海外旅行紀行・戯言日記

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2021.06.11

土光敏夫氏を偲び細やかな夕食

テーマ：昨日の夕食(558)

カテゴリ： Opinion

土光敏夫氏は優秀なタービン技術者でありながら、経営者として抜群の感覚で構造改革を断行した人物でもありました。

東京にある重工業でありました石川島造船は、他の産業に比べて労働集約産業で低賃金でありましたので、従業員も多いことから労働運動の拠点として、共産党オルグの拠点ともなっていてストライキ騒動も多かったのでした。

彼は、人事課に労働争議専門家を配置して労使協調を目指すと共に、当時原油タンカーを中心にした造船ブームに呼応するべく、関西の播磨造船との合併を画策、戦後初の大型合併を成し遂げ、造船業の雄たる三菱造船（長崎）を越えるべく、新型船型とブロック工法で業界をリードしたのでした。
その原動機となるタービンは彼の手中技術の範疇でしたので、米国GE型を発展させ、三菱の米国Westinghouse型に対抗して、拮抗することになりました。

その経営手腕を問われ、経団連会長の石坂泰三氏に請われ、親方日の丸の経営難に陥っていた東芝に事業合理化を導入して見事再建を成し遂げたのでした。

その後の活躍は万人の知る処で、石川泰三氏を継いでの経団連会長として産業の隆盛を図りましたし、何と次には停滞していた政治改革に迄、お呼びが掛って、「土光臨調」を牽引、政治改革提言を具申したのでした。

経営者となりながらも、自身の生活は質素を極め、「目指しがオカズ」が一躍有名となり、熱心な日蓮宗信者であって、連日団扇太鼓を打ち続けて信心を崇めていたことも知られています。

時には、その人生に私淑して、細やかな食生活をすることにしています。