海外旅行紀行・戯言日記

海外旅行紀行・戯言日記

2003.10.13
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テーマ: 本日の1冊(3685)
カテゴリ: Books
マサチューセッツ工科大学教授のノーム・チョムスキーは1928年生まれで、ベトナム戦争以来米国の対外政策を厳しく批判し、マスコミを徹底的に嫌う孤高の人です。
彼の部屋には1960年代反核・反戦運動の旗手として主体的な役割を示し、アインシュタイン、湯川秀樹等を賛同させ運動に引き込んだイギリスのバートランド・ラッセル卿の写真が飾られているようですが、ラッセル卿はアメリカのマスコミに徹底的に嫌われていた人物で、チョムスキー氏の反骨精神は凄まじい様です。
元々言語学学究の徒で世界的な碩学らしいのですが、米国現代歴史への幻想を破り、知識人・マスコミに仮借無い批判を続けています。

初版は1991年、改訂を1997年、2002年にしたこの書籍はそれ程の大作ではありません。
未だ読み掛けで読了していませんが、凄まじい書き方に驚きました。


メディア・コントロール-集英社新書(2003年4月発行)

民主主義の一つの概念は「自分達の問題を自分達で考え、その決定に影響を及ぼせる手段を持ち、情報へのアクセスが開かれて環境にある社会」である。
そしてもう一つの概念は「一般の人々を問題に関わらせず、情報アクセスは一部の特別な人達の間だけに厳重に管理する社会」である。実のところ、優勢なのは後者の方だと理解しておくべきだろう。
テレビはメッセージを繰り返す。人生の唯一の価値は、もっと物を所有し、裕福な中流家庭の様な生活をして、社会調和やアメリカニズムの様な価値観を持てることだ。人生にはそれしか無い。
メディアは企業の占有物であり、何れも同じような見解を持っている。
二大政党と言っても財界という党の二つの派閥に過ぎないのである。国民の大半は投票に足を運ばない。わざわざ行くほどの意味があるとも思えないからだ。彼等は社会の動きから取り残され、上手いこと関心を反らされている。少なくとも、それが支配者の狙いなのだ。




一方、劇場民主主義と言われている日本の現状を見ると、メディアの影響力・役割の大きさは未だ論議の対象になっていないのは残念です。
地道に真実を掘り起こすよりは話題性のあるニュースを提供し続けるマスコミ、大衆に迎合しつつ芸能人・タレントの職業救済番組しか編成しないテレビ局、を考えると彼の指摘したことが正鵠だと思えます。

自分達の住む社会が「真実何であるのか」を問い直す必要がありそうです。






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Last updated  2004.12.21 21:25:26
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Comments

maki5417 @ Re:会食場所を下見に行く-狛江Jonathan(06/14) クーポン発行のファミレスですね。
maki5417 @ Re:榎津城山から蛤浜を観る-我が家に残る油彩(06/12) 老々介護ですが、ピンコロでよかったです…
maki5417 @ Re:ユネスコの世界遺産に登録されているシャルトル大聖堂(06/05) 電車で十分日帰り可能ですが、残念でした…
カーク船長4761 @ Re[1]:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) オジン0523さんへ 26年前に修正致します!
オジン0523 @ Re:6月オスロ・フィヨルドで白夜体験(06/01) 私も2011年7月に男二人で北欧の旅を楽しみ…

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