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僕が若かった頃、芸術以外の何物も信じなかった頃、僕が観ていた映画ときたら、タルコフスキーだのブニュエルだのホドロフスキーだのパゾリーニだのグリーナウェイだのアンゲロプロスだのヘルツォークだの、まあいわゆるカイエ系の映画ばかりだった。はっきり言って恥ずかしい…。そんなもんばっかり観てたから、僕の青春は暗かったんだよね…ああ、分かってる。僕がこの世で最も好きな文章であるヘンリー・ミラーの『北回帰線』の冒頭の文章のように、「芸術」がすっぽり抜け落ちてしまった今の僕には、それらの映画は奇妙な懐かしさを感じさせる。もちろん、好きなものは今でも好きだと言える。『サクリファイス』も『ソドムの市』も『自由の幻想』も『フィッツカラルド』も『ZOO』も、今でも好きだ。でも今の僕には、あまり必要無い。そんな高尚な映像を見せられても、何も感じない(『エル・トポ』だけは例外的に今でも感動する)。ゴダール? デレク・ジャーマン? くたばれよ! 今の僕には血沸き肉踊るアクション映画が必要なんだ。『ゾンビ』? 『男達の挽歌』? 『ダーティー・ハリー』? 『夕陽のガンマン』? 『ロッキー』? 最高だよ! ……しかし…エットレ・スコーラ『特別な一日』を観た。昔、観たときも凄いと思ったけど、今観ても凄いと思った。芸術を愛でる余裕を無くしたはずの、今の僕に「戻っておいで」と優しく語りかけるような素敵な映画だ。ヒトラーとムッソリーニが出会い、人々が祝典に出向き、誰もいなくなったアパルトマンで、偶然出会った生活にくたびれきった主婦と、反ファシストの同性愛者の孤独な男の束の間の情事。そこにあるのは、愛ではなく、両者の決して埋め合うことの出来ない孤独。二人の距離が近付けば近付くほど、深まる底無しの隔たりを覆い尽くす、劇中全編に流れる祝典のラジオ実況中継が伝える戦争とファシズムという現実。そして、マルチェロ・マストロヤンニという史上最高の俳優の圧倒的な存在感。ああ、かっこいい。マストロヤンニ最高。多分、僕は大丈夫だ。まだ、やりなおせる。過去の自分を否定する必要は無い。本当に面白いものが、なんなのか分かるようになっただけさ。
Jul 30, 2004
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髪を切り、部屋を掃除し、新しいシャツでも着て、お茶を淹れる。そしたら、もう疲れ切って息切れ。頭痛を堪え、水を飲み、横たわる。睡魔が襲う。いやだ。僕は眠りたくない。目覚めたら、朝が来る。働きに行かなきゃならない。僕はまだ、こうしていたい。時間が足りない。自分が自分でいられる時間が足りない。僕の夜は瞬きする間に過ぎ去ってしまう。まるで白昼夢。つぎはぎだらけの僕の日々。帳尻合わせで精一杯なんだ。ああ…多分、間違っているのは僕の方だ。「世界と君との戦いでは、世界に支援せよ」(カフカ)。生活費を稼ぐだけの仕事…? こんなはずではなかった。だが、賃金労働とは、例外無くすべて、人間性に対する挑戦なのだ。否定したくても否定しきれない、勤労倫理と周囲に対する責任感と常識が、いつのまにか僕の心を蝕んで行く。思い出せ! かつて僕は詩人だった。生きることが芸術と等号を結ぶ人種だったはずだ。「労働者たちは、パンよりも詩を必要とする。その生活が詩になることを必要としている。永遠からさしこむ光を必要としているのだ。」(シモーヌ・ヴェイユ)シスター・アイム・ア・ポエット!! 僕らの生活は詩と成り得るか? 宗教も革命も奪われた僕らの精神に詩は降り立つのか? 「お前は、お前のロックンロールを歌え」(江戸アケミ)。そうだね、シニカルになってる場合じゃない。だから、世界の隅っこで愛を叫ぶ。「One more revolution!!」。
Jul 25, 2004
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ローリングストーンって感じで時間が過ぎて、明日はお休み。2週間ぶりの休日です。電話は鳴らさないでね。今夜は久しぶりに夜更かしして本でも読もうかな…? コーヒーでも淹れて、古臭いロックンロールを流してさ。でも横になったら、すぐに眠くなってしまう。疲労ってやつは脅威だ。僕らの時間を人生を食い潰していく。涙で濡れた枕を裏返し、新しい明日を夢見よう。新しい生活! なんて麗しい響きなんだろう! 今の僕には誰よりも、そんな甘い夢が必要だ。笑ったら殺す。
Jul 21, 2004
