愛し愛されて生きるのさ。

愛し愛されて生きるのさ。

2004.01.05
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1月3日に放送された、 『ブラックジャックによろしく~涙のがん病棟編~』 をビデオ録画して観た。

この『ブラックジャックによろしく』は週刊モーニングに掲載されていた人気コミックが原作である。2003年に連続ドラマとして放送されたもののスペシャル版として今回2時間ドラマとして復活したわけである。

私はこの『ブラックジャックによろしく』はコミックを読んでいた。かなり売れていたようで、これはきっとドラマ化されるだろうなと思っていた。そしたら案の定TBSでドラマ化。先見の明ってやつかしらフフフ。

しかし連続ドラマの時は、最初のうちは毎週観ていたが、妻夫木聡演じる斉藤の熱血っぷりにちょっと飽きてきて最後のほうはリタイアしてしまった。この斉藤が言っていることは確かに正論であるが、毎週毎週熱血っぷりを見せ付けられると少々キツい。自分の抱える状況に精一杯で周りの言うことにも耳を貸さず、果てには周囲の人間に当り散らす斉藤というキャラクターにイマイチ感情移入できなかった。
医療モノドラマだったら、夏に放送された『Dr.コトー診療所』のほうが素直に感動できた。それはきっと沖縄の小島というロケーションの勝利であるかもしれないが。

持っていた『ブラックジャックによろしく』のコミックも大掃除の際に全部ブックオフに売ってきた。確かに面白いし考えさせられるコミックなのだが、何度も読み返したくなるようなコミックではない。あっても読まないのなら邪魔なだけ。けっこう高く売れた。ウシシ。

というわけで『ブラックジャックによろしく』が正月早々スペシャルとして帰ってきたわけだが、なんとなくビデオで観てみようかなと思っていただけなのでさほど期待してはいなかった。

でも観終わった後の印象はなかなか良かった。
今回も相変わらず正論を述べ続ける妻夫木聡の熱血っぷりも2時間だとそんなに気にならない。

今回、斉藤が向かった研修先は第4外科。通称がん病棟である。そこで彼の指導医に当ったのは抗がん剤の研究に熱心な庄司(阿部寛)であった。
斉藤と庄司は辻本良江(薬師丸ひろ子)という主婦を担当することになる。庄司は彼女の症状を「すい臓がんである」と告知。即座に手術に踏み切る。

同じく研修として第4外科に在籍している出久根(加藤浩次)は抗がん剤に対して反感を抱いている宇佐美(石橋貴明)につき、胃がん患者である内海(伊東美咲)を担当することになる。

そして斉藤は良江の肝臓にがんが再発していることを知る。


とまあこんな感じの粗筋である。
今回も「生と死」について真っ向から取り組んだ内容になっている。

そして今回、死に直面する2人の女性役に薬師丸ひろ子と伊東美咲。
薬師丸ひろ子演じる良江は平凡でありながらも幸せな主婦であった。かたや伊東美咲演じる内海まどかは、どういう境遇かは語られていないが、孤独でどこか捨て鉢になっている儚げな女性である。

薬師丸ひろ子はだいぶ老けたな、という印象。でもその分病魔に冒される主婦という役どころにリアリティを感じることができた。老けてても、衣装が地味でもこの人にはやっぱり華がある。原作の良江はもっとオバサン臭いキャラクターだったが、薬師丸ひろ子というのはスペシャルに相応しいキャスティングだったのではないか。

一方伊東美咲は、加藤浩次演じる出久根とひと時の恋愛感情を匂わせる役柄で登場。病室に飾ってある花を見て「ただ枯れるのを待つ花は嫌い。まるで私のようだ」と言う彼女を元気付けるために、出久根は病院の中庭にチューリップを植える。
死の床に花をモチーフとして持ち出すところがやや古典的である。でも彼女の死を寓話的に描いているわけでもないのでそんなに嫌らしくない。美人が荼毘に付すシーンはやはり絵になる。その辺りが若干リアリティに欠け、テレビ局の作為を感じないでもないが。ここで死ぬのが伊東美咲でなく森三中の大島とかだったら意味合いが変わってくるかもしれない。

そして今回のスペシャルのもう1つの軸が、阿部寛演じる庄司と石橋貴明演じる宇佐美の対立である。もともと2人は親友であったが、1人のがん患者をめぐって意見が対立して以来、ずっと対立関係となってしまったわけである。

役のイメージとしては阿部寛が抗がん剤に意欲的な「動」、石橋貴明は延命治療よりも終末医療に重きを置く「静」である。
石橋貴明のこの役柄がちょっと意外である。普段バラエティでみせる貴さんのイメージとは異なり、あまり多くを語らない寡黙な医師を演じていた。彼の芝居は決して上手くはないが、普段のイメージとは180度異なるために重みが出ていたと思う。
一方の阿部寛も、実は心の中で葛藤を繰り返している医師役を好演。阿部寛も気づけば個性派役者である。昔はただの2枚目役者だったのに、上手く自分の個性を引き出した。
この2人の対立というのも、なかなか見ごたえがあった。

その分、他の役者たちの出演している価値が薄まってしまっていた。連ドラ時代から出演していた鈴木京香は斉藤に昔話を提供するだけの役柄。斉藤といい感じになる看護婦役の国仲涼子も単なる友情出演にとどまっている。
はたまた第4外科の教授役の古谷一行も、出演する場面が少なく中途半端なキャラクターに終わってしまっていた。
2時間という枠に全てを収めるのはどだい無理な話ではあるが、どうも釈然としない部分が残ってしまったのも事実。
しかもラストのクレジットに「藤谷美紀」とあったが、どこに出ていたかわからなかった。HP見て納得。

しかしやはり「生と死」については考えさせられるものがある。自分がもし「余命○年」と言われたらどういう感情を持つのか。絶望なのか、それとも残された人生を精一杯生きてやろうという希望なのか。それは実際その時になってみないとわからない。

今回の放送の中で、薬師丸ひろ子が言う「絶望って、もっと全てが暗く見えるものだと思ってた」というセリフが印象的。

生きているということは、逆に言えば「余命○年」という死へのカウントダウンを生きているということでもある。
そんなことを思ったりした。

死の床で、「最期に顔が見たい」と思える人がいればいいなと思った今日この頃。





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最終更新日  2004.01.08 13:59:06
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Re:ブラックジャックに夜露死苦。(1/5)  
Andrejs  さん
ブッキーの「情けない男」は定着してしまい、もう他のキャラクターは演じられないのではないかと案ずる今日この頃。<br> (2004.01.08 01:43:14)

Re:Re:ブラックジャックに夜露死苦。(1/5)  
あきひこ827  さん
Andrejsさん<br>>ブッキーの「情けない男」は定着してしまい、もう他のキャラクターは演じられないのではないかと案ずる今日この頃。<br><br>そうっすね~、でもそんな「情けない男」が彼の持ち味かもしれませんからね。最近の若手俳優はみんなキリリとしてて似通ってますから、彼みたいなキャラは重宝されるかも。わかんないですけど。<br>映画『ジョゼと虎と魚たち』の妻夫木聡と池脇千鶴のラブシーンはけっこう凄いらしいですよ。<br>やったなブッキー!同い年!<br> (2004.01.08 01:50:07)

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