全33件 (33件中 1-33件目)
1

「花が房になり咲いている」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。花が房になり咲いているのは、このような格式ばった所の植え込みにはとてもよい。時司(ときづかさ)などは、近くにおり、鼓の音もいつもと違って聞こえるので、若い女房たちが二十人ぐらい傍に行き階段から高い鐘楼に登っているのを、こちらから見上げると、誰もが薄鈍色の裳や唐衣、同じ鈍色の単襲(ひとえがさね)、紅色の袴を着て登っているのは天人とはとても言えそうになく、空から降りて来たのだろうかと思える。同じ若い女房だが、登るのを手伝った人は仲間に入れないで、羨ましそうに見上げているのもおもしろい。左衛門の陣まで行って、転んで大騒ぎした人もこんなことはしないもの。上達部が着席なさる倚子などに、女房たちが登って政官などの座る床子(机のような腰掛け)を、みな倒して壊してしまったとまじめに非難する者たちもいるが、女房たちは無視する。
2021.03.31
コメント(25)

「不安なまま夜を明かした」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。故関白(道隆)殿の喪に服していた六月の終わりの頃、大祓(おおはらい)で中宮様が退出されるはずなのに、職の御曹司は方角が悪いというので太政官庁の朝所(あいたどころ)にお移りになっていらっしゃる。その夜は、闇夜で暑く、どういうわけか窮屈で不安なまま夜を明かした。翌朝見ると、建物の格好が平らで低く、瓦ぶきなのと中国風で風変わりで普通の建物のように格子などもなく、まわりに御簾だけが掛けてある。返って珍しくておもしろいので、女房は庭に下りたりして、植え込みに萱草(忘れ草)という草で、垣根を作って、とてもたくさん植えてある。
2021.03.30
コメント(22)

「じれったいもの-4」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。急ぎの用で煎り炭(火であぶって乾燥させ、火つきをよくした炭)をおこすのも、とても時間がかかる。人の歌の返事を早くしなければならないのに、なかなか詠めない時も、じれったい。相手が恋人などの場合は、それほど急がなくてもよいだろうが、自然とまた急がなければならない場合もある。まして女の場合でも、普通にやりとりしている時は返歌は早いのがいいと思うあまり、つまらない書き違いをすることもある。気分が悪く、何か恐ろしい感じがする時夜が明けるのを待つ間は、ひどく不安で待ち遠しい。
2021.03.29
コメント(28)

「じれったいもの-3」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。急いでどこかへ行かなければならない時に、まずわたしがある所へ行くとすぐに牛車は返すからと言って出かけた車が帰って来るのを待つ間は実にじれったい。大路を通ってくる車を、帰って来たらしいと喜んでいるとよその方へ行ってしまうのは、とても残念だ。まして見物に出かけようとしている時に、行列はもう始まったようだと人が言ったのを聞くのは、やりきれない。早産はあるけど後産は中々ない。見物やお寺参りなどに、一緒に行く筈の人を自分の牛車に乗せに行った時に折角牛車を横づけしているのに、すぐに乗らないで待たせるのも、じれったくそのまま放っておいてでも行ってしまいそうな気がする。
2021.03.29
コメント(18)

「じれったいもの-2」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。知られたくないと思う人がおり、前にいる人に理由を言って応対させている時いつだろうと待ち焦がれて生まれた赤ん坊が、五十日、百日のお祝いする頃になっているのは、将来がとても待ち遠しくじれったく思う。急ぎの物を縫うのに薄暗い中で針に糸を通す時。仕方がないとしても針穴の所を指さし糸を通してもらうのに、その人も急ぐからだろうか、すぐに通せないのでもういい通さないでいいと言うのを、通せない筈がないと思っている顔でやめないのは、じつにじれったく憎らしささえ感じる。
2021.03.28
コメント(16)

「じれったいもの-1」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。じれったいもの。人のところに急ぎの縫い物を頼んで、今か今かと緊張しながら座りこんで、あちらの方を見守っている気持ち。子供を生むはずの人が、出産予定日が過ぎても、生まれそうな気配がないの。遠い所から愛する人の手紙をもらって、固く封をしてある続飯(そくひ)などを開ける間は、とてもじれったい。出発が遅れ、行列が始まっていて検非違使の官人の沿道を警備する白い杖を見つけた時には、車を見物の桟敷に寄せる間やりきれなく車から降りて、行列の方へ歩いて行ってしまいたい気がする。
2021.03.27
コメント(22)

