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テレビや新聞で、「移住」をテーマにした番組や記事が取り上げられ始めた。これは政府の政策とも一致しているのだろうか、若者が子育てに適しているとか、仕事に適しているということで都会から田舎に移住するというのが骨子である。その理由のほとんどが都会の生活に疲れた、または仕事に疲れたということであるが、中にはリタイア組が第二の人生を求めて廃屋を改造して住み着くという例もある。番組やテレビは移住者の本音を引き出さず、まるでシャングリラにいるような環境だと褒め上げ、移住のすばらしさをアピールしているように見える。冷静にこれらの番組や記事を見れば、それがほとんどの人に当てはまるかと言えば、そうではないようだ。特にリタイア組が移住する場合、ある程度の資産(退職金)を持ち、地域にカネを持ってくるから歓迎される、また複雑な人間関係から逃れようとしてきたはずの田舎が、都会よりもとんでもない泥沼的近隣づきあいを強いられるといったケースは報道しない。ある番組では建築家が廃屋をリメイクして売りに出し、それを買いとるリタイア組が主に紹介される。田舎の人たちは素朴で、都会から来た人たちを歓迎し、時々小宴会が蘇った家で開かれていると言った形である。田舎暮らしも悪くないんだといった一種のCM番組に近い。
しかし素直でないわたしにはとても受け入れられるものではない。若者の子育てに適しているというが、自然の中でのびのび育った子供は確かに性格もおおらかであろうが、では彼の将来はどうなるのだ?リタイアした人はやがて後期高齢者に達し、体も動かなくなるはずだ。何年リメイクされた住み心地のいい家に住めるのだろうか?4輪駆動のSUVだっていつまでも操縦できるとは思えない。医療施設だって満足なものがあればいいが、最後を迎えるにふさわしい環境であるとは思えない。確かに新鮮な野菜や果物は身近にあって近所の人たちが持ってきてくれるのだろうが、もらったら世の常としてお返しをしなければならないだろう。流通の原則は、いくら田舎にいても変えられるものではない。商品(地産品)の八割は都会に集積されるのだ。残ったものを地域で販売しているにすぎない。確かにエンゲル係数は下がるだろう。しかし交通費や医療費はどうなのだろうか。このあたりは推測するしかないが、ある程度のあきらめと割り切りが必要で、じっと我慢してどこにもいかずに夜明けの山の端から上る旭日や花や蝶を愛でるのに専念するしかないのだろうか?わたしはまっぴらごめんである。番組に出る人たちはこのような葛藤を乗り越えてきた人たちなのだろうが、そのあたりを取り上げることはないから、一種のギミックとしか思えないのだ。
前も取り上げた身近なご夫婦だが、こちらをリアルな移住として取り上げてみる。ご主人は定年退職して好きなピアノを練習する毎日、腕も上がって奥さんともども悠々たるリタイア状態に入ったわけだが、突然東京に引っ越しますとのことである。理由は、友人知人はたくさん周りにいるが、これらの人たちに自分たちの老後を託するわけにはいかない、やはり子供たちのそばがいいとのことで、ご夫婦はいまマンションの買い替えを模索している。しかし前述した田舎への移住とは逆に、物価の高い都会へ移住するには、住居の住み替えは明らかに不利である。保険点数の係数が21%も高い地域ではその分の格差を受け入れなければ息子たちの近くというわけにはいかないのだ。そのあたりが悩みだという。しかし二人だけなら早い話、賃貸しのアパートだってこれまた割り切りで移住できるのではないだろうか。じっさいそうして暮らす人たちはたくさんいるらしい。老人の一人暮らしまたは夫婦暮らしは一戸建てよりはアパートの方がいいかもしれない。一人だと断られる可能性は高いが・・・
いつになっても悩みは尽きないものです(笑)
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