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夏…? もう夏…? いやあ…ははは…。月日の経つのは早いものですね。暑い暑いとは言っても、私の住む箱根は日中以外は過ごしやすいです。エアコンどころか扇風機も必要ありません。そして夏休みがやってくる。レジャー産業の歯車の一つである僕にとっては地獄の日々の到来です。まあ…今でも地獄は地獄ですが…。この前調べてみたら、ここ3ヶ月で僕がとった休みは9日(そのうち3日は半日仕事してた)、残業時間は144時間。わお! 僕は月に3日しか休んでいないのだね? でもまあいいや。楽しいことを考えよう。楽しいこと…楽しいこと…楽しいことって何だっけ…? とりあえず爆音で音楽が流れ出す。近所迷惑? 知るかよ! 叫べイギー! というわけで今日のBGMはストゥージズ。
Jul 16, 2004
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帰宅して鏡を覗きこむと、疲れにむくんだ見にくい顔がしまりのない表情でへらへらしてる。苛々する。無理矢理、笑ってみる。最近、上手く笑えない。顔面には笑顔を作るのに必要な筋肉があって、あまり笑ってないと、それが退化して笑おうと思っても、笑顔が作れなくなるんだって。…僕はちゃんと笑えているのかな? ひきつるひきつる。一体全体、僕は何をそんなにビクビクしてるんでしょうか? あまりにも多くのことに、とっ散らかって、もう訳が分からない。お願いだから、そんなにも多くのことで僕を煩わせないでおくれ。ひまわりが太陽に向かって咲くようなシンプルな力強さが欲しいです。最近のお気に入り:Michael Franti & Speahead 『Everyone Deserves Music』 最高にかっこいいから皆、聴こう!
Jul 12, 2004
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雷が落ちて、停電したエレベーターに閉じ込められという、ありそうでなかなかない体験をしました。ははは…本当に最近とことんついてない気がします。当然のように選挙権を放棄した僕は、今日もビールの空缶を増やすのです。しかし…なんだか迷いが生じてしまう。昔はもっと確固とした思想のもとに投票拒否という立場を選んでいたはずだったのに、今はただ単に面倒くさいからという理由でしかない気がしてならない…。もし僕が土地だの株だのを持ってたら迷わず自民党に票入れるんだろな。ああ…なんてだらしない精神状態なんだろう? 生活が、確かに僕を堕落させてしまっている。疲労が思考停止を招いている。僕は馬鹿だ。どんどん頭が悪くなる。どんどん感性が錆付いていく。もう一年も半分終わったというのに今年読んだ本なんて1、2冊くらい。考えられない事態だよ…これは。目を閉じても想像力が働かない。ただただ、はやく時間が流れないかと願うばかり。そんな人生。そんな苦痛。それは普通? それが社会で生きていく大人の運命なのかい? だとしたら、それが真実だというのなら、やっぱり革命が必要だ。もう一度だけ革命を! もちろん、それも逃避。救われないのは分かっているつもりだから、せめてもう少しましなくたばり方を選びたいんだ。社会は破綻するのも変えられない事実なんだろ? だったら僕は、選べられる範囲で最もマシな地獄に逃げるために自民党に、この清き一票を投じるべきだったのかもしれない。ああ…なんて安っぽい絶望!
Jul 11, 2004
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ああっ…! だめだ! やっぱりダメだ! 明るく前向きに生きようと決意したけど、無理! ボーン・トゥ・ネガティヴな僕は、どうしても、日々のあれこれにくたびれきってしまいます。労働だの責任だの、もううんざりだ。逃げたいよー!ギリシャ古典劇みたいに神様が降りてきて全部解決してくれないものかな…おおデウス・エクス・マキナ! カモン・ニュークリア・ボム! 「騙されたって思ったこと、あるかい?」とは、かのジョニー・ロットンの名言だが、いやまったく、僕らは物の見事に嵌められてる。奴等のカモだ。労働者なんてゴミみたいなものだろう? ホレイショー・アルジャー死すべし! すべてのCEOは被告席に立て! ハイデガーに言わせれば「生活への埋没」は「頽落」であり、それを真の意味で「生きている」とは言えないってことになる。OK。その通り、僕はほとんど死んでいる。人は何のために働く? 生きるため? いや違う! それは資本家どもの言い分だ。なるほど、生きるためには確かに働かなきゃならないのかもしれないが、だからと言って僕等は働くために生きているわけではないのも事実なんだ。
Jul 2, 2004
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