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2024.11.23
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2556  アニアーラ

ジャケット(オモテ面)

【 スタッフ 】
監督・脚本 ベラ・コーゲルマン、ヒューゴ・リリャ
原  作  ハリー・マーティンソン「アニアーラ」
製作総指揮 ニナ・ビスゴード「天才作家の妻- 40
      目の真実-」「ボーダー 二つの世界」
      ナタリー・ファーリー「 her/ 世界でひ
      とつの彼女」
      ヴィンセント・ランディ「アダプテーシ
      ョン」「マルコヴィッチの穴」
      ダニー・ガバイ「作家、本当のJ . .
      ロイ」
SFX   ヴィンセント・チューンストラム「ザ・
      スクエア 思いやりの聖域」
撮  影  ソフィー・ウィンクヴィスト
音  楽  アレクサンダー・バリ
美  術  ラブ・セルバーグ「ドラゴン・タトゥー
      の女」
【 キャスト 】
ミーマローペ…エメリー・ヨンソン(宮島依里)
イサゲル……ビアンカ・クルゼイロ(加藤美佐)「 100
      の華麗なる冒険」
シェフォーネ船長…アルヴィン・カナニアン(水越 健)
リビデル……イェニー・シルフヴェルヘルム(苅谷瑠衣)
      「ミレニアム2/火と戯れる女」


※ジャケット(ウラ面)

【 仕  様 】
型  番   ATVD-148911
製作年度   2018 年度
製作国等  デンマーク=スウェーデン
原  題   ANIARA
発  売  アット エンタテインメント株式会社
販 売 元  アット エンタテインメント株式会社
発売協力   ----
価  格   ----
字幕翻訳  安本煕生
吹替翻訳  赤坂純子
吹替演出   ----
日本公開   2019 年全国劇場公開作品
リリース   2019.10.02
収  録  本編 106
サイズ他   16: 9 LB シネスコサイズ
音  声  1.スウェーデン語 [5.1ch]
      2.日本語 [2.0ch]
字  幕  1.日本語字幕
      2.日本語吹替用字幕
そ の 他  片面1層、 MPEG-2 COLOR 、複製不能、
DOLBY AUDIO 2 NTSC 日本市場向、
R15+ DVD 、レンタル専用、中古販売禁止
映像特典  予告編


※ディスク

【 ジャケット 】
オモテ面: 巨大宇宙船が操縦不能!
     8000人が遭難する道の領域――
       ノーベル文学賞受賞作家
       ハリー・マーティソン原作×
       アカデミー賞受賞製作陣
火星移住が可能となった近未来。不慮の事故
     により、針路から外れたアニアーラ号――。
ウラ面 : 北欧版「2001年宇宙の旅」
    ノーベル文学賞受賞作家原作×
       アカデミー賞受賞製作陣が
       壮大なスケールで描くSF大作!
     汚染された地球から火星へ移住の途中、
8,000 人を乗せた巨大宇宙船アニアーラ号が
     遭難――!

ジャケットのオモテ面は、《アニアーラ号》が惑星に向かっている様子が描かれている。描かれた惑星は、火星ではないし、こと座の地球に似た惑星でもない。うーん、鑑賞後だと釈然としないイラストだ。 ( 溜息 )
これなら、ディスクに使われたイラストの方がいいなぁ。アニアーラ号が水の惑星に向かって直進しているイラストで、静謐でインパクトがある。こちらの方が、しっくりくる。
いい作品だっただけに、このジャケットはザンネンだなぁ。 ( 嘆息
)

【 感  想 】
「宇宙は大きい、人間は小さい」

思索的な映画だった。「宇宙は大きくて、人間は小さい」くらいしか感じられなかったけど、きっと何か高尚なことが含まれているのだろう。(私は凡俗なので理解出来ない)

――近未来、荒廃した地球を離れ、火星に移住する人たちを乗せた《アニアーナ号》が出航する。乗員乗客 8 千人、火星までの 3 週間を快適に過ごせるように船内には様々な施設が揃えられていた。
その一つである《MIMA(ミーマ)》は、人間の記憶から心休まる状景を切り出して意識に投影する装置だ。オペレータのMR(ミーマローベ)は、乗客に体験して貰おうと一生懸命だが、人気がない。
出航して間もなく、アニアーナ号は宇宙ゴミを避けようとして進路を変更する。ところが、エンジン部分に小さなゴミが衝突してしまう。爆発を避けるために船長は燃料放出を指示。幸い大惨事にはならなかったもののアニアーナ号は火星への進路に戻れなくなってしまった。
……というお話し。

一番不思議に思ったことは、何度も火星との間を往来しているなら、それを管理している組織があり、不測の事故に備えて対策の一つや二つはあるだろうと言うこと。簡単に言えば、アニアーナ号は救難信号を発信し、地球側は救助の手を差し伸べないのは何故か、と言うことである。SFならば、まずそこをキチンと描くと思う。つまり、本作品はSF映画ではないと言うことである。(或いは、脱出挺やシャトルなどの移動手段を全く搭載していないのも有り得ないと思う。地球を発って間もなくの事故だし、シャトルで救援を呼びに行くことも出来たのではないか?)

舞台こそ未来で宇宙船だが、主人公の人生が象徴的に描かれている。社会への不安、成功と挫折、出会いと恋愛、誕生、別れと老い、名誉、末期。アニアーナ号の漂流は、一方向にしか進まない時間の流れと同じだ。抗いようがない。

途轍もない時間の果てに、アニアーナ号は、こと座の或る惑星に辿り着く。水をたたえた緑の惑星は、かつての地球とそっくりだ。もちろん、その惑星を見た人間はいない。アニアーナ号は既に廃墟となっている。だから、アニアーナ号は、その惑星に着陸することもないし、ただ通り過ぎて行くだけだ。希望はない。得も言えぬ余韻が残る。

映像は面白かった。キチンとSFらしい雰囲気を醸していた。MIMA以外にSFっぽい道具は登場しないし、『スタートレック』のようなピチピチタイツの衣装も出て来ない。でも、現代のデザインとは異なる什器備品が用いられ、役者さんたちは衣装を着させられている。こういう感性は、さりげなくて好きだ。 ( )

そう、本作品には、ヒーローやヒロインも登場しない。飛び抜けて優秀な人物も出て来ない。愚かとも言える指導者や権力側について横暴をはたらく者、市民を欺くアナウンス、誰かを犠牲にして調和を保とうとするコミュニティ、絶望に堪え切れずアルコールや宗教に依存して行く個人。それらは実社会を象徴しているのだろう。
長さ 100 メートルの《槍》は、希望になったり重荷になったりする。槍そのものは、何の変化もしないし役にも立たない。けれど、アニアーナ号の人間社会において、その評価が変容することに考えさせられる。

​​ペシミズムに満ちた本作品は好悪が分かれそうだが、クオリティの高い作品なので、機会があったら一度ご覧下さい。オススメ!

【 デンマーク映画 】
『0306 コン・ティキ』
『0329 テンプル騎士団/失われた聖櫃〈アーク〉』
​​ 『0579 テンプル騎士団/聖杯の伝説』 ​​
『1566 レジデント』
『1613 ウィッチ・アンド・ドラゴン/秘密の見える少女』

【 スウェーデン映画 】
『0937 追撃車』
『1347 マックスとヘラジカの大冒険/クリスマスを救え』
『1451 センソリア/死霊の館』
​​ 『1790 アンダー・ザ・ウォーター』
『2409 デッド・ドント・ダイ』






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Last updated  2024.11.23 00:00:25
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