海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2003.07.19
XML
カテゴリ: Opinion
イラク戦争の大義とされた大量破壊兵器が発見されず、戦争開始の根拠とされた「ニジェールからのウラン購入」に疑惑が広がり米英政権は説明不足を指摘され、特にイギリスのブレア政権は危機を迎えている様です。

英国のブレア政権は「戦争に向け世論を誘導した」との野党批判に端を発し、議会の調査委員会でも外相から意見聴取を行われ、灰色の結果報告が出されました。
国民世論は納得せず、ブレア政権は危機に晒されていますがブレア首相は情報の正確性と自己の正当性を懸命に主張しています。彼の国民への説明責任を果たす努力は評価出来ます。
昨日の米英会談でも「歴史が戦争の正当性を証明する」と胸を張りました。

ブッシュ政権は「フセイン大統領の脅威に対処する責任があった」として、「ウラン購入」情報については中央情報局(CIA)の責任として長官更迭で幕引きを図ろうとしていますが、CIA長官が議会の調査委員会で「演説盛り込みは政権側が固執した」と証言して藪の中になりつつあります。
昨日の米英会談でも「生物化学兵器を保有し、核兵器開発を再構築しようとしていた。フセイン政権は増大する脅威だった」とイラク戦争の正当性を主張しました。

日本の小泉政権は、米英のイラク攻撃は国連安保理決議1441から正当性があると支持を鮮明にし、米英による更なる国連決議可決に向け、非常任理事国に働き掛けを行いました。
結果的には決議案撤回となりましたが、イラク戦争開始に際し、世界に先駆けて米英の攻撃支持の態度を鮮明にしました。正当性は歴史が証明すると言うのも論拠の一つでした。
その後の国会の戦争の大義である大量破壊兵器質疑では、軽い言葉で「フセインが見つからないと言って、フセインがいなかったことにはならない」との珍回答をすることになりました。

民主主義という観点から見ると、英国が一番健全の様に思われます。
英国ブレア首相来日ニュースのマスメディアの扱いは、何か驚く程冷淡です。日米関係の重要さ扱いに較べてこの差は何でしょうか?

日本は民主主義に則った独立国としての見識も疑問視する様な状態が続いていますが、マスメディアにも大きな責任がありそうな気がします。



朝日新聞7月17日夕刊文化欄に加藤周一の評論「歴史と審判」が掲載されましたので一部を転載させて頂きました。
主として日本の政治家に向けての発言のようですが・・、ブレア首相にも当てはまる様な気がします。

政治家は折に触れて、この政策の評価は歴史の審判に委ねると言う。その言葉はあたかも政治家に長い歴史を見透かす見識があるかの様に響く。「審判」は次の選挙より先の話で、当人の政治活動には如何なる実害を及ばさないことを見越した、責任の先送りでもある。

私達は3月20日前に日本の首相が米国の戦争を支持すると言うのを聞いた。又3月20日前にフランスのシラク大統領が「戦争は問題解決の最後の最悪の方法だ」というのを聞き、ドゥ・ヴィルパン外相が査察継続を主張し、査察中止し軍事攻撃を米英提案の決議を必要あれば拒否権を使っても阻止すると言って喝采を浴びるのを見た。
しかし、「イラクの大量破壊兵器」に関し、どちらの主張が正しいかを判断する資料は当時手元に無かった。今ではもう少し踏み込んで判断することが出来る。日本は単に戦争を支持したので無く、根拠に誤りのある戦争を支持したのである。安保理は単に分裂したのでは無く、イラクの大量破壊兵器に関する限り正確な主張とおそらく間違った意見に分かれたのである。
其処までは「歴史の審判」を待たずに言うことが出来る。それともそれは、言うに値しない些末なことであろうか。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.07.12 14:04:09
コメント(1) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Category

カテゴリ未分類

(191)

My Town

(535)

Little Journey

(785)

Overseas US

(231)

Overseas Europe

(192)

Opinion

(1325)

Classic Music

(523)

Technology

(199)

Flower

(599)

Books

(207)

Goto Islands

(262)

Gardening

(215)

PC

(174)

Social Security

(35)

Stock

(139)

Politics

(728)

技術士

(18)

Overseas Oceania

(19)

Paintings

(74)

TV

(70)

Profile

カーク船長4761

カーク船長4761

Favorite Blog

「虞美人草」(夏目… New! 七詩さん

アメリカデイゴ、赤… New! 隠居人はせじぃさん

休止 Fugu-chanさん

雲の上はいつも蒼空 蒼空0205さん
旅でのひとり言 旅行好き2002さん

Comments

maki5417 @ Re:ユネスコの世界遺産に登録されているシャルトル大聖堂(06/05) 電車で十分日帰り可能ですが、残念でした…
カーク船長4761 @ Re[1]:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) オジン0523さんへ 26年前に修正致します!
オジン0523 @ Re:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) 私も2011年7月に男二人で北欧の旅を楽しみ…
カーク船長4761 @ Re[1]:クレジットカード情報の漏洩(05/30) maki5417さんへ 不甲斐無いのですが、末尾…
七詩 @ Re:クレジットカード情報の漏洩(05/30) 毎日のようにそういうメールが来ます。と…

Freepage List

東京都多摩市


多摩市周辺


神代植物園


自宅周辺で良く行くお店


近くの低山


低山でも注意を


供養登山-低山トレッキング


西海国立公園


上五島日記


下五島日記


海外旅行の思い出


ホテルが見つからない


レンタカーが変調


大都会の一方通行


北米家族旅行


北米家族旅行(2)


ヒューストンの住居


アメリカは広い!


テキサス州の州花


Deep South


住み良い都市統計


パクス・アメリカーナ


キャンプ生活


カリフォルニア1号線


カナダお国自慢


温泉国立公園


化石の森国立公園


カールスバード鍾乳洞


Everglades国立公園


Great Smoky Mt.


ニュージーランド南島


珈琲が美味しくない


Kingston Flyer


南ヨーロッパ旅行


チロルでは寄り道


パンと湯はホテルで


ザルツブルクの魅力


美しい夏の行方


北ヨーロッパ旅行


夏の個人旅行は難しい


天才アーベル


Clara Haskil ?


ディヌ・リパッティ


ホルン信号


Charllote Church


ヨーゼフ・シゲティ


エミール・ギレリス


ナルシソ・イェペス


キリ・テ・カナワ


半額チケット


ブレンデル


Andras Schiff


バレンボイム


コレルリ


ヘルマン・プライ


へブラー


グレン・グールド


ラズモフスキー3番


デュ・プレ


カール・ライスター


油絵を描く楽しみ


美術館での写真


レンブラント


如意輪観音


拙いパステル画


スケッチと模写


ゲーテの詩は如何?


陶淵明の雑詩


奥の細道


ヨーロッパとは何か


魔法使いの弟子


ボードレール


杜甫


すみれ-ゲーテ


北米の国立公園


米国 国立公園


カナダ国立公園


ドイツ旅行


遅れてきた国民


プロテスタント


フランクフルトと京都


Riemenschneider


ドイツとゲルマン


ベートーベン生家


シュヴァイツァー博士


フランス旅行


星の王子さま


落葉


ボードレール


東欧旅行


幻想都市プラハ


スイス旅行


アインシュタイン


ハイジの道


シオンの城


ベネルックス三国旅行


夢の跡-ブリュージュ


英国旅行


三越のライオン


オーストラリア旅行


海外生活


JCBが使える


Globalization


レッド・ドラゴン


「大学」-宇野哲人


世界の美術館 訪問記


読書評


イタリア旅行


ポルチーニ


カナダ旅行


メキシコ旅行


インド旅行



© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: