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ニースを中心に、コートダジュールの村を訪ねたいと思う方は多いと思うのだが・・・
その際は、大いにバスを活用しよう!
今回ニースに行って驚いたのは、路線バスの安さとタクシーの悪質さ。
まずカーニュ・シュル・メールという町からニースに行くのに、「バスなら1ユーロ」と聞いて、
はっ? そんなに安いの?
とビックリ。カーニュ(Cagnes)からニースまではバスで30分かかるのに、1ユーロですむとは。
しかし、しかし。
ニースからエズ村に行っても、ニースからマントンに行っても(ニースからマントンまでバスだと、渋滞もあって正味1時間半ぐらいかかってしまうのだが)、やっぱり1ユーロだった。
ニースのバスターミナルは、鉄道駅とは離れたところにあるが・・・
http://www.lignedazur.com/ftp/plans_FR/Nice%20Centre%202010prot.pdf
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こちらの地図参照。SNCFが鉄道駅、赤いぶっとい線がトラム。下の囲みの拡大図のGare Routie'reが近郊の町へ行くバスターミナル。
逆に言うと、感じのよいホテルが立ち並んでいる海岸沿いのプロムナードザングレからなら、東行きならだいたいどのバスに乗ってもバスターミナルの中(長距離バス)、あるいはそのすぐそば(市内バス)まで行くので、とても便利なのだ。
海を眺められるプロムナードザングレにホテルを取り、バスを活用して近郊の町を回る・・・というのがMizumizuのお奨め。なんなら、大きな荷物をニースのホテルに預けて(ホテルのランクによるかもしれないが、ふつうは別に何日預けようとタダ)、1泊分の荷物だけもった身軽なカラダで、ひなびた町の感じのよさそうなホテルに1泊してきてもいい。
ニース市内を走るバスはミニバスが多いが、近郊の町まで行くバスはとっても立派。問題は本数。ほぼ20分に1本と、非常に頻繁にある路線(ニースからマントン行き、あるいはニースからヴァンス行きなど。ヴァンス行きに乗れば、ルノアールの家のあるカーニュやサンポールなどの村へも行ける)と、1時間~2時間に1本とあまり便のないバス(ニースからエズ、あるいはカーニュのルノアールの家を通る市内バス)の差が激しいこと。
逆に空港行きのバスや在来線の駅とTGV駅を結ぶバスなどは割高。通勤などの生活路線は安く、旅行に使う路線は割高ということか。実に徹底している。
カーニュの村では無料の循環ミニバスまであった(こういうバスは観光名所のルノアールの家には行かない)。
しかし・・・
1駅乗っても70分(だったかな? 基本は)乗っても、バスが1ユーロというのは、いくらなんでも受益負担の面で不公平だと思うのだが。
通勤などに使われる生活路線のバスを1ユーロに抑えるというのは、一種のセーフティネット、つまり社会保障の一部という考え方なのかもしれないが、あんな豪華なバスに乗客を1ユーロで1時間も乗せたら、利益なんてモチロン、当然、はなっから出るわけない。
こうした住民サービスは当然税金でまかなわれる。杉並区にも「すぎまる」という短い路線の循環ミニバスがあるが、これだって一応100円を取ってる(もちろん、それで利益が出るワケはないのだが)。
ニースの住民向けバスのサービスは杉並なんてもんじゃなく手厚い。
で? バス運行会社の労働者がまた「賃金上げろ」とストをやってゴネたら、その希望をかなえるためには、結局はさらに税金を突っ込まないといけなくなると思うのだが?
フランスのバス会社は、鉄道ほどには運営形態が複雑ではないかもしれず、経営母体がスリムなら、「やりくり」はある程度可能なのかもしれないが、それにしたって、乗る側が、「1ユーロで乗せろ(どうもニースのバス・トラムの初乗り運賃は1ユーロに「値下げ」されたらしいのだ。1駅でも1ユーロ超と考えると、確かに高い)」、働く側が、「もっと賃金よこせ」とお互いにエゴったら、行き着く先は税金での穴埋めしかないワケで、そうなるとこうした住民サービスにかかる費用はどんどん上がる。フランスの行政がどういう打ち出の小槌を持っているのか知らないが、国民の税負担と住民サービスのバランスをどうやって取るのか、これからも取り続けることができるのか。
選挙で政権交代させてから、1年もたたないうちに国の借金が7兆も8兆も(もしかして、もう9兆いってますか?)増えてしまったアホな国の人間が心配するのもおこがましいが、フランスの社会保障政策には、どうもある部分で行き過ぎ感があり(そのわりには、猛暑でお年よりがバタバタ亡くなるのをどうにもできなかったことなど、日本人からすれば「なんですぐにエアコン入れることさえできなかったの? 本気になればエアコン設置工事なんて数時間で済むじゃん」と思う部分も多いが)、「大丈夫か? 一体、こんなこといつまで続けられるの?」と疑問をもたずにはいられない。
フランス人と日本人は考え方や価値観が180度近く違うので、社会のコンセンサスの作り方も国の運営の仕方もまるで違うのだが、国民が「そこそこの暮らしができている」という部分では共通している。
だが、増大するばかりの対住民サービスの財源をどうやって持続的にまかなっていくつもりなのか。どちらの国の現状も、古代ローマ帝国末期のようだ。国の財政を見ると、先進国で日本ほど悲惨な国は少ないが、日本の場合は、まだ国民のほうはお金をもっている。貧困層が増大しているといったって、まだまだ世界的に見ても日本は貧富の差は少ない国だ。
日本では、フランスのプラスの面ばかりを強調してメディアが伝える傾向があるが、頻発するストで蒙る一般市民の迷惑を考えたって、日本のほうがマシな部分も多いのだ。日曜日に店の多くが開かない不便さを、そもそも日本人が我慢できるだろうか?
