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これを披露するのは、少し注意が必要だと思っている。抗がん剤の種類、がんの種類、がんの状態、体質、日常生活、年齢など、条件が違えば全く効果が違うかもしれないし、逆に、効果がほとんどないかもしれない。参考にならないことと前置きして。●筋力低下には ── 「筋トレ」「プロティン」がん患者は筋肉が少ないと言われる。筋肉が少ないからがんになるのか、がんになったから筋肉が少なくなったのかはよくわからないらしいが、がん細胞が育つためには栄養が必要なので、血液や筋肉を食い物にしていることは想像に難くない。毎日少しでも、筋肉を使う運動が必要だと思うので、朝、ベッドから出る前にできる簡単な筋トレや、スクワット、握力グリップなどでちょこちょこ筋肉を使うようにしている。その前にプロティンを飲むのが効果的。私の場合、ホエイプロテイン、豆乳、きな粉、オリゴ糖の組み合わせでシェイクしている。乳製品が体に合わない人もいるので、ホエイにするか、植物由来のものにするかは要検討。●免疫力の低下には ──「黒にんにく」以前、仕事がハードな私にと、お客さんがくださったのがきっかけで、黒にんにくには興味があった。しかし、結構なお値段なので、常用する覚悟ができなかった。抗がん剤治療にあたり、免疫力低下は大きな問題なので、これを防ぐ方策として、毎日一粒を食べている。(たくさん食べると下す人もいる)肝機能の保持にも効くらしく、抗がん剤は、肝機能と腎機能の低下が心配されるので、この治療にはうってつけの食材。もちろん、単なる食品であることは確かなので、過度な期待は寄せていない。●皮膚の色素沈着には ── 「ハイチオールC」私の使っている抗がん剤の副作用で気になるのが「色素沈着」。抗がん剤治療をしている患者さんが悲惨さを醸しているのが肌の色の悪さだと言われている。昨年の手術で、肌の色が格段に悪くなった。肌の水分量の低下や栄養状態の悪化などさまざまな要因があるだろうが、本当に悲しくなるほど肌の色艶が悪くなった。最近、ようやく少しましになってきたと思ったら、抗がん剤の副作用という現実…。怖い主治医に、少しでも色素沈着を抑える薬を服用したいと相談、ハイチオールCについては、一応許可をもらった。肝機能等の様子を見ながらということになるが、とりあえず1ヵ月くらい服用中。効果はわからない。肝機能はいまのところ問題ない。●おなかの不調には ── 「ビオフェルミン」私が使っている抗がん剤は「便秘」が心配される。が、私は逆のゲリリンが激しい。元々下痢体質なので、いたし方ないと諦めている。が、ひどくなると腸管を傷つけたりするので、症状を改善する努力は必要。病院では、主に下痢止めを処方してくれるが、薬をほとんど服用したことのない私には、こうした極端な効果のある薬は強すぎるように思う。よって、整腸作用のあるビオフェルミンを服用している。私の場合は市販薬だが、病院に依頼しても処方箋を出してくれる。●多くの副作用の発現を抑えたい ── 「不活化乳酸菌」抗がん剤治療の前に、肛門科の専門医の話を聞く機会があった。そこで登場したのが「不活化乳酸菌」。私のがんは、大腸がんからの再発・転移なので、この話は役に立った。そこで、いろいろ調べて、製薬会社の不活化乳酸菌を購入。治療に入る1ヵ月ほど前から服用している(用量の半分。用量を飲むと、ちょっと調子が狂うので)。腸内の状態を良好に保つと、抗がん剤の副作用が強く出るのを緩和する効果があるとか。(発現を抑えるほどの効果は期待できない)このおかげかどうかわからないが、いまのところ、どの薬剤師や看護師からも「副作用が軽いね」と言われる。もちろん、副作用の出現、深刻化はこれからだと思う。薬剤成分の蓄積もあるだろうし、私の体が耐えられる限界もあろう。とはいえ、やらないよりやった方がよかったと思う。やらなかった場合の結果を確認することができないので、思い込みの域を超えないことは確かだが。というような、努力と言えない努力のようなものもしつつ、怖い主治医にどやされないように、慎んで日々を生きる虫けらなのだった。 精 進
2024.09.28
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看護師「虫けらさん? はい。ミスは、洗浄綿くらい。 はい、自分でやるって。はい。うん」抗がん剤を抜針する作業を自分でするか、病院で看護師にしてもらうかという選択ができる。虫けらの場合、病院のベッドで4時間ほどの点滴の後、最後の抗がん剤を点滴したまま持ち帰り、46時間後に抜針するということになっている。虫けらは抜針を自分ですると言っていた。というのは、点滴を吊っている2日間は営業できない。体調の問題はあるが、それだけではなく、体の脇に点滴を吊ったまま営業するのは、ちょっと違和感がある。邪魔だし、第一、お客さんが見たら、痛々しい感じしかしないだろう。病院での抜針時刻は、物理的に14時以降になり、そこからの出勤、仕入れ、仕込み、営業は難しい。となると、平日3日間は休業せざるを得ない。土日は治療室が手薄になるので、点滴から抜針までの全ての日程を平日に収めなければならず、月、火、水のいずれかに点滴を受けることになる。点滴の前には、血液検査の結果を受けた診察がある。怖い主治医は金曜日が外来診察日なので、その日は確実に診察室にいる。しかし、これまで、月、火、水のいずれの日も診察を受けたのだが、本来の診察日ではないため、診察室は変わるし、怖い主治医の前後の予定があるしで、どうも気を使ってしまう。前回などは、オペが長引いて当初の予定どおりにいかず、診察室→治療室→診察室と、診察場所が変更され、最終的に5時間遅れで会ったときの怖い主治医の様子に驚いてしまった。その疲れようと言ったら…。目が全開しないほどショボショボで、座っているのもつらそうだった。怖「何曜日にしましょう」虫「先生のご都合のよい日時で結構です」この日に限らずとも、毎回このやり取りをする。怖い主治医は「あなたの予定が優先です」と言い、虫けらは、「治療を優先して店の予約を取るので、いつでも」と言う。だったら、金曜日に固定してしまったらいい、と考えた。とすると、自分で抜針するしかない。今回(第3回目。1回目は入院中のことで、自己抜針は不可。2回目で手順の説明を受けた)でテストを受けることになった。虫けらとしては、これくらいのこと、難なくこなせると思っていた。やることは大したことはない。ただし、抗がん剤は瓶やパッケージに入っているときは何の問題もないが、外に出ると危険な薬剤である。そのことには注意が必要だ。怖「えっ、次でテストして、自分で抜針するの?」虫「はい。前回、教えていただいたし、動画も撮りました。 大丈夫だと思います」怖「んー」虫「私には、できなさそうですか?」怖「いや、あなたは確実にできるとは思うけど、 通常、あと2〜3回はこっちでやるんやけどね」虫「大丈夫です。次は金曜日に予約をお願いします」虫けらにしては珍しく、割と強硬に怖い主治医にお願いした。怖い主治医も何とか了承してくれた。そして、最初の看護師の言葉。これは、院内電話に答えたもの。虫けらの抜針テストが終わった瞬間にかかってきた。向こうは女性の声。虫けらのことが話題のようだが、誰だろう。電話を切った看護師が笑いながら言う。看「○○先生(怖い主治医)が、心配して聞いてきましたよ」虫「え、いまの、○○先生?(女性の声だったような…)」看「いえ、○○先生が、いまの方に依頼して」虫「あ、そうですか(そんなにできない奴と思われてるのか)」看「愛されてますね?」虫「えっ?」看「こんなに心配してもらって」虫「いや、次の診察を金曜日に入れてもらったので、 変更がないかの確認でしょう?」看「そうかな?」虫「とりあえず、合格にしてくださいよ。間違いは成功の元。 自分でできますから。動画確認しながらやりますから」実は、ちょっとした間違いをしたのだが、それは、前回使った器具と違うものを用意されて、手順が全く変わったのと、治療室に着いてすぐの、落ち着かないままの作業だったのがいけなかった。カテーテルの先を洗浄綿で洗浄する行程を飛ばした。それだけで、不合格はきつい。抜針作業の全体は確実にできる。ま、こんな小さなこととはいえ、10年前の虫けらなら、絶対に犯さない間違いだが。加齢はいやだ。脳が緩んでいるのだな。以前の仕事は、緩んでいてはできない「企画」「コピー」「シナリオ」といったものだったが、飲食店など、いろんな間違いを犯しならがやっても何とかなるので、この10年の間に脳が弛緩してしまっているのだ。怖い主治医は、虫けらを心配したのではなく、「できないだろう」と見越し、スケジュール変更を準備しての確認だろう。いやな話だ。昔は、虫けらの人間力を頼って、さまざまな人が仕事を依頼してきた。それは、直接の「企画力」「制作力」ということもあるが、問題を解決するための方策(アイデア)や、人脈を頼られたりもした。新しいこと、難しいこと、窮したことを虫けらに振った人間は、必ず安堵する結果になることを知っていた。金額にしたら、プロジェクトの大きさにしたら、社会性の高さにしたら……と考えると、小さな飲食店のそれとは比べ物にならない。結構大きくて意味のある、さまざまな経験があるのに、こんな小さなことさえも「信用」してもらえないとは……。年齢の問題なのか、虫けら自身の問題なのか、怖い主治医が心配性なだけなのか。。いずれにしても、怖い主治医に過分に心配されていることに、身の置き場をなくしてしまった虫けらである。 臨 終
2024.09.27
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このブログで10年前に書いたことを思い出した。「恋と愛」詩人「まど・みちお」さんが言った。『愛と恋の違いは?』「恋は人間に限って。愛は森羅万象に」なるほど。一般的な現代人なら、「恋は求めること、愛は与えること」くらいの答えだろうか。恋ができるのは、人間だけ……、うん。つまりは、「感情」に由来するもの。では、愛情は「本能」に由来するもの、と言えるのかな。それならば、生きとし生けるもの皆にあるものか。こんな明確にして明快な回答を得たのは、この年になって初めて。まど・みちおさんはそのとき100歳。10年前というと、店を始めて1年ちょっと過ぎた頃。恋も愛も意識できない忙しさと疲労の中にいたはず。まど・みちおさんの言葉に感銘を受けたのだな。単純に。いま、私にとって「恋」と「愛」を語るとしたら、「愛」は、穏やかな脳で発生するもの。「恋」は、狂った脳で発生するもの。と言うだろう。恋に溺れる脳は必ず狂っている。その狂気から目覚めたとき、「なぜあんなに好きだったのか」理解不能になる。対して愛は継続するし、急に喪失することもない。愛の対象がどう出ようと、一喜一憂することなく、大きな心で受けとめられる。ま、「愛」を勘違いするストーカー体質の人もいるので、解釈は人それぞれだろうが、私にとっては、ということで。狂った脳は、何をどうしても抑制が効かない。客観的な状況がわかっていても、抑えられないという状態になる。脳の暴走が収まるまで、とにかく対象のいない環境で、関係のないことを一心不乱にすることだ。旅行や引きこもりなどもってのほか。時間があると、そればかり考える。できれば、漁船に乗って、南洋に出かけるくらいの行動力が必要だ。ま、できる人はごく限られているが。ブログを書いてから10年。「愛」の対象者は皆亡くなり、ペットや趣味にも興味がなく、「恋」をする気力も体力もなく、推しも、ときめく何かも全くない。仕事もそこそこ、治療にも熱意を持てず、こんな日々はいかん、と思うきょうこの頃。おととい、30年来の仕事の友人(といっても、彼女は10歳ほど年上)が、趣味で始めたダンスの公演を観にいった。長年一線でタレントとして活躍した人だけに、舞台映えは見事だった。30歳も若いだろう人に混じって踊っていて、身のこなしもきれいだった。……興味が持てなかった。実は、何かいい運動はないかと思っていた。体にそんなに負担がかからず、定期的にできて、楽しいもの……ダンス、いいじゃないか。と思って観にいったのだが、振り付けが何とも言えず、ダサかった。最近のダンスは、こんなものなのか。JAZZ、ヒップホップ、バレエ、ミュージカルと、様々なジャンルのダンスが披露されたが、バレエ以外、振り付けが余り変わらない。もう少しダイナミックなものがよかった。昔、「タンゴアルゼンチーノ」の舞台を観た。全身ゾクゾクして、鳥肌が立った。そんなダンスをまた観てみたい。そういえば、最近、映画館にも行っていないなぁ。治療中は、人混みを避けるように言われるが、そんなことを言っていたら、生活できない。副作用も余り出ていないことだし、いまのうちに遊びに行こう。……何の話だったか。。あ、大人は脳が狂う前に制御できるという話だ。そうだっけ?推しでも探すか。 無 下
