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2008.01.14
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カテゴリ: I experienced
きのう、「おすすめブログ」に登録させていただいている「悠游さん」の日記のタイトルが「速記」だったので、改めて感じたことを。

私は速記士です。1級を取得した者が「速記士」、2級が「準速記士」で、「準速記士」は「速記士」の補助がないと仕事ができません。3級以下は、持っていてもさほど意味がない資格です。

合格基準は、3級が1分間に240字朗読される文章を5分間速記で書き取り、1時間で反訳し、間違いが3%(36字)以下で合格。2級が280字/分を10分朗読、2時間で反訳し、間違いが2%以下、1級が320字/分を10分朗読、2時間で反訳し、間違いが2%以下。

3級以下は「辞書の持ち込みOK」ですが、2級以上になると、辞書なしで音を文字に直さなければなりません。そのため、「用字用語」というのを徹底的にやります。速記の基準では、「まちじゅう」の「じゅう」はひらがなで表記します。「街中」と書くと、「まちなか」か「まちじゅう」かわからないからです。

こういう、独特の世界をみっちり勉強して、1年半、最短で1級を取得しました。ストレート合格、というやつです。

「学校始まって以来」、と先生や校長から評価されました。

なぜ速記をやろうと思ったのか……文屋……ちと古過ぎる表現ですね。「新聞記者」になりたかったのです。世の中のさまざまな出来事を取材し、文字にする、素晴らしい仕事です。できれば、少しでもたくさん自分の言葉が使えるコラムやインタビューのようなものを担当したかったのです。

8月に1級に合格した私は、9月以降に届く募集要項を待ちに待ちました。うちの学校は、共同通信、読売新聞、毎日新聞、朝日新聞と、そうそうたるマスコミ各社から募集要項が届きます。
「私のものだ!」
と思いました。なぜなら、その時点で1級に合格しているのは私だけだったし、男子学生はようやく3級に合格した、という状態だったからです。

募集要項が届いた瞬間、校長のところに行きました。

「新聞社に就職したいのです」
校長は渋い顔をしました。
「履歴書は送ってあげますが、まず無理でしょう」
にわかに、その言葉の意味が理解できませんでした。が、すぐに現実が襲ってきました。
「我が社の職務には残業があります。女性は残業ができないので、採用しません」

「男女雇用均等法」が施行される1年前のことです。

女性は1日に2時間以上残業できなかったのです。許されている職業は、「看護婦」と「教師」だけでした。看護婦は夜勤が絶対的に必要な職業ということで。教師は、修学旅行があるから、ということで。いまなら、裁判沙汰になる拒否理由です。

新聞社には、3級しか取得していないアホな男子学生が就職しました。

私は、自力で就職しました。

まだ、短大卒が50%、4大卒が26%という就職率の時代です(女子)。

いまの女子学生には想像もできない世界でしょう。「給与に格差がある」なんて、このことからしたら大したことないのです。就職さえできなかったのですから。1級の私より、3級の男子が就職できたという事実は、どうしようもない現実だったのです。

人生が変わりました。記者になっていたら、いまのこの状況はなかったでしょう。

よかったか悪かったかは別にして、法律によって人生が変えられたと言ってもいいのではないかと思います。

薬害患者や自衛隊、生活保護受給者、年金受給者……あらゆるところに、法律ができたかできないかで処遇が変わり、人生が激変してしまう人がいます。その人にとっては、人生は一度きり。その年の、そのときにしかできないということもあります。

立法府の国会には、法律の不備で人生が変わってしまう人を一人でも減らす努力をしてもらいたいと思います。年間、3000万円ももらっている議員さん方には、こういう切実な思いは届かないかもしれませんが。








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Last updated  2008.01.15 01:54:52
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