マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2018.05.01
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~朝鮮半島の行方はいかに?~



 全ては平昌から始まった。朝鮮半島の分断国家の片方、北朝鮮がオリンピックへの参加を表明した時からだ。韓国の文大領領も好意的に受け取り、IOCのバッハ会長も快諾して、あっと言う間に流れが出来た。北からは美女応援団などが乗り込み、両国は友好を温めた。そのこと自体をとやかく言う必要はないだろう。たとえそれが、米軍の攻撃を恐れる若き将軍の恐怖から出発したとしても。



 そして過日、南北の指導者は板門店の会場で協議した。核の放棄を前提としてのものだが、究極的には休戦中の朝鮮戦争を終結に導く意思まで示した。だが北は、核の放棄とその過程を明確に示していない。また停戦は、国連軍の実質的な担い手である米国の意思を確認してはいない。だが、米朝協議に向けて、北の意思表示の一端と受け止めて良いのかも知れない。



 私は今回の動きを、冷ややかに見ていた。北はこれまでも国際的な約束事を何度も破った国。そしてその指導者は伯父や実兄を虐殺した人。核実験、核兵器、化学兵器の開発に狂奔する犯罪国家。それが偽らざる印象だ。かつて拉致被害者の遺骨と偽って、高熱で焼いた他人の骨を日本へ引き渡した国。だが、飢えた人民は生きながら餓死同然の暮し。それも世界の非難と、強硬な経済封鎖を受けた結果だ。



 しかし同じ民族同士とは言え、文大統領がよくも胸襟を開いたもの。彼は協議に先立ち、「大らかな気持ちで話し合う」と明言。南北統一を希求してのものだろうが、そこまで北を信用する気持ちが分からない。北は国境線を破り、南への地下トンネルをこれまで4度は掘っているからだ。南の艦船が北の砲撃で撃沈された過去もある。そして脱北者の大半が韓国に逃れて来ていると言うのにだ。



 北はこれまでとは全く変わったように感じる。その真意は果たしてどこにあるのだろう。世界を騙して経済封鎖を解き、また核開発にまい進するのではないのか。安倍総理が文大統領に託した、拉致問題と日朝協議についても、北の将軍は了承したようだ。そして強硬なトランプさんの反応も決して悪くない。その一方で、日米首脳の情報交換にぬかりはなさそうだ。



 今回の結果を歓迎する韓国国民が多かったようだが、その一方北とは妥協すべきではないとする国民もいた由。60年以上も国が分断し、同じ民族同士が憎しみ合って来たのだから無理もない。南北に別れて暮らす分断家族が多く、文大統領の両親も北朝鮮出身者と言うから、南北統一の願いは案外そんなところから来ているのだろう。



 国境の木橋の上に急遽しつらえた小さな丸テーブルで、31も歳が離れたこの2人は一体何を話したのだろう。「これ以上核に拘っていると本当に危険な結果になるよ」と年長の大統領が諭したのであれば嬉しいし、それを北の若者が謙虚に聞き入れたのであればさらに嬉しい。若き将軍のだみ声、いかにも不健康そうな体型、会場を一周した際のふらついた足取りが心配ではあるが。



 東アジアに位置する日本国民として、今回の事態に大いなる関心を持っている。犯罪国家が真っ当な国家へ直ちに変身することは困難としても、周囲に迷惑をかけない国家にはなってもらいたい。米朝協議の成功と日朝協議の成立、そして拉致被害者全員の帰国、さらにはアジアの恒久平和を心から願う。今回の事態が北の人民には正確に伝わっていないみたいだが、標準時は早速統一されたそうだ。う~む。





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Last updated  2018.05.01 07:17:11
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