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さて今日は株式投資本オールタイムベスト130位
間違いだらけの投資法選び(ラリー・E・スウェドロー著、パンローリング、2002年)
の第3弾です。
今日は、間違いその9 投資判断の過ちを認めることを避けていないか? から。
行動ファイナンスでは、平均的な人はリスクを非常に嫌うことが分かっている。例えばこれまでの調査で平均的な人をコイン投げのような公平な賭けに誘おうとしても、少なくとも2対1くらいの勝率にしなければ乗ってこないことが分かっている。
また、損失の痛みは、同額の利益がもたらす喜びの倍以上に感じられることも分かっている。人間のこういった行動上の特性は、「後悔回避」と呼ばれている。
個人投資家は、自分の投資判断の過ちをなかなか認めたがらない。
ラスベガスでクラップス(サイコロの目を当てるゲーム)をするギャンブラーと同じで、投資家も収支がトントンになるまで勝負を続けようとする。これまでに「買値まで戻したら売る」と自分で言ったり、人が言うのを何度も聞いたことがあるだろう。
しかし、避けていても事実は変わらない。それどころか、後悔回避は2つの過ちにつながる。まず、ある資産を保有するかどうかは、ポートフォリオ全体の資産配分を考えて決めるべきで、その証券を買うために支払った金額は保有し続けるかどうかの指針にはならない(税金対策以外)。
それよりも、もしその株を持っていなかったとしたら、自分のポートフォリオに適した銘柄として今の価格で買うかどうかを考えなくてはいけない。もし、答えが「ノー」なら、今すぐ売るべきなのである。資産を保有しているということは、毎日その日の価格でその資産を買う決断をしているのと同じことになる。
このスウェドローの、「
もしその株を持っていなかったとしたら、自分のポートフォリオに適した銘柄として今の価格で買うかどうかを考えなくてはいけない。もし、答えが「ノー」なら、今すぐ売るべきなのである。」と言うのは、シンプルですが非常に役立つ考え方です。
皆様もこの視点で一度自分のポートフォリオを見直してみてください。「あれ、自分はなんでこんなの持ってるんだろう。?」と感じる銘柄が続出すること請け合いですし、一気にポートフォリオの戦闘力を改善できる魔法のやり方でもあります。(笑)
後悔回避がもたらす2つ目の過ちは、もし課税対象の口座に大きな含み損を抱えているのに売らない場合で、税金面から見てもすぐに損切りすべきである。
後悔回避心理が引き起こす投資活動の停滞は、ポートフォリオの税金対策も必勝戦略の非常に大きな部分であることを思い起こすことで防ぐことができる。ポートフォリオに儲かる資産だけを入れておくことができればそれが一番だが、現実には損切りして税金面の優遇措置を利用することも必勝戦略の一部なのである。
持ち株が上がればそれを逃さないために迅速に利益を確定し、下げればトントンに戻るまで必死に我慢するというのは投資初心者に非常によくある行動です。その結果として、投資初心者のポートフォリオと言うのは往々にして「含み損だらけの危機的な状態」に陥りがちです。
こうならないための初心者脱出のきっかけとして、「損切りをすれば税金が戻ってくる。つまり得をするのでやった方がいいのだ。」という考え方はとても実践的で有用と思いますね。(続く)
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