[Stockholm syndrome]...be no-w-here

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2026.04.27
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2019年、私はラリー・サマーズとハーバード大学に関する記事を読み、世界観が一変しました。「J・ストーン」というペンネームで執筆した著者は、ラリー・サマーズがハーバード大学学長を辞任した日が、私達の文化における転換点だったと主張しました。「Woke(=意識高い系、覚醒)」の時代全体は、サマーズがどのようにしてキャンセルされたかの詳細、そして何よりも誰がキャンセルしたか、つまり女性達から推測できると言うのです。

サマーズ事件の基本的な事実関係は私にとって馴染み深いものでした。2005年1月14日、「科学技術分野における人材の多様化」に関する会議で、ラリー・サマーズは非公開の講演を行いました。その中で彼は、自然科学の分野で女性が少ない理由は、「高度な適性を持つ人材の出現率に男女差がある事」や、「社会的な刷り込み(教育)とは無関係な」男女の本質的な好みの違いが一部影響していると主張しました。出席していた女性教授の中には、彼の発言に憤慨し、非公開のルールを破って記者にその発言を送った者もいました。このスキャンダルはハーバード大学の教員による不信任決議に繋がり、最終的にサマーズ氏の辞任へと至りました。

そのエッセイは、単に女性達がハーバード大学学長を追放したというだけでなく、非常に女性的な方法で追放したと主張しています。彼女達は論理的な議論ではなく、感情に訴え掛けたのだと。「彼が男女間の生来の適性の違いについて話し始めた時、私は息が詰まりそうになりました。何故なら、このような偏見は私を体調不良にさせるからです」と、MITの生物学者ナンシー・ホプキンスは語りました。サマーズは発言を釈明する声明を公表し、その後も二度、三度と謝罪を繰り返し、謝罪の度合いは回を追う毎に強くなりました。専門家達も、サマーズが性差について述べた事は全て科学的主流の範囲内であると断言しました。しかし、こうした理性的な訴えは、群衆のヒステリーには何の効果も無かったのです。

このキャンセルは女性的である、何故なら全てのキャンセルは女性的だからだと、このエッセイは主張しました。キャンセルカルチャーとは、特定の組織や分野に充分な数の女性がいる場合に、女性が行う行動に他ならないからです。これが「大女性化論」であり、同じ著者が後に著書の中で詳しく述べているように、「意識高い系」と呼ばれるものは全て、人口統計上の女性化の副次的現象に過ぎないのです。

この単純明快な主張の説明力は驚くべきものでした。正に、私達が生きている時代の秘密を解き明かしてくれたのです。「Woke」は新しいイデオロギーでも、マルクス主義の派生でも、オバマ政権後の幻滅の結果でもありません。それは単に、つい最近まで女性の数が少なかった組織に、女性的な行動様式が適用されたに過ぎないのです。何故、今まで気付かったのでしょう。

恐らく、殆どの人と同様に、私が「女性化」を自分が生まれる前の過去の出来事だと考えていたからでしょう。例えば、法律専門職における女性について考えるとき、私達は、法科大学院に入学した最初の女性(1869年)、最高裁判所で弁論を行った最初の女性(1880年)、または最初の女性最高裁判事(1981年)を思い浮かべます。

しかし、遥かに重要な転換点は、2016年にロースクール(法科大学院)の学生の過半数が女性になった時、或いは2023年に法律事務所のアソシエイト弁護士の過半数が女性になった時です。サンドラ・デイ・オコナーが最高裁判事に任命された当時、女性判事は僅か5%でした。今日、米国の判事の33%が女性であり、ジョー・バイデン大統領によって任命された判事の63%が女性です。

同様の軌跡は多くの職業で見られます。1960年代から70年代にかけて先駆的な女性世代が登場し、1980年代から90年代にかけて女性の割合が増加し、そして2010年代か2020年代には、少なくとも若い世代においては、ようやく男女平等が実現しました。1974年当時、ニューヨーク・タイムズの記者の内女性はわずか10%でした。2018年には職員の過半数が女性となり、現在では女性の割合は55%に達しています。

医学部では、2019年に女性が多数派となりました。2019年、全米の大学卒労働者の過半数が女性となりました。2023年には、大学教員の過半数が女性となりました。米国の管理職の過半数はまだ女性ではないが、現在46%なので、間もなくそうなるかも知れません。つまり、タイミングが一致しているのです。そして、多くの重要な機関で、男性多数派から女性多数派へと人口構成が変化したのとほぼ同時期に、「意識改革」運動が起こりました。

その本質もまた一致します。所謂「意識高い系」とは、男性的なものよりも女性的なものを優先する、つまり合理性よりも共感、リスクよりも安全、競争よりも結束を優先する事に他なりません。ノア・カールや、学術界における女性化の影響を考察したボー・ワインガードとコーリー・クラーク等、独自の「女性化論」を提唱した他の著者達は、政治的価値観における性差を示す調査データを提示しています。例えば、ある調査では、男性の71%が言論の自由を守る事は社会の結束を維持する事よりも重要だと答えたのに対し、女性の59%は正反対の意見でした。