2024.09.25
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診察予約の1時間前に病院に到着し、血液検査と血圧測定を済ませて外来待合室へ。きょうは、血液検査がスムーズに行ったので、50分ほどの待ち時間がある。予約時間の20分前くらいにバイタルチェックの看護師さんが来てくれて、前回治療してもらったポートのことを少し話して、問診票を書いて受付に提出したら、あとは怖い主治医の診察を待つのみ。予約時間を10分ほど超過したとき、また看護師さんから名前を呼ばれた。看「これから治療室に行っていただきます」虫「診察はなしですか?」看「先生が、オペ室に入られているので、 落ち着いてからということになります」何が落ち着くのだ?怖い主治医がオペを終えて?私が抗がん剤治療を終えて?まぁいい。治療が遅くなると、帰りも遅くなり、待望の寿司が食べられなくなる。もともと、怖「火曜日か…、午前中はあかんねんなぁ」と、怖い主治医は言っていたし、虫「別の日でもいいです。先生のご都合のよい日に」と、日程変更を提案していたにもかかわらず、この日にしたのは怖い主治医だ。何とかする算段があったのだろう。虫「検査結果はOKだったということですね?」看「はい。先生が判断してくださっています」虫「わかりました。治療に行ってきます」よくわからないが、看護師さんに絡んでも仕方ない。治療室に向かう。ベッドに誘導されて、スカートをパジャマに着替えからPCの準備をしていると、薬剤師さんが来てくれた。薬「副作用について、ちょっと聞かせてください」私が前々回(2回目の治療時)と、今回書いた問診票を見ながら、幾つか質問される。薬「副作用が軽いですね。普通は、結構発疹が出るんですけど」虫「発疹はないんですが……」ゲリリンと脱毛の話をする。薬「下痢の薬は、『下痢止め』ですね。 ビオフェルミンは整腸剤ですけど」虫「じゃ、ビオフェルミンでやり過ごします」下痢止めなんて、ろくなことはない。無理に止めるより、腸の状態を改善させる方が無難だ。虫「髪は、まぁまぁ抜けてます。洗髪すると、 1度に50〜60本抜ける感じです」薬「それで、今の状態だったら、様子を見るといいと思います。 この抗がん剤だと、脱毛はそのうち止まると思います」虫「同じ薬を使った方のブログを見たら、脱毛後に生えてきたという記述がありました」薬「そういうパターンもありますね」怖い主治医は、「抗がん剤をやめたら生えてきます」と言った。うそじゃん。抗がん剤を継続していても、生えてくるのだ。脱毛が止まるというのもうれしい情報。「頭が小さい問題」のせいで、ウィッグを購入するのをためらっていた。虫けらの頭に合うサイズのウィッグを注文する、あるいはバリエーションのある本格的な医療用かつらの専門店で購入するとなったら、10万円は下らないのだ。意を決して購入したのに、それ以上抜けなかったなんてことになったら、もったいない。ま、抗がん剤は、同じ薬剤を永遠に使うというわけではなく、効かなくなったり、目的が変化したり、がんの状態が変わったりしたら、薬剤を変更する。すると、髪が抜けやすい薬剤をどうしても使わなければならいときがくると思う。そのときに再度悩まなければならないのだが、虫けらの気持ちも状態も変わっているだろうから……、って、3ヵ月でやめるんやなかったんかい!ずっと抗がん剤治療するつもりなんかい!いやいや。3ヵ月後の検査結果次第だ。続ける意味がないならやめるまで。薬「先生(怖い主治医)が来てくださるので、 検査結果や、質問はそのときにしてください」虫「えっ!? 先生がここに来てくださるんですか?」薬「ええ、そう聞いてます」渡された書類には、「○○Dr.治療室で会う予定です」というメモがつけてある。一気に緊張した。変な柄のパジャマのズボンと、点滴しやすいようにタンクトップだけになってベッドに胡座をかいて座っているのに、こんな格好で怖い主治医に会うのか?いろいろ、劇的なシーンをつくってくれる人だ。入院中に病室に訪ねてくれたときも、少女漫画を思わせるようなシーンとセリフを提供してくれた。そういえば、あのときもすっぴんの上、パジャマ姿で、体のあちこちにチューブやケーブルをつけながら点滴スタンドをガラガラ押して歩いていた。おまけに、首から胸にかけて、グロテスクな手術痕をさらけ出して憚らなかった。恥ずかしい以外の何物でもない。病院にいるのだし、治療中なのだから、恥ずかしいと思う必要はない。と、わかってはいても、そんな「ケ」の自分を人に見せるのは人間として恥ずかしいものだ。怖い主治医の前では、単なる「患者」であることは自覚しているが、人間としての自分のレベルを下げるのがいやなのだと思う。髪がズッポリ抜けたり、皮膚障害でひどい顔になったり、口内炎がひどくてまともに喋れなくなったり、食欲不振から激ヤセしたりしたら、そんなことは言ってられないのだが。ここから、前述の結果。結局、怖い主治医のオペ終了と、虫けらの点滴終了がほぼ同じタイミングとなり、怖い主治医が治療室に来ることはなく、怖い主治医も虫けらも、外科外来に入っての診察となった。アナウンスで名前を呼ばれて診察室に入って、虫けらはおったまげた。これまで、とてもきれいな印象だった怖い主治医がそこいらのおっさんになっていたのだ。髪がおかしい。いつもは、きれいに整えられた頭髪が、ザンバラ髪になっている。どうした!?こんな怖い主治医を見るのは初めてだ。しかも、とんでもなく疲れた表情。怖い主治医の持ち味は、鋭い眼光と白目がきれいな涼しい目(赤影ばり)。しかし、すっかり目の生気を奪われ、瞼は半開き、ショボショボと瞬きをする疲れ切った中年のそれになっていた。オペは午前中で終わるような話だったのに、外来に降りて来たのが16:30。5時間も延長する大手術だったのか、そこに緊急のオペが入ったのか。この後、虫けらが病院を出たとき、救急車がエントランスに2台連なって止まっていた。近くで事故でもあったのか。そのときは2台だけだが、もっと来ていた可能性がある。消化器外科とは直接関係ない可能性は高いが、オペ室に限りがあるので、緊急オペが入ったときに、医師やオペ室を融通して、予定を組んでいたオペの開始時間が前後することもある。話を戻して。虫「先生、とても髪を短くされましたね」怖「はい」虫「さっぱりされた感じで…」虫けらの中途半端な言いように何かを察知したのか、怖「これまで長くて、鬱陶しかった」虫「いえ、これまではカッコよくて、 いまは短くしてさっぱりなさったということで…」どうして怖い主治医はこうも捻くれた物言いをするのだろうか。(以前にも一度、こういうやり取りをした)これも虫けらの思考傾向と似ている。褒められたことを正面から受けとめない。大阪人の特性といえば、そうなのだが、それは、「照れ臭い」が源流にあるか、「そんな褒めてくれても、何も出えへんでぇ」という典型的な大阪オチへの誘導のいずれかだ。怖い主治医の地位や経歴、容姿、品性からしたら、こんな言い方をする意味がわからない。これも、「謎の言葉」に入ると思う。いずれ、解明の努力をして書くとするか。ま、虫けらの波長が怖い主治医をそういう言動に走らせている可能性は少なくないように思うが。診察室から出るとき、虫けらは、元の木阿弥だと思った。少しずつ、距離感が縮まっていたと感じていたのに…。ま、いい。そこいらのおっさんになった怖い主治医を見られたとこが、きょうの収穫とすることにする。いずれ、「なぜそんな髪型にしたのか」と問いただすことを目標に、抗がん剤治療を淡々とこなしていこう。抗がん剤を打ったまま帰って来たが、2回目より強い、手の指先のビリビリ感がある。口中は前回と同じ。土曜日から始まるであろう、ゲリリンについては警戒しておこう。血液検査があるので、朝から飲まず食わずだった腹を満たすために、ガサガサと夕食をつくって食べた。寿司は諦めた(夜の混雑タイムに入ったから)。まだ食べ足りない。冷たい酒を飲むと口の中がピリピリするので、酒を飲まなくていいものをもう少し食べよう。地獄との戦いは始まったばかりなのだ。 消 沈
2024.09.24
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今年6月初めに転移を知らされたとき、最初に脳裏を駆け巡ったのは……という話を書いた。「シャンプーや洗剤などの買い置きを使い切ることができるか」という何とも貧乏人根性丸出しの思考だったので、自分でも大変呆れた。抗がん剤治療を始めて6週目。いろいろ躊躇することの連続なのだが、そのレベルが前述のようなセコさなので、自分の思考というか、生き方はどうなのかと考え込むことしきりである。●シャンプー抗がん剤の影響か、髪の腰が弱くなっている。抜け毛が結構多くなってきたので、いつも使っているシャンプーではなく、低刺激の薬用に近いシャンプーに変えたからかもしれない。(低刺激シャンプーは試供品で、あと5回分ほどしかない)よいシャンプーはないかと、ネットで探していたら、「これはいいかも」と、ポチりかけて躊躇した。「このシャンプーを使い切る前に脱毛が進んだら…」まだらにハゲたりしたら、剃ってしまおうと思っている。友人や美容師から「頭の形がいいから、似合うかも」と言われたことがあり、一度は丸坊主もいいなぁと考えているので、脱毛前のわずかな間に使い切れる量がわからず、とりあえず買い物カゴに入れてペンディング。●ヘアサロン前回カットしたのが6月。いつもなら、既にカットしていておかしくない時期。しかし、洗髪してもらったときに大量脱毛したら迷惑だし、頭皮が敏感になっているので、シャンプーにも注文をつけなければならない。何より、せっかくカットしたのに、その直後にバサっと脱毛するようなことがあったら、もったいないではないか。……実に貧乏人根性だ。というわけで、伸び伸びになった髪を隠すためにキャップを被っている。ハットも持っているが、サイズが合わないので、風が吹いたらずっと押さえておかなければならない。紫外線対策は必要不可欠なので、帽子は被る必要があるが、キャップを被る年でもなかろうと思う。が、人がどう見ようと、どう思おうと、私は特殊な状態にいるのだから、それはそれでいいと思うことにしている。それにしても、私は頭が小さい。キャップを被ると、実にアンバランスなシルエットになる。「そんなに顔、小さかったっけ?」と言われること必至なのだ。いつもでかい顔をして生きている人間は、こんなところで損をする。●ファッションこれまで10年余り、飲食店の仕事に没頭する余り、仕事着しか持っていなかった。色の濃い(黒、茶、濃いグレー)トップスと黒のスラックス、黒のスリッポン。いざ、友達と出かけようとしたり、旧知の得意先などと会食をセッティングしたり、必要があって、不動産屋の営業と会うなんていうときに着る服が全くなかった。去年の夏から頻繁に人に会うようになったので、少しずつ購入していたのだが、今年になって、「靴が必要だな」「スカートが欲しい」などと思って、ネットで探したりしても、「来年、また着ることができるのか?」と考えてしまって、結局やめてしまうことが多い。しかし、いまは昔のように高価ではないので(中国製品目白押し。日本製を買いたいが、そもそも売っていない)、「病院に着て行くために」という名目で、買うようにしている。最近、病院には毎週行っている。前回のように、抗がん剤治療が不可になったりしたら、もっと頻繁に病院に行くことになる。そのときに、恥ずかしくない服を着ようというこじつけ。怖い主治医の診察も2週に一度は必ずある。これまでは、3ヵ月に一度だったので、何とか取り繕うことができたが、隔週となると、それなりに数が必要だ。といいながら、この夏購入したトップスは2枚。ボトムスは3枚。靴は一足。なんという貧乏根性。情けない。●約束中学時代の友人から、「会おう」という連絡が入った。いまの私には、「うん」と即答できない理由がある。抗がん剤治療の日程が定まっていないのだ。自分で抜去することが許可されれば、怖い主治医の外来診察日の金曜日で固定してもらおうと思っているのだが、このところ、木曜日、月曜日、水曜日、火曜日と、コロコロ変わっている。祝日の問題と、抗がん剤治療不可の判定のせいだが、もう一つ理由がある。本来は、10月に内科を受診しなければならないのだが、内科は水曜日と決まっていて、検査日と診察日、2週続けて水曜日を確保しなければならない。これを実現するには、抗がん剤治療を金曜日に固定し、自分で抜去する体制を早くつくらないといけない。しかし前回、抗がん剤治療が延期になったので、「自分で抜去」のテストができずにいる。ことほど左様に、生活リズムが抗がん剤治療に翻弄されている。店の営業しかり。明日は急遽抗がん剤治療になったので、常連さんの予約をキャンセルした。食材の配達も日程変更を申し出た。友人が日程を告げてきたら、また調整に奔走しなければならない。●温泉先々月、一緒に旅行に行った友達が「温泉で湯治しよう」と言ってくれたのだが、胸に抗がん剤治療のためのポートが入っている。知らない人が見たらびっくりするだろう。胸がふくよかな人、脂肪がたっぷりある人ならそう目立たないらしいが、私の場合、くっきりはっきり浮き出ている。気持ち悪い。首には三か所の切開痕がある。ポートから首に伸びているクニャクニャはカテーテル。実にグロテスク。大きな温泉でゆっくり湯に浸かりたいが、こんなのがあると、そわそわしそうだ。これから、もっと「躊躇」することが増えていいくのだろう。考えるのも面倒臭い。とりあえず、これから30年来の仕事仲間のダンスの公演(趣味で始めたらしい)を鑑賞してから、あしたの診察に向けて準備するとするか。
