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「私の役割は補助ロケットのようなもので、分離されてからは太平洋の片隅に着水して百姓をやる」
この演説の陰には、太平洋のどこかから政権を見つめていて、事あらばまた首班指名に出るぞと言っている。このしぶとさ、言葉のセンスの良さ、とても日本人にはできない相談だ。総庶民意識の日本と違い、ジョンソンさんは名門出身、産まれから違うのである。生まれが違うということは尺度も考え方も違い、貴族が庶民をリードするという欧州独特の階層意識があるのだろう。岸田が数々の失態でやめたとしてもこのような演説は習慣としてしないのだ。「老兵は黙って去るのみ」の精神なのである。
それはそうと、欧州はいま冬に向かっていずれも首班は苦悩している。ロシアの天然ガスが猛威を振るい、英国の新首相は一般家庭の光熱費が倍になるのを黙ってみているのか?あるいはロシアの狡猾な駆け引きに屈するのか?ドイツなどは光熱費が8万円を超える平均値になるそうだ。ロシアはとにかく10月いっぱいじっと耐えてウクライナ戦争を戦い抜けば、あとは自然に欧州は降伏するという読みがある。一般市民が一挙に上がる光熱費を黙っているはずがないという読みである。現に新首相のトラスさんに対する野党の要求は、ウクライナ援助を欧州の足並みにならって続けるならば、我が国の国民はどれだけ我慢しなければならないのか?とやんわり批判している。欧州諸国、とくに英独両国とも、ここ半年の国民をいかに納得させるかが彼らの演説にかかっていると言ってもいいと思う。誠実、ていねい、謙虚な態度がその言葉に表れるからだ。いかに日本の政治家が彼らに比べて不勉強または無能なのかわかるというものだ。ロシアの強力な武器天然ガス供給に欧州が屈したら、あとは日本とアメリカしか残っていないのだ。来年の春にはロシアが歴史始まって以来3度目の勝利を得ることになる。最初が対ナポレオン戦争、次が第二次大戦での対独勝利、三度目が今回の対ウクライナ、欧州連合戦争である。
書いているうちにエリザベス女王がなくなったというニュース、こちらはまちがいなく国葬で行われるはずだ。運も実力のうちというが、岸田政権も安部の国葬の意義などはまた薄れてしまうだろう。また一段と批判が高まるはずだ。
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