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かねてから、市場が真に効率的でないなら、その非効率性を突くような体系的な戦略が存在し、巨額の利益を一瞬で上げられるはずだと主張する金融経済学者はたくさんいた。その市場に勝つことのできる神話みたいな億万長者は、いったいどこにいたのだろう。
彼らは私たちの目と鼻の先にいた。その名もヘッジファンド・マネージャー。
ミッション・インポッシブル
効率的市場仮説は投資家にとって諸刃の剣だ。市場が真に効率的なら、どんなに分析しても、投資家が市場に勝つのは無理だ。なら、インデックスファンドに投資すればいいんじゃ? 今やインデックスファンドとパッシヴ投資は金融界の風景の大部分を占めている。効率的市場仮説もずいぶんと出世したものだ。
でも、効率的市場仮説はどうも釈然としない逆の意味もはらんでいる。どんなに分析しても市場に勝てないとしたら、イングランド銀行を打ち破ったジョージ・ソロス、住宅バブルの崩壊に賭けて2007年から2008年に200億ドルの利益を上げたジョン・ポールソン、常に市場に勝ち続けているヘッジファンドを運用するコンピュータ科学者のデイヴィッド・ショーや数学者のジェイムス・シモンズの並外れたキャリアについてはどう解釈するのか?
彼らはたまたま「幸運」だったにすぎない、というのが効率的市場仮説の標準的な説明だ。
でも、彼らのような大成功したヘッジファンド・マネージャーの並外れた実績をつぶさに調べてみると、ほかの何かが起きていると考えざるを得ない。
摩擦のない理論上の極限状態において、適応的市場仮説はひとつの特殊な例として効率的市場仮説を含んでいる。しかし、現実問題としては、この極限状態に到達することはまずありえないし、たとえあったとしても、普通はその極限状態が長く続いたりはしない。
今日の金融市場は、完璧に効率的な市場という理論上の最終状態からは程遠い。現に、ウォーレン・バフェットからジェイムス・シモンズまで、錚々たる顔ぶれの投資家たちが、まったく異なる投資戦略を用いながらも、効率的市場仮説のイチオシであるインデックスファンドをはるかに凌ぐ利益を一貫して上げている。
だからこそ、ヘッジファンドは適応的市場仮説が機能しているという理想的な実例であり、効率的市場仮説との違いをリアルタイムで映し出す鏡であるといえる。
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