2024.09.23
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昨夜から朝方にかけて、大阪では台風のような風が吹いた。雨も断続的に降り、せっかくの三連休の中日が台無しだ。お墓まいりに行く予定だった人も多かろう。私も、少し日をずらして行く予定なので、雨風は避けたいなぁと思った。それはさておき。「メガネ男と帽子女」でご披瀝したとおり、私はメガネが全く似合わない。唯一、皆さんから似合うと言っていただくのは、ダイソーの100円(税込110円)老眼鏡。しかし、100円というのは、レンズの精度に問題があるかもしれないと、常々思っていた。歪みや左右の度のわずかな違いによって、目に悪影響を与えることもあるだろうと。で、ちょっと調子にのって、楽天で2000円の老眼鏡を購入した。まだ2ヵ月も使っていないのに、壊れた。フチなしなので、レンズと鼻パッドが外れたという壊れ方。レンズ、鼻パッド、ビスが2本。うむ。引越のときに、精密ドライバーが行方不明になっている。机の引き出しをガサゴソしたら、イベントのノベルティとしてもらった、簡易精密ドライバーを見つけた。鼻パッド側がプラス、レンズ側がマイナス。一本で両方ついたドライバーなので、何とかなると。しかし! 老眼鏡がないと、見えない。老眼鏡を直すための老眼鏡を探す。予備で置いてあった、ダイソーの100円老眼鏡を使う。照明の照度が低いので、手元がよく見えないが、指先の感覚で直していく。おぉ、直った。よし。こうやって、精密ドライバーを使っていると、夫がよく「何してるの?」と聞いてきた。「老眼鏡が壊れたから直してる」など、理由を答えると、「僕が直してあげたのに。精密ドライバー使う女なんかおらんで」と言う。こういうやりとりを何度もした記憶がある。精密ドライバーを使う女はたくさんいるだろうが、自分がやってやる、ということを言いたいのだ。多分、家事を初め、生活に関する仕事は全て私がしていたので、自分にできることをしてやりたいという気持ちがあったのだろう。なら、もう少しやさしい言い方をすればいいのに、といつも思っていた。ま、それは、夫なりの気遣いだとわかっていたので、頼めるものは頼んだのだが、確実に私がやる方が早かったし、間違いがなかった。夫は、手先はとても器用なのだが、段取りが悪くて、小さな部品をすぐに失くす。すると、目のいい私が部品を探すことになり、部品を無事見つけるまで作業が再開できない。私は段取りがいいので、こういう失敗をしない。手先は夫ほど器用ではないが、器用ではないだけに、慎重に作業をする。ゆえに、作業量も時間も、私の方が効率的だった。などということを思い出しながら、思い出を遺影に話しかけながら、久々に精密ドライバー使った。無事、老眼鏡が直ってよかった。そろそろ、夕飯の準備を…。少しでも体重を増やしておかないと、休み明けの抗がん剤治療に影響する。おいしいものをつくるとしよう。
2024.09.22
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毎度のことながら、説明を。昨年の5月から虫けら(私)を担当してくれている怖い主治医とは、波長の違いというか、人格の違いというか、単に虫けらが怖い主治医から嫌われているからか、すれ違いや勘違い、誤解などが盛りだくさんの一年を過ごした。今年6月に、新たなステージに入ってからは、それまでの3ヵ月に一度、というペースではなく、2週間に一度というとんでもないペースで怖い主治医と会っている。今回は、今週のはずだった抗がん剤治療が不可になったので、来週も会うことになる。1年前の虫けらなら、診察の前3日間は胃が痛くなり、ゲリリンになり、ゲンナリするしかない日々を過ごした。が、いまは、割と平常心で(ということもない。相変わらず冷たい視線を投げかけられると、あちこちが痛い)接することができている。それは、先月に初回の抗がん剤治療と、ポート留置のための入院をしたことが大きな要因となった。怖い主治医は入院当日から3日間、虫けらの病室を訪ねてくれた。それぞれ、用件はあったのだが、虫けらとしては、そんな小さな用件でわざわざ病室を訪ねてくれたことに感動もしたし、怖い主治医に対する認識も大きく変化したのは間違いない。これまで、3つの謎を解明してきたが(虫けらの得手勝手な解釈。本当の答え合わせはできていない。すみません)、今回は、ごく小さなことなのだが、怖い主治医の思考の基本を垣間見ることができると虫けらが思っていること。虫けらが入院した日の夜、怖い主治医が病室を訪ねてくれたのは、手術に関する確認だった。実は、看護師から、「執刀は主治医の先生ですよ」と教えられていたのに、実際は、もっとペーペーの若い医師にスイッチされていた。虫けらは激しく落ち込んだ。怖い主治医は外科部長。執刀に関しては、安心しきっていた。ところが…。手術は生き地獄のような痛さだった。その様子を、手術室にいた誰かから聞いていたのかもしれない。病室を訪ねてくれたときは、大変緊張したような表情と声色だった。虫「先生が執刀してくださるんじゃなかったんですか?」と聞いたら、怖「怒られると思ってたんや」と返してくれたので、怖い主治医が執刀しなかった(事情はあっただろうが)ことで、虫けらに後ろめたい…、申し訳ない…的な気持ちがあったことが理解できた。その日の会話の最後に、怖い主治医は怖「個室、希望してた?」と虫けらに聞いた。虫けらは、「貧乏人の虫けらに、個室料金が払えるのか心配しているのか?」と思った。15000円/日の個室は、確かに高いのだが、大部屋(4人部屋)に入って、副作用で皆さんにご迷惑はかけられないと、入院が決まったときに、個室を取ろうと考えていた。また、個室は、自分で希望したときと、大部屋が満床で、個室に回される(大部屋料金)ときがあり、以前は、後者のパターンが結構あったが、いまは個室の方が混んでいるようだ。いまになって思うと、1年前の入院のとき、ゲリリンや不眠で皆様にご迷惑をかけたと思うので、個室を取りたいという気持ちと、もしかしたら、怖い主治医と会話する機会が持てるのではないかと、期待する気持ちが混在していたように思う。いまになって思うと、だが。怖い主治医の「個室、希望してた?」の答えは、2日後の会話にあった。虫「退院は日曜日ですか?」怖「土曜日、点滴が終わるのが午後になるので、 日曜日にさせてください」そのとき、虫けらはその言葉を何気なしに聞いていた。が、よくよく考えると、個室料金の負担をなるべく減らそうと考えてくれたのだ。もし、点滴が土曜日の午前中に終わるようなスケジュールだったら、土曜日の退院にしようとしてくれたのだと思う。しかし、点滴の終了は15時過ぎ。途中で問題が発生したら、もっと遅くなる。退院時間を設定するのが難しい。土日、怖い主治医はお休みなので、緊急事態が発生したら、他の医師に対応を託し、その成り行きによっては、退院を取り消さなければならない。週末は、医事課との連携も難しいだろうから、余裕を持った退院日にした方がいいという判断だろう。そういう細かい配慮をしてくれたのだとわかったのは、虫けらが退院して、このブログを読み返していたときだった。「あぁ、私は浅はかな人間だ」と痛感した。あの、冷たくて、厳しい表情の怖い主治医が虫けらにそんな配慮をしてくれたとは思ってもみなかった。いや、虫けらだからじゃない。どの患者にも、そういう配慮を怠らない人なのだろう。ということがわかった虫けらは、また一つ、怖い主治医の本当の姿に近づいたのかもしれない。答え合わせはまだある。新しい事件もまたあるかもしれない。もう少し思慮深い視点を持ちながら、次も書いていこう。 黙 考
2024.09.21
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抗がん剤治療を開始して5週間が経過した。残念ながら、3回目の治療は延期となったので、2回だけの経過状況。●吐き気、嘔吐全くない。点滴に吐き気止めが入っていたり、経口薬をもらったりするので(抗がん剤点滴後2日間)、それが効いているのか、もともと症状が出ていないのかわからないが、吐き気や嘔吐で食欲減退や、食べられないといったことがない。助かる。●皮膚障害症状の出方は人によるそうだが、私の場合、口の周り(顎、口角、鼻の下、小鼻)に小さなニキビのようなできものができるが、ステロイド剤を塗るとすぐに治る。メイクのときに困るほどの大きさではないし、痛い、かゆいといった症状もない。助かる。●便秘・下痢治療前に薬剤師や怖い主治医からは「便秘」が起こりやすいと聞いていた。が、私の場合は便秘は全くなく、「下痢」がひどい。抗がん剤抜去2日後にいきなり水様便に変わり、何もしないと1日15回はトイレに駆け込むことに。3日間様子を見た(もともと下痢体質なので、抗がん剤由来の下痢ではないかもしれないと考えた)が、1日15回以上が続いたので、4日目にビオフェルミンを服用。1日5〜7回の頻度に抑えられたので、以後服用(ただし、1日1回。市販のビオフェルミンは1日3回の服用だが、薬が効きすぎる体質なので、1回に減薬)。下痢は6日間続いた。治療2回目からは抜去2日後からビオフェルミンを服用し、1日5〜7回をキープ。回数は抑えられたが、日数を減らす効果はなく、1回目と同じく6日間下痢は続いた。●末梢神経症状(手足、口)冷たいものに触れると、手の指先がピリピリする。抗がん剤が体に入るとすぐに感じる。夏の水道水は温(ぬる)いので、余り反応しないが、症状がピークのときは、水道水でもピリピリした。口の中も、冷たい飲み物でピリピリ、ビリビリする。喉が詰まる感じもある。が、私は我慢せずにビールや冷たい飲み物を飲んだ。気合いで何とかなった。この症状は3日程度でなくなる。指先のピリピリは、5日くらい残ったが、いつも同じ感じ方ではなく、感じる日があったり、感じなかったりする。3回目治療以降はまた違った状態になるのではないかと思う。●口内炎ほとんどなし。全くないわけではないが、プクッとしたかと思うと、痛みを感じる前に治る。舌が痛いときがあるが、これは、胃腸が悪いときに「舌が荒れる」状態と同じ感じ。口内炎らしい口内炎は現時点ではできていない。助かる。●味覚抗がん剤が入ってすぐに味覚が鈍った感じがする。甘味、苦味、塩味、酸味、全てが20%くらい鈍る。日によって、塩味が完璧に回復したり、甘味が敏感になったりするが、法則は見出せていない。できるだけ、口にした経験のある食材を用意し、確認しながら生活している。職業が料理人なので、繊細な味付けの料理は避けることになるが、致し方ない。●脱毛現在使用している抗がん剤は、脱毛しにくいと言われていたが、抗がん剤が体に入って3週間経過したくらいから、脱毛が始まった。