「早く知りたいもの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。 早く知りたいもの。巻染、むら濃(むらご)、しぼり染めなどに染めたもの。人が子を生んだ時は、男か女か早く聞きたい。身分の高い人は言うまでもない。つまらない人や、身分の低い人の場合でさえ、やはり聞きたい。除目(じもく/官職を任命する朝廷の儀式)の翌朝。知っている人で必ずしも任官するとは限らない時でも、やはり結果を聞きたい。
2021.03.26
コメント(21)

「うらやましいもの-3」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。立派な方の御前に女房が沢山控えて、奥ゆかしい方の所へ出す代筆の手紙を、女房なら誰だって鳥の足跡のような下手な字を書く人はいない。それなのに、局にさがっているのをわざわざ呼ばれて、ご自分の硯を渡して書かせておられるのも、じつにうらやましい。手紙の代筆などは、そこに仕える年長の女房などになれば、手習い程度の字の下手な人も、立場上それなりに書くが、上達部などの娘とか、また宮仕えをさせようと人を介して頼んでいる娘などの手紙には、特に気を使って紙をはじめとして、なにかと体裁よくしていらっしゃるのを女房たちは集まって、冗談にしても悔しがってなにかと言うようだ。
2021.03.25
コメント(23)

「うらやましいもの-2」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。だんだん暑くなり苦しく、こんな暑い日でなく他によい日があるだろうになんだってお詣りに来たのだろうとまで思う。涙もこぼれ疲れきって休んでいると、四十過ぎぐらいの女で、壺装束ではなくただ着物の裾をたくし上げただけなのが、七度詣でをすると、もう三度は参ったと言う。あと四度は大した事はない。午後二時頃には帰れるだろうと坂を下りた。女の子でも男の子でも出家させた子供でも、出来のいい子を持っている人はとてもうらやましい。髪がとても長く整って、下がり端(垂れ髪の先)が素晴らしい人。身分の高い人が、大勢の人から敬われ、大切に世話をされているのを見ると、とてもうらやましい。字が上手く和歌を上手に詠んで、何かの時に真っ先に引っ張り出されるのも、うらやましい。
2021.03.24
コメント(20)

「うらやましいもの-1」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。うらやましいもの。お経などを習うのに、たどたどしく忘れがちで何度も何度も同じ所を読むのに、法師は当然、男も女もすらすらと簡単に経を読んでいるのを聞くと、いつになったらなれるだろうと思ってしまう。気分が悪くて横になっているのに、声を立てて笑ったり話したりしてなんの屈託もなく歩きまわっているのを見るのは、ひどくうらやましい。伏見稲荷に心を奮いたたせて参詣したのに、中の御社(みやしろ)のあたりで息苦しいのを我慢して登っていると、他の人は少しも苦しそうな素振りもなく後ろから来ているなと思っていた人たちが、先に行ってお参りをするのはとても素晴らしい。二月の午(うま)の日の夜明け前に急いで出かけたが坂の半分くらい歩いたところで、巳の刻(午前十時頃)になってしまった。
2021.03.24
コメント(4)

「うらやましいもの-1」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。うらやましいもの。お経などを習うのに、たどたどしく忘れがちで何度も何度も同じ所を読むのに、法師は当然、男も女もすらすらと簡単に経を読んでいるのを聞くと、いつになったらなれるだろうと思ってしまう。気分が悪くて横になっているのに、声を立てて笑ったり話したりしてなんの屈託もなく歩きまわっているのを見るのは、ひどくうらやましい。伏見稲荷に心を奮いたたせて参詣したのに、中の御社(みやしろ)のあたりで息苦しいのを我慢して登っていると、他の人は少しも苦しそうな素振りもなく後ろから来ているなと思っていた人たちが、先に行ってお参りをするのはとても素晴らしい。二月の午(うま)の日の夜明け前に急いで出かけたが坂の半分くらい歩いたところで、巳の刻(午前十時頃)になってしまった。
2021.03.23
コメント(20)

