2024/06/15
XML


★忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳
◆ イングランドにてあれなジョン国王にブチ切れた貴族たちが、63か条に上るお約束を突き付けて無理矢理認めさせる(1215年=マグナ・カルタ)。 ◆ とある日本人留学生佐川一政がパリで某女性留学生をぴー、その直後に彼女を検閲により削除した上でオカズにしてディナーを堪能した(1981年=パリ人肉事件)。 ◆ 宮崎駿と高畑勲の本拠地がとある雑誌社のオーナーの支援により設立される(1985年=スタジオジブリ設立)。
【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年06月15日 

【魅力はあっても収入は少ない日本の観光業】世界的な評価を生かせていない現状、どう活用すべきか =後節=
=Wedge_Report 【Wedge REPORT】 2024年6月13日 / 池上重輔( 早稲田大学 大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授)



 さて、皆さんが興味をお持ちであろうランキングの話をすると、24年は以下のようになっている。( )はスコアである。
1位 米国 (5.24) / 2位 スペイン(5.18) / 3位 日本(5.09) / 4位 フランス(5.07) / 5位 豪州(5.0) / 6位 ドイツ(5.0) / 7位 英国(4.96) / 8位 中国(4.94) / 9位 イタリア(4.9) / 10位 スイス(4.81)
 このトップ10の顔ぶれは前回とほとんど変わっていない。シンガポールがトップ10から落ち、代わりに中国が入っている。トップ3は、前回はほぼ同率1位で、今回も微差ではある。
観光収入は世界何位か?
 次にアジア圏のランキングを見ると以下のようになっている。( )は世界ランク。
1位 日本 (3) / 2位 豪州(5) / 3位 中国(8) / 4位 シンガポール (13) / 5位 韓国 (14) / 6位 インドネシア(22) / 7位 ニュージーランド(25) / 8位 マレーシア(35) / 9位 インド(39) / 10位 タイ(47)
 一方で実際のインバウンドによる観光収入ランキング(20年)を見ると下記のようになっている。( )は億米ドル。
1位 米国(702) / 2位 フランス(406) / スペイン(345) / アラブ首長国連邦(344) / 英国(331) / トルコ(266) / イタリア(221) / ドイツ(198) / メキシコ (170) / 10位 豪州 (170)
~~~~ 28位 タイ(51) / 29位  日本(41)
 こうしてTTDI2024の順位と実際の観光収入を比較すると、日本はその旅行・観光競争力をうまく活かせていないように見えないだろうか? TTDIで先47位のタイよりも3位の日本の国際観光収入が低いのである。

  付け加えるならCondé Nast Traveler (コンデナスト・トラベラーズ)という米国の大手旅行雑誌の読者投票による「最も魅力的な国」部門では日本がイタリア、ギリシャなどを抑えて1位になっている。本誌によれば52万人の読者による投票とのことで、一旅行雑誌が実施した投票であっても日本の人気が極めて高いことは理解いただけるだろう。

 国際観光を促進するにあたって、言語の問題、国土を海で囲まれていることによるアクセスの問題などの障害もあるだろう。しかし、旅行・観光競争力の潜在性がこれだけ高いと“外部”から評価されていることは事実である。

 多くの観光関連事業者の方が誠実に事業を営んでいること、いくつかの地方行政や観光地域づくり法人(DMO)が何とか海外誘客をしようと努力していることは十分理解しているのだが、どうも適切な方法論を学んでそれを実行できていないようにも思われる。逆に言えば、国、地域行政、DMO、観光関連事業者、非観光関連事業者、地域住民が適切な方法論を学び連携して観光地域経営を実践し続けることで大きな事業機会が開けるのである。

 観光地域経営の目的は「地域住民の生活を向上させるために旅行・観光を活用すること」である。昨今オーバーツーリズムが問題視されることが少なくないが、オーバーツーリズム問題はつまりは、旅行・観光を適切に活用できていないわれわれの問題なのである。

ライバル国より日本が優っていることは?
 これらのデータは、今後の旅行・観光戦略を考察する上で、価格アップをする最適な状況にあることを示していると思われる。日本は今年度過去最高のインバウンド客数を記録する可能性が高い。円安と日本の物価が低く抑えられてきたことにより、日本観光が極めて割安になっていることはその一因であろう。



 しかし、価格競争力はTTDIの17個ある評価の柱の1つでしかない。日本はそれ以外の、ビジネス環境、健康と衛生、ICTレディネス、航空輸送インフラ、地上・港湾インフラ、天然資源(自然)、文化遺産、環境サステナビリティにおいて高い評価(スコアで5.0以上)であり、これらを活かすことによってより高付加価値と高価格を実現できる可能性が高い。

 一方で17の柱のうち、旅行・観光の開放性(海外観光客への利便性)、観光サービスとインフラのスコアはそれぞれ4.06と2.93と低いのである。政府はインバウンド観光で15兆円を目標にしているが、こうした部分を伸ばせれば中長期にはインバウンド観光で25兆~30兆円は十分実現可能ではないか。

