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さて今日は株式投資本オールタイムベストシリーズです。
第134位は、「株で200万ドル儲けたボックス理論」の原理原則(原題:You Can Still Make It In The Market、ニコラス・ダーバス著、パンローリング、2019年)
です。
ちなみにダーバスは1920年生まれで1977年に亡くなっています。そしてこの本は1977年の出版なので、彼の最終作&遺作という事になります。
彼の第1作&永遠の名著として褒め称えられている1960年作の 「私は株で200万ドル儲けた」
ではまだ粗削りだった「ボックス理論」がより洗練された形で分かりやすく言語化されており、「ダーバス理論の集大成」とも言える珠玉の1冊です。
監修者である長岡半太郎氏が、「素晴らしい相場書に仕上がっている。」と絶賛されているのも良く分かります。
ところで、この本を読み終えた私には「解けない大きな謎」がずっと、今に至るまで横たわっています。本書中の記述から、ダーバスは少なくとも1976年には滅茶苦茶元気で、快活で、頭も書く文章もキレキレ(彼には明白な文才がある)であり、とてもその翌年の1977年に死去するとは思えないのです。
ところが、1説によると晩年のダーバスは「ロンドンの貧民街」で目撃され、全てを失って失意のうちに世を去ったのではないか?とも言われています。ただネット上で様々な情報に当たったのですがその真偽はどうしても判然としませんでした。また ウィキペディア
を見ても、シンプルに「1977年に死亡した」と書かれているだけでそれ以上の情報はありません。詳細を御存じの方がいらっしゃたら、是非教えてください。
1976年にこれだけの本を書ける凄まじい力量があったダーバスが、その翌年に貧民街で亡くなるなんてことが本当にこの世の中にあるのだろうか?と私はずっと思い続けているのです。
ただ、 モメンタム投資手法
の「始祖の巨人」であった伝説の相場師 ジェシー・リバモア
もすべてを失ってピストル自殺した1941年の前年である1940年に唯一の自筆著であり傑作でもある 「リバモアの株式投資術」
を書いていますし、もしかすると1976年のダーバスも内情は火の車で苦しんでいたのかもしれません。
そもそもモメンタム投資手法は、完成者である ウィリアム・オニール
の公式 「CAN-SLIM」
のMが示す通りで、Market Direction=株式市場の方向を見誤るとうまくいかないという欠点を持つ手法です。
そしてダーバスが亡くなった1970年台の後半は株式市場は決して好調であったとは言えず、もしかするとダーバスは最期に相場の高波にさらわれてしまったのかもしれません。
ただいずれにせよ、このダーバスの遺作は「洗練されたモメンタム投資手法の教科書」として眩いばかりの閃光を放っています。彼の本当の最期がどの様なものであったにせよ、この本のエバーラスティングな価値を減じるものでは全くありません。
それでは次回からは、「ダーバス最期の、命を賭した傑作」の神髄を一緒に味わっていきましょう。この本、マジで凄いですよ。(続く)
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