最も重要な違いは、個人ではなく集団に関するものです。私の経験では、人にはそれぞれ個性があり、ステレオタイプを覆すような例外的な人物に毎日出会いますが、男女の集団には一貫した違いが見られます。統計的に考えれば、これは理に適っています。無作為に選ばれた女性が無作為に選ばれた男性より背が高い可能性はありますが、無作為に選ばれた10人の女性の平均身長が、10人の男性の平均身長よりも高くなる可能性は非常に低いでしょう。人数が多いほど、統計的な平均値に合致する可能性が高くなるのです。

女性同士のグループにおける力学は、合意形成と協調を重視します。男性は互いに命令し合いますが、女性は提案や説得しかできません。批判や否定的な感情をどうしても表現しなければならない場合でも、それは幾重にも褒め言葉で覆い隠さなければなりません。議論の結果よりも、議論が行われ、全員が参加したという事実の方が重要視されるのです。集団力学における最も重要な性差は、対立に対する態度です。端的に言えば、男性は公然と対立を仕掛けるのに対し、女性は密かに敵を弱体化させたり、仲間外れにしたりするのです。

バリ・ワイスはニューヨーク・タイムズ紙への辞表の中で、同僚達が社内スラック(=チャット)上のやり取りで彼女を人種差別主義者、ナチス、偏見者と呼んだ事、そして――これが最も女性的な部分ですが――「私と親しいと思われていた同僚達が、他の同僚達から執拗に嫌がらせを受けた」事を告白しています。ワイスはかつて、タイムズ紙の論説デスクの同僚にコーヒーを一緒に飲みに行こうと誘った事があります。人種問題について頻繁に記事を書いていたこの同僚は、ワイスと人種的背景の異なる女性で、彼女との同席を拒否しました。これは明らかに基本的なプロ意識の基準を満たしていない行為でした。また、非常に女性的でした。

男性は女性よりも物事を区別して考えるのに長けている傾向があり、所謂「意識高い系」運動は、多くの点で社会全体が物事を区別できなかった結果だったと言えます。従来、医師は時事問題について意見を持つ事はあっても、診察室ではそうした意見を口にしない事が専門家としての義務だと考えていました。医療が女性化していくにつれ、医師達は同性愛者の権利からガザ問題まで、物議を醸す問題に対する見解を示すピンバッジやストラップを身に付けるようになりました。彼女達は、政治的な流行にさえ自らの専門職としての信頼性を持ち出そうとします。例えば、人種差別は公衆衛生上の緊急事態であるため、ブラック・ライブズ・マターの抗議活動は新型コロナウイルスのロックダウンに違反して継続できると医師達が発言した時などがそうです。

私がこれらの謎を解き明かすのに役立った書籍の一つは、心理学教授ジョイス・ベネンソン著の『戦士と心配性:男女の生存戦略』です。彼女は、男性は戦争に最適な集団力学を発達させ、女性は子孫を守るのに最適な集団力学を発達させたという理論を提唱しています。先史時代の霧の中で形成されたこれらの習慣は、ベネンソンが引用する研究で、現代の心理学実験室の実験者が、課題を与えられた男性グループが「発言する時間を奪い合い、大声で反対し」、その後「実験者に解決策を陽気に伝える」事を観察した理由を説明しています。一方、同じ課題を与えられた女性グループは、「互いの個人的な経歴や人間関係について丁寧に尋ね合い、頻繁にアイコンタクトを取り、微笑み合い、順番に質問し合う」一方で、「実験者が提示した課題には殆ど注意を払いません」。

戦争の目的は二つの部族間の争いを解決する事にありますが、それは争いが解決された後に平和が回復されて初めて意味を持ちます。そのため、人々は敵対者と和解し、昨日まで戦っていた人々とも平和に暮らす方法を開発して来ました。霊長類においても、女性は男性よりも和解に時間が長引きます。これは、伝統的に女性同士の紛争は部族内で希少資源を巡って起こるものであり、公然とした紛争ではなく、ライバルとの秘密裏の競争によって解決され、明確な終結点が無かったためです。

これらの観察結果は全て、私が観察して来た「Woke」と一致していましたが、新しい理論を発見した喜びは直ぐに沈むような気持ちに変わりました。もし「Woke」が本当に「大女性化」の結果であるならば、2020年に起きた狂気の爆発は、未来に待ち受けるもののほんの一端に過ぎないからです。残された男性達が高齢化して社会を形作る職業から引退し、より若く、より女性化された世代が全権を握るようになった時、一体何が起こるか想像してみて下さい。





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Last updated  2026.04.27 11:51:10


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