「苦しそうなもの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。苦しそうなもの。 毎日夜泣きをする赤子の乳母。愛人を二人持って両方から嫉妬されている男。手強い物怪の調伏にかかわっている修験者。祈祷の効き目だけでもすぐにあればいいのだが、効き目がないようだ。人の笑い者にはならないと、必死に祈っているのは、ひどく苦しそうだ。むやみに疑う男に、ひどく愛されている女。摂政・関白のお邸などにいて羽振りのよい人も、気楽にはしていられないが、それはいいだろう。羽振りはよいが、気持ちがいらいらしている人は苦しそう。
2021.03.22
コメント(19)

「つまらないものが幅を利かせる時」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。つまらないものが幅を利かせる時。正月の大根(正月の歯固めに用いる)。行幸の時の姫大夫(ひめもうちぎみ/行幸の時、馬で供をする内侍所の女官)。御即位の御門司(みかどつかさ/即位式に天皇の高御座タカミクラに絹蓋をかける)。六月、十二月の末の節折(よおり)の蔵人。六月十二月の大祓の夜、女蔵人が竹で天皇の身長を計る。季の御読経(みどきょう)の時の威儀師(いぎし)。季の御読経(春秋、二月と八月に百僧を呼んで大盤若経を宮中で転読する法会)威儀師(法会の時に僧を先導し、威儀を整える僧) 赤い袈裟を着て、僧の名を読み上げているのは、堂々として威厳がある。季の御読経、御仏名などの設営をする蔵人所の衆。春日の祭の近衛舎人(このえどねり)たち。正月三が日の薬子(くすりこ/天皇のおとその毒味する童女)。
2021.03.21
コメント(21)

「不快で嫌なもの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。不快で嫌なもの。 刺繍の裏側。鼠の子の毛もまだ生えていないのを巣の中から転がし出したとき。裏がまだついていない皮衣の縫い目。防寒着などに使う。暗くてきれいでない所にいる猫の耳の中を見た時。どうという事もない人が、子供がたくさんで持てあましているとき。それほど深くも愛していない妻が気分が悪く長い間病気なのも男の気持ちとしては嫌だろうと思う。
2021.03.20
コメント(22)

「文字に書くと大袈裟に見えるもの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。見ると大した事ないが、文字に書くと大袈裟なもの。覆盆子(いちご)。覆盆子はイチゴやクサイチゴなどと読み、男の愛する鴨頭草(つゆくさ)。水茨(みずふぶき)スイレン科の一年生の水生植物でオニバスの別名。文章博士(もんじょう)漢文学及び中国正史などの歴史学を教授した。蜘蛛(くも)。胡桃(くるみ)。得業の生(とくごうのしょう)。皇太后宮権大夫(ぐうのごんのだいぶ)皇后宮職の長。楊梅(やまもも)。虎杖(いたどり)は虎の杖と書き、タデ科の多年生植物。山野や道端や土手などの至るところで群生している。虎には杖がなくてもよさそうな。
2021.03.19
コメント(24)

「強盗は全てにおいて恐ろしい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。名前が恐ろしいもの。 青淵(あおふち)。谷の洞(ほら)。鰭板(はたいた)。鉄(くろがね)。土塊(つちくれ)。暴風(はやち)。不祥雲(ふしょうぐも)。雷(いかずち)は、名前だけでなく、ひどく恐ろしい。矛星(ほこぼし)。肱笠雨(ひじかさあめ)。荒野(あらの)。 強盗は全てにおいて恐ろしい。濫僧(ろうそう)はだいたい恐ろしい。金持(かなもち)も、また全てに於いて恐ろしい。生き霊(いきすだま/他の人に取りつき悩まし生きている人の霊魂)。蛇苺(くちなわいちご)。鬼蕨(わらび)。鬼ところ。むばら(野性的の薔薇)。唐竹(からたけ)。いり炭。牛鬼。碇(いかり)は名前よりも見た目が恐ろしい。
2021.03.18
コメント(22)

「親が可愛がり甘やかしている」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。人前で調子づくもの。格別な取り柄もない子で、親が可愛がり甘やかす。咳(せき)。こちらが気恥ずかしくなるほど立派な人に何か言おうとするとまず咳が出てくる。局のあちこちに住む人の子で、四、五才位の子が身勝手に振る舞い、物を散らかしたり壊したりするのを、引っ張って止められて、思い通りにできないのが、親が入って来たので調子に乗る。お母さん、あれを見せてよ、ねえねえなどと揺り動かすが、大人たちは話をしていて、すぐには聞いてくれないので、自分で勝手に引っ張り出し見て騒ぐのは、ひどく憎らしい。それを、だめっと取り上げもしないでそんな事はだめよ壊さないでと笑顔で言うだけなのは、親も憎らしい。
2021.03.17
コメント(24)

