森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.03.22
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カテゴリ: 行動のポイント
森田先生は数学の嫌いな子供に対して、1日に3回でも5回でも何回でもよい。
2分間でも5分間でも簡単に言えば、1から9までの数字を何回でも、丁寧に繰り返し書かせる。
すなわち本人が、苦痛や骨折りを感じないような、容易な問題を与えて、楽にやらせる。
(森田全集第5巻 78ページ)

普通数学が嫌いな子供は、基礎ができていないので、まず公式を徹底して教える。
次にその公式を使った応用問題を数多く解かせる。
こんなふうに考えて指導するとよかろうと考えがちだ。

森田先生はこんなことを子どもに押し付けていると、ますます数学嫌いな子供になってしまう。
最初のとっかかりは、簡単なことから始めるとよい。そうするべきだといわれている。

つまり、実践・行動に関しては、前もって頭で納得してから動きだすのではないのだ。
何も考えず、尻軽く簡単なことから始める。すると次第に弾みがついてくるという。

森田先生が原稿を書くときは、初めの3、4行が最も骨が折れ、3枚目ぐらいまでは思想がまとまらないでなかなか苦しい。
5枚6枚となれば、もはや調子に乗って思想が湧きだしていくらでも書けるようになる。
この面白い心持を覚えているから、初めの3行の難産の苦しみを耐えて骨を折ることができるのである。
(森田全集第5巻 63ページ)

私たち神経質者はやる前にうまくいくだろうか。うまくいかなかったらどうしようと考えすぎる。
やるべきことがどんどんと魔物のように膨らんできて、そのうち手も足も出なくなることがある。
やってみれば難しそうに思えたことが案外やさしかったと思うこともある。
その反対ももちろんある。

河井寛次郎氏の言葉に「手考足考」という言葉がある。やりながら考えるということです。
簡単なこと、容易なこと、手をつけやすいことを見つけて、すぐに行動する癖をつけることが肝心なのです。すると精神状態が高揚してくる。感情が動きだすのである。
数学嫌いの子供に、1から9までの数字を書かせることに何の意味があるのだろう、と思われる人がいるかもしれない。
それは井戸水を汲みあげるときに、呼び水を入れることと同じだ。
呼び水を入れることがきっかけとなって、次の行動につながっていくのだ。
呼び水を入れないといつまで経っても、水は出てこない。
最初は億劫でもよい。イヤイヤ仕方なしでもよい。
尻軽い行動が弾みとなって、次第に活動的になってくることを忘れないようにしたい。
森田では生活に必要なことを、最初はイヤイヤ仕方なしに取り組むことをお勧めしている。





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Last updated  2020.03.22 08:14:46
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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