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Break Time (一休み)
ニュー・カールスベア美術館(Ny Carlsberg Glypotek)
カール・ヤコブセン(1842年~1914年)
古代エジプト作品
古代バビロニア
遺跡発掘
前回城の再建に貢献した カールスベアのビール会社の創設者J.Cヤコブセン(1811年~1887年)の息子2代目の、カール・ヤコブセン(1842年~1914年)が創設した美術館です
。
チボリ公園のすぐ近く、中央駅からはバスで2つ目くらいの所にあります。
私的なコレクションが中心なのだそうですが、 かなりハイレベルの考古学的な遺物が展示
されています。
この写真はウキペディアからです。
カール・ヤコブセン(1842年~1914年)
ヤコブセン親子の間には確執がありました。
1882年、息 子カール・ヤコブセンは父(J.C.ヤコブセン)の経営に反発して別会社を設立 。
それが「ニュー・カールスバーグ」社(Ny Carlsberg)で、 父の「オールド・カールスバーグ」社(Gammel Carlsberg)と張り合う事になる
。
父は1887年逝去、父の遺産はカールスベア財団に移されていますが、もしかして美術品類のいくらかは彼に残したのかもしれません。
カール・ヤコブセンの私的なコレクションが中心と言われているが、コレクションの内容を見ていると父の時代に集めたのでは? と思われる部分もあるからです。
いずれにせよ父と同じように美術品への関心が高かったのは確かなようです。
ところで 会社は1906年に合併統合されています。それでもこの美術館の名前だけは「ニュー・カールスバーグ」と残ったようです。
美術館1階の中庭アトリウム
個人とはいえ市の美術館よりはるかに素晴らしい施設と展示物を誇っています。考古学好きにはお奨めです。
古代エジプト作品
Glypotek(彫刻陳列館)の名の通り、当初は古代彫刻作品群がコレクションの中心だったようだ
。
前回のエジプト企画カルナック・アメン大神殿(Temple of Karnak)にもなかった品質の作品です。
左がアメン神の冠を付けています。
ひょっとするとカルナックから出土しているかも・・・。
青銅製の冥界の神アヌビス神では?
写真は部分で全身完璧な像です。他でこんなの見た事がありません。
ミイラ作りの神とされていたアヌビス神は埋葬されたミイラを守護するとも言われています。どこか王家の墓から出土したものでは?
マヘス (Maahes)神?
獅子の頭を持つこの神は戦争や天気の神? 母系制とアメン高司祭の保護を司る神とか・・・。アメン神官達のアメン大司祭国家の時代のものでしようか?
これもカルナックの匂いがしますね・・・。
古代バビロニア
ペルガモン美術館で見たようなこの浅浮き彫の壁は・・・、シルシュ(ドラゴン)を表した壁絵
まさかイシュタルの門に続く壁か? 他にライオンとオーロックスの壁がありました。
ペルガモン美術館の写真と照合・・イシュタルの壁に間違いなさそう。
メソポタミア神話に遡るスフィンクス?
ヘレニズムに近く見えるがメソポタミアからの古いスフィンクスもあります。
スフィンクスの歴史が古代バビロニアに遡るとは知りませんでした。
セイレーン(Siren)のような気もする。
枠をとっておきたかったけど・・・二度と載せない美術館なのでこの写真も紹介・・・。
来歴は不明ですが、ヘレニズムか?
ギリシャ神話の方のスフィンクスのようですね。髪の毛は古代バピロニアに近いけど。それにしても鮮やかで美しい一品です。
これは欲しかっただろうな
遺跡発掘
全体にセンスも良く、彼が
コレクションとして買い集めたと言うよりは、彼あるいは彼の父がパトロンとして遺跡発掘の資金提供をしていたのでは? と思える品揃え
です。
資金提供の代わりに良い発掘物を手に入れる・・・それは19世紀に始まった遺跡発掘ブームを感じざるおえません。
実際現在は遺跡の国外持ち出しは簡単に出来ませんが、当時は欧州やアメリカへ良質の遺跡が大量に渡っています。
ここのレベルはそうした位置にいたからこそコレクションできたであろうと言う内容のレベルです。
因みにハワード・カーター率いる王家の谷の発掘は1916年からカーナヴォン卿の援助で行われています。
ヤコブセン親子が収集していた時代は、まさしく発掘のラッシュでトレジャーハンターも活躍していた時代
。
そう言う時代があったから発掘場所の当時国に、逆に良い遺跡美術品がほとんど残っていないのが現状です。
ロダンの彫刻作品も結構まとまってありました。
絵画は私的には遺跡にくらべれば、それほど目に留まるものはなかったと思います。
でもコペンハーゲンに行く事があったら是非寄った方が良いですよ。
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