海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2003.04.21
XML
テーマ: 本日の1冊(3685)
カテゴリ: Books


十字軍(Crusades)は聖地奪回のため、170余年間に8回の大遠征を行った。十字軍の大目的(聖地の奪回、教皇権威の絶対化)は達成されなかったが、長期・大量の人と物の移動は貨幣経済を促進し、南欧港市を成長させ、閉ざされた中世世界観を拡大したと言うのが定説の様です。


イスラムの世界地図-文春新書(21世紀研究会編)では次の様に記載しています。

イスラムのセルジューク朝はビザンツ帝国の領土にも進出したので、ビザンツ帝国はローマ教皇に援軍を要請した。
1096年第1回十字軍はエルサレムに到着すると、イスラム教徒とユダヤ教徒を多く殺害し、200年に亘るエルサレム王国を建国した(1099~1291)。
40年後サラディン率いるイスラム軍の反撃が開始され、第2回十字軍が派遣されたが、1187年ジハード(聖戦)に屈することとなった。サラディンはエルサレムに入城し聖地解放を行うが、キリスト教徒の生命安全を約束した。
第3回十字軍(1189~1192)は獅子王と有名なイギリスのリチャード王が先頭に立ったが、「聖地巡礼」を保証することでサラディンとの休戦協定を結んだ。
それ以降は聖地奪回と言う目的は消えて、領地拡大と略奪が十字軍の目的となってしまう。
第4回十字軍(1202~1204)は、キリスト教国ハンガリーを襲撃、さらにはビザンツ帝国を攻め落としてラテン帝国(1204~1261)を建国してしまう。
第5回(1216)は、エジプトのカイロ攻略に失敗して敗走しますが、第6回(1219~1221)では逆にイスラム軍がフリードリッヒ二世にエルサレムを譲り渡してしまうのです。
第7回(1248~1254)では、フランス王ルイ9世がイスラム世界の一大センターであったエジプト攻撃を掛けるのだが、降伏して身代金を払ってフランスに帰国する。
最後の第8回(1270)は再度ルイ9世によるものとなるが、途中病没で終結となる。

170年に亘り戦争を続けるヨーロッパの執念深さには驚かされます。その他ヨーロッパ域内でも100年を越えて闘いを続けている例は多く、淡泊な日本人感覚は追いていけません。
今回の米国のイラク攻撃は民主主義の十字軍が派遣されたと言う感覚もあるようですが、100年を越えて泥沼状態が続くことの無い様に望むばかりです。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.07.12 14:58:45
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Category

カテゴリ未分類

(191)

My Town

(535)

Little Journey

(786)

Overseas US

(231)

Overseas Europe

(192)

Opinion

(1325)

Classic Music

(523)

Technology

(199)

Flower

(599)

Books

(207)

Goto Islands

(264)

Gardening

(215)

PC

(174)

Social Security

(35)

Stock

(139)

Politics

(728)

技術士

(18)

Overseas Oceania

(19)

Paintings

(76)

TV

(71)

Profile

カーク船長4761

カーク船長4761

Favorite Blog

「光る君へ」と枕草… New! 七詩さん

舞子公園でニューサ… New! 隠居人はせじぃさん

休止 Fugu-chanさん

雲の上はいつも蒼空 蒼空0205さん
旅でのひとり言 旅行好き2002さん

Comments

maki5417 @ Re:会食場所を下見に行く-狛江Jonathan(06/14) クーポン発行のファミレスですね。
maki5417 @ Re:榎津城山から蛤浜を観る-我が家に残る油彩(06/12) 老々介護ですが、ピンコロでよかったです…
maki5417 @ Re:ユネスコの世界遺産に登録されているシャルトル大聖堂(06/05) 電車で十分日帰り可能ですが、残念でした…
カーク船長4761 @ Re[1]:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) オジン0523さんへ 26年前に修正致します!
オジン0523 @ Re:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) 私も2011年7月に男二人で北欧の旅を楽しみ…

Freepage List

東京都多摩市


多摩市周辺


神代植物園


自宅周辺で良く行くお店


近くの低山


低山でも注意を


供養登山-低山トレッキング


西海国立公園


上五島日記


下五島日記


海外旅行の思い出


ホテルが見つからない


レンタカーが変調


大都会の一方通行


北米家族旅行


北米家族旅行(2)


ヒューストンの住居


アメリカは広い!


テキサス州の州花


Deep South


住み良い都市統計


パクス・アメリカーナ


キャンプ生活


カリフォルニア1号線


カナダお国自慢


温泉国立公園


化石の森国立公園


カールスバード鍾乳洞


Everglades国立公園


Great Smoky Mt.


ニュージーランド南島


珈琲が美味しくない


Kingston Flyer


南ヨーロッパ旅行


チロルでは寄り道


パンと湯はホテルで


ザルツブルクの魅力


美しい夏の行方


北ヨーロッパ旅行


夏の個人旅行は難しい


天才アーベル


Clara Haskil ?


ディヌ・リパッティ


ホルン信号


Charllote Church


ヨーゼフ・シゲティ


エミール・ギレリス


ナルシソ・イェペス


キリ・テ・カナワ


半額チケット


ブレンデル


Andras Schiff


バレンボイム


コレルリ


ヘルマン・プライ


へブラー


グレン・グールド


ラズモフスキー3番


デュ・プレ


カール・ライスター


油絵を描く楽しみ


美術館での写真


レンブラント


如意輪観音


拙いパステル画


スケッチと模写


ゲーテの詩は如何?


陶淵明の雑詩


奥の細道


ヨーロッパとは何か


魔法使いの弟子


ボードレール


杜甫


すみれ-ゲーテ


北米の国立公園


米国 国立公園


カナダ国立公園


ドイツ旅行


遅れてきた国民


プロテスタント


フランクフルトと京都


Riemenschneider


ドイツとゲルマン


ベートーベン生家


シュヴァイツァー博士


フランス旅行


星の王子さま


落葉


ボードレール


東欧旅行


幻想都市プラハ


スイス旅行


アインシュタイン


ハイジの道


シオンの城


ベネルックス三国旅行


夢の跡-ブリュージュ


英国旅行


三越のライオン


オーストラリア旅行


海外生活


JCBが使える


Globalization


レッド・ドラゴン


「大学」-宇野哲人


世界の美術館 訪問記


読書評


イタリア旅行


ポルチーニ


カナダ旅行


メキシコ旅行


インド旅行



© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: