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テンプルトン卿の流儀(ローレン・C・テンプルトン&スコット・フィリップス著、パンローリング社、2010年)
のまさかの追加書評をお送りします。
テンプルトン卿の兄の孫娘のローレン・テンプルトンとその夫のスコット・フィリップスが、生前のテンプルトン卿の言葉を散りばめながら書き上げた珠玉の1冊ですね。
ちなみに、未読の方はこの機会に是非
第1弾
もご覧下さい。
それでは数年ぶりとなる第2弾を早速始めましょう。
今日は最高の出来である第2章 悲観の極みのなかで最初の取引 から。
時は一九三九年。一九三五年から一九三七年にかけて景気後退が一時中断したものの、米国経済は一九二九年一〇月に始まる不況のさなかにあった。
一九三八年には過去二年間の景気回復が一時的なものだったことが明らかとなり、経済は再び不振に陥った。追い打ちをかけるように欧州では全面的な世界戦争の可能性が高まり、不安は一層大きくなった。
さらに欧州ではナチが欧州侵略に向けた動きを開始し、個人の自由意志を包む暗雲が行く手に見えていた。当然ながら、そうした状況はすべて米国株式市場に反映されることになった。
一九三〇年代は株価が最大の変動を見せた一〇年となった。
図2.1 ダウ平均(1926~1940年)
上のチャートを見ると、1937年から翌年にかけてダウ平均が最大で49%も下落していることが見て取れます。もしも当事者として参加していたら、「おもらし専用のパンパースと、込み上げる胃液用のゲロ袋」が何枚あっても足りない、阿鼻叫喚の地獄絵図を身をもって体験することになっただろうな、という相場ですね。
さてこの地獄の真っ只中の1939年の相場で、テンプルトン卿の、今では伝説となった「ボロ株バルク買い」プロジェクトがさく裂することとなります。次回はその「歴史的な瞬間」の実際を一緒に見ていくことと致しましょう。(続く)
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