 インバウンド観光はある意味で国際競争ともいえる。仮にアジア、オセアニア圏が競争相手とするならば、コロナを経て重要性を増した健康と衛生において日本と近いスコアの国(例えば豪州やニュージーランド)は日本よりも価格競争力スコアが低い。

 また、文化資産で日本と近い国は中国とインドくらいであるが、観光サービスとインフラのスコアが極めて低い。日本も観光サービスとインフラのスコアは2.93と低いが、中国は1.95である。

 安心・安全を基盤にしつつ発達した公共交通機関を生かした数多くの文化遺産を周遊する高付加価値のツアーを売り出すこともできる。地域の二次交通が問題と指摘されることが多いが、それはマスを呼び込もうとしているからであり、高付加価値で富裕層を対象にした場合には必ずしも広く二次交通を整備しなくても対応が可能であろう。

 今回強調したいことは、今のうちに海外視点から魅力的なサービスと投資を強化して、価格をアップしておくべきであるという点である。その際、ただ値段を上げればよいというものではなく、海外の情報を収集しよく観察して、どのような付加価値にどの程度の対価を支払っているのかを知った上で、自分たちのサービス・商品の付加価値と価格のバランスをとるのである。
 是非TTDI2024をよく読みこんで、日本を客観的・相対的に考察して観光事業・観光地域経営の戦略を練ってほしい。



○◎ ○◎    ◎ ◎ ◎   ◎○ ◎○ ◎○ 
古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。
・・・・・・・・・・ 
---------前日記載への閲覧は下記のURL --------------

---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい--------------
【壺公夢想;如水ホームページ http://thubokou.wordpress.com/
【閑仁耕筆;冒険譜・歴史譜   http://blog.goo.ne.jp/bothukemon
びっくり・・・・・スマイル大笑い・・・・・怒ってるしょんぼり・・・・・しょんぼり怒ってる・・・・・大笑い大笑い・・・・・びっくり

クリック 宜しく・・ ブログランキング・にほんブログ村へ ・・ 人気ブログランキングへ ・・ 再会を期して, 涯 如水 ・・・・・








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024/06/18 06:45:29 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

涯 如水

涯 如水

Category

Free Space

※ お願い
下記リンクの移行は本稿(左側⇦)下端部のURL:より

【閑仁耕筆;探検家・挑戦者・登山家の譜講】
・ハインリッヒ・ハラー/オーストリア;- 01~XX節(2014-04-08)
・ジョウジ・マロリー/イギリス;- 01~09節(2014-04-06 )
・ラインホルト・メスナー/イタリア ;- 01~04節(2013-10-29)
・ウーリ=-・ステック/スイス  ;- 01~03節(2013-10-19)
・アナトリ・ブクレーエフ/ロシア ;- 01~06節(2013-10-13)
・探検家フリチョフ・ナンセン博士; - 01~12節(2013-10-13)
・探検家ゼブ・ホーガン博士;- 01~09節(2013-09-28)

【壺公夢想;Home_Page・夢想空間】
紀行随筆
・汗血馬の故郷へ;
・天山南路・歴史紀行;
・天山・草原のシルクロード;
・天山・激動の草原地帯;
紀行エピローグ・写真随筆;
西域人物伝・ティムール;
西域人物伝・ティムールの系譜;
ティムールの系譜“ムガル帝国”;
ジンギスハーンの系譜
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第一部・第一章ジュチ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第一部・第二章バトゥの野望
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第二部チャガタイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第三部オゴデイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第四部トルイ家の覇権
・“アルタン・ウルク/黄金の家”第五部フレグ家の覇権
騎馬遊牧民族
・匈奴の勃興と移動
・欧州・アッチティラの動乱
・ジュンガリア =最後の騎馬遊牧民国家=
絹繡之路(シルクロード)夜咄
・シルクロード夜咄・四駿四狗
・シルクロード夜咄・智謀の将
・シルクロード夜咄・運命の綾
ムガル帝国・建築文化

Calendar

Favorite Blog

大うつけ beabea65さん

青空日和 紘子.さん
TOKKOの 詩的な生活 T0KKOさん
しあわせが似合う人 Melody*さん
わたしのブログ 穏やかな海さん
ユーラシア大陸を旅… ユーラシア人さん
気ままにいろいろ NAKA3さん
花*hana*花 *紫陽花*さん

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: