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2019.04.18
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カテゴリ: 内覧会
先週、静嘉堂文庫美術館で開催中「​ 日本刀の華 備前刀 ​」内覧会に
参加させていただきました。






​​「​ 日本刀の華 備前刀 ​」 ​​
会期   2018年4月13(土)~6月2日(日)
休館日  月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
開館時間 午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料  一般1,000円、大高生700円、中学生以下無料
      ※20名様以上の団体は200円割引
会場   静嘉堂文庫美術館






展示会概要
日本刀の主要製作地(山城・大和・備前・相模・美濃)のうち、
備前(岡山県南東部)は、上質な原料や水運の利に恵まれ、
平安時代より優れた刀工を輩出し、圧倒的な生産量を誇ったことから、
今日「刀剣王国」と称されています。
備前刀の特徴は、「腰反(こしぞ)り」の力強い姿と、杢目(もくめ)を
主体とした精緻な地鉄(ぢがね)に、「丁子乱(ちょうじみだ)れ」と
呼ばれる変化に富んだ刃文とされています。その豪壮にして華やかな作風は、
鎌倉武士や戦国武将たちをはじめ、多くの人々を魅了してきました(HPより)


今回の展覧会では「備前刀の宝庫」として知られる静嘉堂の蔵刀を中心に、
「古備前」と呼ばれる初期の刀工群である「一文字・長船・畠田・吉井・鵜飼」
などが展示されておりました





​*美術館より特別な許可を得て写真撮影してます​
(普段は撮影不可です)



刀剣以外にも、江戸時代に幕府の御用をつとめた後藤家歴代とその門流(脇後藤)
による刀装具も展示されており、世界に3つしかないという「曜変天目(「稲葉天目」)」
も特別展示されています








内覧会日は開催初日だったせいか、入り口には人が溢れてて行列が~びっくり
いつもは静かな佇まいの静嘉堂文庫美術館なので、ちょっとビックリでした



ここ数年、流行ってる刀剣ゲームの影響でしょうか?
小さいお子さんを連れたファミリーの姿も数多くみかけました。
バーチャルの世界だけじゃなく「本物を自分の目で見る」ことは重要ですよねウィンク




まずはギャラリートークの前に、地階講堂で吉川永一氏(日本刀剣保存会 幹事)
、静嘉堂文庫美術館学芸員山田正樹氏、そしてナビゲーターである「青い日記帳」Tak氏
によるトークショーをお聞きました



吉川氏は3代にわたって宮内庁の刀の手入れをされているということで、
刀の保存の方法など興味深いお話をたくさん伺えました。
なかでも一番(´・∀・`)ヘーと思ったことは

よく時代劇でお殿さまが、テルテル坊主のミニサイズ(笑)みたいなのを持って、
ポンポンポンと刀の手入れをしてるシーンって、あるじゃないですか!?
あの包みの中身はてっきり錆止め用の粉かと思いきや・・・
実は砥石をといだ上澄みを何度も漉した超細かい粉末なんだとかびっくり
なので、粉を拭き取る時に刀身を傷つけるおそれがあるため、実際には
あまり使わないんだそうです^^

実際の手入れのさいは、無水エタノールで刀の油をとったあと、再度油を塗って
錆止めをするんだとか
普通の刀の手入れは月一回でいいけど、宮内庁のものは月二回というお話や
、刀に土を塗って刃文を作る作業は「土置き」という、などなど。
なにぶん日本刀についてに基礎知識が全くないので、理解しかねるお話も
多々ありましたが、あっという間に時間が過ぎ去り~
トークショーの後は当館学芸員である山田正樹氏のギャラリートークに

←木刀を持つ野口さん、切れ味鋭い解説が素晴らしかったです
以下、展示品については、美術館HPの説明をお借りします<(_ _)>


見どころ1 
「備前刀の宝庫」静嘉堂所蔵の重要文化財4振・重要美術品11振を含む備前在銘作
約30振が顔揃い!重文に指定される高綱・行光など現存稀有な古備前刀工の作をはじめ、
それ以降の一文字派、長船派の歴代(長光・真長・景光・兼光)、直宗派の備前三郎国宗
や畠田派、鵜飼派の雲生・雲次、吉井派の真則など備前物を総覧するような系統だった
コレクションが一堂に会します(HPより)




重要文化財
「古備前高綱太刀」(銘 高綱) 鎌倉時代(12~13世紀)
 附「朱塗鞘打刀拵」      桃山時代(16世紀)
《信長公より拝領の朱鞘の太刀》
一文字(いちもんじ)や長船(おさふね)といった刀工集団が形成される以前、
平安時代から備前に続いた刀工の一群を「古備前(こびぜん)(派)」と呼ぶ。
高綱は古備前成高の子で、元久年間(1204~06)頃の刀工と伝えられ、現存作は希少。
刃文は直ぐ調(刃文の抑揚が少なく直線的に見えること)の丁子乱(ちょうじみだ)れで
、一見シンプルな中に硬い鋼組織の作り出す細かな「はたらき」が変化に富んだ様子を見せる。
「沸(に)え」と呼ばれる微細な鋼の粒がきらきらと輝く肌とともに、古備前刀工の特色が
いかんなく発揮された名作(HPより抜粋)





重要文化財
「長船真長小太刀」(銘 真長)鎌倉時代(13~14世紀) 
 附「黒糸巻柄突兵拵」明治時代(19世紀)
《影の名工、得意の小太刀》
真長は長船派の祖・光忠の子、あるいは弟子。作刀の多くは、兄とされる
長光の華麗な作風に比べて全体的に穏やかで、直ぐ調の地味な刃文となるが、
本作は長光を彷彿させる「丁子乱れ」の刃文を焼いた華やかな出来である。
(HPより抜粋)