がさっと抜ける、という感じではないが、これまでより5倍くらいの量の抜け毛がある。洗髪時に50〜60本抜ける感じ。枕につくことは1週間に一度、10本程度。薬剤師からウィッグの購入を勧められているが、「頭が小さい問題」があって、一般的なウィッグが合わないので、きちんとした医療用かつらの専門店で作ると、安くても10万円はする。怖い主治医も「人によって抜け方が違うから、せっかく作ったけど、作り直したという人もいる」と言うので、もう少し抜けてから考えようと思う。サイドや後ろの髪が残っていれば、帽子でやり過ごすこともできるので(旧友がたくさん送ってくれた)、ゆっくり考える。●色素沈着色素沈着しすくなるらしい。シミが気になるので、UVカット剤や帽子など紫外線対策をいつもより厳重にしている。併せて、ハイチオールCを服用(怖い主治医には相談した。成分的には問題ないが、服用しながら肝臓の状態など様子を見ることになった)。抗がん剤治療中のがん患者がより病人ぽく見えるのは、色素沈着を起こして顔色(体全体)が悪くなるからだと言われている。去年の手術後、ひどい顔色になったので、いろいろ努力して、ようやく以前に戻りつつあったのに、さらにひどい顔色になるのは何としても避けたい。「皮膚障害」の一つといってもいいのだが、手足の爪の横の皮膚が割れたり、炎症を起こしたりといった症状も出るようだが、いまのところ問題ない。乾燥が大敵だというので、これからの季節は、保湿を念入りにしたい。この他にも、「間質性肺炎」や「手足症候群」といった副作用があるようだが、まだ出現していない。上記の状態の変化や、新たな副作用が発現したら、追記していこうと思う。それと、自覚症状ではない副作用も、割と狭い範囲に収まっている。肝障害、腎障害はいまのところない。白血球の減少(好中球ががっさり減った)があり、3回目の治療を延期した。反して、腫瘍マーカーはぐんと下がった。3ヵ月(6回)続けて、どう変化するかを見るので、2回だけの状況で何の判断もできないが、備忘録を兼ねて。 沈 思
2024.09.20
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2週間前、抗がん剤の抜去後に起こったトラブルを書いた。「ちょっとしたトラブル発生」抗がん剤投与に使うポートの周辺に起きたトラブルの話。切開痕上部が膿んでいると気づいた看護師が、外科外来に回してくれたのだが、あいにく怖い主治医は手術室に入っているが、2度目の手術の執刀医が外来にいるということで、診てもらうことになった。抗生剤を塗布して終わり、だったのだが、虫けらは、本当にそれでいいのかと、猜疑心の塊で診察室を後にした。毎日、抗生剤を塗布しろというので、切開痕とその上部に抗生剤を塗ってはパッドで保護して、を繰り返した(実は、切開痕の上の炎症は虫けらにはわからなかった。ただ、切開痕は痛かったので、切開痕とその上部に抗生剤を塗布し続けた)。診察の翌日に気づいたのだが、切開痕から黄色い体液が出ている。それまでは、抗がん剤のカテーテルが入っていて、防水シールで保護されていたし、その前は切開痕を止めるシールが貼ってあったので、切開痕をメンテしたことがなかった。しかし、その後10日間、切開痕から黄色い体液は出続けた。抗がん剤治療のために外来に行った日、待合室にいたら、看護師さんがバイタルチェックに来てくれ、その際にポートの炎症のことも聞かれた。朝、新しいパッドを貼っていったので、患部を見せることはできなかったが、これまでのことをかいつまんで話していた。診察室に入り、怖い主治医と今後の治療のことや、現在の副作用の話を一通りしたとき、やおら看護師が診察室に入って来た。「それと先生、ポート周辺の炎症を診ていただきたいんです」事前のバイタルチェックのときの看護師とは違う人だが、前回、執刀医の診察を受けたときに診察室にいた看護師だった。(すごいタイミングだったので、ずっと虫けらと怖い主治医のやり取りを伺っていたものと思われる。医事課の女性がいなくても、安心できぬ)看「どうなってます?」虫「前回と状況が違っています」と言いながら、診察台に促される。えっ! 診察台で診るほどのこと?椅子に腰掛けてでも十分……。そんなことを言う暇もなく寝転ばされる。怖い主治医が椅子に座ったまま、コロコロと椅子を転がして診察台の横へ。看「あー、これはかゆい?」パッドを剥がした看護師がポート周辺を凝視しながら言う。虫「かぶれですよね。かゆいです」と言いつつ、虫けら、怖い主治医の顔をまじまじと見る。診察台と椅子の高さがちょうど合っているので、虫けらの視線は、自然と怖い主治医の顔の高さに。いい顔をしている。鋭い眼光、白目が綺麗な涼しい目。赤影か。看「絆創膏のかぶれもありますよね」虫「パッドを10日間貼ってましたから」看「毎日変えてました?」虫「2回。貼らない時間もつくらないといけないと…」怖「何塗ってたの?」看「ゲンタシンです。前回診察したときは、 ゲンタシン塗って、絆創膏貼って帰ってもらいました」虫「ゲンタシン塗って気づいたんですが、切開痕から黄色い…」怖「体液が出てた?」虫「はい。10日間」怖い主治医がパッドを見る。怖「いまは出てないよね」虫「きのうはずっと外してました」怖「今朝貼って来た?」虫「はい。服に擦れたら痛いので」この会話の間じゅう、存分に怖い主治医の顔を見ていた。ちょっと緊張感のある表情。ん、困った感の混じる表情と言うべきか。いつもの冷淡で怖い感じとは違う、これまでに見たことのないその表情に虫けらは、心の内側に新たな感情がわくのを感じる。怖「んー(ため息)」虫「先生にため息つかせてしまいました」怖「いや…」怖い主治医はそれ以上を言葉にせず、素手で触っていた虫けらの胸元から手を外してアルコールで消毒した後、ゴム手袋をつけた。虫けらは、右手でタンクトップの胸元を持って見える範囲を広げていたのだが、怖い主治医に手首を掴まれて、怖「手はおろしといてね」と言われ、強制的に体側におろされた。しかし、虫けらのポートから視線を外して看護師と怖い主治医が薬剤の相談をしている間、なぜかまた手が胸元に戻っていた。これには虫けらも気づいていなくて、怖「怖い?」と聞かれて、初めて自分の手の位置に気づき、虫「すみません」と、慌てておろしたら、看護師と怖い主治医に笑われた。なぜ笑われたのはかわからないが、虫けらが胸元を気にしていたのには理由がある。立位では余りわからないのだが、寝転ぶと、かなり上の方に「ちちがしら」が来る。(多分、胸筋が発達しているのと、脂肪が少ない(貧乳…うるさい!)ので、垂れ乳になっていないため)タンクトップを少し下ろすと、「ちちがしら」が見えてしまう。実は、ポートの手術のとき、胸元を開ける形でバスタオルがかけられていた。手術する範囲は十分に開いていたのに、執刀医がバスタオルを少しずらしたことで、「ちちがしら」が出てしまった。執刀医は慌てて元に戻したが、見えてしまったものはどうしようもない。幾つになっても、「ちちがしら」を見られてうれしい女はいない。怖い主治医に「ちちがしら」を見られるのがいやだ、ということではない。別に人を特定せずとも、誰にも見られたくないわけで、反射神経のような手の動作だったのだ。余談だが、夫が冗談で虫けらの胸をまさぐったとき、いつも肋骨をモミモミするので、「もっと上」と虫けらが言うと、夫の手が上に上がって来て「ほんまや。お前はビジンダーか!」とよく言っていた。キカイダーもビジンダーも知らない虫けらは、「毎度毎度、そちもアホよのぉ」で会話終了、としていた。つまらぬ話はさておき。妄想から覚め、ふと怖い主治医に視線を移すと、怖い主治医が虫けらの顔を見て、困ったような、申し訳ないような表情をした。虫けらは「来た!」と思った。すかさず、虫「先生が執刀してくださらなかったから」と言った。瞬間、怖い主治医は虫けらの前腕をつかんで、ぎゅっと目をつむった。「言われると思った」「言わんといてくれ」「申し訳ない」ということだろう。いつもの「怒られた」という言葉は発しなかった。虫けらが率先して言ったのではない。怖い主治医が誘導したのだ。虫けらがこう言わなければ、この場、というか怖い主治医の気持ちは収まらなかっただろう。何しろ、手術当日の夜に、虫けらは、「先生が執刀してくださるんじゃなかったんですか?」と聞いた。怖い主治医は「怒られると思ってたんや」と答え、申し訳なさそうにした。あの前振りあってのこのオチ、である。怖い主治医と虫けらのコンビネーションの妙を感じる出来事だった。怖い主治医は、虫けらの言葉を待っていたのだろう。しかも、怖い主治医が思ったとおりの言葉が返ってきたはずだ。これも、先月の入院時の会話があってのこと。もしかしたら、怖い主治医と虫けらは、意外にも同じ人種なのかもしれない。このやり取りがきのう。怖い主治医にリンデロン(ステロイド剤)を塗ってもらったおかげで、きょうは、すこぶるよい状態になっている。信頼している怖い主治医の「手当て」によって、虫けらの体は敏感に反応しているということだろう。「手当て」は、母や医師といった、信頼している相手が手を使って施してくれたことが患者の病気や傷を快方に導くというもの。虫けらは、怖い主治医を信頼しているのだな。そして、執刀医を信頼していないのだな。と実感した。(実は、虫けら自身が、自分の判断でリンデロンを塗っていた。が、4日間続けても一向によくならなかった。つまり、自分を信頼していないということがわかった)そして、初めての怖い主治医からのボディタッチ。ゴム手袋越しの感触だったが、一生忘れないと思う。虫けらが怖い主治医に触れることはない。そして、怖い主治医が虫けらに触れることも、この先ないだろう。冥土の土産が一つ増えた。 三 途※「ちちがしら」とは、旅行したときに旧友が教えてくれた言葉。 漢字では「乳頭」と書くが、響きがちと淫靡なので。
2024.09.19
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きょうは、外科の診察の後、3回目の抗がん剤治療の予定だった。朝、8時から病院に行き、血液検査の後、外科の外来で9時からの診察を待つのだが、混むわ混むわ。血液検査を受けるのに、30分待つ。9時とか、9時半の予約の患者さんが多いのだろう。待合室の椅子が足りなくて、近隣の内科や薬剤科の椅子を皆で占領している。血液検査場だけ開いていて、あとはシャッターが閉まっているという状況。(再診受付機が動いているので、受付は可能。つまり、予約している患者だけ来院しているのだが、数が余りにも多い。しかも、皆老人。私より若い人を見つけるのは至難。若い人は、結構重い病気だと予測できる)血液検査を済ませ、外科の待合室に到着するやいなや、看護師さんがやってきて、バイタルチェック。血圧は設置してある自動血圧計で自分で測る方式。問診票と血圧票を受付に提出し、診察を待つ。水曜日は2度目の手術の執刀医の担当。まさか、執刀医に診察されるのか?という不安があったのだが(前回、ポート周辺の不具合を診察してくれたし…)、怖い主治医から名前を呼ばれることだけを願って、待っていた。遅い。名前を呼ばれるのが遅い。やはり、執刀医の診察か?ようやく名前を呼ばれたとき、怖い主治医の声だったので、ホッとした。診察室は、また違った。前回もいつもと違う診察室だったのだが、今回はそれとも違う診察室。中に入ると、こちらも殺風景。ただ、いつもいる医事課の女性がいない。診察室は怖い主治医と虫けらのみ。主治医の表情が、いつもより柔らかく感じるのは気のせいか。『入院のときの礼を言えるだろうか』と、虫けらお得意技の妄想をしかけたら、怖「結論から言うと……」と、怖い主治医が表情を曇らせる。怖「血液検査の結果、今回の抗がん剤治療は 中止する、ということにしたいと思います」虫「え、そんなに悪いですか?」と、虫けらがモニター画面をのぞく。すぐに『白血球』と『好中球』の数値の悪さに気づいて驚く。虫「本当、これは悪いですね……」虫けらは、体調が悪くないので意外ではあるが、この数値なら、治療は無理だと理解する。怖「熱は出ましたか?」虫「いえ。抗がん剤抜去後に微熱が出たくらいで」怖「これで、いま熱があるというなら、 入院してもらうという数値です」虫けら、ゲゲゲ、の顔をする。まさに病人ではないか。残暑の中、意気揚々と歩いて来た自分の強靭さに半ば呆れる。抗がん剤治療が終わった後は、寿司とビール!と考えていた呑気さに驚愕する。怖「前回も、人によったら中止する数値です。 経験的に大丈夫だと判断しましたが」虫「そうですね…」虫けらも、前回の治療後、ゲリリンのときにここに書いたが、「白血球の数値的にギリギリだと思う。次はできるかどうか…」と考えていた。危惧していたことが現実となったわけだが、怖「治療が延期になって、うれしいかもしれませんが」と虫けらの心を見抜くようなことを言う。虫けらがうれしそうな顔をしていたのを見逃さなかった。怖「治療のスケジュールが変わってしまって 申し訳ないと思います」虫「いえ、先生が申し訳ないなんて、私の体のせいです」虫けらは、酒を我慢することも、仕事をセーブすることも、睡眠や行動全般の節制、規制などを排除してやりたい放題やっている。我慢したところで、際限ないからだ。いつまで、どこまで、どれだけやらなければいけないという基準も、やってはいけないというボーダーラインもない。我慢し続けて死んでも、我慢せずに死んでも、誰も褒めてはくれないし、誰も非難しない。自分がいいと思う生き方をすればいいと思っている。が、その自分勝手に、怖い主治医を巻き込んでいるのだと、改めて心が痛んだ。いや、虫けらのそういう思考傾向がわかっていて、「申し訳ない」と言ったのか?怖い主治医は策士だから、そうなのかもしれない。最近、怖い主治医の心が少しわかるような気がする。虫けらに近い人種なのかもしれないと。それは、あるいは、怖い主治医も感じているかもしれない。致し方ない。今回の治療は延期になった。来週また採血し、判断するとのこと。あ、また来週、怖い主治医と会うことになるのか。きょうの怖い主治医のままなら、来週会うのもいやじゃない。が、またしても、虫けらを虫けら扱いする冷淡な主治医に戻っていたら、心が傷んでしまう。ぜひとも、医事課の女性がいませんように。そして、来週は熱が出ませんように。悪くすると、入院することになってしまう。……、前回も、虫けらの症状(下痢)がある場合、本来なら「入院してもらうことになる」と言われた(下痢が入院の理由ではなく、虫けらの症状は余りにもひどかったゆえ)。今回も、「熱があったら、入院してもらう数値」と言われた。入院と通院、ギリギリのところで蠢いているようだ。やれやれ。そんなことなら入院してもいい。家にいると、さまざまな用事に忙殺されるが、病院にいると、上げ膳据え膳で、日がなブログ作成に邁進できる。死ぬまでに作っておかねばならぬ各種リストも作れようというもの。そうだ。怖い主治医がまた病室を訪ねてくれたら、前回解明できずにいた謎が全て解明できるかもしれない。ま、そんな都合のいいことにはならないのが虫けらの人生。間が悪い、タイミングが悪いのが虫けらの真骨頂だ。というわけで、第3回目の抗がん剤治療は延期となり、虫けらは、治療後に寿司とビールでプファーッとやる予定が台無しになったので、家に帰ってしばらく休憩したら、近くのとんかつ屋に行って、ロースカツとビールでプファーッとすることに予定変更! 自 爆
2024.09.18
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少し前、YouTubeで見かけた、仰々しいポテチが「ジャパン」に置いてあった。数年に一度、なぜかポテチが食べたくなるときがあって、集中して1ヵ月ほど食べたりするが、その波が過ぎると、また数年食べないというサイクル。ゆえに、ポテチにはそれほど興味がない。しかし、YouTubeで見たポテチが余りにも仰々しくて、「どんなものなんだろう」と興味を持った。前回、「ジャパン」に行ったときに見つけたのだが、まだポテチサイクルにはまってなかったので(実は、去年そのサイクルだった)、購入せずに帰った。今回は、先週金曜日から「謎の食欲」が襲ってきていて、3度の食事以外に何か用意しておかねばという状況。食欲に任せて購入することに。500円以上する高級品だが、「白トリュフ&ポルチーニ風味」「HAND COOKED」にやられた。帰宅してすぐ、どんなものか、ワクワクしながら開けてみた。ビールを開けようか迷いながら、いつものワインで味見することに。???これが500円???である。まず、ポテトが小さい。硬くて歯ごたえがある。カルビーのスタンダードなポテチを食べた者には、これが理解できない。「パリッ」ではなく「バリッ」なのだ。嚥下するまでの咀嚼時間がカルビーの10倍はかかる。味は、確かに風味豊かだが、ポテトが小さいので、その効力が半減する。味が濃いので、酒のアテにはいいかもしれない。咀嚼に時間がかかるので、食べ過ぎが防げる。パッケージの仰々しさは、来客用に向く。しかし、ポテチ好きの人ならいざ知らず、リピートはちと考える。とはいえ、アラブ首長国連邦という異国のポテチ、日本に居ながらにして味わえるのは、感慨深い。「キャビア風味」もあったので、それだけは買ってみるか。
2024.09.17
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1年3ヵ月前から、外来で怖い主治医の診察を受けている。5月末の検査で転移が見つかってからは、2週間に一度というとんでもないペースで怖い主治医と会っているが、それまでは3ヵ月に一度、しかも診察時間は3〜10分と短かった。ゆえに、会話は病気や症状に限定したもので、会話らしい会話をしたことがなかった。虫けらは虫けら扱いされることが当たり前になっていたし、怖い主治医は、ほとんど言葉を発しない姿勢だった。ところが、怖い主治医が変な言葉を口にすることがあった。その言葉を聞くたび、毎回「???」である。『変なこと』とは──虫けらが『怒る』というのだ。虫けらが怒ったことは一度もない。怖い主治医相手に怒るなど、身の程知らずもいいところだ。最初にその言葉を聞いたのは、最初の入院・退院後、3度目の外来診察のとき。2度目の外来診察のときに、予防的抗がん剤治療の意思確認をされたのだが、虫けらははっきり断った。3度目の診察で、肝臓の血液検査の結果を話された。虫けらは、「なぜ肝臓の血液検査なんかした…?」と思いながら怖い主治医の話を聞いていた。(血液検査は毎回する。そこに、肝臓関連の項目を追加されたということ)怖「抗がん剤が肝臓に影響する場合があって…」と言うので、虫けらはすかさず、虫「前回、予防的抗がん剤治療は不要と申しましたが」と言うと、怖「怒られた…」と言うのだ。怒った口調でも、厳しい表情でもなく、ごく普通のトーンで言ったはずなのに。虫「いえ、怒ってはいませんが」という言葉を返すのが、精一杯だった。(虫けらは怖い主治医が怖い。いつも萎縮しているし、言葉を発すると、手が震えるほど緊張している)実は、特殊な血液検査は費用が驚くほど高い。いやだなぁ、という気持ちはあったが、怖い主治医相手にそんなことを言う勇気はなかった。2度目は、抗がん剤治療の専門看護師が診察室に入ってくれていて、3人で会話したときだった。怖い主治医がおかしなことを言ったので、笑い話というか、世間話のような会話ができて、場が和んだ後、怖「申し訳ないけど、この後血液検査をしていただきます」虫「はい」怖「抗がん剤が肝臓に影響を与える場合があって…」虫「その検査、もうしてますよ」怖「え、いつ?」虫「予防的抗がん剤治療は不要と言っていたのに、その後検査されて」怖「あ、また怒られた」そう言いながら、カルテの中にそのデータがないか探し、怖「あ、ほんとやね」と独り言のように言って、大きな体を小さくしていた。それは1年前の検査だったので、新たなデータが欲しいということで、再度血液検査をすることになったのだが。3度目は、2度目の入院・手術の後。病室を訪ねてくれた怖い主治医は、とても怖い表情をしていた。これまでに見たことがない、厳しく鋭い目。しかし、虫けらには、怖い主治医に聞きたいこと、言いたいことがあったので、余りそのことを意識せず会話できた。怖「どうでした? 手術は」と聞かれる。依然として鋭い表情。虫「痛かったです。生き地獄みたいな痛さでした」怖「そんなに痛かった?」少し心配気だが、表情は硬いまま。虫「先生が執刀してくださるんじゃなかったんですか?」怖「怒られると思ってたんや」怖い主治医が表情を緩めて笑った。多分、怖い主治医の怖い表情は、私が怒るだろう事態への危惧(恐怖)からのものということで間違いないと思う。もう一度だけ、「怒られた」という言葉が怖い主治医の口から放たれたことがあるように思う。どういうシーンだったか思い出せないのだが。あ、「怒られた」という言葉ではなかったものの、もっとすごいことがあった。転移が分かったとき、一通り怖い主治医からの状況説明を聞き、「この結果をどう思うか」というえげつない質問に明後日の回答を返した後、虫けらが、虫「半年前なら、もっと少なかったか、なかったか…?」怖「それ、僕も考えたんや」虫「PETと言わんまでも、これ(造影剤CT検査)を 半年前にやっていたら…、ね」怖「すみません」「すみません」と「怒られた」は同義語のような意味合いだと思う。「怒られた」には反省は含まれないが、「すみません」には、若干の、ほんの若干の反省が含まれるということか。いずれにしても、怖い主治医が、いまの立場で「怒られる」ということは決してないだろう。そして、患者が怒る、という事態も多分ない。虫けらぐらいのような気がする。怖い主治医の患者は、そのほとんどががんの手術をした者で、しかも年寄りばかりだ。外科というのは、そういう診療科だ。待合室を眺めてみると、虫けらのような年齢の患者は滅多にいない。杖、シルバーカー、車椅子利用者が大変多い。元気のある患者がいないのだ。「先生様、お任せいたします」という姿勢であろうことは容易に想像できる。が、誤解のないように言っておきたい。虫けらは一度も怒ったことがない。しかし、怖い主治医は「怒られた」と言う。怖い主治医が虫けらをどう見ているのかは理解不能だが、医者を一喝するような、恐ろしい性格と思っているか、怖い主治医に不満を抱いている鬱陶しい患者か、はたまた、怒りんぼのやりにくい奴だと、クレーマー扱いされているかのいずれかだろう。このことは、直接弁解したり、説明したわけではないが、入院中に他のことに触れながら、誤解を解く努力をしたことがある。そのことは、後述することにして。あと3日もすれば、また怖い主治医に会う。次には、いろいろ会話しなければならないことがある。副作用とトラブルについて、所見を聞きたいのだ。できれば、虫けらが誤解されないように、慎重に言葉を選ばねばならないと思うが、怖い主治医はきっとまた変な誤解をして、虫けらを変人扱いするに違いない。これが、波長の合わない人間が絡み合ったときに起きるどうにもならない事態であり、ジレンマである。さて、またご報告ネタができるのではないかと思いつつ。今回はこれにて。 自爆
2024.09.15
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昨日、旧友と京橋(東京でも神戸でもなく大阪)に行った。立ち飲み屋、というか、屋台のような店なのに、大変有名で、「京橋」というとその店の名前が挙がるほどの人気店の前を通った。まだ夕方5時というのに、結構な客が酒とアテを楽しんでいる。店の中心で、名物店主が大きな声を出して客と話している。店主「内容証明は要りますか?」なんじゃ?穏やかでない。弁護士登場か?店の前を通り過ぎる前に、領収証についての会話であることが理解できた。つまり、適格請求書発行事業者であることがわかる領収証が必要なのか、という話だ。領収証をもらった人が、その金額を消費税対象の利益から差し引くことができるかどうか、という、割と切実な話になってくる。というわけで、インボイスの話。インボイスは、実質増税である。ということを知らない人が多い。「消費者から預かった消費税を納めるのは当たり前」と考えて疑わない人ばかり。財務省の作戦にまんまとハマった日本人の典型だ。消費税は預かり金ではない。これは、裁判での判決が確定している。簡単に解説する。簡単な解説でもすぐわかるはず。消費者は、納税義務者ではない。納税義務は事業者側にある。消費者は「10%払っている」と思っているが、これは、単なる「物価」なのだ。つまり、その商品を購入するために必要な金額、ということになる。しかし、レシートには、「消費税10%」と明記され、そもそもの価格に上乗せされている。これも、財務省の策略。そう表記するのが、事業者に義務付けされているので、事業者は消費税を別記する。しかし!事業者がどのように消費税を納めているかを見てみると、それがおかしいことに気づく。わかりやすい例として、小売業者について解説する。事業者は、まず商品販売で得た「売上」を計上。その売上に対して、商品を仕入れた「仕入額(売上原価)」を計上するのだが、仕入れにも「消費税」を支払っている。ゆえに、仕入れに支払った消費税を売上の消費税から差し引いた額が納める消費税となる。(最も簡単に言うと。会計上は複雑な計算がある)事業者は、利益の中から「人件費」「事業所税(法人税)」「設備投資」「家賃」「光熱水費」などさまざまな経費を支払っている。しかし、小売業なら、これら経費は売上原価にはならない。輸送費など適用項目はわずか。ということは、経費として最も大きな額になる(全ての事業者に当てはまるわけではない)人件費にも消費税がかかることになる。零細事業者(売上1000万円以下)は、これまで消費税の納税を免除されていた。理由は、納める額が小さいので、税務署の手間(納付書の発行等)が増えるだけ損、ということだ。ところが、昨年施行されたインボイスは、零細事業者にも適用される。増税でなくて何だろう。あれ?わかりにくい?はっきり言えるのは、「消費税は預かり金ではない」ということと、「消費者は消費税を納税していない」ということ。そして、「適格請求書発行事業者の登録」という手段を使って、適用外事業者を差別し、消費者と事業者の間の分断を生み、増税の事実を隠蔽しようとしているということだ。もちろん、これは、綿密に練られた財務省の謀略。日本国民は、もう少し賢くならなければ、政治家、官僚、マスコミにいいように踊らされている現状を変えることはできない。京橋の人気店の前を通って、改めて考える夕暮れだった。 爆死
2024.09.14
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飲食店は、「政治」「宗教」「野球」の話はしてはいけない、という掟がある。これは、きっちり守っている。しかし、同じ思想信条、政治信条のお客さんしかいない場合は、時事的に話すことはある。とはいっても、深入りはしないことにしている。深いところでは、結構対立する場合があるからだ。というわけで、ごく薄い表面的な話になるが、久々に政治ネタを。いま、自民党総裁選で地上波はかまびすしい。現時点では、「自民党総裁=首相」なので(首班指名という行程があるが、ほぼそうなる)、国民の関心が集まるのは仕方がない。ところが、地上波はどこも報じないし、一般国民はまるで知らないことがある。知らないことは、大変な問題なのだが、政治家もマスコミも、一般国民には知らせたくないのだから、情弱の国民は知らぬままに選挙に行くし(自民党総裁選ではない)、間違った政治家を選んでしまっている。「知らないこと」とは何か。それは、共産主義と自由主義の戦いであるということだ。いま世界では、先進国を中心に、左傾化が進んでいる。イタリアのメローニや、アメリカの前大統領のトランプ、オーストラリアの前首相、イギリスの前首相などは、その路線を右に引き戻す政策を打ち出している、もしくは打ち出していたが、うまく定着しない現状がある(メローにはこれから。実に力強い政策を推進中)。逆に、左傾化して、どうにもならなくなったドイツやスウェーデンなどは悲惨この上ない。この状況に大きく関わっているのが、「差別」と「移民」。そして、こうした世界情勢を後ろで操っている組織がある。その組織が共産主義なのではない。共産主義を利用して、世界統一を目論む組織なのだ。これは、マルクスが共産主義を考案したことから始まり、マルクスを金銭的に支援したのがその組織である。つまり、共産主義誕生から現在まで、200年近くにわたって世界のあちらこちらで世界統一の実現を目指して、到底地道とは言えない動きを展開し続けているのだ。その組織の代表がロスチャイルド家。その名前を知っている人はどれくらいいるだろうか。プーチン登場前のロシアも、CCPも、この組織をバックに世界覇権を目指していた。現在、アメリカがおかしくなっているのは、この組織に加え、CCPの金と人海戦術によって、もう戻れないほど侵食されてしまっているからだ。米民主党に、共産主義者が入り込んで、アメリカの国家破壊を着々と進めている。来年の大統領選挙で、トランプが大統領にならなかったら、アメリカはおしまいである。日本も、終焉がすぐそこに来ている。(自民党には、共産主義者が入り込んでいるようだ。保守主義と偽り、政権与党の立場の党を破壊している)移民政策に邁進した岸田政権のおかげで、日本には、非常に多くの移民や不法滞在者が押し寄せている。帰化要件も緩和したことで、日本人の顔をして国家破壊を目論む輩が大勢いる。しかも、スパイ防止法がないから、大変な量のスパイが国内で暗躍している。わかっていても、取り締まることが事実上不可能。CCPなどは、秘密警察を日本国内につくったり、軍人が大学に留学して、軍事転用できる技術を日本から盗んでいる。「移民」「自然エネルギー」「外国人労働者」「環境問題」「差別問題」「LGBT」など、様々な問題を抱える日本だが、これは裏では全て繋がっている。それを知らずに、一般国民は「顔がいい」「爽やか」などとバカな理由で政治家を選ぶ。自民党の上層部は、そういう情弱を狙って候補者を出してくる。現在、9人の候補者がいるらしいが、高市候補以外は、どうにもならない。そう判断する人間はほんの一握りであることを知っているのだ。そして、今回も高市候補以外の候補が総裁になる可能性が高い。嘆かわしい以上の慟哭を感じる。私はいい。あと僅かでこの世を去るのだから。しかし、若者や子供の未来がどうなるのかと考えると、心を暗くせずにはいられない。ほんの上辺だけの話ではあるが、共産主義が恐ろしいということを忘れてはならない、日本の未来をそちらに導いてはいけないということが言いたかったということで。 南無
2024.09.11
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抗がん剤治療の2回を終えて(薬剤はこれから効いてくるのだが)、副作用をあれこれ書いている。多分、副作用であろうけれど、余りほかのがんサバイバーも取り上げない細かな症状をちょっと列挙しておきたい。自分の体質のせいかもしれないし、生活の習慣や行動に起因しているものかもしれない。何れにしても、気になるので、記録として。◉顎の痛み食べ物を口に含んだとき、耳の前下、顎の付け根にひどい痛みが走る。喉が渇いているときに、梅干しを食べたときと同じ感じ。(経験のない人もいるかもしれない)とにかく痛い。2〜3秒のことだが、これまでほとんど経験していないので、大変な苦痛だ。◉胸焼け・胸のつかえ胃腸は若いときからよくないのだが、「胸焼け」は余り経験しない症状だった。胃酸過多ではないのだと思う。消化不良は常時起こしているのだが、腸に影響を与えることはあっても、胸焼けやゲップといった症状に繋がることは稀だった。しかし、抗がん剤を入れた日から5日目くらいから始まり、3日経過したが、まだ症状がある。前回は、1週間経過後に始まり、3日ほどで落ち着いたので、そろそろ緩和されるだろうか。それと、胸焼けがあるときに食べ物を飲み込むと、胸がつかえる。食道の動きが悪くなっているのか。水分を取りながら、無理やり飲み込んでいるが、ひどくなると食欲減退の原因になるように思う。いまのところ、気合いで飲み込んでいるので、食事量は確保できている。◉頭皮の過敏化鏡でチェックしても、頭皮に異常はないのだが、ブラッシングしたり、指で髪をかき分けたりしたときに、頭皮が過敏になっているのに気づく。かゆい、痛い、といった明確な感覚ではなく、あれ、こんなふうに感じることあったっけ?といった具合。皮膚障害は、生え際に出やすいと怖い主治医が言っていた。生え際には問題も感覚の過敏化もない。脱毛の気配なのか? とちょっと不安に思っている。◉指先の乾燥皮膚全般が乾燥すると言われていたが、右手の親指と人差し指の爪の上端のみ皮が硬くなっている。冬なら、水仕事をした後に割れてくる場所である。ハンドクリームは好きではないのだが、ケアしておかなければ、割れると痛い。◉体組成の劣化入院が決まってから、体重だけではなく、脂肪量や筋肉量などが計れる体組成計を購入した。抗がん剤治療が始まる前と比べ、体内の状態が劣化したことは確かだ。体内年齢が上がった。実年齢より15歳前後若かったのだが、今では10歳前後になっている。若干筋肉量が下がったのが原因か。体重そのものが2kg近く減っているので仕方ないことではあるが。筋肉量は落とさないように気をつけているのだが、暑さのせいで、ウォーキングできないのがネックだ。できるだけ早く善処したい。◉不眠不眠、というほどではないが、3時間置きくらいに目が覚める。余り体力を使っていないから、熟睡できないのだろうが、連続で眠らないと疲れが取れないように思う。抗がん剤治療前は、連続で6時間ほどは眠れていた。トイレに行って、水を飲んでから、また眠ったりしていた(トイレは、水を飲むついで)。これも、ウォーキングなどで体を使う必要があるか。早く暑さがなんとかなればいいが。もっと細かなこともあったように思うが、一過性のものは忘れてしまう。抗がん剤に関係しているかもしれないので、これからはこまめにチェックしよう。というところで。
2024.09.08
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昨年5月に手術して、虫けらの主治医となってくれた外科部長先生は、冷静沈着、物静かでクレバー、しかし、端的で冷淡な言葉と視線で虫けらを凍りつかせるとても怖い存在だ。これまで、怖い主治医との会話の中で、幾度となく「ひー、地雷を踏んだ!」「な、何が悪かったの?」「こ、こ、これはどういう意味だ!?」などと、虫けらを震え上がらせ、???を連ねざるを得ない事態が起こった。しかし、入院中に得ることができた怖い主治医との会話の機会の中で、「あ、もしかして、これが答えか?」と思うことが幾つかあった。いや、全く違うかもしれない。何しろ、怖い主治医に確認を取っていない。しかし、虫けらの視点で「これだろう」と解明したことがある。その一つ(二つ目)。虫けらが違う病院(入院施設のない病院)からいまの病院に紹介状を持って訪れた当日、外来からすぐさま病棟に回されて、緊急手術となった。そのときは、虫けらは内科の患者。怖い主治医が病室まで訪ねてくれて、怖「外科の○○です」と名乗った。なぜ外科の先生が?という疑問の顔をしていた虫けらに、緊急手術の後、一旦退院、再度入院して外科手術を受けるスケジュールになっていると説明してくれた。そのとき、虫けらは余り意味なく、虫「先生が執刀してくださるんですか?」と聞いた。怖「別に僕が執刀せんでもいいんやけどね」ガビーンである。地雷を踏んだと思った。何か気に触ることを言ったか?言い方が悪かったか?それとも、一瞬にして嫌われたか?幾つもの疑問で頭がいっぱいになった。その後の会話は余り覚えていない。ショック過ぎた。『自分は執刀したくないが、執刀することになるだろう』『自分が執刀しなくても、誰かがするだろう』『執刀医が誰かは、お前には関係ない』何かわからないが、とても嫌われたか、虫けらには理解できない地雷があるのだと思った。ときは流れて、先月の入院時。怖い主治医が虫けらの病室を訪ねてくれて、雑談から、これからの怖い主治医の人生を一緒に考えていた(大げさな)。本来なら、外科部長がいまだに先頭切って、オペをしているというのは、少し異常である。若手が主軸になり、部長はアドバイスや監視の立場でオペ室にいるというのが一般的ではないだろうか。しかし、虫けらが2度の手術で出会った医師たちは、(怖い主治医を除いて)独り立ちできるような技量や経験を持っているとは思えなかった。もちろん、何チームもあるオペ体制のうち、2パターンしか見ていないのだから、それも根拠は薄弱だが。虫「やはり、先生に執刀をしてもらいたい患者さんは 多いでしょう?」怖「別に僕が執刀せんでもいいんやけどね」最初に怖い主治医と会ったときと、全く同じ言葉だった。虫「●●先生(2度目の手術の執刀医)に 今度執刀してもらうとなったら、 私は逃げるかもしれません」怖「あいつは、今年入ったばかりやねんけどね」虫「そうなんですか。まだお若い感じですよね」怖「いや、経験はあるんやけどね…。 前にいた──、●●と入れ替わりでやめたやつも あ、一人前にできるようになってきたなと思ったら、やめると…」虫「そういうジレンマはつきまといますね。 できる人はステップアップしたいですから」怖「そういうことやね」虫「なかなか、若手に任せられないということですね」こういう会話をした。虫けらも長年経営者をやっていたので、若手が育たない、見込みのある者は短期でやめてしまうというジレンマをいやというほど経験してきた。ま、それは怖い主治医には告げなかったが。つまり、虫けらがどうこうということではなく、怖い主治医は、「早く、若手に任せたい」という思いを常に抱いていたのではないかと思う。それが、たまたま虫けらとの会話の中で出てしまったと。(言わせてしまうような要素が虫けらにあったのかも…)都合のいい解釈かもしれない。このときの会話を自分への免罪符にしようと思っているわけではないが、怖い主治医の言葉からは、虫けらがそう思うに足る苦悩や思いが読み取れた。しかし!そういう前提を知る由もない、出会ったばかりの虫けらに、あの言葉を返すのは酷ではないだろうか。1年以上、悩みに悩んだ。胃の痛い思いをした。怖い主治医との接し方に気を使った。まぁ、これが真実なら、こんなに楽なことはない。と、思うことにしよう。診察室では、雑談などしたことがなかった。抗がん剤治療専門の看護師がいてくれたときだけは、治療に関係しない、つまらぬ話ができたが、怖い主治医と二人きりになれば、いつもと変わりなく、冷え冷え〜の空気が流れ、無駄な言葉や意味のない雑談は一切排除される。入院中の病室に来てくれなかったら、決して交わすことの言葉の数々、そして、決して理解できなかった怖い主治医の思いや病院が抱える現実を垣間見ることができた。そんなこんなで、謎の言葉の答え合わせ、二つできた。まだある。おいおい。
2024.09.07
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2回目の抗がん剤治療が終わり、2日が過ぎた(昨日)。やっぱり来た。2日前の抗がん剤抜去後すぐに来たゲリリンは、ひどくならずに済んだ。前回、抜去後2日後に急にゲリリンが来て、熱発もあった。脱水症状を回避するために、できるだけ水分を取りたいのだが、一気に飲むと一気にお出ましになるので、ゼリー飲料などでだましだまし体に入れる。熱は6時間ほどで37.9→37.2℃になったが、ゲリリンは3日間続いた。1日の回数は15回ペース。3日目に、自然に回復するのは難しいと考え、「ビオフェルミン」を服用(有効薬剤ということは確認済み)。投与されている抗がん剤でゲリリンになることは少ないと、怖い主治医が言っていた。便秘になる方が多いと事前に調べていたので、ゲリリン当初は、自分の体質によるものだと思っていた。しかし、これほど続いては、脱水症状から腎障害を起こす危険がある。ビオフェルミンで5回ほどに減ったので、とりあえずよしとする。ゲリリンが落ち着くまでに6日間かかった。この間、微熱が続いた。今回は、抗がん剤抜去直後にやってきたのだが、これは一過性のものだったようで、夜には治った。が、2日経って、やはり本格的なゲリリンが。あらかじめ、ビオフェルミンを服用していたので、15回ということはなかったのだが、微熱と食欲不振は出てしまった。一昨日と昨日は予約が入っていたので、仕事に行かねば。一昨日の仕事の後、少し疲労感があったし、食欲がなかったので、適当に食事を済ませた。昨日は、営業後の疲労がさらにひどかったのだが、これは「疲れた」のではなく、脱水と低血糖が重なったのだと思う。一昨日の食事をぞんざいにしたのもいけなかった。昨日の昼は、一応食べるには食べたのだが(糖質はほとんど取らず)、夜は水さえも飲みたくないと思った。しかし、脱水が怖かったので、水分とゼリー飲料を口にしただけで眠った。朝、意外としんどくなかった。夜中に2度水分補給をしたのが効いたのか。朝はいつもプロテインとお茶だけなのだが、空腹感があったので、お昼を早めにと思って、具沢山の味噌汁をつくった。熱い味噌汁で体が温まったら、より食欲が出てきた。そうめんを茹で、煮麺にして食べた。それでも血糖値が上がらなかったのか、いつもは食べない甘いものを欲した。こういうときのために買ってあるチョコレートとソフトクッキーを食べる。落ち着いた。微熱は出ているものの、1度目のときほどではないので、いつもの生活に戻る。体重は2kg近く落ちた。47kgを切りそうなので、気をつけなければならない。体重が落ちると体力が落ちるのはもちろん、免疫力が落ちてしまう。いま、白血球の数値が大変下がっているので、感染症が心配だ。次の抗がん剤治療ができるかどうか、ギリギリラインじゃないかと思う。それにしても残暑が厳しい。ウォーキングを休んで久しい。できるだけ買い物や通院時は歩くようにしているが、都会は歩かなくてもいい距離感になんでも揃っている。通常の生活だと、4000歩がせいぜい。できたら6000歩ほどは歩きたい。でも、この暑さでは。。今後は、ゲリリン対策をきちんと聞いておこう。あ、次の診察は、怖い主治医じゃないかもしれない。祝日の関係で、点滴開始日がずれた。その日の外来は執刀医だ。怖い主治医は手術日になっているはず。執刀医とは、余りコミュニケーションしたくないなぁ。それから、危惧していた「脱毛」だが、「バッサリ」ということはいまのところないのだが、洗髪時の脱毛量が倍くらいになった。「まだら」「部分はげ」は嫌だなぁ。いよいよウイッグ購入の検討をせねば。店舗の対応や品質、「頭小さい問題」を解決できるウイッグとなると、10万円くらいは覚悟しないといけない。憂鬱。そんなこんなの週末。来週は、体調を見るだけの1週間なので、友人と会う約束をしたり、営業の予約を受けたりと、これまでと同じ生活。……できるのか?ま、何かあったら対症療法でやるしかない。緊急の状態で、病院に駆け込むということだけは避けたいと、切に願う。
2024.09.07
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きょう11:55終了予定の抗がん剤が、ほぼ定刻に終了(数時間前から繰り返し確認。終了時間に誤差が出る。終わったらすぐに病院に来るようにとの指示)。病院に出向いて抜去してもらわないといけないが、宅配便待ちで家を出られない。午前中配送を希望していたが、ギリギリになってもまだ来ない。いつもこんな感じだなぁ。間が悪い女、タイミングの悪い女の日常である。11:58、ギリギリに到着。すぐさま衣服を整えて家を出る。病院に到着し、スムーズに外来治療室へ。今後は自分で抜去することを希望しているので、看護師さんの説明を受けながら抜去。看護師さんから、「ここ、痛くないですか?」と問われる。そこは、ポートの上部。レーザーメスで切開した場所。手術以来、ずっとテープが貼られていた。2日前、抗がん剤を入れるときに剥がしたが、3週間ほど貼りっぱなしになっていた。看「ここ、先生に診てもらってます?」虫「いえ、誰も診てくださっていません」看「汗をかいたりして…ちょっと膿んでるかも。先生に診てもらいますね」虫「きょうの外来は●●先生(執刀医)ですよね」看「そうですね。○○先生(怖い主治医)に診てもらえたらいいんですけど」と、患部の異常に気づいてくれて、外来に電話をかけてくれた。看「残念ながら、●●先生に診てもらうことになります。 ○○先生は、手術室に入ってしまったって」虫「えーっ。そうなんですか⤵️」虫けら、激しく落ち込む。執刀医には、信頼感も好感も抱いていない。嫌な記憶が蘇る。が、仕方ない。外来で診察待ち。結構緊急性のある話(通常の予約ではなく、外来治療から回されたので、割り込みで対処するのが普通だろう)なのに、随分待たされた。30分近く待って診察室へ。手術以来の執刀医との対面。『あれ、こんな人だったっけ?』と思った。よほど記憶から消し去りたかったのだろう。記憶と若干違う人がそこにいた。執「どんな感じですか?」虫けら、胸をはだけて患部を見せる。執「あ、ちょっと潰瘍みたいになってるね」えーっ、潰瘍? ひどいじゃん。執「使用頻度は?」虫「え?」執「このポート」虫「初回です」何を聞かれているのかわからなかった。机の上のモニターには、虫けらのカルテが表示されている。自分が執刀した日は確認しているだろう。執刀した翌日からポートの使用が始まることは、手術室で看護師と話していたからわかっているはず。退院して初回のポート使用。日数からすぐに割り出せる。そういうこともわかっていなかったのか?虫けらが入室する前に、あらかたのことは確認していないのか?執「軟膏で対処しましょか。持ってます? ゲンタシン」虫「いえ」執「出しときます。毎日塗ってください」潰瘍がそんなもので治るのか?しかも、持ってますか? って。普通、そんなもの(抗生物質製剤)持ってないだろう。虫けらの不信な顔に気づいたのか、事務的に言ったのかはわからないが、執「切開するほどのことはないな」と言った。不安だー。これでいいのか?同じ言葉でも、怖い主治医が言ったならひと安心しただろう。信頼関係のない医師の言う言葉がこれほど猜疑心を掻き立てるものだとは。この状況に、虫けらの過失が加わっているとは思えない。執刀医が悪いとも言えないが、なぜこうなってしまったのかは分析して伝えてほしい。怖い主治医に対してなら、虫「どうしてこんな状態になったんですか?」と必ず聞いていると思う。しかし、この執刀医からは、有効な回答が得られるとは到底思えなかった。何も言わずに診察室を出た。予想外のトラブルだ。副作用以外のトラブルは心を重たくする。悪くすると、切開手術をしての治療になるということ。自宅に帰って、ゆっくりしようと思ったら、ん? 急に来た!傷口のストレスなのか、ゲリリンの模様。これが続き、熱発したら、また1回目と同じ流れ。今度は電話しよう。それと、変な空咳が出ることがある。エアコンのせいで喉が乾燥しているのだと思っていたが、「間質性肺炎」という副作用もある。状態を注視しておかないと。熱は、おとといの微熱以来、平熱だから安心していた。副作用が前回より強く出ているので(指先の痺れ、冷たいものへの過剰反応、新たな皮膚障害)ちょっと気をつけておかないと、大ごとになるかもしれない。あすは営業。手袋を用意して、気をつけながら作業しよう。味覚も戻っていないので、繊細な味付けの料理は無理だ。どんなメニューを用意しよう。これまでにない気の使い方、体の使い方を余儀なくされる。これが、抗がん剤治療というものだ。
2024.09.04
