[Stockholm syndrome]...be no-w-here

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2025.01.03
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大勢で大きな物を運ぶいわゆる「ピアノ移動問題」をどのように解決するかという問題だ。比較性を確保するため、人間はコミュニケーションを制限して実施した。

すると、蟻は1個体では問題を解決する事ができないが、集団になればパフォーマンスが向上し、仲間と計算的かつ戦略的に行動しながら目的を達成する事ができた。

一方の人間は、個人だと(当たり前だが)蟻より上手く課題を解決できるのに対し、集団になった際の認知能力の向上は見られなかった。コミュニケーションを制限された場合、寧ろパフォーマンスが低下する事さえ示された。

チームは、人間のような複雑な脳を持つ場合、効率的に協力するためにコミュニケーションが不可欠という事を例証していると指摘した。

この研究をまとめた論文は科学誌「PNAS」に掲載されている。





以前、『 動物を「人間」たらしめているものは何か…
このT字棒を「運ぶ」という作業を、どうやって蟻に動機付けしたのかという疑問はありつつも、ここまで蟻が目的を共有して行動できる事には驚いた。

例えば、蜂は人間の顔を見分けられたり、仲間の行動を観察して同じように問題を解決できるなど、昆虫にも昆虫なりの「思考」がある事は知っていた。
しかし、蟻のこの動画を見ると、彼らの思考レベルは僕の予想以上だと言わざるを得ない。
そして「集団行動」に限って言えば、恐らく昆虫の思考力は動物のそれを超える筈だ。

それを裏付けるように「人間は集団になった際の認知能力の向上は見られず、コミュニケーションを制限された場合、寧ろパフォーマンスが低下する事さえ示された」と報告されている。
つまり、集団行動の成果を左右するのは、脳の大きさでも個人の能力でもなく、コミュニケーション能力であるという事だ。

さて、そうなると人類はそもそも「個人」で生きて来たのか、「集団」で生きて来たのか、という疑問が生じる。
フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッドは、著書『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』の中で、原初のホモ・サピエンスの家族システムは「核家族」から始まり、農業の発明と定住化により「核家族」→「直系家族」→「共同体家族」と進化して行った、と書いている。
蟻の研究結果を見ても、人間の基本は「個人」と考えて良いだろう。

ここからは僕の妄想だ。
もしかすると太古の人間も、小さな蟻が大きな物を集団で運んでいるのを観察して、真似をしたくなったのかも知れない(笑)。
物を運んだら、今度はそれを大きく高く積み重ねたくなる(笑)。
上手に綺麗に組み立てるには、互いのコミュニケーションが重要になる。
そこで人々がどんどん集合し巨大な建造物を造る中で、人間の情報伝達能力や言語能力、共同体意識などが発達したのではないか。
それが後に、宗教や文明の勃興に繋がった。

世界最古の巨大建造物であるギョベクリ・テペが、農耕や牧畜以前の新石器時代にたてられた事実からも、僕のこの仮説は全くの的外れではないと思う。
ウィキペディアには以下のような説明がある。

つまり遺跡の建造は陶芸、金属工学はいうに及ばず筆記や車輪の発明よりも早い、紀元前9000年前後に起こったいわゆる新石器革命、すなわち農業と畜産の始まりにも先立っている。にもかかわらずギョベクリ・テペは今まで旧石器時代や先土器新石器Aや先土器新石器Bとは無縁のものと思われていた高度な組織の存在を暗示している。考古学者はあの巨大な柱を採石場から切り出し、遺跡のある100から500メートルを移動させるには500名以上の人手が必要だと見積もっている。

ウィキペディアでは「ギョベクリ・テペは宗教儀式を目的に造られた」と解説されているが、僕個人はそうした理由や目的は後付けで、最初は単なる遊びや好奇心だったろうと思う。
つまり「何かしたい」という本能が先にあり、理性による動機付けは後から行われたという事だ。
その辺りは、過去の記事『 「何で?」って聞かれても、「好きやから」としか答えられへん… 』で語ってある。

「人生は壮大な暇つぶしだ」と言われるように、人間は太古から「余暇をどうやって過ごすか?」に頭を悩ませて来た筈だ。
現代の推し活も、音楽や映画鑑賞も、読書やゲームも、旅行も、スポーツも、ギャンブルも、そもそも仕事以外の人間の活動は全て暇つぶしでしかない。
何もしないと退屈だから、人は何か夢中になれる物事を探しては人生の暇な時間を埋めるのだ。

僕は、芸術や技術も太古の暇つぶしから発達したと考えている。
その一つが、巨大建造物だったのではないかと思う。
そのヒントが蟻だったとしたら面白い。

という訳で、この記事も暇つぶしと思って読んで下さい…(笑)。



せっかくなので、「記憶は遺伝する」という研究の動画も載せておく。
こちらも、かなり興味深い。
この研究結果が正しければ、「 現代人が本能的に昆虫を食べたいと思わないのは、太古の記憶が遺伝子に残っているからだ 」という僕の仮説も立証される。





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Last updated  2025.01.04 19:57:49


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