長船長光太刀 (鎌倉時代 13世紀)
附 黄金造桐紋蒔絵鞘糸巻太刀拵




一文字吉房太刀 (鎌倉時代 13世紀)
附 雲文黒蒔絵鞘打刀拵  (江戸時代 19世紀)


展示品を観ながら伺ったお話によると、元寇前までに造られた刀は、元寇の戦闘の
おり実戦向けではないことが分かり、それ以降は国外での戦いにも備えた刀造り
へと方向転換されたんだとか。
ただ、江戸時代になると「実戦」から離れて、またまた華美な刀造りの方向へ~


そんな贅をつくした美しい刀装具もズラリと展示されておりました






見どころ2 
武家金工の華・後藤家歴代の刀装具を特集展示!!
刀剣を飾る金具―目貫(めぬき)・笄(こうがい)・小柄(こづか)などの
装剣金具を製作した金工の後藤家は、室町時代中期の足利義政以来、足利将軍家、
戦国時代の織田信長、豊臣秀吉、そして江戸幕府260年の間、16代にわたって
時の権力者に重用され、その作品は武家の装う金工のなかでも最高の格式をもつもの
とされてきました。
江戸将軍家代々の御用をつとめた後藤宗家、そして14あるという後藤家の分家(脇後藤)
の名工たちのなかでも、その掉尾を飾る幕末の名工・後藤一乗による目貫・笄・
小柄など、繊細な技の光る刀装小道具を展示いたします(HPより抜粋)




武家の思想と美意識が詰まった素晴らしい職人技には惚れ惚れ
そして、さらにさらに
見どころ3
 国宝・曜変天目(「稲葉天目」)が特別出品されてます!!

↑HPより画像お借りしました<(_ _)>



これまで何度か静嘉堂文庫美術館に行きましたが、今回初めて観ることが
叶いました(〃▽〃)
なにしろ世界に3点しかないお宝
自然光が降り注ぐラウンジスペースに展示されているので、朝・昼・夕方と
日の光によって変化していく曜変の景色を観ることが可能です
「曜変天目をひとめ観てみたい」という長年の思いが叶って、とても幸せ~手書きハート






ところで、静嘉堂文庫美術館は都内からだと少々遠く感じるせいか、美術愛好家の
友人でも「一度も行ったことがない」という人も!
でも私から見ると、実にもったいな~い
今月末からGWもスタートすることですし、一度足を伸ばしてみてはいかがでしょう?
静嘉堂文庫美術館には眺めのいいお庭もあるうえ、明治期に活躍した英国人建築家
ジョサイア・コンドル設計の納骨堂もあります


岩崎家廟
ジョサイア・コンドルの設計によるもので、明治43年(1910)に建てられました。

現存せず)や高輪邸(現・開東閣)、三菱一号館(2009年復元、現・三菱一号館美術館)
など、岩﨑家ゆかりの建物も数多く手がけています(HPより)




←庭園の展望台

↑は​ 昨年秋の内覧会 ​に参加したおりに撮った画像です




静嘉堂文庫正門から美術館までの小川沿いの小道も素敵なんですよ~(〃▽〃)





GWには楽しそうなイベントも目白押しです
【備前刀関連イベント】
講演会
 各日午後1時30分~ 地階講堂にて 定員120名
 4月21日(日)佐藤寛介氏(東京国立博物館 研究員)「備前刀―その歴史と魅力―」
 5月26日(日)吉川永一氏(日本刀剣保存会 幹事)「静嘉堂の備前刀について」
   ※聴講は無料(入館料別)
河野元昭館長のおしゃべりトーク
 午後1時30分~ 地階講堂にて 定員120名
 5月5日(日)「浦上玉堂―酒仙画家」饒舌館長 口演す
   ※聴講は無料(入館料別)
職方実演会「日本刀にたずさわる職方の技」
 (有料・職方の休憩時間以外は随時ご覧いただけます)
 5月18日(土) 午前10時~12時、午後1時~午後4時30分 地階講堂にて
 実演:水野美行氏(日本刀鞘師)、小澤茂範氏(刀匠)、川上陽一郎氏(研師)
 ※観覧券(300円)は、当日受付にて販売(入館料別)。
静嘉堂コンサート 「100万人のクラシックライブ」
 5月11日(土) 午後2時~ 地下講堂にて 参加料1,000円(入館料別途必要) 予約制
静嘉堂ガーデン(ビアガーデン&カフェ)
 静嘉堂文庫美術館前庭でのビアガーデンとカフェのイベント。

↑新緑を観ながら、いいですね~(⌒∇⌒)


静嘉堂文庫美術館へのアクセスは
電車  東急田園都市線二子玉川駅よりバス、タクシー、徒歩
バス  二子玉川駅バスターミナル4番のりばから東急コーチバス「玉31・32系統」
     「静嘉堂文庫」下車(所要時間は通常8~10分。運行本数1時間に約3本)。
      降車後徒歩約5分。
詳しい交通案内は​ こちら で(^_-)​



そうそう もうひとつ嬉しいサービスも
【タクシー代200円キャッシュバックサービス】
タクシーを利用して入場すると「タクシー領収書と引き換えに、一台200円のキャッシュ
 バックあり☆


武蔵野の面影を残した緑豊かな静嘉堂文庫美術館で過ごすひとときは、
絶好のリフレッシュになること間違いなしです星









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最終更新日  2019.04.18 21:55:07
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