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きのう、2回目の抗がん剤治療があった。1回目のときとの違いを含めて、現状を列挙しようと思う。看護師さんにはやんわり止められたのだが、病院での点滴(4時間ほど)を終えて、46時間点滴を右脇に吊るしたまま寿司を食べに行った。生ものは、免疫力が弱っているときには禁忌だが、YouTubeで佐藤先生(がん情報チャンネル)が、「新鮮なものは大丈夫です」とおっしゃっていたので、勝手にOKにした。自分で買ってきた魚の柵を切って刺身にするとか、1日置いた刺身を食べるなどという暴挙はしないが、回転寿司屋の握りたての寿司なら問題ない、と思う。もちろんネタは選ぶ。売れ筋のネタ、人気のネタ、回転の早いネタにする。本鮪の赤身、ハマチのはらみ、ヤリイカ、つぶ貝、カニみそを食べた。味覚は2割くらい減退しているのだが、皆おいしかった。香りや食感が、味を補完しているように思う。自分で料理をつくると、いつものレシピにしていても味は若干薄く感じる。その時は、黒胡椒、大葉、ネギなどの香りの要素を加えると、いつもの味まで引き上げてくれる。脳内補正をしているようだ。味覚の減退は、1回目の治療からずっと続いていて、回復はしていない。治療を続ける限り、回復しないのだとしたら、ちょっとつらい。もう一つ、ただ事でないのが冷たさへの過剰反応だ。ビール瓶を持つと、指先がピリピリする。5℃以下に冷えているものは、この現象が出る。1回目の治療のときは、点滴2日目に感じた。とは言っても、病院に冷たいものはないので、1日目の症状は不明で、2日目にたまたま自販機でジュースを買ったときに気づいた。今回は、点滴直後にこの有様。ビールを飲むと、唇と口蓋垂の周辺に違和感がある。唇は、ピリピリからビリビリ、ブリブリに変化する。つまり、「ゴク」ならピリピリで済むのだが、「ゴクゴク」とやると「ピリピリ、ビリビリ」になり、「ゴクゴクゴク」なら「ピリピリ、ビリビリ、ブリブリ」になる。痺れの振幅がどんどん大きくなる感じと言えばいいか。口蓋垂あたりの違和感は、詰まる感じだ。飲み込みにくい。しかし、ゴク、でとめれば苦痛は小さい。だがしかし! ビールはゴクゴクゴクとやらねば。痺れを我慢しながら飲んだ。翌日、水を使ったら、痺れた。1回目の治療のときは、徹頭徹尾水を使っても何ともなかった。やはり、2回目になって、副作用が強く出てきているのかもしれない。様子を見て、もっと強くなるようなら、手袋を使ってみる。我慢できるとは思うのだが、どう違うか試してみる必要がある。皮膚障害は出ていない。1回目のときは、点滴終了から3日くらい経って、顎に小さなニキビのようなものができたが、ステロイド軟膏を塗ったら治った。胸にもうっすら赤みが出たが、ステロイド軟膏で緩和した。繰り返し出るが、軟膏でその都度。2回目の皮膚障害はまだ出ていない。1回目のとき、丸一日便秘した。その後少しずつ出して、翌日に解消。しかしすぐに水様便になった。その後ひどい下痢。3日続いたのでビオフェルミンで何とか抑えた。15回→5回といった具合だが、放置しても、いつか解消するだろうとは思ったが、脱水症状や腎障害が怖いので、不本意ながら薬を使った。外来治療専門の看護師さんからは、「電話しなさい」と怒られた。「主治医の先生が直接対応してくれます」……怖すぎる。そう言えば、怖い主治医が怖「ビオフェルミンだけで、治りましたか?」虫「まぁ、完全に、ではないですが、回数が減ったし、 抗がん剤が原因というより、いつもの不調かも、と 思っていましたから」怖「下痢は、治療を要する場合があります。 そのときには、入院をしてもらって、点滴治療などの 対処をします」と言っていた。虫けらは、「下痢ごときで」とどこかで思っていた。だって、週の半分以上は、というくらいゲリリン体質だから、いつものこと、である程度は済ませられる。今回も、4日目にビオフェルミンが効かなかったら、病院への連絡もやむなし、と思っていた。抗がん剤による下痢には、特殊な薬剤が使用されると知っていたからだ。しかも、熱発もあった。38℃以上は連絡せよ、と指示書に書かれていたが、かろうじて37.9℃だったし、様子を見ようとなったが、38℃になっていたら、連絡しただろう。(看護師さんには「誤差の範囲です。電話しなさい」と怒られた)2回目もそんなことになったら、連絡しよう。入院するのもいい。ゲリリンが続くと、買い物に行くのが難儀で、大したものが食べられない。ゼリー飲料やトマトジュースなどの飲み物中心の食生活になる。栄養が取れない。病院なら、食事が出る。上げ膳据え膳の贅沢ができるのが何より魅力だ。きのうは、出し足りない感じがしていた。「また便秘か?」とちょっと嫌な感じがしたが、きょう昼過ぎ、見事な形のものがお目見えしていたく感動した。細かなことはあるが、体調はとてもいい。だるさや倦怠感で起きられないという人もいるらしいが、いつもどおり筋トレをして、いつもどおり食事した。買い物に出かけるくらいは何の問題もない。脇に抗がん剤を吊るしているのを隠すのがちょっと面倒だが。あす、抗がん剤を外したら、また営業再開だが、指先のピリピリの対処が必要になりそうだ。という状態。脱毛や、本格的な皮膚障害の不安はあるが、いま考えても仕方ない。対症療法しかあるまい。ウイッグのサイズが見つからない問題は、もっといろいろ調べて解消しておかないと。いまのところ、こんな状態。新たな問題発生時は、改めて追記するとする。
2024.09.03
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8月半ばの入院時に怖い主治医と会話?面談?する機会が3回もあって、そのときに疑問に思ったことや、逆に、「これが答えなのか?」とちょっと感動することもあったので、少しずつ書き記していきたいと思う。あ、その前に、きょうの怖い主治医の診察の模様。入室を促すアナウンスで、いつもとは全然違う診察室に誘導され、入った診察室は、いつもと違う殺風景さ。診察台(ベッド)がないせいだろうか、診察室奥の棚がシンプルなせいだろうか、いつもの診察室より狭いせいだろうか、その理由はよくわからないのだが、殺風景さのおかげで、怖い主治医も少しショボく(すみません💦)見えた。入院中に見せてくれた笑顔や話しやすい雰囲気は一切なりを潜め、いつもどおりの怖い主治医に戻っていたし、虫けらも、いつもどおりのよそよそしい変人に戻っていた。ただ一つ、違っていたのは、怖い主治医の顔をまっすぐ見られるようになっていることだ。これまでは、怖い主治医をチラ見しかできないコミュ障気味のヤバ目のおばはんだったのに、きょうは、しっかり質問し、それに答えてくれる怖い主治医の言葉にしっかり反応し、怖い主治医の目を見て会話できる、厚かましいおばはんに変化(へんげ)していた。よいのか悪いのか。後悔が一つ。入院中に物理的、精神的に面倒をかけてしまったことを詫びる…というより、礼を言いたかったのだが、医事課の女性が怖い主治医の後ろに立って、じっと虫けらを見ていたので、言いそびれてしまった、というよりそれが障害になって言えなかった。もう金輪際、礼を言うことができないのではないかと、少し落ち込んだ。こういう後悔は、たびたびしているが、今回はこれまでにないくらい気に病むレベルのような気がする。仕方ない。では、答え合わせ。入院当日、手術を終えて病室に戻った虫けらを怖い主治医が訪ねてくれた。その際の会話の中で、血液検査の話をされた。虫けらは、血液検査があることを知らず、入院までの自らの素行の悪さを脳裏に巡らせながら、相当数値が悪かっただろうと観念した。そのときのやりとり。怖「熱ある?」 虫「CRPが上がってました?」 怖「お酒、たくさん飲んだ?」 虫「はい。大変たくさん。 そのために入院を先延ばししたようなものですから」 怖「そんな感じはしてたんやけどな。 ほんの少し高いだけやねん。何もない正常なときと、 ちょっと高いときがあったやろ、 ちょっと高いときぐらいやねんけどね」虫けらは、CRPも相当上がっていただろうし、肝臓関係(他の消化器を含む)の数値も高かったと予想した。しかし、怖い主治医は「ほんの少し高いだけやねん」という言葉を選んでくれた。そんなはずはないと、思っていいた。きょう、診察室の机の上にはいつものように血液検査の結果票が置かれていた。見ると、きょうの検査結果の前(測定した時系列に数値が並んでいる)の欄が「手術室持込」となっている。例(手術時採血)の数値である。見て行くと、肝臓の数値は大したことないが、いつもより少し高い。肝臓を含めた消化器の数値は最近になく高い。肝臓以外の臓器に何かあるのだろう。そして、「CRP」──めっちゃ高い。さすがに、去年の手術前後の数値よりはるかに低いが、術後1年間で最も高い数値だった。虫「やっぱり高い」怖「え?」怖い主治医が虫けらの視線の先を見る。虫「CRP、上がってましたか? と言いましたが…」怖「(笑う)」会話を覚えていてくれた模様である。よかった。あれは、夢かと思うことがあったのだが、夢ではないようだ。いや、そんな話はいい。こんな高い数値が出ていたのに、怖い主治医のやさしい言葉。あそこで「高かった」と言われても、どうしようもないし、それを虫けらが気にする質であることを怖い主治医が理解してくれていたのだと思う。事実を言ったところで、入院・治療によい影響は与えない。血液検査の結果によって、治療内容が変わるというのなら、きっと厳しい言葉で事実を伝えられたと思うが、やることに変わりない、というのであれば、言わなくてもいいことなのだ。怖い主治医の言葉はとても冷淡なのだけれど、その言葉のベースにあるのは、患者への気遣いと、患者の性質への理解なのだと思う。と、怖い主治医のことをこんなに理解できるよい患者になれた。きょうのところは、これでよし。まだまだ答え合わせになる会話があるので、おいおい記していこう。病院のベッドで点滴を受けながらこれを書いているが、まだ1時間以上ある。もう一編書こうか、YouTubeを見て過ごそうか迷っている。とりあえずお腹がすいた。これが終わったら、寿司を食べに行こう。もちろんビール付きで。 楽 天
2024.09.02
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最近、カーペットを洗うだけのYouTubeチャンネルをよく見る。「MR.CARPET」という原題がついているが、チャンネル名は違うようだ。ASMRで、解説もテロップも何もない。ひたすらカーペットを洗っている。登場人物の顔や、カーペットの模様からして、中東のどこかの国のようだ。概要欄に記載してあるのかもしれないが、別に詳しいことを知りたくもないので、見ていない。おすすめに、こんなサムネが上がっていたら、「なんじゃこりゃ?」になる。まさかカーペットを洗っているとは思わなかった。日本は靴を脱ぐ文化なので、カーペットがこんなに泥で汚れていることはまずない。どこに、どんなふうに敷いたら、こんな茶色の液体が出るほど汚れるのだろうか。とにかく汚い。何年洗ってなかったのかと、驚くばかりである。洗った後は、新品のような綺麗さを取り戻す。見えなかった模様が見え、滑かな生地の風合いが画面越しでもわかる。が、私は綺麗になったカーペットや綺麗にする過程を見て楽しんでいるわけではない。「日本人なら、どんな道具を作るだろう」「日本人なら、どんな手法を編み出すだろう」という視点で見ている。ミスターカーペットは基本、水洗いだ。ペルシャ絨毯も登場するのだが、水洗いだ。水洗いできるのか?シルクのはずだが。けれど、ひたすら水洗いだ。水洗いできるのだったら、家でも洗えるのではないか?場所が必要か。大抵12平米くらいの大きさのカーペットだ。日本間にして8畳くらい。汚れからして、玄関に敷いているのではないだろうか。広い玄関だ。洗浄場は、地べたから50cmくらい底上げされている。にもかかわらず、傾斜がついていない。水洗いで出てきた汚水が洗浄場に溜まり、これを水で洗い流すために、カーペットを洗う以上の水を使っている。なんて非効率な。日本人なら、必ず床に傾斜をつけて、水が自然と流れるようにするだろう。しかも、カーペットに合わせた枠をつくり、汚水が外に流れ出るのを極力抑えるだろう。いや、洗うときは溜め水を使うのがセオリーだと思う。ここまで汚いと、何度水を交換せねばならぬかわからないが、基本、溜め水の中で洗い、水を切り、再び洗い、を繰り返すのだと思う。床にびやっと広げたカーペットにひたすら水をかけるというやり方を日本人の職人がするとは思えない。水にも工夫を加えるはずだ。一度に汚れを落とし、分解する洗剤を開発するかもしれない。水ではなく、薬剤そのもので洗うかもしれない。使っている機械もやたら大きくて重そうで、しかも、こなしている作業は大したことはない。日本人なら、もっとコンパクトで扱いやすく、高機能・高性能な機械を開発するだろう。放水ホースも、水量が多いのに、大した仕事をしない。高圧ノズルを使い、散水パターンを変えて、水量を抑えると同時に、もっと仕事ができるようにするだろう。いずれにしても、こんな単純な方法を取るように思えない、などと考えながら見ている。一編、30分以上あるのだが、なぜか見てしまう。見終わって、あらら、である。ストレス解消になっているのだろうか。洗い終わったカーペットを見て「あー、綺麗になったなー。気持ちいいー」と思える人は、ストレス解消になっただろう。私の場合は……、これが消化器を傷める性格というものだろう。さて、あすは2度目の抗がん剤治療。血液検査がある。もちろん酒は抜いている。体調は悪くないのだが、ちょっと微熱がある。怖い主治医に怖気づいているのか?抗がん剤治療が嫌なのか?副作用が怖いのか?すべて。そろそろ、髪がバサッと抜けるころか。家で抜けるのはいいとして、外で抜けるのは嫌だ。あすは、6時間ほど病院にいる計算だから、点滴を受けながら、なんてことになったら…。帽子を被って行こう。病院に行くのは、いつも憂鬱だ。
2024.09.01
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