今年7月に左脚を骨折してから、病院では車椅子生活、自宅ではスクラッチ杖生活を余儀なくされ、外出ができない日々となった。入院中は、48時間の便秘が2度あった。1度目は7月の入院時。看護師さんに相談し、薬をもらう約束をした直後、無事自然分娩した(悪気はありません。語彙が貧困でして)。2度目は8月の2度目の入院時。この時は薬に頼った。手術が9時からだったし、朝食抜きだったので、手術日は十分に出せていなかった。術後のカテーテルまみれの夜、トイレに行くことが困難な状況下、看護師さんにトイレの相談を何度か(別々の人に)した。看「トイレのときは、必ずナースコールしてください。 転倒や機器類の扱いが心配なので」と言われ、余計にトイレに行きづらくなった。我慢するではなく我慢していたのだろう。翌日の朝9時には、カテーテルや機器は外してもらったが、便意がなかなかやってこなかった。その夜、看護師さんに薬をもらった。翌朝には大漁歌い込みとなった。退院後、割と順調だったのだが、9月の終わりくらいから、胃腸の調子が激しく悪くなった。まず、胃痛が発生した。3ヵ月近く、ロキソニンを1日3回服用していたので、胃にダメージを与えてしまったのだなと思った。胃痛が発生したら、手持ちのタケキャブを服用し、何とか治していたのだが、数度でなくなってしまう量しかなかったので、10月初めの診察時に整形外科の担当医に相談し、タケキャブを処方してもらった。胃痛は断続的に起こるのだが、都度、タケキャブでしのいでいる。10月半ばになると、おなかがゴロゴロするようになった。おなかがゴロゴロ、という経験も余りないので、何事か、と思ったのだが、2年前にもらったが服用しなかった下剤と、水酸化マグネシウムを合計2回飲んだら問題は都度解決した(ように思っていた)。しかし、10月下旬になると、出方がおかしくなってきた。トイレに行くたびにお目見えになる。1日5回とか6回。合計すると、1日に出る量くらいにはなるのだろうが、元来、消化不良気味で量の多い虫けらのそれとしては、違和感のある出方と姿だった。決してブツが硬いとか、色がおかしいといったことはないが、そんな出方をしたことがなかったし、毎回、スッキリ感が全くない。虫けらの場合、「あ、お出ましになるな」と感じてからトイレに行き、最初のみ力を入れたら、あとは自然と出現する。バナナくらいの太さで30cmというのが定番である。これ以外は下痢であるという極端な排便事情。そんなに詳しくは説明しないが、新しい主治医(外科)に相談したら、「大建中湯」という漢方薬をすすめられた。が、結局処方してくれなかった。新「来週検査して、結果を見てからいろいろ 相談しましょう」ということに。翌日、整形外科の担当医に同じ相談をした。ちょっと、的外れな話を返してくれたが、これは虫けらの方が経験と知識があったので、やんわり訂正したら、やはり「大建中湯」をすすめられた。この病院は、ツムラ推しか!と思ったが、整「10日分くらい出しときましょうか。 ロキソニンの影響があるとは思いますが、 整形ではそれくらいしかできないので、 あとは外科で相談してくださいね」と言うので、指示どおりにするしかなかった。自宅に帰って、大建中湯を調べたが、「おなかの冷えによる下腹痛、腹部膨満感、 下痢、便秘の改善」となっていて、虫けらはどちらかというと体温が高い方なので(平熱が36.6℃)、「冷え?」と疑問に思ったのだが、日夜冷たい酒を飲んでいるので、それも否定はできないだろう。(冷たい酒はずっと飲んでいるが、これまではそういうトラブルはなかった)また、9月の終わりくらいから、他のサプリを全部やめて「NMN」を飲んでいる。猫組長オススメの商品なのだが、「よく眠れるから、元気になる」という推薦の弁を聞いて、気楽に飲めるかな、と思ったのだが、お値段が虫けらにとってはかなりのものだったので、他のサプリを全部やめてNMNに回すとトントンくらいかな、というわけで。おなかの具合が悪い原因はロキソニン、冷たい酒、NMNくらいしか思い浮かばないのだが、虫けらとしては、大腸癌の再発、もしくは子宮など他の臓器への病変も排除できないと思っている。こうなっては、何があるかわからない。8月の検査では、かなり症状が進んでいると思った。が、腹部に異常を及ぼすような状況とは思わなかったし、怖い主治医もそんな話はしなかった。あす、新しい主治医の指示で検査をすることになっている。何らかの答えが出るであろう。腹部の不調や異常は、生活の質を落とす。食事に影響を与えるし、睡眠の質も落とす。あすは、とりあえずこれに集中して相談をしよう。 辛 苦
2025.11.12
コメント(0)
全7件 (7件中 1-7件目)
1