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2023.08.01
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カテゴリ: I experienced


​2ヵ月前、消化器の手術をした。

手術前、手術を甘く見ていた。

腹腔鏡手術で身体への負担が少ないということや、
取りあえず取ってしまわないことには
どうにもならない状態だったので、
手術はマストだったということがあった。

さらに、まだ若いし(?)、
体力も筋力も年齢以上だと裏付けのない自信があったし、

術後1日で歩行可能、数日で食事も可能になるという説明に、
安心していたということもある。

何より、手術の経験がないということが一番だった。

手術の大変さを知らなかった。





​※手術直前。点滴の針を刺すのに2度失敗からの3度目の正直。幸先悪い。​


予想外だったのが、
手術時間の長さ。
事前には、5〜6時間と聞いていた。
そんなにかかるのかとげんなりしたが、
術後に得た看護師さんの証言では、
手術室に入ってから集中治療室に移動するまで
8時間近くかかった。
開腹手術の方が短時間でできたのだろうが、
執刀医初め、手術スタッフのご苦労のおかげで
小さな傷跡で済んだ。
しかし、手術時間が長いということは
それだけ身体に負担をかけたということ。
麻酔時間も、呼吸器装着の時間も、
腹の中をグリグリされていた時間も長かったということだ。

目覚めたときの喉の痛さは驚くべきものだった。
喉の違和感から咳が出るのだが、
咳をすると喉が痛むとともに
腹の縫合部分に激痛が走って身悶えする。
「ふえ、ふえ」
というような咳を幾度となくし、
そのたびに
「いてててて」
と唸る。

腹腔鏡手術とはいえ、
切除した内臓を取り出す口をメスで切開している。
その部分が激しく痛む。
腹筋を切っているわけだから、腹に少しでも力を入れると
声が出そうなほどの激痛だ。

また、体内に溜まった体液や血液を排出するための
ドレンも骨盤の内側、足の付け根に刺さっている。
これを動かすと違和感というか、痛みというか、
何とも言えぬ不快感が走る。

へそとその上部左右2箇所の3箇所には穴が開いているが、
寝ているとさほどの痛みはない。
が、触れると痛い。

肩の激痛にはまったく閉口した。
「なぜ?」
と看護師に問うも
「そうおっしゃる患者さん多いですね」
と意味の分からぬ回答。
後に調べてわかったのだが(医師も看護師も知らなかった)、
手術をしやすくするため、腹の中に炭酸ガスを注入するのだが、
それが横隔膜を刺激し、横隔膜と繋がる神経が肩を通っているので、
肩が痛むらしい。左右どちらにも症状が出る。
その痛みたるや、肩凝りのそれとは全く違う、
打撲か骨折か、といった激痛だ。
体のあちこちがチューブ(カテーテルやドレン)で
繋がれているので、寝返りはそもそも打てないのだが、
少し腕を動かすだけでも痛い。
何もせずとも痛い。
そろりと姿勢を変えようとしても痛い。
原因が分からぬだけに、地獄のような時間だった。

さらに、下痢がひどかった。
目が覚めたと同時に
ドバドバ出た。
気持ち悪い。
術前の下剤等では出切らなかったものどもが
出てきているものと思われる。
腸が開通しているといううれしい状況なのだが、
うれしさなど微塵も感じない。
とにかく気持ち悪かった。

集中治療室に入ったのが夕方17:30ごろ。
一般病棟に移るよう指示されたのが翌朝10:00。
17時間弱で歩かされた。
術後に着せられた病院着が大きくて、裾を踏みそうになる。
尿バック、硬膜外麻酔の入った袋、点滴を吊るした
盛りだくさんの点滴スタンドを押すというか、頼りながらというか、
歩いて一般病室に向かう。
ほんの20mほどの距離が倍にも3倍にも感じる。
腹の周辺は麻酔が効いているので、
自分のものではない感覚。
体がまっすぐにならない。
足元がファッファッする。

ようやくベッドに腰掛けたら、
「レントゲンに行ってもらいますね」
と、看護師が受診に必要な診察券を取りにナースセンターへ。
その隙に理学療法士が来る。
「リハビリの時間はいつにしましょう」
リハビリ!? たったいま、ここに戻ったところなのに?
「すみません、今、リハビリ以前の状態です。
夕方でもいいですか?」
無理やり了承させ、帰ってもらう。

「着替えはどうします?」
病院着は早く着替えたいが、下痢が続いていて、
オムツが外せない。
手術の翌日は20回以上トイレに行った。
手持ちのパジャマに着替えると、オムツが目立つ。
恥ずかしい。
「明日でいいですか?」
それまでに下痢を何とかしなければ。

そんな状態がよほどストレスだったのか、
物理的に身体に負担がかかったのか、
白髪がどっと増えた。
顔色が激しく悪くなった。
皮膚の水分量も油分量もどこかに取られたように
カサカサになった。
髪も唇もガサガサ。

手術前の私ではなくなった。

「女性」ではなく「人間」「肉の塊」になった。
鏡を見るたびに、「誰?」と思う。
いつ戻るのか不安に思った。

かくして2ヶ月。
まだ戻らない。
これまで買ったことのなかった化粧品を買い、
シャンプーを買い、
サプリを飲む。

手術前と比べると、20歳くらい年取った。

鏡を見ると絶望的になる。

手術前は実年齢より10歳未満は若く見えたと思う。
連れ合いがいつも言ってくれていた。
「肌だけはきれいから、若く見える」
と。
唯一の若見え要素の肌がボロボロになり、
見る影もない。

これがあるから、本格的に仕事に戻れない。
もう少しましになってから…と思ってしまう。

手術を甘く見てはいけない。

私の年齢でこれだから、
高齢者の手術は本当に慎重に考えないと、
取り返しのつかないダメージを与えることになる。

女性を捨てられたら楽なのかもしれない。
が、まだ多少の未練があるのだろう。
化粧品やサプリに頼ってあがき倒している。

死ぬときはこんな状態になりたくないので、
もう手術は受けない。

手術を受けないことで汚くなるなら、
その方が楽だ。

そんなことを考えては落ち込む日々である。





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Last updated  2023.08.03 22:51:52
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