「人形遊びの道具はかわいらしい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。人形遊びの道具。蓮の浮葉のとても小さいのを、池から取り上げたもの。葵のとても小さいの。どんなものでも小さいものは、みなかわいらしい。とても色白でふっくらした幼児の二つぐらいなのが、二藍(ふたあい)の薄物など、着物が長くて襷(たすき)で結んだのが這い出て来たのも着物の丈の短い袖ばかり目立つようなのを着て歩くのも、みなかわいらしい。八つ、九つ、十ぐらいの男の子が、幼い声で本(漢詩文)を読んでいるのは、とてもかわいらしい。鶏のひなが、足長で、白くかわいらしく、着物を短く着たような様子で、ぴよぴよとうるさく鳴いて、人の後ろや先に立って歩くのも、おもしろく親鳥が一緒に連れ立って走るのもみなかわいらしい。かるがもの卵。瑠璃(青色の宝石)でできている壺。
2021.03.16
コメント(25)

「瓜(うり)に描いてある幼児の顔」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。かわいらしいもの。瓜(うり)に描いてある幼児の顔。雀(すずめ)の子が鼠の鳴き声をすると、はねて来るとき。二歳か三歳の幼児が、急いで這って来る道に、小さいごみがあるのを見つけて、可愛い指で抓み大人たちに見せているのは、とてもかわいらしい。頭髪を肩あたりで尼そぎした幼女が、目に髪の毛がかぶさり顔を傾けて物など見ているのも、かわいらしい。大きくはない殿上童(わらわ)が装束を立派に着せられて歩くのもかわいらしい。愛らしい幼児を抱いて可愛がったりするうちに寝てしまったのも、とてもかわいらしい。
2021.03.15
コメント(24)

「疫病が流行り世間が騒いでいる」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。胸がドキドキするもの。競べ馬を見ること。元結(もとゆい)を縒(よ)ること。親が気分が悪いと言い、いつもと違う様子で疫病が流行り世間が騒いでいると噂を聞く時は、心配で他のことは何も考えられない。まだ話せない赤ん坊が泣いて、乳も飲まず、乳母が抱いても泣きやまず、長い間泣き続けている。いつもと違う所で、表沙汰になっていない恋人の声を聞いた時は当然で他の人が、その恋人の噂をする時も、まずドキッとする。ひどく嫌な人が来た時も、またドキッとする。不思議にドキドキするのが胸で昨夜初めて通って来た男から今朝送って来る手紙が遅く、ひと事でもドキドキする。
2021.03.14
コメント(21)

「桜の花が沢山咲いている絵柄」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。黒い髪の毛筋のよくないの。布屏風(ぬのびょうぶ)の新しいの。古くなって黒ずんでいるのは、言うほどの価値がないから、かえって気にならない。新しく作って、桜の花が沢山咲いている絵柄で、胡粉(ごふん/白絵具)朱砂(すさ/赤絵具)で色をつけた絵などが描いてある。遣戸厨子(やりどずし)下品なもの。 式部の丞の笏(しゃく)。公事や儀式の度に違う笏紙を貼っては剥がすが、それを繰り返すが笏紙を貼る時に用いた続飯(そくい)の影響で笏の光沢が失われる場合もあり、続飯(そくい)とはご飯粒で作った糊のこと。
2021.03.13
コメント(18)

「碁盤から少し離れて及び腰になり」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。碁を貴い人が打つといって、直衣(のうし)の紐を解き、無造作な様子で碁石をつまんで置くのに、身分の低い人は、座り方からしてかしこまり碁盤から少し離れて、及び腰になり袖の下を片方の手で押さえたりして碁を打っているのもなんともおもしろい。怖そうなもの。橡(つるばみ/どんぐり)のかさ。焼けた野老(ところ/つる草の名)水ふふき(鬼蓮)。菱(ひし/水草の名。葉が菱形で、果実はとげがある)髪の多い男が髪を洗って、うつむいて乾かしているところ。清らかに見えるもの。土器(かわらけ)。新しい金属製の碗(わん)畳に張る薦(こも/畳表)。水を何かに入れるときに透けて見える光の影。
2021.03.12
コメント(20)

「サイコロをすぐに筒の中に入れない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。さっぱりとした美しい男が一日中双六をやって、それでも満足しないのか低い燈台に火を灯して、明るく灯心をかき上げ、相手が賽(サイコロ)にお呪いをかけておき、サイコロをすぐに筒の中に入れないので、男は筒を盤の上に立てて待っているが、狩衣の襟が顔にかかるので、片手で押し込んだ。硬くない烏帽子の先が垂れ下がるので後ろに振りのけ、賽にまじないを掛け悪い目が出ないようにと、待ち遠しく見守る姿は、誇らしく見える。当時の双六は盤の上を双方各十二に区分し、中央部をあけて敵・味方の領地に分け、黒白十五個ずつの馬とよぶ石を並べ、二つの賽を竹筒に入れて振り出た数だけ石を進めるもので、先に敵陣に送り終わったものを勝ちとした。
2021.03.11
コメント(23)

「危ながって猿のようにしがみつく」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。髪の美しい女の子の内着の袙(あこめ)はほころびて、袴はよれよれになり立派な袿(うちぎ)を着ている女の子が三、四人来て、卯槌(うづち)にする木のよさそうなのを切って落として。ご主人様のところでも必要と言う。袙とは装束の内着。袿とは重ね上着。卯槌とは邪気を打ち払うキット。木の上から落とすと、下の子たちは奪い合って上を向いて、もっと沢山と言っているのはおもしろい。黒袴を履いた男が走って来てもっとだってなどと言うと、木の幹を揺さぶるので、危ながって猿のようにしがみついてわめくのもおもしろい。梅の実がなっている時にも、こんなことをする。
2021.03.10
コメント(22)

「日は鮮やかに射し込んでいる」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。正月十日過ぎの頃、空は雲って暗く厚く低く見えながら、それでも日は雲の切れ間から射し込んでいるのに、つまらない者の家の荒畑の土もならされていない所に、桃の木の若々しい小枝が沢山出ているのが片方は青く、もう片方は色濃く、蘇芳の色が、日の光に見えている。ほっそりとして、狩衣(かりぎぬ)はどこかで引っ掛け破れたりしているが髪はきちんとした子供が登っており、着物の裾をたくし上げている男の子やすねを出して浅い靴を履く子が、木の横に立ち、私に毬打(ぎちょう)を切り槌の形をした杖に色糸を巻き木製のまりを打ち合う遊び道具を作っていた。
2021.03.09
コメント(24)

「点を取られる筈がないと抗議する」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。この謎を知らない人が何故に、点を取られる筈がないと抗議する知らないと言うからには、どうして負けにならない事があろうかと言う二番以後の謎謎も、この人がみな議論して勝たせた。よく知っている事でも思い出せない時は、分からないと言うのも仕方がないが、知っているのに何故知らないと言ったのかと、後で恨まれたそうよとお話しになる。女房は残念な応対をしたもので、左方の人の気持ちは、天に張り弓と聞いた時には、どんなに憎らしかったことでしょうなどと笑う。この例は、わたしのように忘れたのではなく、誰もが知っているので油断したからだが。謎謎合わせ(左右二組に分かれて謎をかけあいそれを解きあって勝負を争う遊びで歌合わせで左右の組に分かれた。
2021.03.08
コメント(26)

「子供でもわかる謎だった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。左方や右方の人も、結果が待ち遠しく「何だ、何だ」と言うのは憎らしいほど素晴らしい。だが、その人は、天に張り弓と言った。右方の人は、子供でもわかる謎だったから、実におもしろいと思うのに左方の人は呆気にとられて、みな憎らしく可愛いげもなく味方する。わざとこちらを負けさせようとしたのだなどと一瞬思うが、右の人がまったくつまらない、ばかげた謎だと笑い、全然わ分らないと言って口をへの字に曲げて、知らないなぁと言って、おどけた仕草をする。例の人は勝ち点を入れさせた。右方の人は、それは変よと言い出した。
2021.03.07
コメント(24)

「一番の謎の言葉は私に任せて」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。一番謎の言葉は、私に任せ、ここで発表しないであけておきなさい。私がこう言うのですから、決して悔しい思いをすることはないと言う。そうかも知れないと思っているうちに、謎謎合わせの日が近づいた。やはり謎の言葉をおっしゃい。もし同じ謎が二つ出たら困ると言う。それならもう知らない。私を当てにしないでなどと機嫌を悪くしたので不安なまま、その日になって、左右それぞれの男女が分かれて座って立ち合い人などが大勢で並んで座り勝負するのに、左の一番の人の勿体ぶった自信たっぷりの態度は、どんな謎を言い出すのだろうと思った。
2021.03.06
コメント(24)

「嫌いな歌だけれどこんな時は」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。嫌いな歌だけれどこんな時は、ぴったりの歌だなと思った。おまえの顔を見ないと、少しも気が休まることがないとおっしゃって前と変わったご様子もない。女の子に歌の上の句を教えられた事などを申し上げると、たいそうお笑いになって、そういうことがあるのという。あまりにも知っていて侮っている古歌などは、そういうこともありそうなどとついでに、謎謎合わせをしたけれど、方人(同じ組の人)ではなく、謎謎にたけていた人が、左の組の一番はわたしが謎を出そう。そのつもりでと請け合うから、まさかすぐにわかる謎は出さないだろうと頼もしく嬉しく組の全員が謎の問題を作り出して、選んで決める時になった。
2021.03.05
コメント(23)

「ここまで思い出していながら」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。同じ古歌と言いながら、こんな有名な歌を思い出せない人がいるかしら。もうここまで思い出していながら、口に出てこないのは、どうしてなの。前に座る女の子が、下ゆく水(物陰を流れる水)と申しますと言った。どうして忘れてしまったのだろう。こんな子供に教えられるのも、おもしろい。心には 下行く水の わきかへり 言はで思ふぞ 言ふにまされる心の中には地下水がわき返っている 言わないで思っているけれど言うよりずっと思いは深い。(古今六帖・第五) お返事をさし上げて、少し経ってから参上した。どうだろうと、いつもよりは気がひけて、御几帳に少し隠れて控えているのを、あれは新入りなのなどとお笑いになっていた。
2021.03.04
コメント(21)

「何かにつけ貴方のことを思い出し」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。紙には何も書かないで、言わないでも思っていると書いているのはとても素晴らしく、この数日ものご無沙汰が悲しかったのもみな収まって嬉しいのを、長女(おさめ)も見つめて、中宮様には何かにつけてどんなにか、あなた様のことを思い出しているのに。女房方は誰も、長過ぎる里下がりと言っておるようです。どうして参上なさらないのですかと言って、この近所に、ちょっと行ってからまた伺いましょうと言って去った後、お返事を書いておこうとするのに言はで思ふぞ(口に出さなくても思っています)の歌の上の句を忘れている。
2021.03.03
コメント(23)

「作り話なども出てくるようだ」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。中宮様から、たびたび参上しなさいとのお言葉を聞き流して、本当に長く経ってしまったのを、それをまた中宮様のあたりでは、ただもう左大臣側とそれらしく言って、作り話なども出てくるようだ。いつもと違ってお言葉などもなくて、何日も経ったので、心細くてぼんやりしている時に長女(おさめ/雑用係)が、手紙を持って来た。中宮様から宰相の君を通して、こっそり賜ったものですと言って私の家まで人目を避けているのもあんまりだ。人を介してのお言葉ではないだろうと胸がどきどきして急いで開けたところ、紙には何も書かないで山吹の花びらをただひとひら包んでいらっしゃった。
2021.03.02
コメント(22)

「しみじみとした風情のある所」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。台の前に植えた牡丹がしみじみとした風情ある所なのでぜひ参上してご覧なさい。おもしろいことといったらなどとおっしゃる。さあどうですかね。みなさんが私を憎らしいと思っていることが私もまた憎らしく感じましたのでとお返事する。率直だなと言って、右中将はお笑いになる。本当に私をどうお思いだろうと心配するような中宮様のご機嫌を損ねたのではなく、傍に仕える女房たちがあの人は左大臣(道長)様側の人と親しい間柄だと言って皆で集まって話をしていても、私が部屋から出るのを見ると、急に話をやめて私を除け者にする態度が、今までに遭った事がなく憎らしい。
2021.03.01
コメント(25)
全33件 (33件中 1-33件目)
1