今日もテレビで、現政権の子供手当てに対する日本国内での批判をかわすためなのか、出生率を回復させたというフランスの子供手当て政策のプロパガンダ番組をやっていた。
「3人産めば、仕事をしなくてもいいくらいの手当てが国からもらえる」というフランスの現行政策を聞いて、「それはちょっとおかしいんじゃないの?」と思わないとしたら、実にどうかしている。こういう政策を取ったらどうなるか? 子供をせっせと産んで、さらにせっせと働いて税金を納める? もちろん、そういう真っ当な親もいるだろう。
だが、「子供たくさん産めば、手当てが増えて働かなくてもよくなるじゃん」と考える輩だって出てくるハズだ。子供は親の背中を見て育つ。こういう親が育てた子供がどうなるか。フランス人だって批判している人は多い。子供を産めない人だっている。ただ、日本のメディアがこの政策による負の側面や反対意見を伝えないだけで。出生率が上がったからといって、国にタカる人間を増やしてしまえば、そのツケはあとから社会全体が払うことになる。そんなことさえ予想できないのか?
とにかくフランス人は、つまらないことでもやたら自慢する傾向がある。10%のインテリが作り上げた文化大国フランスのイメージに惑って、フランス人になろうとしたって、無理ってものだ。日本人は日本人。それ以上でも以下でもない。フランス人も日本人も気位が高いが、プライドの持ち方が正反対といってもいいくらい違っている。彼らと同じ価値観を持てといっても無理だし、そんなことをする必要などないのだ。
ニースで思ったのは、この安すぎるバスがタクシーのような民業への圧迫になっているのでは、ということだ。
ニースのタクシーの悪質さには、心底たまげた。
http://4travel.jp/overseas/area/europe/france/qa/16772/
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こちらの、「タクシーはメーターがテープで隠されていたりするので、バスで行きたい」という日本人観光客のコメントを読んで、「はて? なんのことじゃ?」と思ったのだが、行ってみて納得。
とにかく、ニースでタクシーは使いたくない。どこでもバスで行きたいし、実際にほとんどどこでもトラムとバスで行ける。
Mizumizuがニースでタクシーに乗ったのが1度、ニースの隣町のヴィルフランシュ・シュル・メールで乗ったのが1度。どちらもトンデモだった。
まずはニース。夕方Masse'na広場の北のギャラリー・ラファイエットで買い物して、Mizumizu母が疲れていたようなので、プロムナードザングレのホテル(ウェストミンスター)まで、距離にしたら500メートルちょっとぐらいなのだが、軽い気持ちでタクシーに乗った。
それまでもタクシーは使っていたが、メーターは2.9ユーロから始まって、日本に比べると割安感があった。ニースでは距離も近いから、せいぜい6ユーロぐらいですむだろうと思ったのだ。
タクシー溜まりで乗ったタクシーの運転手は女性で、英語を話し、結構お調子がいい。メーターを動かし始めてから、「日本人?」かなんか聞き、さらにゆっくりしたモーションで(笑)エンジンをかけて、ようやく発車。
あとから地図で見たら、ホテルまでの最短ルートは、Liberte通りからBuffa通りを直進し、一通のCongre's通りでプロムナードに出て、西へ行く。これならホテルの目の前にすぐつけられるのだが、オバちゃんの取ったルートは、Liberte通りからBuffa通りを直進、ホテルのあるブロックを過ぎて、一通のRivoli通りからプロムナードに出、わざわざホテルとは反対車線の東行きの道を走り、ホテルを過ぎたところで、ユーターンするという実に無駄なルート。
反対車線からユーターンするだけで、待っている時間が長いのでメーターが1ユーロ分ぐらい動いた。その間も、「お母さんに、着いたら左側のドアを開けないように言って。とても危険だから」と、変に繰り返す。
それでもホテルの前に着けたとき、メーターは8ユーロだったのだが、「10ユーロ、プリーズ」と平然と言う。
は? メーターは8ユーロじゃん。
「ミニマム、10ユーロ」と、これまた当然のごどく言い放つオバちゃん。おいおいおい、タクシーのミニマムレートは2.9ユーロでしょ。遠回りしたあげく、2ユーロ切り上げるとは、なんつーコスい奴や。
ニースのあとは、ヴィルフランシュまで荷物を全部持って移動しなければならない。ヴィルフランシュのホテル(ウェルカム)のパンフには、「ニースからタクシーで40ユーロ(ただし荷物による)」と書いてあったのだが、ニースの道は混むし、こんな様子じゃ、ヘタしたら60ユーロぐらい取られるかもしれない。
よし、ヴィルフランシュまでバスで行き、バス停からちょっとだけタクシーを使ってホテルに行こう――そう話し合ったMizumizuとMizumizu母。
だがだが、
ヴィルフランシュのタクシードライバーは、さらに悪質だったのだ!
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