園芸侍の「なんでも植物栽培記」

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テーマ: 家庭菜園(59126)
カテゴリ: 下仁田ネギ

 昨年の10月に播種、今年の7月28日に定植、 9月27日 に2回目の土寄せをしたところを紹介した下仁田ネギ。収穫期を間近に控えた現在の姿はこの通り。

下仁田ネギ 12月9日

 昨年の10月から14ヶ月もの時を経て成熟の境地に近付きつつある。2回目の土寄せの画像に比べて倍以上に太り、こうして見てみるとなかなか壮観である。すでに職場の人や身内におすそ分けすることになっているので、丸々と太った下仁田ネギを見てどんな顔をするか楽しみだ。

 ところで、下仁田ネギ関連のサイトを見ると、まず例外なく、本場の下仁田ネギは他の土地では上手く育たないと書かれている。中には、下仁田町から数キロ離れただけでもダメと紹介しているところまである。そいうわけで、「下仁田ネギは下仁田におけ」という格言?が生まれたらしい。そして、園芸店で市販されている下仁田ネギの種子は、他の土地でも育つように品種改良されたものであって、本場産の下仁田ネギに比べて味が劣ると書かれているサイトもある。
 本当に本場の下仁田ネギは他の土地では育たないのだろうか? 神奈川県で下仁田ネギを育てるとどうなるのだろうか? その謎を検証すべく昨年の10月より実験を開始し、その生育過程をこれまで何度も紹介してきた。使用した種子は、市販のサカタとカネコの種子に加えて、下仁田町の中でも最も本場と言われる馬山(まやま)地区のものを使用。そして手間隙かけて育てること14ヶ月。ちょっと興味深い結果となった。現在の下仁田ネギの様子を違うアングルから撮った画像がこちら。
下仁田ネギ 12月9日 その2

 この画像の中に前出の3系統の下仁田ネギが植わっているわけだが、どれがどの系統かお分かりだろうか? 実は、右の2列に植わっている丸々と太ったもの、これが本場下仁田町馬山産の下仁田ネギなのだ。そして、左端がサカタ、その隣がカネコのもの。私の畑では、本場以外の土地では育たないと言われる本場産のものの方が生育が良いのだ。で、結論。

下仁田ネギは下仁田におかなくてもよい???

 そう言い切ってしまうのは軽率であるが、少なくとも私の畑では市販品よりも本場産の方がはるかに育ちが良いという皮肉な結果になった。ただ、サカタとカネコの名誉のために言うと、それぞれ発芽率が良くて初期生育も非常に良かった。夏の定植時期までは3系統ともにそれほど生育差は感じられなかったのだが、長い成長期を経て成熟期に入った現在になって、それぞれの性質の差が表れた形となった。もしかすると、他の土地ではまったく違う結果になるのかもしれないので、ここに紹介したものはあくまでもほんの1例として捉えていただきたい。
 さて、気になるお味の方だが、市販品は本場産にくらべて味が劣ると言われているのだが、昨年は本場産の下仁田ネギと自家栽培のトーホクの下仁田ネギを食べ比べた限りでは、どちらも大差はなく、非常に美味しく感じられた。というわけで、今回も見かけほどには味には差はないと予想している。
 そもそも、人間の舌なんて案外いい加減なものではないだろうか? 最近、食品の賞味期限や産地の偽装表示が次々と発覚して社会問題になっているが、あれは消費者が食べてみて味の違いに気付いて発覚したのだろうか? たぶん違うだろう。人間の味覚なんて所詮そんなもん(笑)。それはさておき、本場で栽培された下仁田ネギは間違いなく太くて立派なので、機会があったら食べていただきたい。






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最終更新日  2007.12.12 21:04:06
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