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2019.02.01

米国の異常寒波は極渦の分裂に依ると言う説

テーマ：徒然日記(22845)

カテゴリ： Opinion

元来、米国の中西部は山脈が無いので、冬は北極前線（Arctic Front）が南下して来て、厳冬となりやすく、今迄でも氷点下20℃を下回ると、学校等は閉鎖されて来ましたし、私が米国駐在中にオハイオ州に出張した1980年代でも、そんな事象がありました。
しかし、今年の厳冬は異常で、中西部は北極圏以下の気温に晒されている様で、その現象は極渦（Polar Vortex）の分裂に起因するとされています。

56年も昔、気象庁からの出張講義で荒川秀俊講師に「気象学」に教わった際の参考書「気象力学」（岩波全書1960版、正野重方著）を開いてみましたが、極渦の記述はありません。

従来は、安定していた極渦が偏西風のジェット気流に干渉され分裂して北米中西部に居座っていて、逆に北極圏では極渦が弱まったことで暖かくなり、永久とも思われた氷が溶けて北極航路が開設されているのですから、地球温暖化の影響が過大になって来ているとみるのが妥当の様です。

米国立気象局（NWS）は、米国中西部に強烈な寒波が押し寄せると警告した。イリノイ州シカゴの気温は1月30日、史上最低記録を更新する見込みという。シカゴの気温はエベレストや北極圏以下になると予測されている。

急激な気温の低下の背景には、「極渦（Polar Vortex）」と呼ばれる北極や南極の上空にできる寒気の渦の存在があげられる。この寒気の渦が南下することが原因で、米国各地の気温は今週、例年を大きく下回ることになる。

極渦は本来、成層圏近くの高い高度で循環しており、人間の活動には影響を及ぼさないが、近年はジェット気流が極渦に干渉を起こし、その渦を分裂させているのだ。
現在は、分裂して南下した極渦がアメリカ大陸の大半をすっぽり覆う現象だ。
一方で、北極圏では極渦の隙間に暖かい空気が流れ込み、通常よりも高い気温となっている。

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