inti-solのブログ

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2022.04.15
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テーマ: 戦争反対(1248)
カテゴリ: 戦争と平和
「『ロシア』という国を悪者にすることは簡単である」映画監督・河瀬直美さん 東大入学式で祝辞
東京大学の入学式に来賓で訪れた映画監督の河瀬直美さんが祝辞で「『ロシア』という国を悪者にすることは簡単である」と述べて、一方的な側からの意見で本質を見誤っていないかと訴えた。
祝辞で河瀬さんは、ロシアによるウクライナ軍事侵攻に言及し、「例えば『ロシア』という国を悪者にすることは簡単である。けれどもその国の正義がウクライナの正義とぶつかりあっているのだとしたら、それを止めるにはどうすればいいのか」と述べた。
その上で、「一方的な側からの意見に左右されて本質を見誤っていないか。」「誤解を恐れずに言うと「悪」を存在させることで私は安心していないか」と訴えた。
そして「自分たちの国がどこかの国を侵攻する可能性がある自覚をしておく必要がある。そうすることで、自らの中に自制心をもって拒否することを選択したいと想います」と述べた。

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この祝辞が多方面で批判を招いているようです。私も、この言い分は間違っていると思います。
河瀬直美といえば、NHKの番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」で、五輪反対デモの参加者が金銭をもらって動員されたとする偽りの内容の字幕が流された、という騒動がありました。本人の言い分によれば、「驚きとともに残念だった」というのですが、それを発言したのは騒動が表面化してから1か月以上も経ってからです。当初は、字幕を捏造された被害者である市民団体からの公開質問状に対して無視を決め込んでいます。
この時点で、私の河瀬直美に対する心証は「真っ黒」であり、「信用ならない人」という評価しかありません。
今回の発言でも各方面から批判が集中しているようですが、私もこの発言は間違っていると思います。
確かに、この世に絶対善も絶対悪もありません。ロシアにはロシアなりの言い分(NATOの東方拡大に関して)があることは当ブログでも指摘したとおりですし、ウクライナ側も判断ミス、読み違い、国内問題での間違いなどはあったわけです。
だけど、そもそも神でも悪魔でもない人間社会に絶対善も絶対悪もないのは当たり前です。死刑判決を受けた凶悪犯でも、生涯の中で善行を一度もしたことはない訳ではないだろうし、聖人君子のような人でもミスや誤りはあるわけです。しかし、どんな善行のある人間でも、だから凶悪犯罪も仕方がない、などと言うことになるはずがありません。
ロシアに、ロシアなりの被害者意識はあったにしても、「だからウクライナに侵攻してよい」「ウクライナを殺戮してよい」などということになるはずがありません。また、ウクライナ側に判断ミスはあったにしろ、ウクライナからロシアを攻撃して始まった戦いではない以上、「だから攻撃されても仕方がない」「国民が殺戮されても仕方がない」などということになるはずがありません。

物事には多面的な見方が必要とはいえ、今まさに殺戮が行われているときに、殺戮されている側の非、殺戮している側の善を言うことは、ことの本質を見誤るとしか思えません。

ただし、です。河瀬の言い分は論外ですが、この戦争の結末、落としどころを予想すると、あまり心楽しくないけれど、どこかの部分でプーチンのやったことを「免罪」するしかないのではないか、と思えることもまた事実です。
べき論で言えば、このような蛮行(ウクライナだけの問題ではなく、チェチェンやシリアでも、同様のことをそれ以上の規模でやってきたようです)を行ったロシア軍は無条件降伏に追い込んで、プーチンはじめ戦争責任者は人道に対する罪で処罰すべき、と思います。そのくらいの犯罪行為です。
でも、べき論はともかく、現実問題としてそれが可能であるとは思えません。

ロシアは、経済的にはさしたる大国でもないし、軍事的にも今回の苦戦で化けの皮がはがれつつありますが、依然として核大国であることに変わりはりません。少なくとも、経済的にも軍事的にも、ウクライナがロシアより小国であることは間違いありません。ウクライナに侵攻したロシア軍のうち、北部では押し返すことが出来ましたが南部と東部ではそのめどは経っていません。ウクライナは死力を尽くしていますが、軍事的にすべての敵を国境の外に押し返すことが、果たして出来るかどうか。
もしできたとしても、それ以上ロシアを国家として降伏させて、プーチン等を戦犯裁判に引き出すことは出来るわけはありません。
現実には、すでに何度か停戦協議が行われている(合意はしていませんが)くらいですから、軍事的にロシア軍をすべて国境の外に押し返すことは困難で、停戦合意、言い換えればロシアとの間で妥協によって戦争を終わらせる、という可能性は低くはありません。それは、プーチン政権がやったことを、どの程度かはともかくその一部を免罪することです。そんなことは許せない、としても、泥沼の戦争で国力を消耗し尽くして、国家が破滅するまで戦うことも不可能でしょう。

だからと言って、プーチン政権のやっていることへの批判を遠慮する必要は全くないのですが、戦争の終わらせ方として、そうならざるを得ない可能性もある、という現実も頭の片隅には留めておいた方が良いのかな、と思います。





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最終更新日  2022.04.15 18:58:40
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