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2023.08.31
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カテゴリ: I whisper


​​​​饅頭ではない。

主治医が怖い。

主治医自身が悪いわけではない。
単に私との相性(波長)が合わないだけなのだ。


【出会いのこわい】

3ヵ月前の入院時。
外来から病棟に回されて、即入院となった。
ナースセンターの前で最初の主治医(女性内科医)と立ち話。
主「きょうの夕方、ステントを入れる手術をします。
そのあと、一週間ほど入院していただいて様子を見ます」
私「一週間ですか。パジャマ、要りますよね。すぐに手術になるなら、病院着を借りようと思ってましたが」
主「きょうとあすは病院着を着ていただきますが、その後はお手持ちのパジャマで過ごせますよ」
私「じゃ、取りに帰ります」
主「ご家族に持ってきていただくことは?」
私「一人暮らしです。家、歩いて5分ほどです」
主「そう。じゃ、16時くらいまでに戻ってくださいね」

というわけで、家に帰った。
買い物(飲み物)したかったし、ちょうどよかった。
が、この間に後の主治医(男性外科医。こわい人)がベッドまで訪ねて来てくれていた。
全く知らされなかった。
このことは、随分後にこわい主治医から聞かされて、謝り倒した。

16時前に病院に戻り、私服のままベッドに腰掛けてぼおっとしていたら、
全身白衣のこわい主治医が訪ねてきた。
目がチカチカした。
白以外が目の付近だけ。
髪も大分白いので、目だけを見て話すことになる。
眼光が鋭いことに威圧感を覚えた。

緊張してベッドに上がり、正座をした。
主治医はベッド横の椅子に腰掛けた。

「外科の◯◯です」
外科? ステントを入れるのは、女性主治医と聞いていた。
何で外科の先生が?
???の顔をしていたら、
「ステントを入れたら一旦退院、その後再度外科に入院していただいて、手術をします」
「あ、先生が執刀してくださるんですか?」
外科の意味がわかったので、全く軽い気持ちで言葉を返した。
「別にボクが執刀せんでもいいんやけどね」
!?!?!?!?
私、なんか嫌なこと言いました?
言い方悪かったですか?
何で機嫌を損ねられたんですか?

こわいー。


【土曜日のこわい】

入院中、朝10時くらいになると、若手医師の回診がある。
私の場合、穴を開けた腹部のチェックを3人くらいの男性医師(手術をしてくれた医師たち)がしてくれる。
こわい主治医は来ない。
執刀と外来があるので、病棟に来るのはそれ以外の夕方だと思われた。
夕方には何度か姿を見かけたことがある。
ほとんどの用件は、私も受けたような手術の説明だろう。

土曜日の朝。
ベッドに寝転んで、ぼおーっとスマホでYouTubeを観ていた。
看護師さんが入ってきて、
「先生の回診です」
と告げられる。いつもの若手医師だと思って、
イヤホンをつけたまま、腹部を診てもらいやすいように体勢を変えようとした。
カーテンを開けて入ってきたのはこわい主治医。
「え? え? え?」
焦った。
「土曜日なのに、先生が回診されるんですか?」
こわい主治医は私を一瞥した。答えはない。

こわいー。

すっと、こわい主治医の脇から大きな体の若い医師が入ってきて、
「見せてくださいね」
と私の腹を見ようとした。
私は慌ててパジャマをたくし上げる。
若「痛みはありませんか?」
私「右下が痛いです」
主「こんなもんでしょ」
と傷口を指先ですうっとなぞり、
反対側のドレンの入り口もちらっと診た後、すぐに洗面所に行って手を洗う。
汚いか!
いや、当たり前のことだけれど、汚物と言われたような気分になるのは仕方ない。
こわい主治医は消えた。
若「きょうは、ドレンと麻酔を抜きますよ」
その後は看護師と若い医師が作業をしてくれた。

いまなら、ドレンと麻酔を抜いていい状態なのかを
こわい主治医がわざわざ診にきてくれたのだとわかる。
そのために土曜出勤したかどうかはわからないが、
主治医としての判断をしに来てくれたのだと思う。

なぜわかったかと言うと、
ドレン(手術後に体から出る体液や血液を外に出すための管)を抜いた後、
もう一度回診に来てくれた(月曜日)。
こわい主治医の回診はその2回だけ。
ドレンの穴が塞がらなければ、縫う手術が必要になる。
その日は調子がよくて、
ドレン穴から何も出ていなかった。
前日まで、黄色い液体がガーゼを汚していたが、
こわい主治医がカーゼを取って状態を確認し、
主「もうテープでいいよ」
と行って、回診は終わった。

判断が必要な回診のときは、こわい主治医が来てくれるということなのだ。

しかしこのときは、土曜日の朝の気の緩みの後の緊張と驚きで、???のままこわい主治医の回診が終わってしまった。


こわい主治医の顔を見るたびに緊張する。
要らぬことは言わぬようにと口を閉じる。


【外来のこわい】

こわい主治医は、私が言うことをほぼほぼ否定する。

主「肝臓の数値が急に悪いね。薬飲んでる?」
私「薬は飲んでませんが、サプリを多少」
主「サプリも肝臓に負担かけるからね」
私「肝臓にいいはずのハイチオールCとか、ビタミンDとか…」
主「それは多分大丈夫やけど、副剤としてビタミンAとかEが入ってたら、肝臓に影響あるよ」
ビタミンAとかEの話はしとらん。
そう言うんだったら、肝臓に影響を与える成分を教えてくれて、「飲んでるサプリを確かめて」、くらい言ってくれたらいいじゃん。
そんなこと言ったら、睨まれて「ふん」と言われるのだろうな。

標準治療を拒否したとき。
私「予防的治療はやりたくありません」
主「理由は?」
私「5年生存率の数字の反対側に入って、予防的治療が効かない方に入って、例えば1年で死ぬとしたら、半年もかかる予防的治療の時間を返して! となります」
主「そう悪い方に考えんでも」
私「手術ですっかり元気にしていただいたので、これで十分です。ありがたいと思っています」
主「あなたの場合、再発、転移する可能性が高いので、予防的治療、受けることを勧めます」
私「ん…、本当は、この病気のことは以前からわかってました。
イレウスがなかったら、そのまま一緒に過ごして逝こうと思っていました」
主「そんなこと、◯◯さん(最初の女性主治医)が言うてたなぁ」
それ、ナースセンター前の立ち話のときにちょこっと言ったわ。
そんな、ちょこっと話がこわい主治医に伝わってたなんて。。
私「年も年ですし、これ以上生きたいとか、何かやり残したとか、思っていません」
主「そんな年やないよ。この病気としたら、若い方や」
私「家族全員見送って一人になったので、もういいかな、という気持ちでいます」
少し沈黙。
主「じゃ、再発したら、どうする?」
いや、予防的治療は要らんと言うとるんやで。
私「治療とは意味合いが違いますよね。そうなったら、どうするか考えます」
主「手術となったら、受ける?」
いや、しゃぁから、それとこれとは違うじゃろ。
私「どうでしょう。どこが、どんな状態かで違うと思います。そのときの判断じゃダメですか? いまは、手術でスッキリ取っていただいたので、この快適さを満喫したいなぁと。副作用に苦しむに値するほどの成果は期待できないと思っています」
主「わかりました。あなたの意思を尊重しましょう」

このやり取り、しんどかった。
本当はもう少し長い。
連れ合いの介護の話とか、仕事の話とかも入って5分以上やり取りした。
再発云々以降は「治療の意思」があるかの確認だろう。
「死にたい」と言う人間に保険適用はできないし、
「治療終了」を告げるのだろう。

実は、予防的治療は再発防止の抗がん剤治療のことで、
この抗がん剤は誰が受けるのであれ、パッケージになっていて、
副作用が出れば、それに対処するという方法を取る。
副作用は必ず出る。
仕事をするのに、副作用は困る。
その上、再発を抑える効果が出るのはわずか1割程度。
が、治療的抗がん剤は、がんの特性や患者の遺伝子検査の後に、
より効果の高いものが選ばれる。
全く性質が違うのだ。

私がこのことを理解しているかどうかの確認は
こわい主治医はしなかった。
が、クレバーな人だから、ある程度察知してくれたかもしれない。

このやりとりの後、胃痛で倒れそうになった。
緊張したのだろう。
それと、言葉が足りなくて、誤解を招いたに違いないという後悔もあっただろう。
こんなにはっきり断ったら、主治医と患者としての関係を損ねてしまったのではないだろうかという心配、何より、本当に言いたかったことが言えなかったし、今後、こんな機会はもうないのだろうなという落胆。


【差し入れのこわい】

退院後2回目の外来のとき、こわい主治医の顔色が悪かった。
どうやら、前週にコロナ的なものを患ったようだった。
そのときは、弱みにつけ込んで、前述のような、
こわい主治医が勧める治療(標準治療)を断るという大胆な賭けに出たのだが、
そのこともあって、次の外来のときには
ちょっと媚びる作戦に出た。

体調を崩した人への差し入れ……菓子…、こわい主治医が食べる様子を想像することすらできない。
酒類は、執刀医には不要かと。
花は病人に送るもの。

で、探し当てたのが『千疋屋のストレートジュース』。
千疋屋ならではの高級フルーツを使ったジュースだが、
値段が、「お高い」の上の「お高い」。
ま、主治医様に差し上げるのに、ファンタオレンジのペットボトル、というわけにもいくまい。
医療現場に詳しい人に聞いたら、患者や家族から貰うものは賄賂的に扱われるので、金目のものはダメだと言われた。
千疋屋のパッケージは、それはそれは頑丈で重厚で独特で、
「金目の物」と見えないことはない。
差し出したときに拒否されたら元も子もない。
箱から出し、1瓶、1瓶プチプチで巻いてマステで止め(外しやすいように)、
ダイソーで買ったビニール巾着に入れ、さらにそれをビニールバッグに入れた。
すぐに飲めるように、冷やして持参するためだ。
保冷剤も仕込み、保冷バッグに入れて病院に行った。

診察の最後に、
私「先生」
主「ん?」
私「先生が前回お元気なくて、心配だったんですが、何もできなかったので、これ、差し入れです。ビタミン補給してください」
荷物を差し出す。こわい主治医、こちらを向かずに目の端で荷物を確認。
主「病人に心配されたら終わりやな」

こわいー。

ありがとうくらい言うてやー。




しかし……、こうやってブログに書くために文字にしてみたら、
私も大概言いたいことを言っていると思う。
こわい主治医もよく聞いてくれているし、​​​​こわい言葉を返してくれている。

ま、あと3ヵ月は会うことがないので、
そのうち緊張感やイヤーな感じは忘れると思う。



次の差し入れは、饅頭にするか。。
それとも、濃いーお茶にするか。。。


(しかし、実は、私には心配な箇所がもう一つある。
9月中に検査のために病院に行く。
外科ではないし、金曜日ではないので、こわい主治医に会うことはないと思うが、
治療が必要になって、病院通いが始まったり、
手術が必要になって、入院したりしたら…一応、いまの私の主治医は
こわい主治医だから、話は行くだろう。
診察室や病室に来られたら……こわい、こわい、こわいー)





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Last updated  2023.09.04 09:23:09
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