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さて今日は久しぶりに 「株式投資本オールタイムベスト」シリーズ をお送りします。第24位は、
テンプルトン卿の流儀(ローレン・C・テンプルトン&スコット・フィリップス著、パンローリング社)
です。テンプルトン卿の兄の孫娘のローレン・テンプルトンとその夫のスコット・フィリップスが、生前のテンプルトン卿の言葉を散りばめながら書き上げた珠玉の1冊ですね。
テンプルトン卿はマネー誌に 「20世紀最高のストックピッカー(銘柄選択者)」 と称えられたまさに伝説的ファンドマネージャーであり、
強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観とともに成熟し、陶酔のなかで消えていく。悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である。
との名言であまりにも有名な 「逆張り投資の伝道師&国際分散投資の始祖」 です。 そして 「逆張り系優待族」を自認する私にとっては最も尊敬する投資家の1人 でもあります。また彼の投資成績は、
「ウォール街のランダム・ウォーカー」 の著者バートン・マルキールの「効率的市場仮説」が明らかに間違っていることの鮮やかな証明
ともなっています。
さてこのテンプルトン卿は1960年代に日本株に投資して大きな利益を得たことで知られていますが、この頃の日本市場は「株価の変動が並外れて大きい、情報が十分ではない。」ことから不人気の極みでした。しかし結局 TOPIXは1959年から1989年の30年間でなんと36倍にもなった のでした。ただこの頃にあまりにも日本株がファンダメンタルズに比して騰がりすぎたせいで、 「遅れてきた子供達」の我々が 「田んぼで水泳」 をするが如くに、今に至るまでずっともがき苦しんでいる わけですね。 ♪
そのテンプルトン卿の生涯の実際については本文をお読みいただくとして、今日は彼の名言を本文中からいくつかピックアップしておきましょう。
想定される価格の8割引で売られていなければ掘り出し物と言えない
(テンプルトン卿は生涯ドケチの正真正銘のバーゲンハンターだった。92歳だった2005年には韓国の起亜株で5000万ドル以上の利益を上げ、また実際に起亜の自動車のクオリティに感銘を受けていたので代理店に出かけ実物を見て感心したが、結局買わずに店を出てきた。その理由は 「私には高すぎる。」 だった。その後彼が車を欲しがっていたことを知っていた長年のアシスタントに説得されてしぶしぶ車を買ったのだが、巨大な成功を収めてもなお倹約好きの消費行動が変わる事はなかった。)
皆、私に見通しが有望な銘柄はどれかと聞く。だがその質問は間違っている。本当は、 見通しが一番暗い銘柄を聞かなければならない。
英語で最も高くつく四語は 「今回は違う (this time it‘s different) 」 だ。
ウォール街に血が流れている時こそ最高の買い時だ。たとえ自分の血が混じっていてもこの原則は変わらない。
この本は最高 です。 逆張り系の投資家を自認する方であればどうしても本棚に入っていなくてはならない でしょう。 ただ 不思議なほど、異常なほどに知名度が低い んですね。 テンプルトン卿が生涯を賭けて愛した不人気の低PBR銘柄の如く、この本の評価も著しく不当な低PBRに甘んじている ということでしょうか? 未読の方は是非。
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